あと此処にきて補足、魔族にとっての人間の認識は、『数ある食材の内の一つ』と捉えて下さい。それこそかつてヒュームくんは『マグロ程度の扱い』だった訳で…。(深い意味はないですよ?)
「わたし今かなり汚れてますけど。」
「気にしなくていい、些事だ。さぁ、共に互いの血を啜り合い、互いの愛を示そうではないか♡…その次は下の口でたっぷり…。ふっ…遂にこの瞬間が訪れた…お前に黙って私の血を飲ませる試みも、かつてお前の傷口を覆っていたガビガビの包帯で身を慰める日々も…これでおさらばだ…っ♡」
なんだと?もう一回言わなくていい。
聞きたくなかった嘘みたいな事実が甘い声と共に脳みそに叩き込まれておかしくなっちゃいそう。
え?…え?エッグ(卵)こいつもダメじゃねーかよ!?マトモな女マジでエルシーラしかいないじゃん!
こんな秘密知りたくなかった…ただでさえ既に知ってる秘密で精一杯だったのに…。
「正気を保って下さい。流石に飛ばしすぎで……ッ。」
「黙れッ…本当なら今すぐにでもお前の首筋に噛みつきその血を啜りたい所だが…特別だ。お前が先に私の血を啜れ。」
ずいっ、腕が俺の口に当てられる。ついでに双丘が押し付けられる。うん、当ててますねこれは。
因みに何言ってるの俺吸血鬼じゃないぞ?って言う論法は通じない。
これが吸血鬼なりの愛の流儀ってやつだ。つまりキスとかハグとかそう言う感じのやつ。互いに互いの血を飲み合い、身を重ねる。
勿論、絶えずどちらかがどちらかに噛み付き、出血しながらヤる事ヤるので吸血鬼の夜の営みは凄く血生臭い。
はいまず一つ、魔族でもハードな求愛、俺は絶えれませんね。物理的にボロ雑巾になる。
次に、吸血鬼と淫魔って近い種族なんすよ。どちらが原種かは卵が先か鶏が先かになるが、有力なのは吸血鬼が先説が有力だな。…話が脱線した。
そして淫魔と言えば?催淫…つまり強い魅力の力を持っている訳ですね。
はい、吸血鬼も淫魔程自由には使えないけどあります。…そう、人間が吸血鬼の血を飲めば大概の作品ではどうなる?
奴らの体液には淫魔に似たの強い魅力こ効果がある。淫魔から派生した能力なのか、これを発達させたから淫魔になったのかは知らないが、兎に角俺が飲めば立ち待ちルーファスの眷属になるだろうな。彼女以外考えられない廃人になる。
うん、これで二つ。
安心してくれ、三つ目はない。
さて、その上で俺はどうするか…答えはこうだ。
「…“ルーファス”。」
「…今私を呼び捨てに…「“暗い”」…ッ!?ひ…ひぅぅ…っ!?」
突如として焦点が合わなくなり、細い悲鳴を上げながら身を縮め震えるルーファス。
……何をしたか?…偽装魔法の基礎技、『暗示』。これをルーファスに掛けた。普通なら絶対無理だが、相手が完全に油断してた事、術者の練度が高い事、そして暗示内容が効果覿面を超えた抜群だった事によりルーファスは…こうなってしまった。
「ひゅ…ヒューム…ど…どこだ…どこに…いや…こわい…た…たすけて…ッ…。」《/small》
実はもう告白してる説があったが…まだこの秘密…いや、弱点は有効なのか…。
ルーファスは暗闇が苦手…とか言う次元じゃないな。
たまたま停電に居合わせた時、尋常じゃないビビり様だったのを目撃してからもしやと思い、これに関しては本当に悪い事したと思ってるが暗闇ドッキリ(ネタバラシ無し)を敢行、ここに確信を得た。
…ん?お詫び?してないが?(畜生)
…夜の支配者が暗闇恐怖症だなんて飛んだお笑い話だからな。まぁ暗いと言っても普通の夜程度なら全然だ。本当の暗闇、目を覆う様な暗黒にこそ恐怖を感じるらしいが。
さ〜て、逃げるか。………。
《xsmall》「ヒューム…っ。」
「………。」
……いや、心を鬼にしろ!今は…そう、ルーファスの為だ!ドラグニカとシルバが協力してカゲロウ退治とか出来るわけないし、ドラグニカ単品が俺抜きで素直にカゲロウ退治を遂行するとも思えない。
俺が…俺があの場所に向かわなければ…絶対に事は上手く運ばない…。
だから…お前の負担を減らす為、お前が不要な謂れを背負わない為、俺は…。
「すまないな、少しの辛抱だ…。」
どの道俺の力じゃもって少なく見積もって5分…。俺には時間がない。
扉を開け放ち彼女の自室を後にする。…俺は…振り返らなかった…。
………
……
…
「ひゅーむー!わたし!“オチチ”がほしい!」
