瓦礫の国より   作:VGF-599-P-2

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1-1-PROLOGUE

アウレリア連邦上層部の会議室の空調の作動音が響く中、机を囲む十数人のスーツを着た男たちが騒いでいた。外の街ではデモが続き、街頭テレビではテロのニュースが幾度となく流れているというのに、彼らはそれらを気にもしていなかった。

目の前のスクリーンに映し出されたのは、最新鋭の航空機や装甲車両、果ては7メートルを超える人型重機の映像。

 

「これが、アルカディアの技術力か」

一人が声を震わせながら言った。

 

「我々が手に入れれば世界を支配し資源を独占することだって夢ではない」

二人目が笑みを浮かべながらそう発言した。

 

「しかし、情報が少なすぎますし災害支援部隊を攻撃するのは明らかに国際法に抵触します、

諸外国からの非難や制裁は避けられないでしょう、やめておいた方がよろしいかと。」

一人の男が否定的な意見をしたが、その場にいた誰もその言葉に耳を貸さなかった。

 

「国際法に則る必要なぞない!我ら人類が最強の力を握るチャンスであり耳長共からあの技術を奪うことに成功すれば穢らわしいデミ共を残らず掃除することが出来るのだ!今すぐにでも攻撃を開始するべきだ!」

声を荒げた肥満体の彼には、スクリーンに映し出される映像など目に入らず、自分の妄想を垂れ流していた。

 

アウレリア上層部の目はスクリーンに映し出されている映像に釘付けだった。

彼らはアルカディアの存在の全貌を知らず、何も理解していないにもかかわらず所詮デミの国であるアルカディアを侮っていた。

 

「よし攻撃を始めさせろ、大使館も攻撃し人質を取れ。我々がアルカディアの技術を奪い世界の頂点に立つ」

もはや悪趣味の域に達した豪華絢爛な服装の男が頬杖を突き葉巻を燻らせながらそう宣言すると、部屋の中にいるほとんどが賛同した。


 

悲報アウレリア兵さんいきなりアルカディアの災害支援部隊員を攻撃するwww

 

1:名無しのエリジウム人

何してんねん頭沸いとんのか?

 

2:名無しのエリジウム人

嘘乙www流石のアウレリアでも災害支援部隊を攻撃しねえよwww

 

3:名無しのエリジウム人

しとるで実際今目の前でアウレリアの兵士がシャベルで殺されとるわ

 

4:名無しのエリジウム人

そっちが殺されるのか(困惑)

 

5:名無しのエリジウム人

つーかマジ?流石に災害支援部隊を攻撃しなくね?

 

6:名無しのエリジウム人

アウレリアやぞ

 

7:名無しのエリジウム人

容易く想像出来るな

 

8:名無しのエリジウム人

よくわからんのだがそんなやばいんかあそこ

 

9:名無しのエリジウム人

>>8

人類至上主義、半鎖国、内戦一歩手前、不衛生、飯が不味い、治安最悪、腐敗の温床、飯が不味い、旧式で問題だらけの装備、兵の練度不足、レーションが下痢以下、飯が不味い、壊滅的な不況、とにかく飯がクッソ不味い、

 

10:名無しのエリジウム人

つまりクソ以下

 

11:名無しのエリジウム人

ワイアルカディア大使館付近住みアルカディア大使館へアウレリア兵が突入していくのを目撃

 

12:名無しのエリジウム人

…はァ?

 


数分後

 

アルカディア大使館前の大通りに響き渡る銃声と悲鳴。仲間は塵紙のように殺され、大使館から逃げ出し裏路地に駆け込み何とか生き延びたアウレリア兵は袋小路に追い込まれてしまい戻ろうにも後ろからは小さな足音が近づいて来ていた。

 

「クソックソックソッ最悪だ何で俺がこんな目に」

アウレリア兵はそう呟きながら物陰に縮こまりを足音の聞こえてくる角に向けて構えていた。

 

〔ドダダダダダガキッ…カチッ…カチカチッ〕

「はあっ!?クソッ!」

(今だ!)と確信したタイミングで引き金を引くも、足音の主は出るタイミングをずらし弾は外れたついでと言わんばかりにジャムを起こしてしまった。

 

