「 なるほどねぇ。つまりキミ、先輩たちが四番隊をバカにしてるのが気に入らなくて、あんなことをしたわけだ。 」
「 武に身を置くもの、己の程度を知らねばならない。
まして自分たちは回道を使えない。傷を癒やしてくれる者たちの有難みを、彼奴らは分かっていない。さらには鬼道すらも愚弄する始末とあっては戦士として三流以下です。
身共はそんな輩と肩を並べるつもりはない。
その点で言えば京楽隊長、貴方は連中よりもずっと聡明でおられる。
いや失礼。十一番隊などと比べるなど、憚られますな。 」
「 いやいやいいよ。でも、比べるのはあまりよくないよね。 」
その晩、新しい隊士を迎えた八番隊は、京楽隊長の主催で酒宴を開催していた。
その場には隊士たちのほとんどが一堂に介している。
悟は松葉の隣。さらにその隣には七緒と京楽である。
その場にいない円乗寺はというと、悟が連れてきたばかりの松葉に喧嘩を売ってあっさりと斬り伏せられてしまい、
今現在四番隊のお世話になっている。
最もそんな大所帯のなかでも、松葉の話し相手は決まって悟と京楽であった。
「 しかし、あのような者が三席で良かったのですか? 」
「 野暮だぞ松葉。隊長職でもない上の職にはああ言うのをつけておけばいい。吾輩も多分そんな上の席には着けそうにないしな。 」
「 上の席? 」
「 ああ、知らなかったのか?吾輩、こないだメノス含めて虚の群れをだな・・・ 」
どうやら松葉は知らないらしいことを悟った悟は、メノスを含めて複数の虚を討伐したことで、席官への昇進が早くも打診されていると、そうあの思わぬハプニングには触れずに自慢しようとしたが、
「 隊長!隊長っ!! 」
駆け込んできた先輩隊士に遮られてしまった。同時にこの展開に、既視感を覚える。
デジャヴ、というやつである。
「 ん、どうしたの? 」
「 申し上げます!潤林安に再びメノスが現れたと!しかもまた虚の群れ二十体あまりを連れていると! 」
「 またぁ? 」
京楽も、またと同じく既視感を感じていた。前回と同じところに、大虚が現れるとは。
「 早速の見せ場・・・身共が参る! 」
「 おいちょっと待・・・あぁ、行ってしまった。 」
騒ぎの知らせを聞きつけるなり、松葉は居酒屋をでて走り去っていった。
眼にも留まらぬ、疾風の如く駆ける。その周囲はあまりのスピードに突風が吹きすさぶ。
( 前回と同じく潤林安、ということはこの道だ。 )
悟と違い、ある程度の土地勘を掴んでいた松葉は、周りを巻き込んでは悪いと感じて建物の屋根に飛び乗り、跳躍しては乗り移ってを繰り返した。
「 おい、待て松葉。 」
そんな彼についてこられる人物がいた。
「 悟か。他の連中は? 」
「 酔いがあるから少し遅れるそうだ。隊長も早く現場に行けるように水をキメて善処してくださってる。
まあ、その前に吾輩らだけで肩がつきそうだが。 」
「 そうか。あのメガネのボインちゃんはどうした? 」
「 伊勢副隊長なら隊長の付き添いだ。まあべったりなのはいつものことだ。吾輩的には仲睦まじいようで何よりだが。 」
「 他の奴は?主に八番隊以外の連中は? 」
「 そんなん知らん。吾輩もお前に次いで急ぎで出たからな。しかし松本副隊長はボインボインと今日もおっぱい揺らしてくれてる筈だ。 」
「 堪らんな。身共はどちらかといえば、尻が好きだが。
その点は砕蜂隊長も評価に値する。 」
「 ああ言うのが好きなのか、お前? 」
「 そうというわけではないが、見た目の歳が近い、或いは少し幼いというのが、ポイントだ。 」
「 つまり、年下が好きと。 」
「 そうなるのだろうか?正直よく分からない。身共自身詳しく自分の歳も覚えてないからな。ただあまり永く生きてもいない。 」
そのまま駄弁りながら走っているうちに、門に行き当たり、そのまま崖を跳ねる鹿のように飛び越えてしまった。
流魂街西一区潤林安。ここはまたしても虚の脅威に晒されていた。
悲鳴の挙がる街中に、無数の虚の群れを伴い、以前の個体のように街のど真ん中に佇む大虚。
それを見つめるのは、どの死神よりも早く到着した独特な格好をした二人だ。
「 またこの数か。この頃多いなぁ、虚。 」
「 黒幕かなにかでもいるんじゃないのか? 」
「 まさか。だがありえん話でもないよな。 」
「 それよりも、早めに片してしまおう。 」
二人は斬魄刀を抜いた。松葉のそれも悟の空即是式のように既に始解になっている。
「 メノスは譲ろう、吾輩から八番隊入隊祝いだ。 」
「 そうか。かたじけない。メノスを狩るは死神の誉れよな。 」
松葉がギリアンに向かって駆け出し、悟は手に力を入れて、鬼道を詠唱した。
「 破道の五十七 大地転踊! 」
岩石群を飛ばす破道の五十番台鬼道。宙に浮いた岩を次々に飛び移り、
必殺の一閃にて大虚を斬り裂いた。
「 鳴り渡れ、冥響! 」
松葉の苗刀型の斬魄刀。その能力は周波である。
凄まじい小刻みな揺れによって、触れることなくその巨躯は消えていった。
その後は彼らのワンサイドゲームであった。虚たちは斬魄刀の斬撃によって、一瞬のうちに斬り裂かれ、破道によって瞬時に焼き尽くされていく。
おかわりとしてギリアンがもう十体ほどでてくるが、ここまでくるともはや誤差も同然だった。
その姿を、一人見るものがいる。
奇妙な出で立ちにサングラスをしたその男は、松葉の斬魄刀、冥響を見つめていた。
「 高周波を発する始解か。オサレじゃないが、一周回ってオサレだな。 」
オサレなこの男は、一体――――!?
その頃、尸魂界の、遥か上空、霊王宮。
「 う~む、死神もすっかり弱くなってしもうたと思っとたが、今度のは中々腕が立つようじゃの。
特に悟、此奴色々と懐かしく感じられるわい。
・・・それにしても、あやつが姿を現すとはの。 」
「 これは、一波乱起きそうじゃ。 」
死神の長、真名子和尚は、千年続いた平和が陰りつつあることを察していた。
松葉四苦八苦
始解、冥響(冥府にまで響く、故に冥響)をお披露目した。高周波を発してアホみたいにスパスパ切れる、ジェネリック王悦な刀である。
斬魄刀"冥響"の具象体はカッチョイイホワイトタイガー。
檜佐木悟
松葉とエロ談議していた。
京楽春水
松葉くん入隊祝いに飲み会をしていたが、また大虚が現れたと聞いて大急ぎで酒を抜いている。
七緒ちゃん
そんな隊長に付き添っている。いつもの事。
円乗寺辰房
松葉にぶった斬られて霊圧が消えた。
松本乱菊
八番隊の隣で飲んでいたが、潤林安でのメノス襲来をききつけ、自分も一応出撃準備を始めた。
ナンパされないかと内心期待していたが、そんなこともなかった。
山本元柳斎重國
みんなが大虚出現で慌てふためく中、藍染と雛森を呼びつけて習字の練習をしていた。
書いていた字は、"乳"。
これにはヨン様も苦笑い。
????
BLEACHとは切っても切れない見た目をしたグラサンの男。一体、何者なんだ。