> **かつてこの世のすべてを手に入れた男、「海賊王」ゴール・D・ロジャー。**
> **彼が死に際に放った一言は、人々を海へ駆り立てた。**
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> **『俺の財宝か? 欲しけりゃくれてやる……探せ! この世のすべてをそこに置いてきた!』**
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> **男たちは「グランドライン」を目指し、夢を追い続ける。**
> **世はまさに、大海賊時代――。**
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> **だが、その伝説が創り上げられるより以前。**
> **偉大なる航路の深淵には、世界を揺るがすもう一つの“天災”が嵐とともに解き放たれていた。**
――「偉大なる航路(グランドライン)」、新世界の荒れ狂う海原。
その海域にポツリと存在する、険しい岩肌に覆われた誰も近づかない無人島があった。
島の上空、雷鳴が轟く暗雲を突き抜け、異質な“存在”が舞い降りる。
黒い鱗を纏う、四肢と威厳ある翼を持った漆黒の巨龍。
古文書において“世界の終焉”と謳われた存在――リュウリュウの実 幻獣種 モデル『黒龍(ミラボレアス)』。
「フゥ……静かな島だ」
龍の頭部が徐々に縮み、漆黒の鱗が解けて人間の姿へと戻っていく。
現れたのは、黒髪を風になびかせ、背に人の身の丈を遥かに超える極長の太刀――名刀『政宗』を背負った青年の名はミラ
ミラが見聞色の覇気を島全体に張り巡らせると、海岸沿いに迫る一隻の巨船の気配を感じ取った。
赤く塗られた船首、帆に描かれた髭のドクロマーク。
――後に海賊王と呼ばれる男、ゴール・D・ロジャー率いるロジャー海賊団の船である。
「噂の豪傑……ゴール・D・ロジャーか。ここで待つとしよう」
ミラは背の『政宗』の柄に手をかけ、腕を組んで海岸の岩場に佇んだ。
島へ上陸してきたロジャー海賊団の面々。「わっはっはっは! こいつは驚いた! 船一隻動かさず、一人で俺たちを待っていたとはな!」
ロジャーが、豪快に大笑いしながら愛刀『エース』を引き抜く。「ロジャー、油断するな。あの男の気配……タダ事じゃない。龍のような巨大な威圧感だ」
スコッパー・ギャバンが二本の斧を構え、汗を流す。
見習いのシャンクスとバギーは、ミラの放つ凄まじい威圧感に足腰をガクガクと震わせ、物陰に隠れるのが精一杯だった。
「俺の名はミラ。……ロジャー、お前がどれほどの男か、確かめさせてもらう」
その中で、ロジャーよりも先に荒々しい足取りで前に踏み出した巨体があった。
「鬼の跡目」――ダグラス・バレット。
まだ若く、己の強さこそが全てと信じて疑わない狂気に満ちた眼光で、ミラを睨みつける。
「おいロジャー、引っ込んでろ。あの異様な気配の奴……俺が叩き潰す!」
「わっはっはっは! おいおいバレット、焦るなよ。だが……いいぜ、やってみな!」
ロジャーはエースを納刀し腕を組み、ニヤリと笑って見守る構えを見せた。
バレットは不敵に笑うと、ガシャガシャの実の能力を全開で解放。無人島の岩石、土砂、そして持ち込んだ大量の兵器や鉄屑を引き寄せ、自らの身体に融合させていく。
ドゴゴゴゴゴ……ッ!!
島の一部を飲み込みながら組み上がっていくのは、超巨大な鋼鉄の魔神――『鎧合体』(ユニオン・アルマード〟!!)
「カハハハハ見ろ! これが絶対的な暴力だぁぁッ!!」
巨大なバレットの鉄拳が、全島を叩き潰す勢いで振り下ろされる。
だが、ミラは不敵に目を細めた。
「デカさで押し潰せると思うなよ――」
背の『政宗』を鞘に納めると同時に、ミラの全身から禍々しい黒紫の燐光と漆黒の焔が爆発的に噴き出した。
ゴオオオオオオオオッ!!
