【なのはEXCEEDS】 〜私の姉は、国連災害対策本部の魔導師でした〜 作:三坂
シイナってセツナのお姉ちゃんやってるけど、そこに更にお姉ちゃん生やしたらどうなるんだろう…っていう感じで投稿しました
ちなみに国連災害対策本部の専門チームに所属するA級魔導師だったら…という設定にした理由は、
国連調査機関EXCEEDS(正式名称:国連災害対策本部危険生物調査機関)がそういった部署を瑞穂に作るまで猟友会だけでカバーするのは無理があるんじゃね?ということで、
つなぎとしてそういった組織を作るのもありじゃね?ということで作りました。(ちなみにこちらの正式名称は
国連災害対策本部 緊急統制特殊作戦群『ASPECT』)
30年前
世界は昔、1回滅びかけたんだって
ある日突然世界中に現れた謎の生物が大暴れ
宇宙生物だとか異次元から来たとか、当時は何もわからなかったけど
謎の生物はこの星を蹂躙して
そんで今
人類は謎の生物…「侵略種」と日々生活圏を巡って争っている
極東地区「瑞穂」水守区 海女取島
太平洋の某所、本土である極東地区「瑞穂」からさほど遠くない位置に存在する水守区 海女鳥島。辺り一面蒼い海に囲まれたこの島は、自然豊かな場所としてのんびりとした雰囲気が特徴的だ。
一見すれば何もないが平穏な島…と思われたが、ふと島の埠頭に目をやると採れたてであろう魚を行儀もクソもない食べ方で食い荒らす3匹の生物が…
(うめき声)
一見すればトカゲと太古の昔に存在した恐竜を足したような灰色の生き物は、一心不乱に食べることに夢中になっており、周りの警戒を疎かにしていた。
だがそれを利用してか、背中にデカいバックを抱えたいかにも女子高生ですと言わんばかりの制服に身を包んだダークブラウンの少女が岸壁を利用して接近。
背負っていたバックを降ろしつつ、おもむろに取り出したオレンジのカバーがつけられたスマホのようなものを取り出し、相変わらず魚を食い荒らす生物へ照らし合わせていく。
「っと…」
ゴソゴソ
するとスマホの画面上に映し出された3匹の生物に反応したのか、スクリーン内で突如として解析がスタート。しばらすると『駆除対象侵略種』、『小型侵略種 海蜥蜴』という文字と共に、生物の詳細な画像や情報が表示された。
ピピッ
『駆除対象侵略種
小型侵略種 海蜥蜴
危険度:★★
体長:4m
危害対象:水産物 農作物』
どうやら駆除対象とはなっているが生物…というよりかは侵略種という扱いらしい、…まあ普通の駆除対象の野生動物だったとしても普通に考えれば女子高生の格好をした彼女にはどうにも出来ないように思える。
が少女は慣れた手つきで先ほど背負っていた大きなバックを開けながらゴソゴソと漁ると、ボルトアクションライフルの猟銃のようなものを取り出した。
しかしここは瑞穂とはなってはいるものの明らかな日本、日本で銃を持てて扱える職種は限られているため、女子高生が本来持つことはゴリゴリの違法。
だが少女は気にする素振りもなく慣れた手つきで構えながら照準を1匹の小型侵略種に定めて発砲、サプレッサー(消音器)特有の音を響かせながら、狙いを定めた小型侵略種の顔面へ放った弾丸をヒットさせた。
「……」
カチッ
パァン
見た目は硬そうにも見えたがボルトアクションライフルの弾丸を受け止めきれるほどの装甲みたいな皮膚はなかったらしく、顔面に被弾した1匹は血飛沫を撒き散らしながらコンクリートの地面へと倒れ込む。
当然仲間が打たれたことで残りの2匹も反応したものの、そのうちの1匹は動き出す前に第2射の射撃を喰らってしまい、そのまま同じように倒れていく。
(うめき声)
ガシュッ!!
とはいえ残された1匹の小型侵略種はサプレッサーで銃撃音が抑えられているとは言え発射元をすぐに特定できるほど優秀だったらしく、猟銃を構えて岩場から狙いを定めている少女を目撃するや否や勢いよく走り出す。
ウギァァァァ!
ガッガッガッガッ!!