「…」

それを察知したアルカディア兵がナイフを抜き、壁から飛び出し彼に迫っていく。

 

〔シャコッカショッジャッコッ〕

「あぁくそッ何でまともな銃を支給しねえんだよ!何でこんな!おっおい待てやめ

必死にジャムを直しながら彼は上層部への恨み言を吐き、間に合わないと思うや否や命乞いをしたが、言い終わる前にナイフが彼の頭に突き刺さっていた。

 


大使館の一室ではSVDS-MAとSV-98-MAを構えた二人のアルカディア狙撃手と二人の観測手がアウレリアの兵士や狙撃手を次々と排除している。

 

「よぉしあいつは俺の手柄だな」

無精髭を生やした壮年に見えるSV-98-MAを持った男の狙撃手は周りに指示を出していたアウレリア兵を仕留めたと確信し自信のある声色でそう漏らした。

 

「え〜おじさんあーしより撃つの遅かったでしょ〜」

それに対し身長が低く幼児体型のSVDS-MAを持った女の狙撃手が射撃しながらバカにするような声色で煽る。

 

あ゛ぁ゛⁉︎明らか俺の方が早かっただろうが!それにお前のほうが年上だろうが若作りババア!」

それを聞いた男の狙撃手は怒りの籠もった声で返しながら射撃した。

 

「黙って撃てバカ二人あいつらが暴れ回ってるおかげでこっちは動かなくて良いんだからその分の仕事をしろ」

軽薄そうな男の観測手が呆れたような声で割って入る。

 

チッうっせえな

割って入られたのが気に食わなかったのか男の狙撃手は小さく悪態をついた。

 

「知らなかったよお前は誰かに自分の脳味噌ぶち撒けて貰う趣味があったんだな」

その返答が気に食わなかった男の観測手が男の狙撃手に拳銃を向けながら皮肉を込めて言い返した。

 

「三人とも集中してくれない?」

そのやり取りを聞いていた線の細い女の観測手が面倒くさそうに言ったことで言い争いは一旦終結した。

 


アルカディア大使館前の大通りで交戦している。

 

ファック(Fuck)!スナイパーがいる!探せ!」

目の前で指揮官の頭が吹き飛んだのを見たアウレリア兵は叫ぶ。

 

「んなことしてる暇ねえよ!目ん玉ついてねえのか!先に目の前の車両をどうにしろ!これ以上近付かれたら終わりだ!」

クレーターに伏せながらリロードしているアウレリア兵はそう返す。

 

「クソッAT!AT!A〔ガッ!ガガガガッガガガガッガ!!〕」

ロケットを要求したアウレリア兵はK-17の30mm機関砲によって機関砲弾の直撃を受け、弾の混ざった肉塊となった。

 

「作戦司令部へこちら第148旅団!応答願います!『ザーーー』クソッ繋がらねえ!どうなってる!〔ドン!〕」

少し後方のテントでは、前線司令部付近まで押し返されている状況でアウレリア通信兵が、無線機が繋がらないことに苛立ち、机を叩いた。

 

バックブラスト(「グラナーダ」)エリア〔カンッ〕ん?なっグッグレネー〔バァン!〕」

近づいてきているアルカディアの車両を止めるためLAW 80を発射しようとしていたアウレリア兵はグレネードが投げられたことを認識し逃げようとしたものの間に合わず爆死した。

 

〔ドダダダダダダダダダダダダダダダダダ〕

「クソックソッなんで効かねえんだ!」

LMGを持ったアウレリア兵はそう叫びながら盾を持ちジリジリと距離を詰めてくるアルカディア兵に対して射撃している。

 

「…」

盾を構えたままジリジリと前に進むアルカディア兵は後ろにいる味方の盾となりながらアウレリア兵を視界に入れ続け進んでいる。

 

〔ダダダカチン〕

「クソッリロードカバーし〔ダンダンダン〕」

三発の銃弾がアウレリア兵の持っていたLMGと頭、そして心臓付近を正確に穿ち、アウレリア兵は地面に倒れた。

 

ウビーラ(убила)

盾を構えたアルカディア兵の後ろにいたアルカディア兵はアウレリア兵が弾切れしたタイミングで盾から顔を出しておりその銃身はほんのりと温まっていた。

 


アルカディアの侵攻開始から約1ヶ月後

 

アウレリア連邦首都、世界中央大陸の中心に位置するアウレリア連邦世界中枢都市外縁部の一角にて

 

〔ヒュ〜 ドゴォン!

