あたしが魂の回収の告知をしようとすると、リボンちゃんも時期が分かってたみたい。
お友だちってすごいなあ。
「うん、そろそろ回収だよ。五日後に魂の回収をするよ」
「そうなんだ。――うん。もう、いいよ。わたし、いまとっても幸せ」
ふわふわな魂のリボンちゃんが、ふわふわに笑っている。
でも、ちょっぴり早とちりしてるのかな。可愛いなあ。
「んっとね。まだ告知だけだよ?」
「ううん。いまね、わたしがこれまで生きてきたなかで、いっちばん幸せなんだ。だから、いまがいいの」
早とちりじゃなかったみたい?
そっかあ。それなら、今日が良い日なのかな。
リボンちゃんの瞳にも魂にも、揺らぎはない。うん、そうなのかも。
「じゃあ、今から回収することにするよ?」
「うん。…リズちゃんはわたしの魂を回収したら、食べるんだよね」
リボンちゃんはあたしの目をまっすぐ見ている。
まだ子どもだけれど、ちゃんと悪魔のあたしのことを理解してくれてるみたい。すごいなあ。
「そうだよー?」
「なら、いいかな。おいしく食べてね?……最後に、ぎゅっとしてほしいな」
あたしに向かって両腕を広げるリボンちゃんを抱きしめてあげた。とっても素敵な契約者さんだ。
「リズちゃん」
「んー?」
「…ううん、なんでもない。――わたしの魂を食べるのがリズちゃんでよかった」
魂から甘い香りが漂ってくる。今のリボンちゃん、今までで一番美味しそう。
抱きしめたまま、リボンちゃんの胸に手を当てる。
「それじゃあ、魂をもらうね?」
「どうぞ。…リズちゃん、大好き。ありがとう」
あたしは魂を抜き取った。
とっても綺麗な魂だ。ふわふわで柔らかくて、温かい光が漏れてる。
最初に契約を渋ったあたしが、間違ってたみたい。人間さんって難しい。
口に近づけてみると、甘い香り。
「いただきます。…あむ」
食べると、幸せが溢れてきた。
「…甘くてふわふわだあ。とろとろでぽかぽかで、美味しいー!」
でも、ちょっとだけしょっぱいかも。なんだろ、もう少し遊んでも良かったなあ。
「よし、出来た!」
白いお花畑の中で、あたしはお花の冠を二つ完成させた。
うん、とっても上手に出来たかも。何度か教えてもらったから、上手くなったなあ。
花の冠の一つをリボンちゃんの身体の、頭に載せてあげる。
もう一つはあたしの頭の上に載せた。
とっても可愛いお花の冠を教えてもらったし、魂もとっても美味しかった。嬉しいな。
あたしは、お花畑に倒れたリボンちゃんの抜け殻をそっと撫でてみた。