お盆も終わりかけという日の夜、GBNにログインしたわたしは今日も海に来ていた。
とは言っても、目的は海水浴ではない。
「おりゃあぁぁぁ!!」
いかにも南国の島といった雰囲気の浜辺で、上半身と下半身がそれぞれ白と赤に塗られ、その赤い下半身が魚の尻尾になった"人魚"のような姿のディープフォビドゥンを手持ちのロングブレードライフルで縦に両断する。
「よしっ。取り巻きは片付けたし、あとはあのデカブツだけ…!」
最初は2機いた人魚型のディープフォビドゥンを撃破したわたしは、目の前に立ちはだかるこれまた下半身が人魚になったデストロイガンダムへと視線を移す。
「さぁ、今日こそ"七色のうろこ"を落としてもらおか!」
わたしの目的は、今攻略している期間限定のミッション、『人魚の島の伝説』のボスであるこの人魚型デストロイを倒すと稀にドロップするレアアイテム、"七色のうろこ"を手に入れることである。
GBN内でかなりの高値で取引されている他、ダイバールックにつけるアクセサリーにもできるので是非とも欲しいのだが、暇さえあればこのミッションをやっているのにも関わらず、まだお目にかかれずにいた。
「まずは駆けつけ一杯、これでも食らえ!」
わたしは挨拶代わりに、人魚型デストロイ目掛けて両肩のインパルス砲とロングブレードライフルを斉射する。
その攻撃を腕に装備されている陽電子リフレクターで難なく防いだ人魚型デストロイは、反撃とばかりに両手のビーム砲と胸部スーパースキュラ、口部のツォーンMk2をこちらに向けて撃ってくる。
わたしはそれを左腕のシールドを前に突き出しつつ、斜め上にジャンプして回避する。
「もう何回目かわからんけど、相変わらずの火力やな…!
これはお返しや!」
手持ちのロングブレードライフルの銃口からZガンダムやリゼルのビームライフルと同じ要領でビーム刃を展開し、わたしはそれを人魚型デストロイへと思いっきり投擲した。
人魚型デストロイはさっきと同じように腕の陽電子リフレクターで防御しようとするが、陽電子リフレクターのビームシールドには"レーザー対艦刀のような実体部分を持つビーム斬撃武器に弱い"という特徴があるため、わたしが投擲したロングブレードライフルは遮られることなく、そのまま人魚型デストロイの腕に突き刺さり、ビームシールドの発生器を破壊する。
「よしっ!
火力全開、いっけぇぇぇ!!」
腕のシールドを破壊された反動でよろけた人魚型デストロイに、わたしはすかさずレヴィアタンに装備している全ての射撃武装の一斉射を叩き込む。
残ったほうの腕の陽電子リフレクターでの防御も間に合わず、レヴィアタンの最大火力をまともに受けた人魚型デストロイは、機体のあちこちを爆発させながらテクスチャの塵になって消えていった。
あとは"七色のうろこ"がドロップしてくれていれば…。
「…あっ、出てる…!」
人魚型デストロイが消えた跡を注視していると、七色に光り輝く小さな物体が残されていた。
間違いない、"七色のうろこ"だ。
そろそろこのミッションも受注期間が終わってしまうので、もう諦めかけていたのだがようやく出てくれた。
わたしがそれを回収するため、ドロップした場所に近づこうしたその時、後ろからいきなりビームが飛んできた。
「えっ…?」
わたしは咄嗟のことで回避が遅れ、右側のインパルス砲に被弾してしまった。
体勢を立て直して後ろを振り向くと、そこにはいつの間にか黒と赤のツートンカラーに塗装されたガンダムスローネツヴァイと、スローネツヴァイと同じカラーパターンの黒とピンクのスローネドライが立っていた。
スローネツヴァイの方は腕のGNビームハンドガンを構えているので、わたしを攻撃したのはおそらくそちらだろう。
「そこのお姉さんさぁ。
悪いんだけどその"七色のうろこ"、オレらに譲ってくんない?」
「…はい?」
いきなりこちらを攻撃してきたスローネツヴァイのダイバー、チームトリニティのコスチュームに身を包んだいかにもチャラそうな青年はそんなことを言い出した。
た○こやき すき○き ケ○ブに〜