こんな所でよろしいでしょうか?
ご笑納ください。
モモンガ以外にナザリックの神々が次々追加された周辺諸国の反応
法国の反応
「我々は、六大神を崇めてきた。
それぞれに神殿を建てて、巫女を用意した」
「うむ……」
「しかしスルシャ……いや、アインズ・ウール・ゴウン様は、他に40柱もの神々を連れて戻られた。
世界を渡る途中ではぐれてしまって、まだ全員が集まっていないとのことだが……」
「ああ……」
「まず41柱の神々を『六大神』『八欲王』などと同じくまとめて呼ぶ名称をどうするか。
この問題は、従属神の方々がすでに口にしておられた。
すなわち『至高の41人』あるいは『至高の御方々』と」
「ならばそれをそのまま使わせていただけばよい。
問題は次だろう?」
「……41もの神殿を建設する費用をどうするか。
それに、姿が分からない神々の神像をどうやってご用意するか……」
「「うーむ……」」
神を信奉する国家として存在する法国が、神々を祀る神殿をちゃんと用意していないなんて、そんな事があってはならない。事は国是に関わる。国家としての根幹部分といっていい。
ゆえに「作らない」という選択肢は存在しない。
だが、たとえばパルテノン神殿の建築費用は1億ドル相当とも言われる。当然粗末な神殿であってはならない。規模を落とすなんて不可能だ。それを41も作るとなれば、法国といえども、気軽に「じゃあ作るか」とは言えない金額である。
「……ひとまずスルシャーナ様の神殿を、アインズ・ウール・ゴウン様の神殿として改める方向でどうだ?
もともと同一の神を祀るのだし、ダメではないだろう。神像は新しくした方が良いだろうが……。
他の40柱の神々については、費用と土地を用意できたら順番に……という事で」
「いささか不敬ではあるまいか?」
「しかし費用がなければどうにもならぬ。
それに、実際に活動を示しておられるのはアインズ・ウール・ゴウン様のみ。
他の40柱の神々は、まだ集まっている途中で、何もしておらんのだろう?
実際に活動して守護する姿を見せてくださるのだから、信者たちもアインズ・ウール・ゴウン様の神殿に集中していくだろう。
六大神の神殿のうち、5つはそれで転用できるはずだ」
「いずれは廃れて、そうなるだろうな。
そして残る35柱の神々については、また追々……ということか」
「神殿の転用が出来る頃には、どなたを祀るべきか、活動も示してくださるだろう」
「数が合わなくて苦労する羽目にならねば良いがな」
「41の神殿を用意する計画と、費用の準備だけは始めておこう」
◇
帝国の反応
「至高の41人か……」
ジルクニフは天を仰いだ。
はらり、と髪が散る。
目撃した天地改変。カッツェ平野をまるごと溶岩地帯に変えてしまった大魔法。
都市部に使われたらひとたまりもないが、連発できないのであれば脅威度は限定的だ――その想定が崩れた。
41人で代わる代わる撃ち込まれたら、帝国なんてハナクソである。
「……ははは……」
乾いた笑いしか出ない。
事ここに至って、ようやくジルクニフは完全に諦めた。
万一敵対された場合に備えて……などと考えるような相手ではないと理解した。
「幸い奴らは、君臨するだけで統治する気がない。
全生命と環境の保護だったか……それさえ守れば干渉してこないはず。王国併呑の夢は断たれたが、奴が言った通り内政に専念するのも悪くはない。富国強兵はやるべきだしな」
「捜索中の2人は、すでにナザリックに帰還したとの情報もあります。
今後は、他の神々の捜索をおこないますか?」
「いや、ロウネ。それは打ち切りだ。
奴らの保護を必要とするほど帝国は弱くない。
干渉してこないのなら、奴らに協力するメリットはないからな」
「竜王国などと違って、周囲に外敵らしい外敵もおりませんからな。
俺達としちゃあ、腕が鈍らないように頑張らないと」
「ああ、バジウッド。活躍の機会はなくても備えは怠るな。頼むぞ。
まあ、役立つ機会など無いだろうがな……」
「陛下……そりゃ、どっちの意味で?」
敵が現れないから?
現れたら勝てないから?
