【なのはEXGV】 〜久瀬家の長女は、魔導師やってます〜 作:三坂
翌日
「ほへー…これが」
この日アメヤはエクシーズ極東支部に訪れていた。その理由は魔導師としての能力アップデートを受けるための装備の受領であり、早速フェイトから手渡された装備をマジマジと見つめていた。
元々はシイナが使っていた対物ライフルではあるものの、それをアメヤが使えるように譲り受けてエクシーズの装備部においで改造。
これより対物ライフルとしての高威力弾が使えるのはもちろんのこと、特注の銃剣によって近接戦も可能となる代物に生まれ変わっていた。
尚この装備アップデートを受けたことによって魔導師としての戦闘クラスはBランクからAAランクに更新され、いままで以上に力を発揮出来るようになっているとか……
「シイナさんが使っていた対物ライフルを改造して、アメヤさんが使えるように銃剣などの装備も付け加えました。コレだけでも魔導師の能力は格段に上がりますよ」
「うん、そんな気がする。だって明らかにパワーアップしたもんー」
元々魔導師としての能力はAAランクほどあったらしいが適切な支援を受けられてなかったせいで、力がかなりセーブされていたらしい。
とはいえコレで魔人などを相手にしても真っ向勝負で挑むことが出来るため、より戦いやすくなったのは間違いないだろう。
「にしても装備アップデートするだけでここまで能力が上がるとは…侮れないなー…」
「元々アメヤさんはAAランクの適正はあったんですけど、適正な支援を受けられてないせいでセーブされてたんですよね」
「あー、それはそうかもね。けどコレならどんなヤツにも負ける気がしないかも♪」
ちなみにいままでと同様にこの対物ライフルは格納することができ、更に今までは出来なかった懐のホルスターにぶち込むことが出来るようになっているため、手軽に持ち運びしやすくなったそうだ。
その後フェイトと話し終えたタイミングで、侵略種の駆除を終えたシイナが普段見慣れた格好とは違った格好で戻ってきた。
「後その対物ライフルは今まで以上にコンパクトに格納出来るようになってるので、、より運びやすくなってると思います」
「っと…!本当だ、こりゃ凄い…!いやー流石フェイトさん、いいのを手配してくれたよ本当に…」
「あっ姉さん、今日来てたんだー」
ちなみにシイナは今日と明日はお休みらしく、今日は学校の授業をオンラインで受けて、明日街中に遊びに行くとのこと。
尚アメヤもセツナも明日お休みとのことで、それを聞いたシイナはなら3人で都会に繰り出さないかと提案していく。
「シイナお疲れー、仕事どう?」
「なのはちゃんたちのお陰で充実してるよー。あっ最近連勤だったから今日と明日休みもらったんだー、今日学校の授業受けて、明日は遊ぶつもりー」
「まあ最近ずっと仕事してからねー、あっ明日なら私もセツナもお休みだよー」
するとそれを聞いたシイナがそれなら明日3人で出かけないかと提案していき、アメヤももちろんと答えながら帰ったら話してみると伝えていく。
当然シイナも久しぶりにセツナとアメヤと遊べるということもあって頑張って学校の勉強を終わらせる!と嬉しそうな表情で意気込む。
「あっそれならさ!久しぶりに3人で遊びに行かない!?」
「いいねー、帰ったらセツナに伝えておくねー。きっと喜ぶと思うよー」
「よーし!私も頑張って学校の授業と勉強終わらせる…!!」
そんなこんな話しているとふとシイナがそういえば何をしにここへ来たのかと尋ねていき、アメヤが実は…と先ほどフェイトと話していたことを説明する。
経緯を聞いたシイナは姉がパワーアップして更に頼りになったことを嬉しく思っており、フェイトも国内で侵略種災害が発生した際は今後はエクシーズと共に対応してもらうかもと話していく。
「あっそういえばなんで姉さんここにいるの?」
「あっえっとね…(経緯を説明)」
「なるほどねー、でもついに姉さんがパワーアップかー。更にカッコよくなるかもねー」
「今後は国内で侵略種災害が発生した際はエクシーズと共に対応に当たってもらう予定です」
それから少し経ち、新しい装備を受け取り極東支部を後にしたアメヤは併設されたSIUのオフィスに戻ってきていた。