もちろん少女も迫ってくる光景は目の当たりにしているため、仲間のように顔面を容赦なく弾丸でぶち抜こうとトリガーを勢いよく引く。
…が弾の品質が悪かったのか猟銃の調子が狂ったのか分からないが、トリガーを引いても弾丸は放たれず、いわばジャム(弾が詰まったり部品が動かなくなったりして、銃が撃てなくなることってしまうこと)ってしまう。
当然先ほどまで冷静だった少女も流石にこれは焦ったのか思わずやべっという表情を浮かべる。
カチッ!
カチッ!
「うぇ…!?」
しかし侵略種はそんな状況でも待ってくれるはずもなく、やられた仲間の敵討ちと言わんばかりの勢いでかなり開いていた距離をまたたく間に詰めてきた。
すると少女は咄嗟に猟銃を下ろすと腰につけていたホルスターからソードオフショットガンを取り出すと、咄嗟に迫りくる侵略種に向けて発砲。
「っ!」
パァン!パァン!
ウガ…!?ガッ…
ドサッ
ひとまず危機は去ったことを確認すると少女は危なかった…と1人呟きながら取り出したソードオフショットガンを再びホルスターに収納。
だがわざわざ駆除した甲斐があったと言わんばかりの口調で再びポケットからあのスマホを取り出すと、倒したトカゲのような怪物を写真に次々と収めていく。
「あっぶな〜…、…まあでもっ!トカゲ3匹駆除で〜!」
どうやらこの怪物を駆除することでお金が貰えるらしく、現に少女のスマホにはトカゲ型侵略種1匹につき1000円、合計3匹で3000円という金額が表示されていた。
まあ言わばクマなどの動物、主に人や農作物に被害を加える野生動物を駆除するのと同じような扱いが、あの怪物達にも適応されているというところだろう。
「合計3000円!悪くないかな〜!!」
…とはいえ侵略種とある通りや見た目からして明らかにやべー存在なのにはかかわりないはずなのに、金額が安いと思うのは気の所為だろうか…?(まあ現実のクマなどの駆除に関しても似たようなものだが…)
だがその最中、満足そうな表情を浮かべていた少女の背後、海から飛び出るように姿を現した先ほどのトカゲ型侵略種とは比べ物にならない怪物が勢いよく姿を現す。
もちろん少女もそれには気づき、慌てて横へと退避。その後姿を突如として現した怪物は先ほどまで彼女が立っていた場所、絶命している侵略種の上へと覆いかぶさるように着地した。
ざばぁぁぁん
「ん?ってうわわ!!?」
ドスーン!!
しかし幸いなことか女子高生には一切興味がなかったらしく、彼女が倒した侵略種を貪るように食べ始める。端からみれば共食いとも見て取れるような光景をみながら、2連発のびっくりしたーと口にしつつスマホを取り出して照合していく。
ガブッ!!
グシャァァァ
「びっくりした〜、びっくりした…」ゴソッ
『多脚型生物 第二関節部ニ繊毛ヲ確認』
『頭部構造スキャン
頭部形状:後方、左右ニ角アリ
角形状:下向キニ湾曲』
『駆除対象侵略種 多脚型侵略種 海蜘蛛
危険度:★★★★
体長:5m
危害対象:水産物 海洋生物』
どうやら先ほどのトカゲ型ではなく見た目の通り海蜘蛛と呼ばれる存在のようで、危害対象は水産物と海洋生物と変わりないものの、大きさも危険度もそれなりに桁違いのようだ。
普通に考えればまともにやりあえる相手ではない…のは明らかなのだが、少女は追加駆除(報酬追加)に目がくらんだらしく、気づかれないようにバックの元へと向かう。
「…追加駆除…!」
バックの中には先ほど取り出した猟銃とは別に、分解された状態の対物ライフルが置かれており、少女はそれを取り出すと慣れた手つきであっという間に組み立てていき、脚を伸ばして固定させるとしゃがんだ姿勢で狙いを定める。
カチャカチャ!
ついさっきの表情は打ってかわり猟銃を構えている際同様に真剣な目つきで狙いを定め、完全にロックしたことを確認すると報酬ゲット…!と嬉しそうな口調でトリガーを引いて発砲。
放たれた対物ライフル弾は迷うことなく侵略種の膨らんだお尻部分に命中、装甲車すら貫徹可能な弾丸は勢いを知らずにそのまま貫いていき、爆発四散しながら肉片をまき散らす。
「ゲット!」
ダァァン!!
