この大陸の名前は「ニヴルヴェルト」
かつて、ここはいくつもの種族の人々が合わさって暮らす世界であった。だが、平穏な世界ではなかった。
緑溢れる森がたくさんあり、広大な大草原もあったが、多数の魔獣が闊歩している世界であった。
弱い魔獣なら人々は狩ることができたが、ときには強大な魔獣が現れることもあり、一瞬にして日常が崩れることも珍しくない、危機と隣り合わせの暮らしの日々を送る世界であった。
そんなあるとき、この世界に目を向けた神々がいた。神々はこの世界に降り立ち、元々暮らしていた人々に祝福を与えて、強大な魔獣に対抗する術である「ルーン」を教えた。神々は、人々に祝福を与えた代わりに、人々に神々を信仰するように命じた。人々は神々に感謝し、喜んで神々を信仰するようになった。それからは、この世界は神々と人々が共存する世界となった。やがて中央に巨大な大神殿を中心とする街が大陸にいくつか形成されていった。そして時が流れ…
ある日---
この世界は一変した。
一見すると変化は無いように感じるが、清らかな風が吹いていたが、禍々しい風が吹くようになった。やがてこの大陸に住む人々にも変化が起き始めた。
穏やかな性格をしていたヒューマンが、突然狂暴な言動をするようになった。緑豊かな森に棲んでいて、森の外に暮らす村の人々と交流が盛んだったエルフィンが、突然森に入ることを拒絶し、入ろうとする人々を排除するようになった。山脈にある鉱山で生活し、良く麓の町の酒場で町に住む人々と仲良くしていたドワーフ達が、あるとき暴力的になった。
各地に元々生息していた穏やかな魔獣たちも手がつけられないほどに狂暴化し、それ以外にも大陸各地で大小様々な変化が種族を問わずに起こり続けた。
何より一番の大きな変化は、この大陸と外大陸の間にある大海に、まるで大陸を隔てるように深い霧に覆われてしまった。外の大陸に行くために霧に入っても、真っ直ぐ進み続けているのに何故か反転して戻ってきてしまうのである。
この異変を境に、二ヴルヴェルトは世界から隔離されてしまった。
人々は、ただごとではない異常が大陸中で起こっているので、これを救ってもらおうと普段信仰している神々に助けの祈りをささげた。だが、大神殿を中心に大陸中に住まう神々は何も答えることはなかった。
大神殿や各地の町にある神殿を拠点に、活動している神官たちや、神々に力を特別に授かり、普段は魔獣退治などを生業としていた戦士たちは、気づけば街や町、村などから姿が消えた、残された人々は突然の危険と隣り合わせの生活となった。
やがて幾星霜の時が流れた。