何やら神に喧嘩を売った雪国に転生したらしい 作:てきとーでいこう
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創作意欲湧き出る
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やったろ
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投稿 イマココ
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スレトモロスクの朝は早い。
いや、正確にはスレトモノスクに居住する俺の朝は早い。
時刻を見ると午前4時。
外はまだ暗い。
かつてはこんな時間に起きるのは苦痛の極みだったがこの生活に慣れた今としてはなんの苦でもない。
極寒に耐えるため、灰と青を基調とした防寒着を着て近くに置いてある愛銃を手に取る。
ここスネージナヤの極寒でも弾詰まりが起こりづらく、耐寒性も高い特注の品だ。
結構なモラが吹き飛んでしまったが後悔はしていない。
一応鏡で服装をチェックしておく。
客観的に見ることで忘れ物は意外と減るのだ。
鏡に映ったアイスブルーの髪を持ち、薄紫色の瞳を持つ少女もとい俺は一つずつ装備を目で追いながら確認する。
どうやら問題はなさそうだ。
用意しておいたホットミルクを飲んで体を温める。
いくら暖かい家にいたとしても事前に体を温めておかなければすぐに寒さにやられてしまうのだ。
友人はそんなものなくても平気だというが。
「おい、そろそろ行くぞ」
家の外から声が聞こえる。
もう出発の時間か。
毎度のごとく待ってくれるのはありがたいがその間暖かい部屋にあればいいのにとも思う。
「わかってる。今行く」
そう返事をして扉を開ける。
そこにいたのは雪のような髪と、透き通るような琥珀色の瞳を持つ俺の友人アリョーシャだった。
「やっと来たか」
「いやいや、時間通りだろ。毎回ここで待たずに暖まってればいいものを」
「どうせ行くんだ。そうたいして変わんないさ」
「寒くね?」
「俺はお前ほど寒がりじゃない」
その言葉に対して俺は肩をすくめる。
それを否定できる証拠がないからだ。
「今日の目当ては?」
「鹿だ。この前群れを見つけてな」
「へぇ?」
「道中魔物もある程度いたが迂回していけば問題ない」
「最悪の時は俺の銃で狙撃するか吹き飛ばしてやるよ」
手に持っているショットガンと背に掛けてあるライフルを見せながら言う。
それに対してアリョーシャの反応は淡白だ。
「消音機能のあるライフルはともかくそっちは音がデカくて魔物にバレる」
「コイツを使う時は思いっきしバレてる時だから問題ない」
「問題大有りだ馬鹿野郎」
「ワンッ!」
その通りだと言わんばかりに吠えるのはアリョーシャの愛犬にして猟犬であるトゥガリンだ。
「わかってるって。ほら機嫌直せよ……肉やるからさ」
そうやって懐からもともと上げるようだった肉を取り出すとトゥガリンは遠慮なくがっつき始めすぐになくなってしまった。
「相変わらず肉が好きだな」
「お前が定期的に上げるからだろ」
「可愛いから仕方がない」
犬とは存在するだけで心を癒してくれるのだ。
その礼をするのは当然だろう。
何やら呆れの視線を感じるがそれはきっと気のせいだ。
「……まぁいい。そろそろだ」
「了解」
背負っていたライフルを構え、鹿に照準を合わせる。
多少風が吹いているが俺の元素なら問題はない。
俺が放った弾丸は寸分違わず目標の頭に直撃した。
「風元素か。便利だな。風で弾道を調整できる」
「俺としては雷の方が羨ましいがな。感電で動きを止められるだろ? トゥガリンがいるお前にとってはこの上ないだろ。俺も欲しいな……猟犬」
「そんな余裕はあるのか?」
「ないです」
弾代と銃のメンテ費用、食費。
そして何よりここスネージナヤで大切なエネルギーの源であるクルースニク晶鉱。
「また値上がりしたな」
「ここへの供給量が少ないからな。需要と供給だ」
「それ本当だと思うか?」
「ま、シシュキンや市長は怪しいと思うが」
「だよなぁ」
アイツらが寒さでヤベェみたいなことを言っているのを見たことがない。
俺が単に出会わなすぎの可能性もあるが……
「スネージナヤ・グラードまで行ってる身としては途中で通り過ぎる列車に積んである量と供給される量に違和感がな。ハッキリと確かめたわけじゃないからただの推論だが」
「この寒い中列車も使わずに単身街から街まで移動するもの好きはお前くらいだろうな」
「列車の切符代も高くなってきてるからな。節約だ節約。元素力は無料なんだぜ?」
俺がそういうとアリョーシャは呆れた様子で言う。
「移動しやすい風元素だからと言ってここまでやるやつは見たことねぇよ。一体どうやってんだか」
「そこはあれだよ、あれ。企業秘密」
「はぁ、そういうと思った」
わかってたとばかりに軽く流したアリョーシャは会話しながらも仕留めていた鹿からあらかた剥ぎ取りを終えたようだ。
「帰るぞ」
「はいよ」
最近現れたらしい吹雪の原因である魔物に対して文句を言いながら帰路に着く。
この極寒の地を歩きながらふと思う。
旅人はいつやってくるのだろうか、と。