ガラルでヒスイゾロア(色違い)に転生したからユウリの相棒として頑張る 作:ゴーストタイプ愛好家綺羅
新種ならわたしが名前決められるよね、なんて名前にしようかな……
思わず撫でたくなるような、なめらかで深い灰色の毛並み。
なにより特徴的なのは、頭と首、そして尻尾の毛先だ。根元は汚れ一つない雪のように真っ白で、そこから先端にかけて鮮やかで冷たい青へと綺麗なグラデーションを描いてる。まるで人魂のようにゆらゆら立ってるその毛には思わず目を奪われてしまう。
・・・だめだ、なんにも思いつかないよ。
わたしは殻を掃除しながら今後のことを考える。
孵るのすごく楽しみにしてたし後でホップに見せてからソニアさんや博士に聞きに行こう。
殻の掃除が終わり、この子を起こさないようにゆっくり膝に乗せて優しく撫ではじめる。
もふもふしている毛は見た目に反してひんやりしてた。
それにしてもかわいい! 本当は抱きつきたいけど起こすのは可哀想だし、頑張ってこらえてる。
◇ ◇ ◇
[主人公が「」の中で文を話したりしますが実際にはキュッ!とかキューとかキュイ!とかしか言ってません、主人公はユウリの言葉を理解できますがユウリは主人公の鳴き声の意味はYesかNoかは分かる程度です。
にしてもやっぱりゾロアって可愛い!by愛好家]
目を覚ますとなんと今回は少女に撫でられていた。
僕はびっくりして飛び起き、すぐに距離を取る。
「はじめまして、わたしはユウリ! これからよろしくね!」
やっぱりユウリなんだね…… 僕の考えは正しそうだ。
少女改めユウリはこっちに来るように手招きする。
「嫌だ! 絶対に行かない!」
だが僕はなかなか応じない。この感じはあっちへ行ったら僕は撫でられるか抱き締められるからね。
一部の人は喜ぶかもしれないが、享年(仮)十五歳の僕からしたら同い年に撫でられているようなものだ。膨大な羞恥心と尋常じゃない屈辱が襲ってくる。
ユウリはちょっと困った様に言った。
「人に慣れてないのかな…… それかやっぱり撫でるの下手だった?」
嬉しくて喜んでたのもあってか、基本ポジティブで明るいユウリでも初めてのポケモンに距離を取られるのは傷付くらしい、ユウリは見るからに悲しそうだ。
「そ、そんな顔されても行かないからな!」
ユウリの目にはだんだん涙が浮かんでくる。相当心にきているようだ、これには流石に迷いが生じてしまう。
その間にも少しずつ事態が悪化していく。
「くっ、殺せ!」
僕は幼稚なプライドを捨てた。
◇ ◇ ◇
「ホップー! タマゴが孵ったよ!」
わたしはこの子を抱えて近所のホップの家へ向かった。
「ようやくか! おお、すげぇかわいいな! 一体なんのタマゴだったんだ?」
「それがね、この子図鑑に載ってなかったんだよ、」
「載ってなかった? ってことはそいつは新種なのか!?」
「そうかもしれないから、後でソニアさんとかに聞きに行くんだ。」
ソニアさんは博士のお孫さんで博士の助手をしている人なんだ! とってもポケモンに詳しいから何か知ってるかも。
「俺もついてくぜ! とりあえずユウリ、そいつ撫でさせてくれ!」
「あ、うん。」
タマゴを孵したわたしでさえ起きてる所を撫でるのにちょっと苦労したんだ。ホップはそう簡単には撫でられないだろうな〜。
そんな事を考えながらホップに渡した。
「あはは! こいつ大人しいな、撫でても全然嫌がらないぞ!」
え? どうして? どうしてホップが撫でても平気なの? 最初にわたしが撫でたときは逃げられたのに?
落ち着いて、きっと人に慣れただけのはず。さっきわたしが撫でたときも結局心地よさそうにしてたし。
「ゆ、ユウリ? どうしたんだ、そんな怖い顔して?」
「なんでもないよ。早くソニアさんに見せに行こう。」
◆ ◆ ◆
わたし達はソニアさんに会いにマグノリア博士の研究所に向かった。
「あら、ユウリにホップじゃない! 二人ともどうしたの……ってその子は?」
「キュイ!」
「実はカクカクシカジカで、この子についてなにか知らないですか?」
わたしはタマゴを拾ったこと、孵ったポケモンが新種かもしれない事などをソニアさんに話した。
「なるほどね。この子自体は知らないけど……似たようなポケモンなら知ってるわ。」
「流石ソニア!博士の助手なだけあってものしりだぜ!」
「あらホップ、おだてても何もでないわよ? ちょっと待ってね。」
ソニアさんはスマホロトムを操作してあるポケモンを見せてくれた。
「ゾロアって言うポケモンなんだけどその子とそっくりじゃない?」
ソニアさんが見せてくれたのは紫がかった灰色の毛並みに赤い毛先。
配色こそ全く違うけど、全体的な形や毛先の色が違うことなどの共通点が沢山見られる。
「すごく似てる! ソニアさん凄い!」
「ということはこいつはリージョンフォルムでガラルゾロアってことですか?」
ソニアさんはユウリに褒められて若干照れながらホップの質問に答えた。
「ふふふ、実はそういう訳でも無くて、本島には生息していないけどガラルの一部の島には生息しているのよ、だからガラルの姿って訳ではないと思うわ。お婆さまなら何か知ってるかもしれないけど……、今は珍しく外出してるから居ないのよね。何か分かったら連絡するわね!」
「わかったぜ! ありがとうソニア!」
「ソニアさん、また今度!」
「キャン!」
◇ ◇ ◇
ヒスイの姿ってことはまだわかってない様だけどゾロアに近いポケモンってことは伝わったようだ。呼び名もこの子じゃなくてゾロアになった、ソニアさんありがとう!
「ゾロア〜! ご飯だよ〜。」
「はーい!」
僕は急いでユウリのもとへ走った。
ポケモンフードって案外美味しいんだね、某超マサラ人も美味しそうに食べてた気もするし。
人のプライドを捨てきったゾロアであった。
おまけ
ホップに撫でられていた時
「キューン!」
(ホップなら別に撫でられてもいっか!男だし!)
「あはは! こいつ人懐っこいな!」
「……。」
なぜだろうか、なんだか冷や汗が止まらない。
次回やっと初ポケモンバトル