デミウルゴスに憑依した一般読者   作:目ん玉

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お詫びとご案内

大変ありがたい事に、非常に多く感想をいただき、お返事を書くのに時間がかかってしまったり、見落としてしまったりしています。ご容赦ください。
感想書くのが面倒だとか、気に入らないけどわざわざ感想で書くのもな~という方もいらっしゃるでしょう。そこで、アンケートを設置しました。お気軽にご利用ください。
なお、ご面倒でなければ評価機能のほうを利用していただけますと幸いです。

それから今回のお話は、「お前それは無いやろ」系の感想をいただいて思いついたものです。
指摘されて「確かにそうだ」と思いました。
そのような感想は遠慮なくいただけると嬉しく思います。
もちろん肯定的な感想をいただけば単純に喜びます。目ん玉はチョロイン。


種族特性の自覚(走れメロスを添えて)

①ヤルダバオトが亜人連合を形成、聖王国へ侵攻

・ヤルダバオト役は憤怒の魔将に交代

・国土の半分を奪われ、首都も陥落

・カルカ拉致→聖棍棒

 

②窮地に陥った聖王国が、アインズ様に助けを求める

・先に王国へ行くが、国力低下のため拒否される

・蒼の薔薇からモモンかアインズ様でなければ太刀打ちできないと言われる

・帝国はすでに属■で独自に動けない

(アンデッドだと知らなければ、反対意見が劇的に減って、もっと早く救援要請を出すはず)

(首都陥落とカルカ拉致で救援要請を出すことが決定的になる)

(王国は原●ほど国力低下を起こしていないが、どうせ派閥争いで足を引っ張り合うだろう。まともな派遣は期待できない)

(帝国は聖王国と国境を接していないので救援要請されても断るだろう。他国を通らなくては聖王国に行けない上、その最短ルートは敵対している王国の南部を西海岸近くまで横断する形になる)

 

③アインズ様が聖王国からの救援要請を受け入れ、単身で聖王国へ向かう

・アインズ様から「ルーン(嘘)の弓」やマジックアイテムの防具を気前よく貸し与えられたネイアは、その器の大きさを知る

・鋭い目つきのせいで周囲から忌み嫌われていたネイアの目を、アインズ様から「良い目」と肯定され救われる

・疲れたネイアに対して、アインズ様が人間の体力を的確に気遣い、食事や休息を促す

・聖王国の聖騎士たちが傲慢な態度を取る中、アインズ様の圧倒的な知性と大人の対応を見たネイアは「どちらが真の王か」を確信する

・亜人の群れや強力な個体を、魔法1発であっさり殲滅する強さを目の当たりにする

(戦力の配置に注意。聖騎士では勝てない程度の個体または数を用意する)

・人質を前に聖騎士たちは動けないが、アインズ様は「将来の被害者を減らすため」と人質ごと敵を殲滅される

・ゼルンから王の救助を要請され、ネイアを加えて応じる

 

④アインズ様は民衆の前でヤルダバオトと戦い、圧倒的な力を見せつける

・結果はヤルダバオトの勝利。道中で消耗したせいで敗北したと思わせる

・ネイア覚醒、捜索隊を自力で結成する

 

⑤最終的にヤルダバオトは討伐(退散)され、アインズ様は「世界を救った英雄」として圧倒的な崇拝を集める

・ヤルダバオトが支配していた亜人連合をアインズ様が丸ごと寝返らせる

 

 

 ◇

 

 

 ナザリック第9階層 廊下

 

「なんですか、これは!?」

 

 俺は今、セバスに胸ぐらを掴まれていた。

 捨てたはずのメモ書きが、セバスの手に握られている。

 ちなみに原作だの属国だのと「この世界線」に存在しないものは塗りつぶした。

 

「それは……」

 

 原作の流れを確認するために書いたものだ。

 聖王国に干渉するに当たって、デミウルゴスがどう動くのかを洗い出すために書いた。

 と同時に、アインズ様に提出する計画書の草案としても利用できるものだ。

 ちなみに、すでに計画書はきちんと完成させてある。

 用がなくなったので、メモ書きは捨てたわけだ。

 

「……計画書の草案ですね。

 捨てたはずですが、なぜ君が? ……ああ、掃除に来たメイドが回収したのですか。

 で、どういう幸運なのか……いや不運なのか? とにかく君の目にとまり、手に取ったというわけだね?」

 

「これはどういう事かと聞いているのです!」

 

「どう、とは?」

 

「このような非人道的な作戦を、実行して良いわけがないでしょう!?」

 

「ナザリックの利益になるなら、アインズ様はお許しになると思うよ。

 それに、ナザリックの者が幸福であるためなら、外部の連中の幸福など切り捨てて当然でしょう?」

 

「あなたは……あなたは、いつからそんなに……!

 いいえ、もともと『そうあれ』と創造されていたのでしたか……!」

 

 苦悩し、顔をしかめてうつむくセバス。

 俺はその様子に違和感を覚えた。

 

「いつから、とは……?」

 

 違和感。

 強い違和感だ。

 セバスは、デミウルゴスの印象が変わったと言っている。

 そうあれと創造されたシモベが、そう簡単に変わるわけがない。

 ……変わったのは俺か……?

