担いだ神輿が重すぎる!   作:ノコギリヘッド

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 舐めてた相手に気づいたら逆転されてる展開好き好き大好き。


これが日常は重すぎる

 

「…あの、ボス?」

 

「なにかしら?あとプライベートでは『姉様』と言いなさい。何度言わせるつもりですか?」

 

「………“これ”をプライベートと呼べるのかどうかはこの際考えないでおきましょう。…では姉様、“これ”は一体どう言う了見で?」

 

 

 俺が指差す先にある物体…“鉄の棒”。これが一本あるくらいならまぁこれからぶん殴られるかもしれないねって話で終わるんだが…。

 …いや終わらないが?だいぶ毒されてるな俺…。

 とにかく、単品ではその程度だがそれが複数あり尚且つ縦にずらりと並べられ、俺が“内”で目の前の女が“外”ならば?

 

 

「何って…“檻”ですが?」

 

「そんな息を吐いたら空気が出る感覚で言われても困ります。説明を要求します、それに自分仕事が…。」

 

「はぁ…私の愛しく弱くそして愚かな“弟”…貴方は何も分かっていません。」

 

 

 なんで俺今罵倒されたの?

 

 

「第一に、仕事は私が済ましておきました。第二に弟、貴方“集会”にて私の許可無しに三度にわたって他所の女と言葉を介し、九度も目線を交わし合いました。これは許されざる、私と言う素晴らしき“姉”が存在しておきながらこの所業、厳重なる審議の結果guilty。貴方は罪人です、罪人には檻と相場が決まっているでしょう?」

 

 

 表情も声色も淡々としているが、オーラが様当然と言う雰囲気満々、うんどうかしてるな。まぁ仮にも弟と呼ぶ存在を牢屋にぶち込んで尚且つそれをプライベートとか言っちゃう人だし?…人じゃ無いけど。

 

 

「これからは仕事をする必要はありません、代わりのモノを付けます。外に出る必要はありません、わたしが全て用意します。体を動かす必要はありません、私の側に“在る”だけでよいのです。お風呂も着替えも排泄も、食事睡眠そして…夜のコトも、全て私が管理します。」

 

 

 それって実質的な死刑宣告では?それも即刻執行するタイプの。流石に上告。

 

 

「今回の一件は仕事の内で発生した不可抗力です。」

 

「私にはかなり親しげにしているように見えましたが?それに許可を…。」

 

 

 あの…貴女別室に居て話し合いをしてたんですよね?何で知ってるの?

 …あ〜…そういえば話し合いを期待する方が馬鹿だったな。だって…。

 

 

「…わたしが何かするたびに、王片に座す姉上の元に赴き、態々その様な事で許可を得に言っては、姉上の面目が立ちません。」

 

 

 “集会”のメインは王片に座す奴ら…いわば国家元首でそれが集まるサミット的なやつ。付き添いの外交官が行動の逐一…それも『女性と話をする許可を〜』なんて言ってみろ、メンツ丸潰れなんて次元じゃ無いぞ?

 そもそも逐一の行動に許可を求めるとかどうなんよ?赤ちゃんかよってな。

 

 

「…姉上は…わたしを信頼していないのでしょう。そこは自身の力の無さを…。」

 

「私のことを思っての行動、そう言いたいのですね?」

 

「YES その通りでございます。姉上交流は大切です、孤高と孤立を履き違えればその先は破滅。わたしの行動は全て献身です。その上で姉上は姉上の立場から、わたしはわたしの立場から出来ることを…「あぁ愛しい弟…。」…聞いてます?」

 

「ええ勿論聞いています…心で感じます、貴方の深い愛を…。あぁ弟あぁ弟愛しい弟、決めました貴方はもう何もする必要はありません。」

 

 

 それを聞いてないって言うんですよ知ってます?

 …すごく嫌な予感がするんだが…これもしかして事態は何一つ好転していらっしゃらない?

 

 

「以後より仕事をする必要はありません、代わりのモノを付けます。外に出る必要はありません、わたしが全て用意します。体を動かす必要はありません、私の側に“在る”だけでよいのです。お風呂も着替えも排泄も、食事睡眠そして夜に至るまでも、全て私が管理します。」

 

「あの、これまでの弁明聞いてました?」

 

 

 これが有罪率99%の壁って奴?ただこの場合だと有罪でも死刑、無罪でも無事死刑って感じだな。ぐう理不尽。

 

 

「……わたしが管理してる仕事ですよ?」

 

「ええ分かっています。」

 

「軍事、政治、技術開発…先頭を持つのはわたしですよ?」

 

「その程度私にも出来ます。」

 

 