 

2階の自室のベッドで布団に包まりミノムシのように丸まって寝ていたイヴはベッドごと横に吹き飛び、後頭部を壁に叩きつけられ、脳がぐらりと揺れる。

目の前に舞い込むのは灰色の埃。揺れる天井。

壊れた窓から差し込む太陽光が砕けた窓ガラスを照らし、キラキラと反射し視界を焼く。

 

ゲホッゲホッ……あぁ…くそッ……いてぇ

吹き飛ばされたあと、少しの間そのまま地面に転がっていたイヴは悪態をつきながら起き上がる。

 

軽い脳震盪により視界がブレ、耳鳴りがし、体も痛むが、

そんなことは気にしていられない。衝撃と睡眠不足によって回らない頭で状況を整理する。

(何が起こった?爆発?ガス管?いやもう内戦が始まったのか?通信封鎖も始まっていたし、始まる予兆はあったが、だとしてもここまで早いのか?まあいい…すぐに準備して出ないと、バイクが無事だといいんだが)

 

そう考えながら水なしで鎮痛剤を飲み、事前に準備していた装備を慣れた手つきで身に付け、準備を終えたイヴは素早く階段に向かった。

 

〔トタタタタ〕と足音を鳴らしながら二階から駆け降り、半壊した一階の瓦礫の間を通っていると、視界の端にチラリと人の肌が見えた、妹の腕だ。

腕だけが瓦礫の下からかろうじて覗いている。

死んでいる、生きていたとしても長くはなく、そもそも助ける気が起きなかった、イヴは一瞥だけして足を止めず、走ってガレージへ向かう。

 

瓦礫の山を抜けた先、ガレージの続く扉を開けると、視界に飛び込んで来たのは潰れたバイクの残骸。

 

「……くそっ」

思わず悪態をつく。フレームは折れ、ホイールは曲がり、サイドカーは押し潰され、オイルがぽたりと床に垂れる。

 

「はぁ…あたしのバイク……」

イヴはため息をつき、次の行動を考える。

(どうすっかなあたしのバイクが使える前提で準備しちゃって家にバイクの代わりになるものが無い)

 

「しょうがない先に呼びに行くか、死んでなきゃいいんだけど」

そう言いながら靴を履き外に出た。

 

爆発があったのは隣家との間らしく、真ん中付近に着弾痕が残っていた。

(さっきの爆発はここか…範囲的に…生きてそうだなしかし戦車砲いや規模的に迫撃砲か?だとしても何でここに?…撃ったのは火の手が上がっているあそこか?…一応地図にマークしておくか)

 

「っとそんなことより早くあいつ見に行かねえと」

そんな独り言を漏らしながら隣家の玄関を開け、そこに転がっていた靴を一足拾って階段に向かった。

 

「お〜いノア〜生きてるか〜?」

階段を上った後そう言いながら扉を蹴り開け〔バキン〕と金具が壊れる音が鳴り扉が倒れ込む。

イヴが部屋の中を覗き込むと、ノアと呼ばれた茶髪の女が倒れ込んでいた。

(目立った外傷は無い…ただの気絶か)

 

「お〜いノア〜早く起きろ〜殺すぞ〜」

そう言いながらイヴは倒れ込んでいるノアの横にしゃがみ込み、頬を右手で〔ペチペチ〕と叩く。

 

う…ぐぁ…あぁ?

ノアは呻きながら何とか目を覚ました。

 

な…何が…起こったの?

目を覚ましたノアは混乱しているようだった。

 

「あたしが知るかよ、はよ起きて準備しろ、靴は持って来てやったぞ」1-1-PROLOGUE

品質が劣悪なL85A1

RGO-MA

LMG
L86A1 LSW

Kawasaki KLR650(OD)サイドカー&大型ソフトパニア&大型トップケース付き




イヴの外見
身長168cm
ハイライトの無い目
黒髪
短めのポニーテール
青目
褐色肌

ノアの外見
身長176cm
白い肌
ロング
茶髪
茶色の目
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