一瞬にして天を覆うほどの黒煙の中から現れたのは、バレットの巨大兵器をも見下ろすほどの巨大な漆黒の巨躯。幾重にも重なる極厚の鱗、巨大な角、そして天空を覆い尽くす漆黒の翼――『完全龍化(獣型)』。
「オオオオオオオオオン……!!」
黒龍ミラボレアスの咆哮その衝撃波だけで、バレットの放った巨拳の勢いが相殺され、周囲の海原に津波が巻き起こる。
「な……なんだと!? 龍だとぉぉッ!?」
巨体となったバレットが驚愕する暇もなく、完全龍化したミラは天空へ羽ばたくと、黒龍の真の息吹を解き放った。
「『劫火』――!!」
天から降り注ぐのは、超高熱の漆黒と紅蓮の地獄の焔。
それは通常の火炎を遥かに凌駕し、触れた先から鉄も岩石も瞬時に蒸発・熔解させる“世界の終焉”の焔。
「グアァァァァァッ……!! 熱い、熱すぎる!!」
バレットの合体兵器は見る影もなくドロドロのマグマへと変えられていく。
バレットは必死に全身の武装色の覇気を限界まで練り上げ、溶け落ちる鉄塊の中から本体となって飛び出した。
「俺は……『最強』になる男だぁぁぁッ!!」
赤黒い覇王色を身に纏い、決死の覚悟で肉弾戦を挑むバレット。
だが、完全龍化したミラの圧倒的な質量と耐久力、そして龍の爪撃の一閃が、バレットの突進を真っ向から打ち砕いた。
ドカァァァァンッ!!
「ぐはぁっ……!!」
大地のクレーターへ叩きつけられ、全身の威圧感を失って倒れ伏すバレット。完敗だった。
静まり返る島に、悠々と舞い降りる黒龍。
龍の姿が徐々に解け、漆黒の燐光とともに人間の姿へと戻ったミラは、静かに『政宗』の柄に手を置いた。
その時、一歩前に歩み出てきた男がいた。
「わっはっはっは! まさか本物の『黒龍』拝めるとはな! 最高だ、バレットの奴も良い経験になったろう!」
ゴール・D・ロジャーだ。
ロジャーはニヤリと笑うと、愛刀『エース』を静かに引き抜いた。
その瞬間――世界が静寂に包まれた。
バリバリバリバリッ……!!!
ロジャーの全身から解き放たれたのは、天を焼き焦がすほどの**『覇王色の覇気』**。
黒赤の不気味な電撃が無人島全体を駆け巡り、上空の暗雲が巨大な渦を描いて真っ二つに裂けていく。ただ威圧するのではない。その場の空間そのものをねじ伏せる圧倒的な王の威光。
(……くっ、これが『王』の覇気か……!)
ミラの身体の奥底、古の黒龍の血が激しく逆巻いた。
負けじとミラも全身から漆黒と紫の放電を撒き散らし、自身の覇王色を全開で激突させる。
ドォォォォン……ッ!!
二つの覇王色が空中軸で激突し、触れ合ってもいない空気が爆ぜ、周囲の岩石が重力を無視して浮き上がり次々と粉砕されていく。
ミラは息を呑み、見聞色の覇気を限界まで研ぎ澄ませた。
視界に映るのは、単なるロジャーの姿ではない。世界中のあらゆる『声』を聞き分け、万物の呼吸を感じ取る――ロジャーの底知れぬ見聞色の気配。
「試させてもらうぞ、ロジャー!」
ミラは『人獣型』へと変貌を遂げると、長刀『政宗』を引き抜いた。
刃渡り二メートルを超える漆黒の刀身に、深遠な漆黒の**『武装色・硬化』**を施し、さらに自身の覇王色を刃へ纏わせる。
黒い稲妻を滴らせた『政宗』の一閃――神速の居合い斬りがロジャーの頸脈を穿つ!