 んなまさかぁ〜って、強がりだと思うじゃん?実際出来るから困るんだわ。

 

 

「資金管理!人事!外交!」

 

「ふふっ…別に必ずしも貴方がやる仕事ではありません。」

 

「くっ、じ、人脈!」

 

「…悪い虫が引っ付くと困ります。一度“整理”を考えて…。」

 

「…ッ!?」

 

「しかしそれ以前に、いくらなんでもこの組織ワンオペが過ぎますね…。」

 

 

 他にも色々やってるぞ。ただその意見に関しては同意、なんで俺こんな頑張ってるんだ?意味分からん。

 …あ、俺のせいだったわ。『どうせなら一番軽い神輿がいい!』って理由で俺がコイツ担ぎ上げたからだったな。じゃあこれ天罰?…仕方ないですやん他の選択肢が目に見える地雷過ぎてこれ一択だったから仕方ないやん!…ま、その一択もご覧の通りしっかり地雷だったんですけど(キレ気味)

 

 …ってキレてる場合じゃない!兎に角その頑張りこそ俺の価値ッ!ここで示さないとチョウチンアンコウのオスの如き最後を迎えてしまう…ッ!

 

 

「そろそろよろしいでしょうか?部屋を移します、繋ぎ止める場所は…私のベッドにしましょうか…。」

 

 

 ペットにされる!ベッドに繋がれてペットにされる!どう見ても冗談の目してないもん!愛玩動物にされてしまう!それは嫌だそれだけは嫌だ!俺はなんとしても自由になるんだ!

 何か…ッ何か!

 

 

「ぐぬぬ…。…来月の献立ッ!」

 

「それは…困ります…。」

 

 

 実は月一で厨房に立っているのが俺だ。皆んなからは割と好評…だと信じてる。…だってどいつもこいつも人外ばかりでわかりっこねーもん!

 人外と言えば…まぁ目の前のコイツもそうなんだが…。

 

 ここに来て初めて動揺…か?とにかく揺らぎを見せた、自称姉上なる者。

 身長は180センチ超えと“人間の女性”と比べれば高い部類。

 黒を基調に紫が掛かる艶のある髪に瞳は毒々しい黒曜色。…そして彼女を人外たらしめる角と尻尾…。

 黒く艶やかで鋭角的な双角はまるで結晶の様。よく手入れされているのか角を覗く俺が鏡面に写る…なんて事は流石にないだろうが、近くで覗き込めば本当に見えてしまいそうな風格だが…左角は半ばから折れてしまっている。

 鱗も毛もない尻尾はしなやかで細長い。昔よく絡めてて来た事があるがその時は割とクセになる触り心地だったのを覚えている。手入れを覚えたのか記憶よりも綺麗だが、勿論触った事はない。

 

 

「…何処を見ているのでしょうか?」

 

「…いえ。…ただ…お綺麗になられました…と。改めてそう感じる思いです。」

 

「………。」

 

 

 もうネタが尽きた。だからほぼほぼ命乞いだな、これでダメなら諦めるしか無い。

 

 

「……今日の所は許します。持ち場に戻りなさい。」

 

「…恩赦に感謝を…。」

 

 

 急によそよそしくなるとそんな事を言いながら鍵を俺の方に投げ入れ足早に立ち去った。

 …許された。時と場合によるが、ここで大事なのは余り媚び諂わない事だ。理由は下手にベタつくとウザがられるから(4敗)

 素直に短く丁寧に、それでいてさらりと終わらせる。大切なのは長引かせない事だ。

 

 

「…っく…出ていいなら出してくれよ…ッ。やり難いっ!…よし!」

 

 

 鍵と格闘する事10分、格子の間から腕を出し苦戦の果てに南京錠に鍵を刺し…ガシャン、晴れて俺は解放された。

 

 

「ふぃー、10時間ぶりのシャバは最高だな!」

 

 

 危ない危ない、危うくスープで鎖を錆びさせスプーンで地面を掘る羽目になる所だった…。

 ん?諦めるって言ってたって?バカ野朗諦めるのはこの瞬間の交渉であって俺の未来じゃ無い。そもそもこんな所とはおさらばするつもりだからなっ!

 

 こんな魔境に“人間”一人…サバンナに置いてけぼりにされた赤ちゃんみたいなもんだ!今日までなんとか生き残れたがもー我慢ならん!自力で動くには十分!人間サイドに逃げ込んで保護してもらう!決定事項だ!

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 …ガチャン

 

 

「………。」

 

 

 扉を閉めて一呼吸。さりげなく、流し目で辺りを確認し念の為魔力を薄く広げて下手人が居ないか様々まで確認して…ついでに扉の向こう側にいる弟に魔力をなすりつけておく。

 

 すぅ…ふう…。

 

 

「………。…ッ!私の弟完璧過ぎますッ!!」

 

 

 顔を両手で覆い背筋を伸ばして天を仰ぐ!

