ふと気づいたらキヴォトスに来ていた男の話 作:ぱっぱぱうわー
さて、今回の話はよくわからない黒豆、「黒服」に目をつけられてしまった哀れなリョウちゃんとユメパイのお話です
前回のあらすじ
酒飲んでたらぶっ倒れて、目が覚めたらなんか廃ビルに居て女の子になってて
廃ビルから出たらロボに追われ、イノシシに追われ、黒豆と出会った
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「────じゃあなんすか、俺元に戻らないってことすか?」
「概ねその認識でいいでしょう」
「はぁ…酒飲んでたらキヴォトスに飛ばされたって…?笑えねぇよちくしょう…」
「まぁそんなに気を落とさずに」
「この世界での貴方は役割の無い自由な存在…元々いた世界より自由だと思いますが?」
「いくら自由だとしても、美少女がいくらいたとしても、透き通る様なGTAは勘弁だっつうの」
「クックック!かなり酷い物言いですね」
「正論さね」
とまぁ
この不審者…黒m…う゛ぅ゛ん゛、黒服と仲良くなった
訳はエンカウントと同時に急に友好的になってきた
話を聞けば「貴方はこの世界の異端…この物語に、この世界に、どんな影響を表すのか気になる」から仲良くなりてぇんだと
まぁ友好的ならいいさね
そんでもっと話を聞けば「大人でありながらヘイローを持ち、決して少なくない量の神秘を持ち合わせている…実に興味深い」
…酒を浴びるように飲んで、んで目が覚めればGTA?
クソッタレすぎるわ
んで神秘が宿ってるだのなんだのって言ってるからもうちょい詳しく聞いてみれば
「暁のホルスよりは流石に少ないですが、訓練すれば同等…もしかしたらそれ以上になるかもしれない」って訳だ
まじ?おじさんレベルになれるって?
…でも訓練すればってところだからなぁかなり時間かかるだろうなぁ
面白いじゃん
急に仲良くなった黒ま…もうこの際黒豆でいいや…まぁ黒豆から家を貸してもらいました
「クックック、私の所有している一軒家です、好きにお使いください」
そうそう、黒豆から家を借りる直前ちょっと契約しないかって言われてな?
内容はこうだ
1つ、酒見坂リョウは私、黒服と友好条約を結ぶこと
2つ、私はできる限り酒見坂リョウさんへの支援をする
3つ、酒見坂リョウさん私の招集に応じること(ただし、招集時に応じる事が不能だと判断した場合は免除)
4つ、酒見坂リョウを私の研究対象とし、定期的に実験への参加を要求する、ただしこちら側が実行する実験は両者の同意がなければいけない
とまぁよく知らんが俺に好条件なわけだ
そのことを聞いてみれば
「こんな最高の研究対象を下手に刺激して消えたらたまったもんじゃない」らしい
まぁね
助かるからええわ
して数日
今のキヴォトスについて少し調べてみた
どうやら…3年前らしいな
原作開始よりね…
これならユメパイを助けられるかもしれんな…
他にもいくつか
いい情報がある
指の先から糸のような、鋼線のようなものを出せるようになった
指先を紙で切っちまって、そっから出てきた
赤黒い鋼線だ
黒服に見せてみたら
「興味深い!」って言ってた
まぁとりあえず調べてみたら、血液らしい
血液を毛細血管以下のくっそ細い管にしてそれの中に神秘を込めているらしい
無意識にやったの?怖
んで強度にちょいと問題があってな…
管の中の神秘が血液にも滲みだしていて、神秘の量に応じて硬くなるんだと
現時点で鋼鉄レベルはあるらしい
あのホシノと近ずけばユメパイの謎盾並になるかもしれん
おもしろw
しかも自由自在に操れるらしい3Dプリンタの様に何かを作ることもできないことも無いらしい
毛細血管以下のクソ細管の塊だからこれを使い組織の修復も出来るかもしれない
それでだ、黒豆が言ってたんだが、神秘が滲み出してるから、それが作用して他者が吸収することもできるんだとよ
つまりなんだ?この血飲ませると回復するってこと?俺の体は仙豆かってんだ
とまぁやべぇ血液な訳なんですよ
…アルコールが流れてる方がまだマシやろ
人間やめとるって
まぁそんなことはさておき、鋼線を操る為に訓練を始めた
