ワイ「雄英の偏差値高すぎワロタ」 作:夜酒見
それは昔の話。十数年前の話。
あるところに、人間じゃない子と呼ばれるほどの幼女がいた。
異形型だから異形差別を受けている、否。見た目はただの可愛らしい幼女であり、個性も異形型ではない。
だというのになぜ彼女がそう言われるか。それは個性の影響によるものだと推測できる異常性癖、欲求が存在したことに起因する。
その幼女の個性は【変身】
『他人の血液を摂取することで、その人の容姿(顔、体型、声色など)に変身できる。』
故にその体は他人の血を求め、本人の嗜好も血によるものとなっていた。生まれ持っての異常、社会に不適合な欲求に幼い彼女ですら疎外感を感じ、周囲から押さえつけられていた。
それも無邪気な子供にお前は人間じゃないと言われたのではない、子供にとってのある種の全てである親に、人間じゃない子を産んじゃったと言われるほど。
まだ明確になってはいない無自覚的な血への興味。
それを止められてもなぜ止められるのかを理解できず、しかし大人のやめろという理由もない言葉に縛られ、抑圧された。
そのなかで無意識下での血への渇望は高まっていく。
そんな幼女の名前は渡我被身子。トガヒミコ。
まだ血への興味が明確な物ではなく本人の無自覚の範囲にとどまっていたそれは、ある日を境に、明確なものへと変わった。
それはとある日のこと。
ただ、普通の幼女のようにいつもの公園で遊んでいた日のことである。
そこには鳥の死骸が転がっていた。公園に隣接する林にそれがあった。そこに近づくと、ふと打撃音のような音が一定間隔でなり続けていることに気づく。
死骸にも興味を惹かれながらも、しかしより大きく感じる好奇心にみを引き寄せられ、林へと足を踏み入れる。普段なら入らないであろう公園の林。
彼女はそこで見たとある一つの存在に目が釘付けにされた。
打撃音の正体は音のそのまま打撃であり、その打撃は木に向けられていた。
木に打ち込まれるその拳は何度も叩きつけられることで皮がめくれ上がり、つぶれることで血に塗れていた。
その上で打撃音にぐちゅっ、という肉の音が混じりながら打ち付け続け、稀に木に深く腕が突き刺さるとそれを引っこ抜くと共に棘が刺さり込み鮮血が飛ぶ。
狂っていた。端的に言って幼女なんて比べ物にならないほどに狂っていた。
そんな狂った拳の持ち主は同い年か一つ年下くらいの少年だった。
痛くはないのだろうか、なぜそんなことをしているのだろうか。
そして湧き出る彼のことを知りたいという欲求。血を流してまで何をしているのかと。
幼女の好奇心と血への莫大な関心が合わさったことで狂った相手から逃げるなんてことは完全にどこかに行ってしまっていた。
少年はぶつけるたびに痛み故か少し顔を歪めながらも、それと共にほおを上げ、歯をむき出しにしまた木を殴りつけ血を散らせる。
彼女はそんな光景に惹かれる。とても興味が湧く。彼のその行為にか、それとも赤く染まった彼の拳にか、彼そのものにか。
なにに惹かれているのかも理解ができないままによろよろと彼に近づいた、近づくほど鮮明に見え、彼の体がところどころズタズタになっている様に気付いた。自然と彼女の頬が上がり、抑圧されていた目に光が灯っていった。
その瞬間。
【ドブクァシュァァアアンッ!!】
鼓膜を震わせたのは、肉と骨が内側から爆ぜるおぞましい音。
少年の拳が、腕が、肩にかけて盛大に破裂した。
弾け飛ぶ筋繊維、剥き出しになる白い骨、そして、視界を埋め尽くす、圧倒的な——赤い血。
眩しいほどの狂気。
もはや光輝く何かがその鮮血の赤のなかに混ざり合っても見えた。
あまりにも狂気的な絵面。人によっては吐いてしまうようなそんな絵面。幼女にはあまりにも刺激的な絵面。
しかし、それを見た瞬間に彼女の血への衝動はキャパシティを突き破ってしまい、目覚めさせる。
本来の形を何回りも上回る形で彼女の中に深くその光景、衝動が刻み込まれる。
近づいていた彼女自身の頬に血は飛び散った。暖かい体温、どこか温もりのあるそれに、彼女の舌は伸びた。鉄の味がした。体に活力が湧き出ている気がした。
「イッダッッッ、やらかしたっ、量多かった?でも、この痛みも僕を最強へと導いてくれる」
狂気的な独り言を語る少年は痛がる最中、幼女はそのまま我慢できず血まみれなんかよりもよっぽど飛散な状態になっている少年の肩に噛み付いた。
歯を噛むと血管部分から血が溢れ出、その血が口内へと流れ込んでくる。
彼女の頭を駆け巡るは途方もない万能感と解放感。
私が求めていたものはこれだと、