 それは言い知れぬ不安感だった。

 大きな何かを見落としている。

 それが何か分からない。

 だが「見落としている」という事だけが分かる。

 何かを忘れたけど、何を忘れたのか思い出せない、みたいな感じだ。

 そして、それがとても重要なことだという直感がある。

 

「第6階層にてアインズ様が我らシモベを集めたときの事を覚えていますか?

 私とはどのような人物か、とアインズ様がお尋ねになり、あなたはこう答えました。

 『いつか再び至高の御方々がお揃いになったときのために、話して聞かせるに足る大冒険をいたしましょう』――と。

 この作戦の、何を話して、たっち・みー様がお喜びになると言うのですか」

 

「……ッ!」

 

 それだ。

 アインズ・ウール・ゴウンを普遍の伝説にするため、ナザリックを宗教団体として表に出す。布教のためにはネイアが有用だから……と効率化ばかり考えていた。

 ネイアを原作通りに覚醒させるためには、聖王国への干渉も原作通りであるべき。それは確かに成功率を高めるだろう。

 しかし、至高の御方々に話して聞かせる冒険ではない。

 デミウルゴスの創造主ウルベルト様は「悪」にこだわる方だった。そこには美学があった。

 悪とは秩序を乱すもの。それは破壊するものではない。

 秩序とは、あらゆる生物が望む規範。ゆえに画一的すぎて救えない弱者がいる。

 ウルベルト様は、秩序そのものを冒険しておられたのだろう。つまりは、ダークヒーローとして。

 

「セバス。すまないが、ちょっと付き合ってくれたまえ。確かめたい事がある」

 

「どこへ行くのですか?」

 

「アインズ様のところだよ」

 

「アインズ様が許可なさるか確かめようと?」

 

「いや、違うよ。そうではない。

 いいから、付き合ってくれたまえ。

 ……頼むよ」

 

「…………。

 分かりました。行きましょう」

 

 

 ◇

 

 

「珍しい組み合わせだな? どうしたのだ?」

 

「アインズ様にお聞きしたい事がございまして、推参いたしました。

 まず、ご覧いただきたいものがございます。

 セバス。それをアインズ様に」

 

「……これを、ですか?」

 

 セバスはためらった。

 きちんとした計画書の形になっていない、ただのメモ書きだ。

 しかも捨てたものである。

 くしゃくしゃのゴミを、わざわざアインズ様にご覧頂く。

 これは通常であれば不敬だ。

 しかし俺が引かないのを察して、セバスはメモ書きをアインズ様に渡した。

 

「……ふむ。ちょうど今目を通している計画書の内容と同じだな」

 

「はい。その草案でございます。

 お手元に計画書がございましたら、そちらでも結構でした。お目汚しを失礼いたしました」

 

「構わん。それで、これがどうしたのだ?」

 

 どうしたのだ、か。

 なるほど……そういうことですか。

 やはりアインズ様も、種族の精神構造に引っ張られていらっしゃる。

 あれほどギルメンの復帰を望んでおられるアインズ様が、これに気づかないわけがないのだ。――鈴木悟のままであれば。

 

「セバスがそれを発見し、私を問い詰めました。

 これはどういう事か。これのどこを、たっち・みー様に話して聞かせるつもりか、と。

 その通りであると思いました」

 

「……!」

 

「アインズ様。アインズ様は、たっち・みー様を我らシモベよりもよくご存知でいらっしゃることでしょう。

 たっち・みー様は、これをご覧になった場合、セバスと同じことを仰るでしょうか?」

 

「……言うだろうな。

 デミウルゴス。これを――」

 

「白紙撤回させてください。

 これは至高の御方を発見したときに話して聞かせる冒険ではございません」

 

「――許可する。

 いや、私のほうこそ、これを却下することを許してほしい」

 

「滅相もないことでございます。私はアインズ様に許可を出すような立場ではございません。すべてアインズ様の御心のままに」

 

「うむ……。

 しかし、よくそこに気づいたな」

 

「セバスのおかげです」

 

 セバスを見ると、いつもの仏頂面だった。

 執事でございます、と顔に書いてある。

 出したゴミを広げて見るのが執事のやることか? というのは、この際うんと脇の方に置いておこう。

 俺はとんでもない間違いを犯すところだった。

 

「セバス。私を殴ってくれたまえ。

 君を創造なさったたっち・みー様を裏切るところだった私を、どうか殴ってくれ。

 全力で頼むよ。そうでなければ、私は君と再び肩を並べて働く資格さえ無いのだから」

 

 セバスはすべて察した様子でうなずき、ロイヤルスイートをイメージして作られた広い部屋いっぱいに鳴り響くほど音高く俺の右頬を殴った。

 セバスのステータスは、攻撃94。デミウルゴスは防御60。こうかはばつぐんだ。

 セバスは殴ってから優しくほほえみ、

 

「今度は私を殴ってください。同じくらい音高く。私は先ほど、あなたを疑いました。その計画を無理にでも押し通すものと疑いました。あなたが私を殴ってくれなければ、私はあなたと肩を並べて働けません」

 

 俺は腕にうなりをつけてセバスの頬を殴った。

 デミウルゴスは攻撃51。セバスは防御91。こうかはいまいちだ。

 ちなみにアルベドの防御は95で、トリップしたアルベドの腹を殴って正気に戻した際、デミウルゴスは「なんて固い腹筋なんだ、なんて思っていませんよ」と述べた。

 あれがどれだけ強がりだったか、よく分かった。手ぇ、めっちゃ痛い。岩でも殴ったかと思った。何こいつ? どんだけ固いの?

