いずれ迎える■の為に   作:INUv3

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[For the sake of reaching ⬛︎ someday] -ARK GUARDIAN - Reverse Side- 終章

…あの日、俺は分岐点を踏み付けた

指揮官は脇腹が抉られ生命維持装置によって

生き残ったが、無理は出来なくなった

そしてリリーバイスが全員に寿命を伝えた

スノーホワイトは泣き叫んだが今は落ち着いた

紅蓮は何となく分かっていたのだろう

ラプンツェルは崩れ落ちそうになったが立ち上がった

ドロシーは以前から聞いてたのだろう

そして俺は、更に感情の起伏が薄くなってしまった

元より感情の起伏が少ない男が更に少なくなった

俺に今ある感情は憎悪と無心の心のみになった

他に湧き出る感情が無くなったのを感じ取れた

あぁ…すまない…すまない原典…カルナよ

俺は貴方を尊敬していた、貴方の生き様を目指した

だが…結果的にこうなってしまった…

酷い生き様だ、生き恥でしか無い、だが死ねん

俺は死んでは居られないのだ、誰かを助ける為に

 

「ほら!カルナ、貴方も来て!」

 

「…了解した」

 

今、リリーバイスは純白の花が咲き乱れる

真っ白な花畑に来ていた…勿論、ゴッデス皆で

リリーバイスは本当に幸せそうな顔だった

元は俺に好意を抱いていた、あの少女が

今は本気で心の底から惚れた男…

アンダーソン指揮官の手を取っている。

本当ならばレッドフードも居て欲しかったと

リリーバイスは言うが、仕方の無い事だろう

 

あぁ、以前の俺は、この光景をどれ程まで

 

 

待っデいタノダろゥか?

 

 

…別の感覚が俺を襲うが精神を整理する

だが、達成感のみが俺を襲い続けてしまう

摩耗した精神は嬉しさという感情を忘れ切った

だからこそ、他者が嬉しそうにしているという

事しか分からなくなった…

 

 

 

 

 

俺が警戒を続けている間に写真を撮る事となった

 

リリーバイスの頭にはスノーホワイトが作った

白い花の花冠が乗せられていた

 

「俺が撮る、お前達は並んでいろ」

 

全員の意見を無視し、俺はカメラの後ろに回る

今の俺と誰かが撮ったところで、誰も幸せに

なんてなれる訳がない、コレは差なのだ

輝く事も無い俺と今を輝かしく生きる彼女ら

その差であり、溝なのだ…

指揮官とリリーバイスを中心に全員が並ぶ。

俺は丁寧にカメラのピント等を合わせ

全員を画角に合わせながらパシャリと撮る

その後、指揮官とリリーバイスのみを撮ったり

リリーバイスと他のゴッデスメンバーの

ツーショットを撮ったりしたが俺は1枚も

入る事なく終わらせた…俺に入る資格は無い

だから俺は誰も居ない方を向き続けた

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

それから暫く経った日にて、第三次封鎖作戦が始まった。

既に量産型部隊も一人残らず集結し切っていた

この作戦において、量産型の参加は本人の希望制

つまり、この作戦に参加している者は

自らの意思で、この場に立つことを選んだ者たちだ

 

「…よし、第3次封鎖が始まった。さっそくだが、いい知らせと悪い知らせがある。どちらから聞きたい?」

 

「悪い知らせからお願いします」

 

「軌道エレベーターに集結していた精鋭ラプチャーの大多数が、こちらへ向かっているらしい。これで最後だと勘づかれたのかどうかは知らないが、人類にとどめを刺そうという気だろう」

 

「それは…最悪の知らせですね。それで、いい知らせの方は?」

 

「今朝は快便だった」

 

「はい。そうですか。よかったですね」

 

「朗報ならあるぞ。私とラプンツェルの新しい装備だ」

 

「はい。戦力の向上になりますね」

 

「うん。2人とも、よく似合ってるわ」

 

「カルナさんとドロシーとお姉ちゃんの分は用意出来ませんでしたが…でも!性能を大幅に上げられました!激闘になると考え防御力には特に重点を置いています!」

 