全身が万能感に満たされていく。あまりの活力の奔流に、幼い肉体が限界を迎えて意識を失うその瞬間まで、彼女は幸福の絶頂にいた。
なんでもできそうだと、これまでの自分とは何か違うと、求めていたものはこれなのかと。
活力に満ちていく最中、そんな幼女は全身の活力のあまり体のいたるところが限界を迎え、ついでに少年に払い飛ばされ飲み込もうとした血液の大半を吐き出しながらも意識が途絶えた。
目覚めた時には夕方であり、ベンチに横になっていることに気付いた。すでに公園にも林にも少年の姿はなく。
夢だったのかと思い先程の林に行けば血の跡も木の傷もなく。しかし感じた血の味、血を摂取したことによる自身の変化は紛れもなく現実のものだったという矛盾。
帰る頃には夜になり、母親に抱かれ心配された。
夢だったのか現実だったのかわからないなかで昂っていく血への衝動に突き動かされそうになる日々を過ごす中、林の奥からその音が聞こえた時にはもう足が止まらなかった。
破裂していたはずの彼の腕はなぜか完治しており、また同じように木へと打ち付け続けていた。
同じ流れを繰り返す。
それから何回か彼と遭遇した。公園で彼が行うことを観察し、たまに破裂する姿を見れば高揚し、楽しく眺め、時として血をもらおうと近づき。
気味悪がられながらも、破裂したりした後の血に関してはどうでもいいと言われ、形的な許可を得た。ただし無言で噛みついたりしたら殴り飛ばすと言われた上で。
それを彼女はある種の理解者として認識した。
その後、彼女は少年に名前を覚えてもらえずにいながらも一方的に友達と認識していた。
血への欲求も不思議と他のものにはあまり興味を抱かなくなるものの、どこか少年への渇望がふえていた。
ある日から彼が公園に来なくなったことでその渇望は酷いものとなる。
彼の血を飲んでいたこと、彼に変身を何度かしたことで精神性に影響があったのか、物に当たることも増え、やはり血の衝動は抑えられず他人の血を吸ったりすることもあったが、やはり何かが足りないと喪失感が湧いた。
求める血の対象が彼のものとなってしまっていた。
彼の血を得ている中で個性の性質も変化していた。
変身の対象が姿形のみから、その対象の個性まで。
そして、彼女自身、幾度か彼自身に変身し、血を摂取し、彼の体になり、その個性を身に宿すことを繰り返すことで彼女自身の性質も歪む。
それがより、ある種の依存を加速させた。
どれだけの月日が流れたのか。
彼をまた見つけたとき、そこからはもう我慢もできず、近づきら話しかけ、覚えられてもなく、そのままなんの悪意もなく許可も取らず、その時もいつも通り破損していた彼に思いっきり噛みついた。
そして正当防衛と言われながらも、その腕になぐりとばされた。
意識が枝えていくその間。少年から伸びた黄金の光が体を癒していることを感じとっていた。
また目覚めたのは夕方で、体を治されていて、デジャヴを感じながらも決定的に何かが変わった。
肉体面、個性面、精神面。変化を得てきていた。
それがまた明確になったように。
彼がなぜそのようなことをしていたのか、痛みを感じながらもそれを受け入れ、血を流しながらもそれを是とし、その上でなお何を目指していたか。
彼となることで、彼のことの様々なことを理解した。
そして、自身が抱く、彼に影響された血、それに限らない渇望も。
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ヴィランの群れの動きは変わり、その手にイレイザーヘッド、それのみにならず気を失った様子のマンダレイやその他生徒を一方的に殺せる状態にあることを頭弱に見せつけるように。
頭弱はどうせ人にあたろうが死なない威力なのでと気にせず光弾を放とうとするが他の生徒に抑制され停止する。
それとともにヴィランの群れはせり上がった。
「久しぶりだね!!!!頭弱くん!!!」
「誰やお前!!」
注意。森の中で血を滲ませながらも木を殴り続け、挙げ句の果てに腕破裂させるような奴には近づかないようにしましょう。
映画って見たことある? なお、仮に物語にするとしても番外にする予定
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ない
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見たことある
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全部見たことある