「……ははは……」
ジルクニフは片手で目を覆って天を仰ぎ、乾いた笑いをこぼした。
はらり――また髪が抜ける。
◇
竜王国の反応
「至高の41人か」
ドラウは満足げに頷いた。
ビーストマンは攻めて来なくなった。竜王国の被害は甚大だ。復旧・復興には時間がかかる。しかし単独でも竜王国を救ってみせた神が、他に40柱もの仲間を引き連れている。
「我が国は安泰だな。竜王国の民に幸あれ!」
酒瓶を掲げてあおるドラウ。
神への信仰という精神的支柱も得たことで、もう幼女形態になる必要もなくなった。ねっちょりした視線を送ってくるセラブレイトを「何としても竜王国に引き止めなくては」という状況も終わった。
ゆえに今のドラウは妙齢の美女の姿である。
「もう『お酒は飲まないように』とは言えませんな」
「わははは! 私の勝ちだな、宰相」
「ですが公務に差し障るほどは飲まれませんように。
まだ竜王国はこれから復旧復興に向かうところです。現在は小康状態であって、安定したとは言えません。
ですので今その形態でベロベロに酔っ払うような醜態を晒しては、求心力を失って国家存亡の危機になってしまいかねません」
「形態いうな。これが私の本当の姿なんだから」
「その形態でぶすくれても可愛くありませんな。
ただの美人が残念な美人になるだけです」
「美人ではある、と」
「政略結婚は早めになさいませ」
「……まあよいわ。
お前に意識されても気持ち悪いし」
「気持ち悪いは言い過ぎでは?」
「兄や伯父からそういう目で見られる感じ、と言ったら伝わるか?」
「ああ。はい。
なるほど。家族のように思ってくださっているわけですね」
「ぐえー。お前の口からそんなセリフを聞いたら精神力が削れてしまう」
「……もうどうしろと」
◇
聖王国の反応
「至高の41人……」
「戦士系の神も居るだろうか? 戦ってみたいな」
「姉さん……」
「ん? なんだ、ケラルト?」
「憐れんでいるの。ああ、なんて残念な姉なんでしょう」
「??? どういう事だ?」
「レメディオスのことは置いておきましょう。
亜人からもヤルダバオトからも救われ、聖王国として何をするべきか……それが問題です」
「神なんだから神殿でも建ててやれば喜ぶんじゃないか?」
「いくらかかると思ってるの……。
南部の危機感が高まって国としてまとまったとはいえ、今までの亜人の攻撃による被害で消耗していて、神殿なんて建てている余裕はないのよ?」
「まあ、でも、作らないという手はないわね。
なんとか費用を工面して、10年後くらいを目処に作れるように頑張りましょう」
「10年……私たち3人とも、それまでには相手が見つかるといいけど」
カルカとケラルトのため息が重なった。
レメディオスはキョトンとしている。
悩みがなさそうで羨ましいな、とは口に出さないであげる優しさを発揮する2人であった。
◇
王国の反応
「父上、お呼びにより参上いたしました」
「ザナック、来たか。まあ座れ」
ランポッサの私室。
今日はザナックと2人きりだ。
「ダイエットは順調か?」
「そう簡単に痩せられるなら苦労しません」
「そうか」
「取り組みはしていますよ?
ですが、取り組むたびに、なぜか逆に太ってしまうので不思議です」
「…………」
ランポッサは、ゆっくりと首を横に振った。
次の王になるのはザナック。もはや他に候補は居ない状態だ。
そしてザナックが王になった暁には、王妃がいないと格好がつかない。
たいていそれは王子である間に見つけて結婚し、子供を作って「次の世代」が確実になったところで、ようやく父王から王位を譲られるものだ。王家の血を守るというのは、それほど慎重に事を運ばねばならない。親子一緒にいる所をまとめて暗殺されては困るというので、移動の際も同じ馬車に乗ることは絶対に無いし、生まれたばかりの頃から乳母にあずけて育てさせるほどである。
だがこの様子では、ザナックが結婚相手を見つけるのは難しそうだ。
「まあ、それは良いではありませんか」
「良くはないが」
「それより父上、アインズ・ウール・ゴウンのことでしょう?