 あぁ幾らでも反芻出来るあの言葉あの表情あのシチュエーションッ!今日の夜のオカズはアレで決まりね。

 

 

「宣告に対してのらりくらりと冷静に対応する…詰問にも怖けずに余裕を持って答える…貴方はそう昔からそう…。そして…その昔からを続けてくれる唯一の貴方が…。」

 

 

 大好き…愛おしくて仕方がない…。

 …そして大好きだからこそ虐めたくなるもの、仕方なのです。

 

 

「焦った貴方が大好き…必死に自分の価値を示そうとしながらも尽くを潰されて…それでもなんとか道を探そうと躍起になったその声その表情…普段を崩し追い詰められる貴方を見るとゾクゾクするのは…。」

 

 

 貴方が弱者(被捕食者)で私が強者(捕食者)だから…?

 

 

「…褒め言葉一つで引いてしまう私は捕食者失格ね。」

 

 

 弟を罰するのは勿論本気、不可抗力だろうとなんだろうと私と言う素晴らしき姉がありながら、他の女と交流を持つなど。それが人脈作りの過程であっても…私はとても看過できない…ッ!

 

 私を選んだと言う事は、私とずっと居ると言う事…そうよね?

 であるならば膝下に繋ぎ止める。そう決めたのに、ただ一言褒められただけで黒くドロドロとした翳りが消えてしまうのだから…。

 

 

「私は言う所…“ちょろい”…のでしょうか?」

 

 

 それならそれでいい。寧ろそうして欲しい。私は既に貴方に堕ちているだから…であるならば私は…。…もし、弟が私を口説くなどと言う事があれば…どうなってしまうのでしょうか…?

 

 

「生意気にも『俺の物になれ。』なんて言って来たら…。きゃっ!」

 

 

 遥かに弱者で格下に、どうしようもない弱み一つでいい様にされる。

 私の残された片角(尊厳)を乱雑に握り、首輪を繋いで耳でこう呟くのでしょう…。

 

『あんまり調子になるなよ、メス豚。』

『なんだこの体たらくは…何が魔族だ今日からお前はマゾ狗だ。』

 

 

「〜〜〜〜ッ!♡♡♡♡ッ!?」

 

 

 …ッ!…だめだだめだそれ以上の扉はまだ開いては行けない。だいたい後ろにはまだ弟が居る!こんな所で想像一つでイッている所を見られるのは良くない、少なくとも今ではない。

 

 

「…そう、今ではありません。」

 

 

 私と彼、真の上下は…まだ何も決まっていない。

 普遍的な魔族的思考で考えるならば単純な強さで私。そして序列の面でも私が上と言うことになるでしょう。

 けれどもこの組織をこの国を、実質的に牛耳るのは彼です。私が()たり得ているのは彼のおかげです。

 

 

「せめて彼が今よりも多少強ければ…。」

 

 

 その敏腕を差し引いて尚余りあるあり得ない程の脆弱さ…。

 

 彼の存在は正に弱者そのもの。だから見るたびに私に流れる血が騒ぎ本能が叫ぶのです。彼を断固支配せよと、全てを掌握し征服し血の一滴から尊厳の一旦に至るまでを犯し尽くし、服従させろ…と。

 

 けれども理性が、私と言う個体がその衝動を無理矢理にでも抑え込んでしまう。寧ろ支配されるべきだと、負けるべきだと。私は既に堕ち負けていて、寧ろ何故未だその立場にいるのだと。

 

 服従するかさせるのか。支配するのかされるのか。私はどう振る舞うべきなのか。どちらも心の底から本音でだからもどかしくて焦ったくて…。

 

 

「あぁ…♡相反する欲望と感情と衝動が脳髄を揺さぶる…♡この私を諌められるのは貴方の一言だけ…♡…と言う事はやはり私は負けている?けれど私の気分一つで潰せてしまうのも事実…あれ♡あれ♡…?」

 

 

 また頭が茹って来た…♡

 

 

「…ッ♡…予定は全てキャンセルです。この昂りは…3日掛かりそうですね…っ。」

 

 

 茹る頭を叱りつけ笑う腰と膝をなんとか抑えながら私は自室に籠る。

 さて、昂る本能を抑える今日のシチュエーションは屈服させる妄想が一番、お供は昨日の弟のパンツだ。

 





 種族柄本能的にドSで支配欲強めながら生い立ち的にドMで責められたい欲のあるM志望の元神輿現ガチ王系ブラックダウナー美女…ファイ!
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