黒龍の征く航路   作:tjgtxnx

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こうやっていざ書くとめっちゃむずい。自力で全部書いてる人達は尊敬します


2話 黒龍、宴に集う

 

無人島での激闘から数時間後。

「偉大なる航路(グランドライン)」を進むオーロ・ジャクソン号は、異様な活気に満ち溢れていた。

 

「わっはっはっは! 新しい仲間の誕生だ! 宴だァ――!!」

 

ロジャーの豪快な号令とともに、甲板には無数の酒樽が運び込まれ、巨大な海王類の肉がローストされ、音楽が奏でられる。

ロジャー海賊団の恒例行事、歓迎の宴が幕を開けた。

 

---

 

宴の中心には、ロジャーの隣に腰掛けた、黒髪の青年・**ミラ**の姿があった。

背負っていた極太刀『政宗』は近くに立てかけられ、彼は酒杯を傾けながら、賑やかな船内の様子を眺めていた。

 

「いやぁ、まさか本物の『龍』の能力者とはな」

 

ミラの隣に座ったシルバーズ・レイリーが、笑いながら酒を注ぐ。

 

「しかも、バレットを巨大化の上からねじ伏せるほどの力。わが船長が一目惚れするのも無理はない」

 

「……俺自身、まだこの力を完全に制御できているわけじゃない」

 

ミラは自身の右手に視線を落とし、静かに言った。

 

「俺は、リュウリュウの実 幻獣種 モデル『黒龍古の伝説に語られる、世界の終焉をもたらす龍の力だ」

 

その言葉に、少し離れた場所で斧を研いでいたスコッパー・ギャバンが、ニヤリと笑って近づいてきた。

 

「終焉の龍、か。恐ろしい能力だな」

 

ギャバンは隣に座ると、自身の酒杯をミラに向けた。

 

「だが、お前さんの覇気は、その力に飲まれることなく、自身のものとして扱えているように見える。……その『政宗』の剣筋も、ただの能力者じゃねぇことを物語ってた」

 

「そうでありたいと思っている。……この船に乗ったのも、この力が進化していく先にある『世界の果て』を、この目で見届けるためだ」

 

ミラは立ち上がり、酒杯を掲げた。

 

「俺はミラ。背の長刀『政宗』とともに、この船の航路を切り拓く力となる。……ゴール・D・ロジャー、お前が見る世界の果てまで、付き合わせてもらう」

 

「わっはっはっは! 頼もしいなぁミラ! 俺の目に狂いはねぇ! お前となら、必ずそこに到達できる!」

 

ロジャーがミラの酒杯に自身の杯をぶつけ、二人は一気に飲み干した。

船員たちから、割れんばかりの歓声と拍歩が巻き起こる。

 

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宴が大盛り上がりを見せる中、甲板の隅で、二人の少年がヒソヒソと話し合っていた。

 

麦わら帽子を被った赤髪の少年、**シャンクス**と、赤い鼻が特徴的な少年、**バギー**だ。

 

「おい、シャンクス……」

 

バギーが、宴の中心にいるミラを指差しながら、声を震わせる。

 

「あのミラって奴……本当に人間か? 俺、見たんだぞ……バレットが巨大化した時、あの奴……もっとデカい、真っ黒な、悪魔みたいな龍になったんだぞ!」

 

「ああ……俺も見たよ。あのブレス、島を半分溶かしてた……」

 

シャンクスも、いつもの明るさはなく、少し顔を引きつらせている。

 

「あの時、あの奴の覇気……本当に死ぬかと思った……。ロジャー船長は楽しそうだったけど、俺……あの龍の姿、夢に出そうだ……」

 

バギーは、自身の腕を抱え込み、ガタガタと震えている。

 

「大丈夫だよ、バギー。ミラはもう、俺たちの『仲間』だ」

 

シャンクスは、バギーの肩をポンと叩いた。

 

「それに、あの強い力が仲間なら、これからの航海、もっともっと面白くなるはずだ!」

 

「面白い……? 面白いどころじゃねぇよ! あの龍が暴れ出したら、俺たち全員、一瞬で灰だぞ!」

 

バギーが絶叫する。その声は、音楽と歓声に消されていった。

 

---

 

宴の喧騒から少し離れた場所で、全身に包帯を巻いたダグラス・バレットが、酒杯を片手にミラを睨みつけていた。

 

「……リュウリュウの実、幻獣種……黒龍……」

 

バレットは、己の敗北を噛み締めるように、苦渋の表情を浮かべる。

 

「今回は、俺の負けだ。だが、次こそは……!」

 

彼は酒を一気に飲み干すと、空になった杯を地面に叩きつけた。

 

「俺が世界最強になる男だ。……ミラ、お前を倒して、俺が最強であることを証明してやる!」

 

バレットの瞳には、敗北の悔しさではなく、ミラをライバルと認め、次は必ず勝つという強い決意が宿っていた。

 

---

 

一方、宴の中心でロジャーと笑い合っていたミラは、ふと、甲板の隅で震えているシャンクスとバギーに気づいた。

 

「(……まだ、あの時の恐怖が残っているのか)」

 

ミラは酒杯を置き、二人に近づいていった。

 

「……何か、困ったことでも?」

 

ミラの静かな声に、二人はびくりとして、同時に後ろへ下がった。

 

「う、うわぁぁぁッ! 龍だぁぁぁッ!」

 

バギーが悲鳴を上げ、シャンクスの後ろに隠れる。シャンクスも、顔を青くしながらも、バギーを守るように前に立った。

 

「……龍の姿に、驚かせてしまったな」

 

ミラは、少し申し訳なさそうに、笑みを浮かべた。

 

「俺は、黒龍の能力を持っている。……だが、俺は俺だ。お前たちの仲間だ。……恐怖心を、無理に拭い去る必要はない。……だが、俺は俺だということは、忘れないでほしい」

 

ミラの言葉に、二人は顔を見合わせ、少しだけ安心したような表情を浮かべた。

 

「……う、うん! 分かったよ、ミラさん!」

 

シャンクスが、明るく答えた。バギーも、シャンクスの後ろから、恐る恐る頷いた。

 

「(……少しずつ、慣れていけばいい)」

 

ミラは、二人の頭を撫でると、再びロジャーの元へと戻っていった。

 

宴は、深夜まで続いた。

新しい仲間、そして伝説の「黒龍」の力。

オーロ・ジャクソン号は、恐怖と期待、そして、新たな絆を乗せ、未知なる冒険へと向かって、荒れ狂う海を突き進んでいく。

 

 

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