「気にしないでください。今のままでも不足はありませんので」

 

「大丈夫よ、スノーホワイト、私は、ほら…アレだから」

 

「不要だ」

 

「ふむ、そうなのか?それにしては軽い気がするが…具体的には?」

 

「ええと…細かい数値は出ませんけど、2倍以上になったはずです」

 

「生身の人間の分はないんだろうな?」

 

「そんな余裕ありません!そもそも指揮官は下がっててください!」

 

「さて、それじゃあ行くぞ」

 

「ゴッデス部隊、レディ……Encounterッ!!!」

 

誰よりも早く動き出す

ラプチャーを殺す事が、存在意義なのだ

 

 

 

 

 

 

 

凄まじい轟音が戦場に鳴り響き衝撃が走り続ける

タイラント級ラプチャーであるウルトラが

融解した装甲によって動けずに、その巨体が切断された。

瞬く間に空中に滞空していたストームブリンガーは

音を上げる間もなく、コアに風穴を開けられ絶命した

戦場から瞬きをする間に数千のラプチャーが

その命を散らしていく、その前線に居るのは

ゴッデス部隊の面々でもリリーバイスでも無い

ただ1人の男が全てを蹂躙し続けていた

空も地も何方も安全圏なぞ無し

良心の呵責を捨て、戦場に呵責を無くした彼に

撤退と言う二文字など無いのだから

だが、それでも停められない物量により

勝利の翼号は敵陣の真ん中で不時着している

それを護るように彼がラプチャーを破壊し続ける

彼が放つエネルギーは一射だけで戦場を融解させる

巻き込まれたラプチャーは数える事すら不可能

まさに絶対的な暴力にラプチャーは物量でしか

勝ち目が無かった…

 

 

 

そして、その光景を、その姿を、その背中を

地上に堕ちた少女…スノーホワイトは見てしまった

 

かたかたと銃を持つ手が震える。

更に通信機が故障したのか仲間と連絡が取れない。

目の前の仲間は負傷している。

自分がやるしかない。けれど、恐怖が押し寄せる。

だが、自身を護る背中に頼りきっていては

確実に彼は堕ち、私達は死んでしまう

動かなければ、動かなければと彼女は藻掻くが…

 

 

だが、それでも、見続けてしまった

 

 

あぁ、なんて輝かしく、冷たく、そして…憎らしい

あの様な力が欲しい、あの様な勇気が欲しい

あの様な精神が欲しい、あの様な背中を…

ならば、どうすればいいのだろうか?

記憶だ、記憶を探ればいいだろう

 

記憶? あれ? 記憶って何?

 

あぁ、そうだ、再設定しよう。

 

ラプチャーの倒し方。

 

 

現在の状況で最重要。保持。

再強化プログラム───スタート

 

 

戦闘技術に関する情報

現在の状況で最重要事項の確認

武器製造、改造の知識。現状不必要

 

だが、今後の戦闘にも有用。保持。

恐怖心、躊躇、必要不可と判断

現在の状況で完全に無用。消去。

 

ドロシー、ラプンツェル、紅蓮、量産型ニケの情報。

 

現在の状況では無用であるが

今後の戦闘に有用。保持。

個人的な関係の記憶も保持。

 

リリーバイス、レッドフード、指揮官の情報

 

自身の存在証明の証

個を保つ事項として必要

最優先事項として保持。

 

カルナを守護対象と定義

 

不必要と判断、消去

 

 

ラプチャーの情報を統合化

再構築…開始…───成功

 

 

生きる理由を再設定

 

 

人類を守り、アークを守り続ける。

 

そして私が──味方を、仲間を守る。

 

その為に、敵となるラプチャーを破壊する。

 

「…エンカウンター」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

何があったかは分からないが

スノーホワイトが思考転換によって戦闘可能となった為

任せ、俺は敵勢力が固まり続けている場を破壊し続けた

二次被害を気にする事なく宝具を連発し続けラプチャーを

一機残らず壊し続けた、肉体には多数の傷が着いたが

全て致命傷には至らない、ならば日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)