「見事な覇気だ、ミラ!!」
ロジャーの目が見聞色によりミラの軌道を完全に捉えていた。
ロジャーは愛刀『エース』の刀身へ、溢れんばかりの覇王色を『纏わせる』。黒赤の覇気が巨大なオーラとなって刀身を包み込む。
クワァァァァァンッッ!!!!
互いの刀が交錯する――だが、刃と刃は接触していない。
数センチメートルの空間を隔てて、二つの超絶的な覇王色が正面から押し合い、衝撃波が無人島の大地を放射状に数キロメートル先まで切り裂いていく。
「オオオオオオン!!」
ミラは腕の龍鱗を過熱させ、武装色の圧力を限界まで引き上げて強引に押し込もうとする。
しかし、ロジャーの覇気はまるでどこまでも広がる大海原のように底が知れない。ミラの圧力を柔軟にいなし、そのまま圧倒的な密度で押し返してきた。
「神避(かむさり)――!!」
ロジャーの一閃。
それはただの斬撃ではない。過剰なまでに練り上げられた覇王色の塊が、ミラのあらゆる防御――黒龍の硬質鱗も、武装色の纏いもまとめて貫通して浸透してくる。
「ぐはぁっ……!?」
『政宗』の刃を通じて直撃した覇気の濁流に、ミラは体内の覇気を吹き飛ばされ、数百メートル後方の破砕された岩山へと深々と打ち込まれた。
ガラガラガラ……と崩れ落ちる岩石の中。
ミラは龍化が解け、人間の姿へと戻っていた。口端から一筋の血を流しながらも、その瞳には失意ではなく、未知なる強者への深い興奮と歓喜が宿っていた。
ロジャーは愛刀『エース』を滑らかに鞘に納め、肩で息をしながらも、悪戯が成功した少年のような無邪気な笑みを浮かべて歩み寄ってくる。
完全なる敗北。だが、それは覇気という無限の深みを見せつけられた、極上の激闘だった。
「ハァ……ハァ……。強いな、ゴール・D・ロジャー」
ミラは苦笑し、血を拭いながら岩山から抜け出した。
「わっはっはっは! お前もな! あのバレットを巨大化の上からねじ伏せた後に俺の覇気を真っ向から受け止めて立ち上がるとは、大したもんだ!」
ロジャーは大股で歩み寄ると、ミラの肩をドシドシと叩いた。
「なぁミラ! 俺の船に乗れ!!」
「……は?」
「お前ほどの男がこの狭い海で燻ってるのは勿体ねぇ! 俺たちは今、誰も到達したことのない『最後の島』を目指してるんだ! お前も来い! 一緒に世界をひっくり返そうぜ!」
自分を叩きのめした男の、あまりにも眩しい太陽のような器。
ミラは少し離れた場所で悔しそうにこちらを見ているバレットと目を合わせ、それから己の背にある長刀『政宗』に手を置いた。
(ロジャー……この男の覇気は次元が違う。だが、俺の黒龍の力もこれで終わりじゃない。バルカン、ラース、そしてルーツへ……俺が進化を果たし、覇気を研ぎ澄ました時、この男の隣で何を見る?)
ミラは口元を不敵に歪めた。
「ふっ……いいだろう、ロジャー」
ミラは手を差し出した。
「お前が見る『世界の果て』……この黒龍の目で見届けてやる」
「わっはっはっは! 決まりだ! 戻るぞ野郎ども! 宴だァ――!!」
ロジャーがミラの差し出した手を強く握りしめる。
こうして、伝説たる黒龍の能力を持ち、極長の銘刀『政宗』を振るう剣士・ミラは、ロジャー海賊団の一員として世界の真実を巡る航海へと旅立ったのだった。
ロジャーとの戦いをもうちょっと盛り、前半部分もちょっと追加してみました