ドゴォォォン
そんな彼女の名前は久瀬シイナ、海女取島に暮らす女子高生ながら猟友会の駆除ハンターを担っており、島の生活を脅かす侵略種を駆除しつつ、いつもと変わらない日々を過ごしていくのであった。
「おーい、ありがとうなーシイナ」
「下校中にごめんねー」
「平気平気!これも猟友会のお仕事だもん!!それじゃまた何かあったら呼んでくださいねー」
港でいつものように採れたての魚を引き揚げていた高齢夫婦と一言二言話しながら駆け足でその場を後にしたシイナは家族のまつ家に向けて帰路についていた。
道中小型飛行型の侵略種2匹を見かけると、その辺に落ちていた石ころを拾い上げていき、ぶち当ててはたき落としていく。
「……よっと!」
とまあそんなこんなでシイナが帰路についていた頃、厳重に電気柵で囲まれたある程度自給自足が可能な一軒家の久瀬家では、ピンク髪のショートヘアに黒色のリボンを後頭部に身に着けた少女、久瀬セツナ(11歳)が上機嫌な表情を見せながら採れたての野菜を籠に収めていく。
「〜♪」
いわずがもなシイナの妹である彼女はしばらく野菜を収穫していたが家の出入り口である柵が開くと共に家主であるシイナがただいまと告げながら帰宅すると、セツナがおかえりと満面の笑みを見せながら野菜を入れた籠を抱えながら彼女の胸元へと飛び込んだ。
ガラガラ
「セツナ〜!!」
「しーちゃん!おかえりしーちゃん!!」
「うん〜♪ただいま!」
双方の家族は既に亡くなっているため、現在は久瀬家は姉であるシイナと妹であるセツナの2人暮らしで暮らし。ちなみにシイナが今こうして猟友会として活動出来ているのも、今は既に居ない彼女のおじいちゃんが銃の扱いを教えてくれたから。
…世界中何処にいても侵略種の災害に巻き込まれるため…あまり先行きなどは良くないかもしれない、…が姉妹の関係は良好なのでぶっちゃけた話幸せに暮らせればそれでいいだろう。
そんなこんな話している間にもシイナが帰ってきたことでセツナは姉と共に家の中へ入ろうとしたものの、シイナとはまた違った声…しかし聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。
「んじゃ中入ろっか」
「うん!入ろ入ろ…!」
「2人共ただいまー」
もちろんシイナも知っている声なのかはっとした表情を浮かべながら先ほど自分が入ってきた方へセツナと共に視線を向けると、そこには茶髪ショートヘアでシイナより少し背が低い少女がキャリーケース片手に立っている姿が…
久瀬アメヤ(19歳)、名前の通り久瀬家の一員であり身長がシイナより低いもののれっきとした長女であり社会人。
ただキャリーケースを引っ張っていることから普段はこの家に暮らしていないようで、時たまこうして時間が空いていれば実家に帰ってきて2人に顔を出していると言ったところだろう。
そんなことを話している間にもおかえりーと家の門を開けながらシイナは出迎えていき、セツナは満面の笑みを見せながらアメヤに飛びついていく。
「おかえり姉さんー!今回帰ってくるスパン早かったねー」
「仕事が最近落ち着いてるから、それに2人の顔を早く見たくて帰ってきちゃった♪」
「おかえりアメヤお姉ちゃんー!」ギュ
「おっと…♪うんただいま♪元気そうで何よりだよー」
しばらくそんな感じでわちゃわちゃしていた3人だったが、それなりに長い距離を得て帰ってきたアメヤにずっと立ち話させるわけにはいかないため、とりあえず家の中に入ろうかということで話がまとまり、改めるかたちで3人は仲良く微笑ましい雰囲気を見せながら家の中へと入っていくのであった。
「あっ立ち話もアレだし中入ろっか姉さん、ってか今回お土産とか買ってきてくれた!?」
「もちろんー、本土のお菓子買ってきたわよー」
「やった…!早速今日みんなで食べようよ!」
「っと、そんな急かさなくても逃げないわよっ♪」
その後家の中に入った3人のうち、シイナは猟銃などをキチンと保管庫に戻して施錠をしつつ先にキッチンのテーブルイスに腰掛けたアメヤの隣に腰掛けると、雑談を交わしながらポストに入っていた封筒を開封しようとすると、セツナがお茶と水どっちがいいかと尋ねてきた。
「最近本土はどう?」
「相変わらず侵略種の対応で大変よ…、専門の機関がないから私ら国連災害対策本部の負担が…。そっちはどう?」
