「はあ…なんでやってないことまで疑われなきゃならないんだ…」
反獄王、宮出口瑞霊は人の目につかない場所を転々としながらそう呟いた。
幻想郷で突如起こった住民の昏睡事件。その容疑者筆頭として瑞霊は追われているのだ。
確かに瑞霊は博麗の巫女への逆恨みで昏睡事件を起こしたことはある。しかし地底の反則探偵古明地さとりの名推理(読心込み)と現博麗の巫女である霊夢の謝罪(脅し)ですっかり大人しくなり、今は霊夢の監視の下謝罪のため各地を行脚しているのだ。
しかし、事件は起こった。
命蓮寺のヤマビコ、幽谷響子が突然昏睡状態に陥ったのだ。
神霊廟の仙人も動き出したこの事件で瑞霊が疑われないはずがなく、それに不満を覚えた瑞霊は霊夢の元をこっそり離れて各地を転々としていた。
今までは間欠泉センターに隠れていたのだが、ついさっき守谷神社の面々がいたのを見かけた瑞霊は、万が一のことを考え幻想郷の外れにある無縁塚まで向かうことにした。
「よし、ここなら誰もいないだろう」
無縁塚は結界が歪んでいて、外の世界のものも大量に流れ着いてくる。そのため、香霖堂の店主などの例外を除きほとんど人が立ち寄らない場所なのだ。
瑞霊は流れ着いたのであろう自動車の錆び、歪んだボンネットの上に腰掛けた。
その途端にどっと疲れが押し寄せる。
ひとまずの安泰を得た瑞霊は疲れのあまりか眠りについた。
「ふぁ…?…いつのまにか寝てたのか」
数時間後、目が覚めた瑞霊は大きく伸びをしたあとあたりに人がいないか見回すことにした。
すると、小屋を見つけ、そこから人が出てくるのを見てしまった。
慌てて瑞霊は距離を置こうとする。
しかし、それが失敗だった。
地面に結界の歪みがあることに気づかず、そのまま落ちてしまったのだ。
「しまっ…!」
そこにさらに不運が重なる。
上からさっき腰掛けていた車が落ちてきて頭に直撃してしまったのだ。
そのせいで気を失った瑞霊は、飛ぶこともできず真っ逆さまに空間の歪みに落ち、
流されていった。
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…せい!先生!」
瑞霊は大きく揺すられている感覚と共に目を覚ました。
…というか実際揺すられていた。
目を覚ました瑞霊は、自分を揺すっていた人物の方に目をやる。
明らかに幻想郷の人物ではなかったのを見て、瑞霊は結界の歪みに落ちたことを思い出した。
「…誰だアンタ」
イマイチ状況が理解できていない瑞霊は目の前の人物との対話を試みる。
幸いなことに言葉は通じるようだ。
「私は七神リン、キヴォトスの連邦生徒会所属の幹部です。」
「キヴォトス?連邦生徒会?」
…聞いたこともない単語で聞いたこともない単語を修飾した文が返ってきた。
「状況が理解できていないようですね、まあ仕方ありませんが…」
そう言い、リンと名乗る目の前の人物は状況を説明し始めた。
失踪者の⑨ドランです。評価とか感想が来たら投稿するつもりです。