それがあまりにファンタジー色の強い光景だから、バーチャルリアリティをプレイする感覚で、オレは
奇妙な展開に気を取られ、緩めていた脚に力を込め速度を上げた。
――オレは何者だ?
ここはどこで、いつの時代だ?
怪物はどんな目的で人間を襲っている?
食らうため? それとも縄張り意識か?
いや、それよりも、何より……一般人のオレに彼らを救えるのか?
頭に浮かぶいくつもの疑問を、今は流れる景色とともに置き去りにする。
命の危機に瀕している少女を前にして、迷っている暇などあるものか。
これがもし、刃物を振り回す人間の凶悪犯相手ならば、こうはいかない。恐怖に
オレは恐怖心さえも置き去りにし、無謀にも戦場へ突撃する。
負傷した兵士の傍らに落ちている剣を拾い、少女に迫っている大鬼へ振り下ろす。
『グギャアアァァァァーッ!』
その
けれど、素人が力任せに振るったせいか、反動に耐え切れず刃が折れてしまう。
「すごい……」
恐怖から解放された少女が、
(たしかに、すごい切れ味だ)
オレは折れた剣を掲げて
一見すると何の変哲もない剣のようだが、名工が手掛けた業物なのだろうか。
(……あれ? ってことは、もしかして弁償させられたり……?)
ふと浮かんだいやーな疑問に血の気が引く。
包丁でさえ良い代物は、それなりのお値段がする。
刀剣の相場など皆目見当もつかないが、質量の伴った鉄塊が安いとは考えづらい。
戦場において命を預けるに値いする高額が予想される。
それを遭難しており、ほぼ無一文のオレが弁償などできるはずもなく……。
『ウググググッ、ゴオォ……!』
片腕を失った大鬼が、赤黒いの血飛沫が吹き出る傷口を抑えながら、まさしく鬼の形相で再びオレたちの前に立ちはだかる。
3メートルは優に超える巨体。それに気圧されて後退りすると、恐怖に
(オレがビビってどうする! きっとやれるさ! さっきだって――!)
自らを鼓舞し正面から戦う決心をするも、構えた剣はポッキリと折れてしまっており、なんと心もとないことか。
ならば、とあたりを見回すが、先のように都合よく武器になる物は落ちていない。
(マ、マジかよ……)
常識的に考えて、あのような怪物に人間が素手で戦うなど無茶だ。
熊に
そんな悪い意味でバズりそうなネタに興じる承認欲求はない。
そんな自殺願望などオレにはないのだ。
『オオォ! オォッ!』
こちらの心情などお構いなしに、殺意マシマシといった大鬼は
「ちょ、ちょっとタイム!」
制止の言葉がオレの口を衝く。
無論、大鬼の勢いは収まらない。
そもそも破壊衝動に突き動かされている野獣が、人語を解するかどうか
少なくとも、唾液をまき散らし
『ヴオオォォッ!』
怪物の迫力にたじろんでいる人間二人に、横薙ぎに振るわれた拳が迫る。
「クソッ!」
オレは
少年少女の 運命やいかに
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