魔力を回すならば宝具に使用し壊し続けた方が

遥かに効率的だと気付いた為、治さずに戦う

空を飛ぶラプチャーには日輪よ、穹を埋めよ(ラール・ビジュリー)

地上を這うラプチャーには梵天よ、地を覆え(ブラフマーストラ)を使い続ける

 

途中、量産型ヘレティック数体が指揮官の

居るだろう場に向かって飛んで行こうとした為

梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)にて塵も残さず殺した

だが、敵の後続は終わる気配を見せない

ならば…使用するしかあるまい、どうせ見せた所で

"奴"程度が、この絶技を停める術なぞ無い

俺は人類に被害が出ない場まで飛び立ち見下ろす

 

…どうやら、俺は貴様らを仕留めるには今のままでは不足らしい…故に貴様らを、この場から消し去る為の絶対破壊の一撃が必要だ

 

思い描くは己が体の一部であり無敵の源である

黄金の鎧を脱ぎ捨てるという代償の果てに顕現する

雷光で出来た神をも滅ぼす光の槍。

敵陣であった神々の王の真意に気づきながらも

自身の肉を切り裂く痛みに耐えて鎧を脱ぎ捨て

譲り渡した原典の高潔さと献身に感嘆した

神より授けられた、たった一度だけ使える必殺の神鎗。

 

肉体から黄金の鎧が消えていき背後に炎の目が出現

目は直ぐに消えるが一点に集中し1本の槍となる

その熱は俺自身を余裕で多い包む火柱となり

発せられた輻射熱だけで周囲の岩塊を

瞬時に融解・蒸発させていき辺り一面をマグマに変えた

数刻の時を刻んだ瞬間、空は崩壊し黒に染まる

背中には太陽を思わせる炎のシンボルが浮かび上がり

熱は更に増加していき物質がガラス化していく

既に全てのラプチャーは溶けて行き消滅した

 

神性領域拡大、空間固定。神々の王の慈悲を知れ

 

宝具を使用した時に起きる余波が人類に

向かわないよう、空間を固定化する

背中にある翼のような装飾を展開していく

そして、瞬時に光の羽を形成し反動に備える

 

 

絶滅とは是この一刺───インドラよ、刮目しろ。

 

 

槍を"上"に向けて放つ準備を進める

狙うは、クイーンただ一機のみ

 

 

 

灼き尽くせ…ーーーーー日輪よ、死に随え(ヴァサディ・シャクティ)ッ!!!

 

 

 

一筋の赤き光が宇宙に向かって発射された

それは軌道エレベーターの、とある場に直撃し

地表からでも確認出来る程の爆発を起こした

…あぁ…魔力が完全に切れたのだろう

翼が消え、槍も元に戻り黄金の鎧が戻っていく

成程…何度も使えるのか分かってしまった

この宝具は原典に比べた場合、100分の1も

出力が無いのだから…本当に…嫌になる…

 

最後に見えた景色は、此方を仰ぎ見た

指揮官、ドロシー、紅蓮、ラプンツェル

スノーホワイト…そして、俺の落下地点

その下で両手を構えていリリーバイスだった

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

あの日から数日が経った頃

 

俺達は棺を作った、真っ白な大理石にて作られた

立派で綺麗な、彼女が眠るに相応しい棺を作った

そして、彼女を弔った…ここまでの間を語ろう

 

リリーバイスは俺を受け止めようとしたが

落下地点を間違え、俺はそのまま地面に衝突

普通ならば死んでいる所だったが残った魔力が

日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)に回され

生存する事ができ、意識をすぐさま呼び起こし

指揮官をアークに見送る事も全員で出来た

そしてリリーバイスの最後をゴッデス部隊と共に

見送る事も出来た…だが、まだ終われない

 

俺は、終わる事を許されていない…だから進む

 

進み続けた先に…俺は選び続けよう、いずれ迎える…

 

「■の為に」




英雄は、戦争の歯車であった方が何かと都合がいい
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