「わたしは男ですよ、“ルーファス”、だからこうしてあやすことしか出来ません。」
「ぶー!ちがう!…お前が昔、死に体だった私に飲ませてくれた…溢れでる母性と頼れる父性を両立し、こうして抱きながら与えてくれたあの、極上なる『
「(絶句」)」
「だーかーら♡おちちちょーだい?」
やけに活き活きとした瞳、艶のある表情。まるで甘え盛りの少女の様に振る舞い俺の胸に熱い目線を向けるルーファス。
……キッッッッッッッツっ!お前容姿考えろよ身長差的にお前がその豊満な包容力で甘やかす方だろ!…いや甘やかされたい訳じゃないが。
俺が絶句しているとおねだりしているのに中々…『おちち』をくれない事に不満があるのかブーブー言い始め…。
「あ!なんだぁーはずかしがりやさん!待ってろ。」
急に素にならないで欲しい。心臓に悪い。
すくりと立ち上がると…あ、因みにとっくに目は見えてる。
彼女は厳重に締められた金庫の前に立ちそして開くとその中から…何やら箱を取り出した。
「………。」
気になる。なんとなし、彼女の背中越しにその中身を見ようとして…。
……壮絶な有様の包帯、その切れ端を垣間見た瞬間目を逸らした。あれは恐らく呪物だ。そうに違いない、あの禍々しさ、恐らくメイドインドラグニカ・テラーオブマイハウスと同等の呪物だ。
幸い、ルーファスはその呪物には用がなかった様で、それ以外…黒い布を取り出した。
「私もそう感じていた所だ。せっかくの機会…“あの頃”の再現といこうではないか。」
「あの頃…ですか…。」
…
……
……四女の存在、居るのは知っているが会った事はない。広大な城とは言え同じ空間だと言うのに、その痕跡すら見つけた事はない。
彼女にまつわる話はどれも後ろ向きな物ばかり。誰も寄せ付けず非常に攻撃的…な癖に、拍子抜けする程弱い…骨と皮だけの少女。
俺なら行けるかも知れない。そう言う打算だった。皆が口を揃えて弱いと言う、それでも俺にとっては強いだろうが逃げ切る程度なら造作もないかも知れない。それに…。
『不明な魔王の娘を放置する』これが一番怖かった。知らなければ対策しようがない。ただでさえ対策込みでもギリギリなのに、いざ不意の衝突で初見対応しろとか無理だ。
彼女は目も鼻も耳も機能していないと聞く、それならもし粗相をしても“誰か”で済み、少なくとも“俺”が特定されることもない…そう言う打算の元俺は…向かったんだったな…。
「……くっら。」
備え付けられたベッドと、棚や机があるのみ。そしてそのどれにも何も物は置かれておらず、恐ろしい程寂しい空間が広がっている。
…そして…。
…初見の感想としては、死体かと思った。痩せこけた少女の死体がベッドで眠らされてる。そう言う光景。こちらを向いていなければこのまま死体として誰か呼びに行こうとしていたほどに。
見開かれた目は焦点があってない。表情は怒りとも苦しみとも取れるが何より…極限の焦燥、疲れが見て取れまるでそれは…。
世界の全てが敵に見えている。酷く弱っているのにも関わらず、弱みを見せまいと庇い、敵意を振り撒く。例えるならば手負いの獣。
寝たきりの彼女はそれでも、精一杯の虚勢を張る。
この時点での俺の感想としては『使えるかも?』の一言。まぁ、人型だけどそれ以上の事は無い、寧ろ敵。本当、ただ他種を見る目だな。
傷付いた鹿が怪我して倒れてる、それを見て可哀想だなと思う。けれど人が倒れてる場合並に慌てる事は無い、そこまでの必死さはそこにない。そう言う感覚だ。
だからその時の対応もそれに準じた物だった。いきなり近づかない、警戒心を刺激しない様、迂回し、止まり、“慣れ”を作り、そして近づく。
酷く弱った“姉”…上手く恩を売ることが出来たなら、それは今後の生存戦略に大きな飛躍を産む。これは正しく千載一遇のチャンスだと!
「……なんて?」
…蚊の鳴くような声…どころの話じゃ無い。ミイラが喋ってるかのようなあまりにもか細い声。暗闇と静寂が支配する空間だと言うのに、彼女まであと数歩と言う距離に来て漸く、喋っている事実に気付いた。
内容は…命乞いだった。
『助けて下さい』『見逃して下さい』…。
泣きそうな顔でそう懇願する。泣くための体力も無いのか涙は出ない。
…うぅうぅ…そんな顔されたら俺が悪者みたいじゃん!俺だって好きだから弱者をあーだこーだしたい訳じゃ無い。俺だって弱者だから手立てを選ぶ余裕がないだけだ!