丁度オフィスではオペレーターの朱音が通信指令の合間を利用してデータの解析作業を行っており、彼女が帰ってきたことに気づくとおかえりなさいと出迎えていく。
「ふぃぃ…アメヤ只今戻りましたー」
「あっお疲れ様ですアメヤさん」
ちなみに朱音が解析していたのは先日ダイナーと倉庫で発見された注射器と肉片であり、科捜研出身の寧々と手分けをして分析作業を行っていたらしい。
何かわかった?と尋ねるアメヤに対して、朱音はやはり見つかった注射器は魔人麻薬、肉片は人肉であったことを告げる。
「どう?何かわかった?」
「はい、今日見つけた肉片と注射器。寧々さんと手分けして解析したらそれぞれ人肉と魔人麻薬でした」
どうやらバラバラ遺体が見つかったダイナーは、まだ正確な情報は得られてないもののの人食い魔人向けの食堂を裏でやっていた可能性が高いらしい。
尚注射器が見つかった金庫の備わった倉庫には確定で裏組織に流通するための魔人麻薬の注射器が保管されていた場所とのこと。
「やっぱり…道理で怪しいと思ってたけど…」
「それとこれは未確定情報ですが、ダイナーの方は人食い魔人の向けた人肉を提供してた可能性が高そうです」
「人食い魔人向けの人肉……」
「あと倉庫で寧々さんが見つけた金庫の方ですが、こっちは魔人化薬用の注射器を保管する場所だったみたいです」
つまり裏ダイナーや金庫に眠っていたであろう魔人麻薬や製造や密輸ルートが存在しているということであり、人肉に関しては被験体の人が使われてる可能性が高い。
ならば新たな犠牲者が出る前に早急にルートを潰して人肉に利用されている人たちを助け出す必要がある。
「ってことはそのルートや製造拠点、あと人肉なら被験体が……」
「あり得ますね、そうなると一刻も早く見つけ出して潰さないと…」
そんなことを話していると研究部屋から出てきた寧々が、エクシーズ向けの調査報告書が出来た旨をアメヤたちに伝えていき、それを聞いたアメヤが後で送っとくと返答を返しつつ、ルートは割れそうかと尋ねていく。
とはいえ流石にまだ鑑定中なのですぐには結果がでないどころか、襲撃してくれたどこの誰だかのせいで証拠品が少なすぎてかなり厳しいらしい。
「はぁ…疲れた…、あっアメヤさん。報告書できました」
「お疲れ、後ではやてさんに送っとくわ。それより鑑定結果どう?ルートとか割れそう?」
「いやー、そこまでは厳しいかも…。襲撃してくれたどこの誰だか知らない奴らのせいで現場の証拠品が少なすぎて…」
少ないというよりは徹底的に破壊されて少ないといったほうが正しく、まるで魔人化薬や人食い魔人向けの食堂を狙って潰しているようにも感じると寧々がそう口にした。
「でも少ないってよりかは魔人化薬や人食い魔人向けの食堂を狙って潰しているようにも感じるのよね…今回の襲撃」
まあ言われてみれば確かにそう、というかこの2つの場所以外でも魔人関連の人が次々を襲撃を受けていることから、その線が強いと言ってもいいだろう。
とはいえ誰がやっているかはある程度目星がついているらしく、朱音がパソコンを操作すると魔人狩りという文字と共にデータが画面に表示された。
「まあ確かに…この2つ以外でもそれ関連の人たちが殺されてるわけだし…」
「けど宛がないって訳じゃないけどね…、一応宛はつけてるんだ」カタカタ
「魔人…狩り?」
少し前から噂されている組織であり、その名の通り裏社会で跋扈(ばっこ)する、違法薬物「魔人化薬」を扱う組織や、自ら魔人になることを選択した者を標的として潰して回る存在らしい。
「はい、ちょっと前から存在が確認されている組織です。詳細な情報量は不明ですが、違法薬物「魔人化薬」を扱う組織や、自ら魔人になることを選択した者を標的としているらしいです」
とはいえ現場の状況や背景から察するにこの魔神狩りが絡んでいることはほぼ間違いない…のたが、この組織のおかげで軒並み証拠が潰されており、裏ルートの把握が困難になっているのもまた事実。
おかげでこっちは苦労してるんだけどなぁ…とため息を零しながら愚痴をこぼすアメヤに対して、寧々が激しく同意…と同様な表情を浮かべる。
「ったく…裏ルートを潰してくれるのはありがたいけど……、証拠品まで潰されちゃたまったもんじゃないですよ…」