 「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。――とは行かない。こっちだけ半泣きだ。

 あー。くそ。痛い。

 しかし目が覚める思いだ。これでいい。

 

「……2人とも、罰を与える必要はなさそうだな」

 

 俺達はそろって跪いた。

 ええ、アインズ様。仰る通りです。

 

「アインズ様。どうも私は『かくあれ』と創造していただいた以上に、種族の精神構造に引っ張られているように思います」

 

「う……うむ……そうかもしれぬ、な……」

 

 歯切れの悪いアインズ様。

 ええ、ええ。分かります。まさに同じ気持ちですとも。

 

「セバスを借りてもよろしいでしょうか?

 早急に、新たな聖王国への布教計画をまとめます」

 

「許す。

 セバス、そういうことだ。デミウルゴスに協力してやりなさい」

 

「かしこまりました、アインズ様。

 では、しばしおそばを離れます」

 

 一礼するセバス。

 執事でございます、とその背中に書いてある。

 そして再び頭を上げたセバスの背中に「正義降臨」の4文字が見えた気がした。

 

 

 ◇

 

 

 そのあと、骨子は変えずに、もうちょっとマイルドにした計画書を作り上げた。

 王国でのゲヘナ作戦と同じだ。無駄に恨みを買いすぎる必要はない。欲望に忠実というのも悪魔の精神構造なのだろう。王国ではもっと理性が働いていた――というのは勘違いで、実際には王国のときには「どうでもいい」と思っていたから抑えたのだろう。

 ガガーランは殺さなかったし、さらった人間は犯罪者が中心(貴族派の貴族の家族を含む。これは禍根を残さないため)だった。原作よりだいぶ人数が少ない。

 結果だけ見れば、こちらはたっち・みー様にもご納得いただけるだろう。警察官が犯罪者を取り締まるのと同じようなものだ。王国での警察権がないので私人逮捕という扱いかな? しかし中身はまるで話にならない。洗脳されたシャルティアを叱れないほどの大ポカだ。

 だが骨子は変えない。

 

「首都陥落と聖王女拉致は必須だ」

 

「犠牲が出ます」

 

「たっち・みー様に顔向けできるように、できるだけ避けたいが、それでもネイア・バラハは欲しい」

 

 彼女1人いるだけで信者の増加率が、文字通り桁違いになるのだから。彼女に感化された信者は、たぶん宗教弾圧とか受けても隠れキリシタン的に生き延びるだろう。そのぐらい熱量があると思う。

 

「せめて聖王女に非協力的な南部貴族から攻めていくとしよう。国土の半分を喪失という部分はこれで補填する。我々で言うなら、アインズ様の窮地に協力しないシモベといった位置関係になるわけだから、至高の御方もお許しに……なるだろうか?

 ウルベルト様なら、同じ国の住民なのに北部が犠牲になるのを指を加えて見ているだけの南部はけしからん、と非難されるかと思うが。同じ目にあわせてやれば分かるだろう、とも仰るような気がするね」

 

「……シモベは全員賛成するでしょう。

 しかし、たっち・みー様であれば、わざわざ自分から攻め込むこと自体をお叱りになる可能性が高いかと。

 良くて、苦い顔をしながらもノーコメント、といったところでしょうか」

 

「彼女が宣教師として覚醒するには、アインズ様に『正義』と『力』を感じてもらう必要があるのだよ。

 そしてそれは聖騎士団の無力や、ヤルダバオトないしは亜人の邪悪と対比させる必要がある」

 

「竜王国に連れて行くのはどうでしょう? 竜王国を救済する様子を見ていただけば、同じような効果を得られるのでは?」

 

「良い案だが、連れて行く理由がないからね。

 覚醒後なら連れていけるだろう、というのがまたなんとも……矛盾だよ」

 

「トロッコ問題というのがありましたね」

 

「ああ、まさにそれだ。

 ……たしか、あの答えは『関与しない』というのが一番多いのだったかな。

 ふむ……その線でいくと、こういうのはどうだろう?」

 

 条件は揃えるが、関与の程度を極端に下げ、ゼロに近づける。

 聖棍棒はもちろん却下だ。ケラルトを殺害するのも避ける。ていうか全体的に死亡率を下げる。そうなるとゼルン関連のくだりで頭冠の悪魔が誰の首を装着するかだが、アレでごまかして、代わりに彼女に協力してもらえば偽装できるだろう。




まえがきにも書きましたように、アンケートを設置してみました。
反応したいけど感想かくほどでもないなーと思ったら、お気軽にご利用ください。

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