「………。」
そして僅かに聞こえた…『貴方を食べさせて下さい』の一言。
簡単な話じゃない。痛い目はごめんだしそんなことすれば俺が人間だってバレる。
…が…。………。
彼女の居るベッドにゆっくり腰掛け…努めて優しく、例えば…前世の学生時代、赤ちゃん抱っこ体験をしたあの古い記憶を呼び覚まし、繊細に抱き抱える。
驚くほど小さく、そして何より軽かった。服のすぐ下は皮と骨。ミイラもあながち間違いじゃないと思える程に。
驚いた様な表情、戸惑いと緊張の最中しかし満更ではない様で…意を決したかの様な表情を浮かべると…。
「あ…あぁ〜…。」
…今以上に体を縮こませ、目を瞑って口を開けた。どうやら本当に貰えると期待しているらしい。…因みにそんな気は無い。無いが…。
本人…本魔族?当の魔族か?…まぁあれだ、気づいては無い様だが大量の涎を垂らし、舌を突き出し、時折り『あっ』と声を出して彼女なりの催促と言うかおねだりをしてくる。
ここまでさせて上げませんは…畜生か?
俺は別にアンパンを分け与えるヒーローじゃ無いんだが。
ヒューム、動きます。丁度前料理中に指を切った所だ。瘡蓋をめくりゃ血は出てくるだろう。
体の事を鑑みるなら御法度だが…逆にその犠牲で恩を売れると考えれば儲け物、えぇえい!!
「…ッ…おぉ…。」
一滴、一滴。暗闇の中精一杯開けてるとは言え小さな口の中にピンポイントで垂らす…謎の高等テクニックを披露しつつその様子を観察する。
…一滴、ただの一滴如きに過剰な程の嚥下を繰り返す。まるで一滴がコップ一杯以上とでも言う様に。…勿論足りている様には見えない。が、流石にこれ以上は…リストカットとかする程病んでなi
「ご…ごめんなさいっ!」
「ん?なにgいでぇええッ!!?」
いきなり謝られ、いきなり腕を掴まれ、いきなり噛み付かれた。割とガッツリ。痛かった。が…痛み自体は一瞬だったし何より余りにも幸せそうな表情を浮かべ、美味しそうに啜る様子を見ると、変な話だがなんだか悪い気はしない。
そしてこれは俺自身驚いた事だが、なんと彼女の頭を撫でていたのだ。本当おかしな話だ。だって、いくら取り繕おうと俺はコイツに食われてると言うのに、それを許容している。
「ぷはぁ…れろ…む……。…〜〜♪〜〜〜♡」
一通り満足したらしく、今度は俺は甘えてきた。…不味いコイツ可愛いぞ…。はっ、意識をはっきり持て!コイツは手駒、コイツは手駒コイt
…この日、俺はコイツをブラックリストにぶち込み全ての計画を白紙にした。
理由?いきなり乳首噛みつかれて吸血されたら誰だってブラックリスト入れるだろ?しかも全然剥がせなかったし、普通に怖くてどうにか満足してもらおうと頭を撫で続けたあの日の夜。貧血でノックダウンしたあの数週間を俺は忘れない。
…ま、俺が会わない様にした所であまり意味はなかったが。だってアイツから会いに来るからな。…会う度に劇的ビフォーアフターもたまげる程の成長を見せてたのは驚いたが…気付けばあんな身体に。
……
…
ま、つまりはそう言う事だな。このまま行くと目隠し乳首吸血赤ちゃんプレイに付き合わされるな、俺を殺してくれ。
「はい!ぱーぱ?」
「パパ!?」
「うん!わたしをうんでそだてママなるパパ!」
「いつ貴女はわたしの娘になって、いつわたしは貴女を産んだんですか!?」
「なにいってるの?わたしは…パパのむすめだよ?だからおちちちょーだい!」
「(白目)」
いつの間にドラゴンセッ⚫︎スしたかと思ったら次は姉なる吸血鬼を出産かよ!?俺は雌雄同体で出産経験者だった!?俺まだ童貞なのに存在しない異常性行経歴が生えてくるのこれもうホラー…あ、さっきの呪物のことを考えればこの物語実質ホラーか!ハハ!(発狂)
美しい姉ですが貴方より大きく、そして時に人を喰らう人外です。
彼女はどうやら貴方は娘を自認しています。因みに貴方はおちちを飲ませた経験がありますが血は繋がってませんし別にお腹を痛めた訳でもないけど娘(姉)はあなたから産まれたと自認し始めました。
これを真っ向から否定すると人外の筋肉で乱暴されます。
…さて、どうする?