「こっちは全然大丈夫、侵略種の駆除も問題ないし…セツナとも上手くやってる」
「2人共ー、お茶とお水どっちがいいー?」
その後シイナは水を、アメヤはお茶を持ってきてもらい美味しそうに一気に飲み干すと、シイナは手に持っていた封筒から取り出した1枚の紙に視線を落としていく。
「ありがとう〜、お水がいいなー」
「私はお茶でー」
「わかった、…はいっ!どうぞ」
「ありがとう〜」ごくごく
そこに書かれていたのは学区外就学許可申請書という文字、どうやら島の高校を卒業したら本土で働きながら暮らすつもりらしい。
もちろんそれもセツナのためであり、高校を卒業して本土に引っ越した後は今の仕事を活かせる侵略種駆除ハンターとして活動しつつ、お金を貯めて彼女を本土のちゃんとした学校へ行かせて上げたいという思いがあるようだ。
「……」
シイナが少し笑みを見せながら読んでいた学区外就学許可申請書を横から覗き込むように読んでいたアメヤは、前電話で話した時に言ってた奴?と尋ねていき彼女もうんと答えていく。
「…これ前電話で言ってたやつ?」
「うん、セツナをちゃんとした学校に通わせたいから。ここじゃどうしても限界あるし」
確かに離島のこの島に比べると設備やら施設は整っている、しかしアメヤの指摘通り本土で安全に暮らすにはかなりお金がかかるのもまた事実。
反対側からシイナが持っている紙の内容を一通り読んだセツナは、この島でも勉強は出来るから無理をしなくてもいいと申し訳なさそうな口調で話していく。
「けど本土で暮らすのって結構大変よ?何かもかも高いし、何よりここに比べて侵略種の被害もそれなりにある…安全に暮らすってなると…」
「分かってる、でも私的には本土で暮らしたいって思いがあるの。お金の面は私がどうにかするから、姉さんに迷惑は掛けないようにする」
「……しぃちゃん私はこれ、本当に大丈夫だよ。ここでも勉強はちゃんと出来るし…私…不満なんてないんだし…」
もちろんそれはシイナも分かっており、それでも勉強が出来て頭の良いセツナを私立などの勉強に力を入れている学校に通わせてもっと成長してほしいという思いがあるらしい。
「そうかもしんないけど…セツナは頭いいんだし、勉強も好きでしょ?…国語も理科も算数もっ全部100点じゃん!」
「…それはそうなんだけど」
まあそれだけ優秀なら確かに島の学校に留めとくのはもったいないという気持ちは分からなくもない、とはいえ先ほどアメヤと話した通り本土の私立に通うだけでもお金がかなりかかることはセツナでも充分に理解は出来る。
やはりそれが彼女にとって一番の心配であり、これ以上自分のためにシイナに負担がかかるのが申し訳ない気持ちもあるのだろう。
だがシイナは全然気にしていないらしく、お金の心配は気にせずに自分のやりたいことをやっていけばいいよ!と後押ししていく。
「私立の学費もそうなんだけど…、本土で安全に暮らすのって…お金がかかるんでしょ?」
「そんなの心配しなくても大丈夫…!お姉ちゃんにドンと任せといて!!」
そんなドヤる妹を横目に成長したわねと染み染みしながらアメヤはお茶を飲んでいき、セツナを後押しするように何かあれば自分もサポートするから遠慮せずシイナに甘えていいよと告げる。
「…ほんとっ頼りになるほど立派なお姉ちゃんに成長したわねー、それとセツナちゃん。心配しなくても私もサポートはするから、シイナに遠慮せずに甘えていいよ♪」
「あっ…あーちゃんまで……、そう言われると余計に断れない…(汗)」
だが姉に頼るつもりのないシイナはアメヤに対して気にしなくてもこっちでなんとかするから大丈夫だと自信満々に告げていく…。
がそんな妹に対してアメヤは生活費をある程度仕送りしている現状を暴露して、仮に本土で1人で費用を賄おうとしてもすぐに破綻して姉に頼ってきそうだとニヤニヤしながらそれを指摘。
え?そうなの?…とまさかの衝撃的事実を告げられたセツナは驚きの表情を見せながらシイナを見つめ、暴露された当の本人はあたふたしながらそれは言わないお約束じゃん!と突っ込みを炸裂させていくのであった。
「大丈夫大丈夫!お姉ちゃんに頼らなくても自分が稼げばなんとか…」
「…何をいうかー、今だって仕送りしてあげてるんだからね?」
「え!?そうなんですか?」
「あーちょい!?それは言わないお約束じゃんー!??秘密にしてたのにー!!」