単独の神かと思ったら、40人も仲間がいると」
「うむ。神々の勢力はますます強まっている。
法国は神殿建立に四苦八苦するだろうな」
「ああ……41も建立せねばなりませんからね」
「竜王国と聖王国も、直接救われたのだから、いずれ神殿は建てるだろう。
今すぐは難しいだろうが……」
「そうですね」
「ザナックは、帝国はどうすると思う?」
「五分五分でしょうか。
建てて迎合を示すかもしれませんし、建てなくても影響はないと割り切るかもしれません。
ただ、帝国として建てることがなかったとしても、神殿勢力が独自に建てようとはするでしょう。その場合、止める理由はありません」
「うむ。
そういった事を踏まえて、我が国はどうするかだが」
一度視線を切ってうなずいたランポッサは、再び視線をザナックに向けた。
「やろうと思えば、どちらにでも傾けられるでしょう。
ラナーを使って民意を汲んだように発言させれば『建てましょう』とも『やめましょう』とも言えます」
帝国との戦争は終わった。神のおかげだ。感謝を示すために建てましょう。
帝国との戦争で毎年犠牲を出してきた。生活を圧迫しないように、今は見送りましょう。
どっちでも言える。
「建てる方向でも急ぐ必要はないので、景気対策や失業対策に使う手札として何年か役立てることはできますし。
建てない方向で民衆の支持を集め、王権を強化する一助とすることもできます」
「ふむ……それで、どっちが良いと思う?」
「五分五分ですねぇ。
どちらもメリットは軽微で、デメリットは無いに等しい。
ですが、あえて決断するなら、建てる方向でしょうか。継続的に実効性があるというのは、一時的に大きく支持を集めるより実利があるかと。
今は大きな支持を集めて早急に進めたい課題もありませんし、失った領主の後釜を育てるために手を尽くすことのほうが重要です。こちらは民衆の支持は関係ない上、成果が出るまで時間がかかる事なので、その間に民衆の支持を失わないように継続的な手札がほしいところです。
いずれ新任領主たちを据えたときにも『神殿建立に費用を出せるくらい成果を上げろ』というのを目標にできますし」
「…………はぁ~」
ランポッサは、大きく息を吸って、クソデカため息をついた。
「え? 呆れるような答えでしたか?」
「ザナックよ。お前は立派な王になれるだろう。
……太ってさえいなければな。
顔つきも整っていることだし、性格に欠点らしい欠点もないのに……」
「モテないからダメだと!?」
「…………」
うつむいて首を横に振るランポッサ。
ラナーの子供にでも継がせれば良いと考えているザナックだが、そのことを口には出せない。ラナーがクライムと添い遂げるつもりだというのは秘密なのだ。
その上で考えると、ラナーの相手が未定で婿入り合戦が勃発し、ザナックが無視されて貴族派閥に四苦八苦していたランポッサみたいな状態になってしまう。
「ぐぬぬ……!」
◇
正気に戻って腐女子化していた間の、女子組の反応。
目処がたった。カッツェ平野の地下に作った巨大空洞で、アンデッドを大量召喚して「死の螺旋」を発生させ、自然湧きするアンデッドがさらに上位のアンデッドを発生させていく……それを討伐して経験値を収穫し、「星に願いを」に使うだけの量が溜まった。
「我は願う! ぶくぶく茶釜さん、やまいこさん、餡ころもっちもちさんの精神の変容を解除せよ」
すぐさま効果が発動し、3人が正気に戻る。
ちなみに消費した経験値は3レベル分。1人1レベルだ。
精神の変容は「解除して元に戻すだけ」で、二度と変容しないように精神構造そのものを変えるわけではない。なぜ二度と変容しないように願わないのかといえば、実質的に「その人専用の新しい種族を実装せよ」という要求であるため、消費経験値が桁違いなのだ。
ユグドラシルではレベル100になるのは難しくなかったが、それはどのレベルにも適正レベルのモンスターが揃っていたからだ。この世界ではレベル95からの適性レベルといったら竜王くらいのものである。
カッツェ平野地下のアンデッドも、そこまで強力な個体がポップするほど醸成できていない。大量にアンデッドを湧かせて倒しまくる、雑魚狩りの繰り返しでどうにか経験値を集めている状態だ。
「「…………」」
3人は顔を見合わせた。
それから同時に険しい表情を浮かべると、脱兎のごとく走り出した。
調子に乗って作ってしまった薄い本。
あれだけは処分しなければ。
誰かに見られるより前に。なんとしても。
「あ……え?」
「ちょっ……は?」
「……3人とも、どこへ……?」
ポカーンとした男性メンバーたちが取り残された。
◇
ツアーのナザリックへの対応(腐女子共の引き取り先以外の印象とか)
「おっす、ツアー。遊びに来たぜ」
「弐式炎雷……今日は君か……僕も暇ではないんだけどね」
「どうせ寝てるだけじゃん。
誰も気づかないまま死んでた、なんて事にならないように巡回してやらないとね」
「僕はまだそんな歳じゃないよ。独居老人みたいに言わないでくれ」
「まあまあまあ。
そんな事より、どうさ? 今日の侵入は、ドラゴンの知覚能力に引っかかった?」
「ああ、まあ途中からね。
前回より近づかれたよ。ヒヤッとするからやめてほしいんだけど」
「いい訓練になるんだ、これが」
「反射的に攻撃するほどの距離まで近づかれた時が恐ろしいよ。
君は防御力が低いんだろう? 殺してしまって恨まれるなんて事は避けたいからね。41人もいるプレイヤー集団とは戦いたくない」
「戦っても勝てない、の間違いだろ?」
攻撃なんて当たらなければどうという事はない。
この信条を地で行く弐式炎雷に「うっかり殺してしまう」発言はクリティカルだった。
カチンと来て、つい言い返す。
ツアーは少し考えて答えた。
「戦うときは1対1にしよう」
「そういうのは建やんに頼んでくれ。
じゃあ、またな」
用は済んだとばかりに立ち去る弐式炎雷。
見送ってツアーはため息をついた。
「本当に訓練に来ただけか……」
活動報告でリクエスト受け付けています
誤字報告を頂きました。
感想代わりにここすき連打様 タイガージョー様 カド=フックベルグ様 団栗504号様
ありがとうございます。