もちろん体を鍛えるための基礎訓練はもちろん、銃火器の訓練も積むゾ♡
そんなこんなで半年が経った…鋼線の扱いが微妙なんだよなぁ
なーんだろうね、少しは動かせるんだが上手く扱えん
銃の扱いの方が上手いまでおるぞ俺
そんで銃火器の扱いに慣れていったある日、いつも通りアビドス砂漠で黒豆のドローンをクレー射撃の容量で潰してたら急に女の子が来た
ちなみにできるだけ人に顔見せたくないんでペストマスクつけてます(原作に介入すると言っても影から手助けしたいんでね、それで顔出したらね…)
「ひぃん…たしかここら辺に…」
「どったのお嬢さん」
「ミ!?」
「おーそこまで驚かなくても…なに、ペストマスクしてるだけの一般人だよ」
「ご、ごめんなさい…」
「別にええよ、後ろから急に声掛けられたらそうなるしな」
「初めまして、私はマクガフィン、しがない無職さ」
「大人の人…?あ…は、初めまして、私は梔子ユメと申します…アビドス高校の1年生です…」
(まさかのユメパイ…それも一年生の…)
「よろしくね〜、今日はこんな砂漠でどうしたのよ」
「先代の方が遺したお宝を探しに来まして…」
「お宝?こんな砂漠のど真ん中にあるの?」
「一応地図にはそう書かれてて…」
ユメから地図を受け取り見てみると衛星写真にバツ印の書かれていたなんだかあまり見ないような地図だった
「あー…これなら私たちの真下あたりだね」
「ほんとですか!」
「うん、一緒に探したげるよ」
「いいんですか!?」
「どうせ射撃訓練しかしてなかったし、気分転換に砂漠に穴掘りなんてのもいいかもね」
「ありがとうございます!!」
「元気なこった…」
という訳で掘り始めた
掘り始めてからおよそ5分
ユメと少話しながら穴掘りを続行している
身の回りの話をしてくれた
「へぇ…大変だねぇ、入学して少ししたら先輩が学校やめちゃって1人だけだなんて」
「はい…こんなに大きくて広いのに1人はだとやっぱり寂しいです…あ、でも街の人も居るので、すっごく寂しいって訳じゃないですよ?」
「そっかぁ…幸せかい?」
「…幸せがなんだか分からないけど…でも、街の人に囲まれてるだけでもなんだか嬉しい気分になるんです…!」
「いいねいいね〜これも青春ってやつかなぁ」
「青春…ですか」
「そうさね、砂漠で覆われたこのアビドス…そこで街の人に支えられながら学校に通う…これもまたひとつの青春じゃないかい?」
「そういうものなんですかね…」
「ああそうさ、学校で独りといえど街の人がいるのならそれは独りじゃないんだよ」
「…なんだか話してたらちょっと楽しくなってきました!次はマクガフィンさんについて聞いてみたいです!」
「ん?私かい?まぁ別に構いやしないけど…」
「いいんですか!やったぁ!」
かわいいね
「私の話ねぇ…」
「あ、妹が居るんだよ」
「妹さんですか?」
「そうそう、昔っから病弱でねぇ…あの子のために必死にバイトしてお金貯めてたよ…懐かしいねぇ…もうあれから半年ぐらいかな?」
「妹さん喜んでました?」
「さぁ?」
「さぁって…?」
「高校卒業と同時に家を出てそのままフリーターになってチビチビお金送ってたのよ…まぁ家を出ていっちまった手前、親に顔を合わすのもアレでね…そのまま5年以上あってなかったんだよ」
「あ、でも定期的に電話はしてたんだよ?」
「ユメちゃんは妹ちゃんとか居る?」
「私は一人っ子でした」
「ふふ、そうかい」
「それで話を戻すんだけど、妹はいい子でね?30m歩くだけで息切れを起こすほど弱い子なのに、いつも私の名を呼んでてとてとと近づいてきて、その度に何かを渡そうとして来てたんだよ…例えばお花とかね」
「これがすっごく可愛いんだよ…ちょっと話が逸れたね」
「そんでまぁ勉強ができて、優しくて、可愛らしい…そんな子だったよ…今は20いくつだったかな?」
「…?マクガフィンさんっていくつなんですか?」
「私?私は27だよ」
「え゛…私と変わらないぐらいに見えるのに…」
「若々しく見えてるってことかい?嬉しいこと言ってくれるじゃない」
そんなこんなで話しながら掘っていると
ガァン!
