とあるリオレウスの異種族ハーレム物語 作:火遊び竜・リオレウス
何が言いたいかと言えば…書く時間がない。
その報告書がギルドマスターの机に叩きつけられたとき、執務室は奇妙な沈黙に包まれた。
始まりは、どこにでもある若いリオレウスの巣立ちだった。 若く、まだ鱗の艶も瑞々しい雄の火竜。彼がただ番を求め、縄張りを探して彷徨っているだけの間、我々人間――ハンターギルドはさして警戒もしていなかった。
やがて彼がうら若いリオレイアを見つけ、共に空を飛び始めたという報告が入った時も、「よくある生態系の一幕」として処理されるはずだった。
だが、その『ある日』を境に、若き火竜を巡る歯車は狂気へと回り出す。
「信じられん……あの時のレウスの動きは、ただの若輩のそれではなかった」
ギルドの救護室。全身に酷い打撲痕を作り、悔しげに拳を握りしめるのは、ベテランの大剣使いだった。
彼はその日、腕利きのパーティを率いて装飾商からの依頼で『リオレイア亜種』の狩猟クエストに赴いていた。
桜色の強靭な甲殻を持つ亜種を激闘の末に追い詰め、まさに大剣の刃がその首を突き刺そうとした、その瞬間だったという。
突如として上空から乱入してきたのが、あの若いリオレウスだった。
リーダーの大剣使いはこのリオレウスの存在を知らず、番が乱入してきたと判断し警戒態勢に入った。
割って入ったレウスは、通常個体からは考えられないほどの凄まじい練度の火炎を吐き散らした。しかし高度を捨て、リオレイア亜種の前に立ちはだかったせいでハンターの集中攻撃を食らい、傷ついて弱っていった。
しかし…ある瞬間、目にも留まらぬ速さで尾を振り回し、それがリーダーの大剣使いを強襲。防御が間に合わず、遥か彼方の岩壁に叩きつけられ、一撃で意識を刈り取られたリーダーはアイルーの荷車でベースキャンプへと搬送された。
統率を失ったパーティは、桜火竜に止めを刺すどころか、命からがら撤退するしかなかった。
「あの個体は既に番がいたのよ?手負いの亜種を横取りして喰らうつもりだったかしら?」
ギルドの受付嬢の問いに、生還したライトボウガン使いは青ざめた顔で首を振った。
「違う。あのレウスは……桜火竜を『守った』んだ。そして、傷ついた彼女を連れて、どこかへ飛び去った……」
その報告から、わずか数日後のことである。
生態調査に赴いた書士隊から、ギルドを震撼させる信じがたい急報がもたらされた。
『信じ難き事態が発生。件の若いリオレウスが、先日のリオレイア亜種をも番として迎え入れているのを確認』
『それだけではない。雄のレウスは、本来なら血みどろの縄張り争いをするはずの本妻と側室の間に立ち、信じがたいカリスマで二頭を融和させている』
『現在、レウスは桜火竜の広大な縄張りをも完全に掌握――』
報告書を読み上げる受付嬢の手が、恐怖で細かく震えていた。
モンスターが人間の狩猟から別の雌を救い出し、さらに本妻の公認を得てハーレムを形成した。そんな前代未聞の事態、ギルドの歴史のどこをひっくり返しても載っていない。
「……ただの野良レウスだと思っていたが、とんでもない怪物を”見逃して”しまっていたようだ」
ギルドマスターは苦渋に満ちた声を漏らし、窓の外の空を見上げた。
人間たちの都合など露知らず、あの若き雄火竜は今も、二頭の雌火竜を従えて悠然と空を舞っているのだろう。
そして我々人間はまだ気付いていなかった。
これが、のちにナルガクルガやティガレックスをも巻き込む、生態系崩壊のプロローグに過ぎないということを。
どうやって書けばいいのかまるでわからねえから短すぎるんだよな…。