「言えてる…もうちょい証拠品は大事に扱ってほしいです……」
SIUの車両基地、ここには捜査などで使う車両などが保管されており常に出動できる体制を整えられるように整備や点検などが出来るスペースが確保されている。
そんな車両基地内では捜査員兼メカニックの早瀬柚乃(はやせ ゆの)が白髮ショートヘアを揺らしながら捜査車両(新型フォワード 救助車)のエンジンルームを空けてゴソゴソと作業をしていた。
近くではユキの姿があり、車両整備に黙々と励む柚乃に差し入れの飲み物を持ってきて手渡していく。
「お疲れ様ー、飲み物持ってきたわよー」
「あっサンキュ、ありがとう」
飲み物を受け取り一旦一休憩挟みながら、彼女に対して柚乃はここはどう?と尋ねる。
前いた警察より確かに激務ではあるが、その分手当てや福利厚生も充実してるし、何より自分のやりたい捜査ができるのが大きいとユキはそう答えた。
「どう?ここに来て」
「そうねぇ…まあ確かに激務だけど…その分充実はしてるわ、何よりやりたい捜査が出来るのが大きいかしら」
元警察車両整備の出身である柚乃も、1人で何台もしないといけないのは大変ではあるものの、楽しく話しながら出来るため、そこまで苦ではないとのこと。
「柚乃さんはどうなの?」
「そうねぇ…1人で何台もしないといけないからそのへんは大変だけど、でも楽しく出来るから苦ではないかしら」
そんなやり取りを交わしていると、ふと柚乃が最近魔人関連の施設や関連の人たちが襲われてるそうじゃないと口にする。
「ってそういえば最近多いらしいじゃない?魔人関連の施設や人への襲撃事件」
実際彼女の指摘通り二日前の夜だけでも4箇所で魔人関連の施設や人物に対する襲撃事件が相次いでおり、ユキを始めとした隊員はその捜査に追われているらしい。
噂では魔人狩りが活動しているのでは…とされているが、正確な情報がまだ得られてないためまだ断定は出来てないとのこと。
「はい、現に二日前だけで4件ほど魔人関連の襲撃が……現状では魔人狩りって人たちの犯行の可能性を考えていますけど…」
「魔人狩り…ねぇ……」
そんなことを話しているとアメヤが車両基地へやってきて、襲撃事件に関しての会議をするから集まってほしいと告げてきたため、2人は一旦車両整備や会話をやめてアメヤについていくのであった。
「あっいたいた、おーい2人とも会議するからオフィス集合で」
「ほーい」
「わかりました」
「んじゃまあ、初任務終わったってことで…シイナお疲れー!」
「しーちゃんお疲れ様ー!」
その日の夜、久瀬家ではシイナの初任務が無事終わったということでお祝いも兼ねてアメヤとセツナが気合いを入れて作った豪華料理を囲んで食べていた。
いつもセツナがいい手料理を作ってくれてはいるが、今回はいつになく気合いが入っており、美味しそうな料理をシイナは笑みを浮かべながら頬張っていた。
「うわー♪これどしたの!めっちゃ豪華!」
「シイナが初任務無事に終わったって言ってたから、そのお祝いも兼ねて奮発しちゃった…!」
「もちろん手料理は私♪」
「ありがとう2人ともー、んー美味しい!」
そんなこんな食べながら話を弾ませていると、アメヤとシイナがセツナに対して明日空いてるから一緒に遊びに行かないかと提案。
もちろん久しぶりに3人で遊びに行けるということでセツナはいつになく満面の笑みを浮かべると、やった!と喜びを露にしていく。
「あっセツナー、明日私と姉さん休みだから一緒に遊びに行かない?」
「えっいいの!?やったー!行く行く!」
その後は何処を見て回るかなど楽しげな会話をリビングに響かせながら、テーブルに並べられた豪華なセツナとアメヤの手料理を3人で美味しく食べていくのであった。
登場キャラ
早瀬柚乃(はやせ ゆの)
年齢:24歳
モデルキャラ:アンリエッタ・ペンローズ
SIUの捜査員兼メカニック、主に車両の整備などを担当しどんな損傷も状態によるが短期間で直せるほどの実力を持っている。
元警察車両専門の整備士だが、メカニックが必要ということではやてが引き抜きてきた経緯を持つ。
尚メンバーでは最年長ということもあって、時にはリーダー的ポジションを取るが、本人曰くあんまり上には立ちたくないとのこと