「お」
「当たりましたか!?!?」
目をキラキラとしてこっちを覗き込んでくる
「こいつは…宝箱?」
「多分これです!!」
引き上げてみるとかなり古めの箱だった
「中身はなんだろうね」
「開けてみましょう!!」
開けようとする…
「んあ…開かね」
「えぇ!?なんでですか!?」
「うーん…縁の部分と蝶番が固着してて開かないね」
「えぇ〜?ここまで来たのに開けられないんですかぁ?」
「ここまで来たんだ、開けてみせるさね」
そういい俺は指を噛み切る
「な、何してるんですか!!包帯!絆創膏!」
「大丈夫大丈夫」
「どこがですかぁ!ああ!血がドバドバって!」
突然目の前の人間が指噛み切ったら流石に困惑するわな
「まぁまぁ、見ててご覧って」
そういい指の先から鋼線を出す
「えぇ?!なんか出てきた!」
「痛いけど血も止められるから平気よ」
「そうなんですか…?」
心配そうにアワアワと見てくる
「うん、だから大丈夫よ」
「…びっくりしたぁ…」
「急に目の前のやつが指噛み切ったらびっくりするわな、次から気をつけるよ」
指から伸ばした鋼線を縁に噛ませ変形させる
ノコの歯の様にね
それを
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
と引いたり戻したりを繰り返していけば…
「開きました!」
こういうこった
中を覗く
中には見慣れた盾と見知らぬ布製…?の手袋だった
(あれ、この盾ってホシノが使ってたよな…その前はユメパイ…)
ふと見れば盾は持っていなかった
(はーん、そういう事ね…)
「これは…盾…ですかね?」
「じゃないかな?」
ユメは盾を手に取る
「…なんだかとっても手に馴染みます!!」
「そらよかったよ」
「ん〜♪」
気分が良さそうだ
さて、やる事もやったし
訓練に戻るか
戻ろうとした時、ユメに声をかけられる
「あの!マクガフィンさん!」
「んー?どったの」
ユメは俺のすぐ目の前まで来て手を伸ばす
「?」
「これ、あげます!」
その手の中には先程の手袋が入っていた
「え?くれんの?」
「あげます!」
「ま…じか」
「…要りませんでした…?」
少し不安そうな顔でこっちを見てくる
「いやいや!嬉しいさ!」
ユメはじゃあ!と言い強引に俺の手の中に手袋を置く
「ほんとにいいのかい?君のものなんだけど…」
「いいんです!手伝ってくれたお礼です!」
そういいユメは誇らしげにしている
「…じゃ、貰っとくわ」
手の中には原作で見たこともない白い布手袋
礼装だとかに合わせるような白い手袋だ
「ペストマスクに礼装用の布手袋とは…いよいよ不審者度も上がってきたな…」
そう口ずさむと横から「…元々じゃないかなぁ…」とユメが小声で言っているのがわかる
「お?喧嘩売ってる?」
「い、いや!そんなことないですよ!!」
「冗談だよ」
「うーん…お金だったら借金の足しにできたんだけど…」
「…借金?」
反射的に聞いてしまった
もちろんアビドスに借金があるのは知っていたさ
でも反射的に声が出ていたようだ
ユメは「あ…」と声を出し色々教えてくれた
「…大変だったね」
「大変ですけど、いつか来る後輩ちゃんの為にも、この自治区に住んでいる街の人達の為にも頑張らないとなんです!」
そういうと少し無理をしているような、でも希望に満ちたような笑顔が見えた
「…ねね、ユメちゃん」
「?」
「私の事雇ってくれない?」
「マクガフィンさんをですか…?」
「別にお金入らないよ、その代わり、アビドス高校に所属させて欲しいんだ」
「…?」
「そうだねぇ…どこから話せばいいか…」
「キヴォトスってさ、学籍がないと何も出来ないじゃん、所属証明って言うかね?」
「私さぁ、どこにも所属してなくて仕事にも就けないからさ、アビドスで雇ってくれない?」
「もちろん仕事は手伝うし、できるだけのサポートはするよ」
「え?え?逆にいいんですか?」
「もちろん、流石にどっかに所属してないと色々と不便だからね〜、お願い♡」
「もちろんです!これからよろしくお願いします」