オリジナル展開と行く鬼滅の刃   作:イニ3

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初めまして、イニ3です。pixivやプリ小説でも小説を書いているので見てねー。ちなみにつまんないです。

あとナレーションが下手すぎてはじめてのおつかいっぽくなっちゃった

ちなみにアニメ勢なんで、原作とかはあんまり入ってないです


第1話 炭焼きと鬼化と花びら

ザッザッザッザッ

 

 

「はぁはぁはぁはぁ」

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

「はぁはぁはぁはぁ」

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

「なんで....なんでこんなことになったんだ」

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

「禰豆子死ぬな...死ぬな!」

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

「絶対助けてやるからな!」

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

「死なせない.....兄ちゃんが絶対に!助けてやるからな!」

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある雪山の奥、そこには、ひとつの炭焼小屋があった

 

 

 

そして1人の耳飾りを付けた青年が、カゴを背負い出かけようとしていた

 

 

 

 

「炭治郎」

 

 

青年.....いや竈門炭治郎が呼ばれ振り向くと、そこには母親「竈門葵枝」が立っていた

 

 

葵枝「顔が真っ黒じゃないの、こっちにおいで」

 

 

葵枝は布を取り出すと、炭治郎の顔に付いていた炭を拭き取った

 

 

葵枝「雪が降って危ないから、行かなくていいんだよ?」

 

 

炭治郎「正月になったら、みんなに腹いっぱい食べさせてやりたいし、少しでも炭を売ってくるよ」

 

 

葵枝「ありがとう」

 

 

「兄ちゃん」

 

 

炭治郎を呼ぶ声に振り向くと、そこには三男の茂、次女の花子が来ていた

 

 

茂「今日も街に行くの?」

 

 

花子「私も行く!」

 

 

葵枝「ダメよ。炭治郎みたいに早く歩けないでしょ?」

 

 

茂「母ちゃん!」

 

 

葵枝「ダメ。今日は荷車を引いていけないから、乗せてもらって休んだりできないのよ?」

 

 

茂「ん〜」

 

 

茂「兄ちゃん!」

 

 

茂達はどうしても着いてきたく、炭治郎にお願いすることにしたようだ

 

花子「着いていきたい!」

 

 

花子「ちゃんとお手伝いするよ?」

 

 

炭治郎「ありがとな、花子。でも、今日はお留守番だ」

 

 

花子「えぇ〜!」

 

 

炭治郎「茂も、その代わり美味いもんいっぱい買ってくるから」

 

 

茂「本当?」

 

 

炭治郎「ああ」

 

 

茂「にひひ」

 

 

炭治郎「花子も、帰ったら本読んでやるからな」

 

 

花子「うん!」

 

 

炭治郎「いい子だ」

 

 

どうやら炭治郎、兄弟達を説得するのに成功したようだ

 

 

葵枝「ありがとね、炭治郎」

 

 

炭治郎「うん、じゃあ行ってくる」

 

 

炭治郎「竹雄、できる範囲で構わないから。少し木を切っといてくれ」

 

 

竹雄「そりゃあやるけどさ。一緒にやると思ったのにさぁ」

 

 

炭治郎「よしよし」ナデナデ

 

 

バッ

竹雄「なんだよ急に!」

 

 

茂「竹兄照れてらー!」

 

 

竹雄「うっうるせぇやい!」

 

 

炭治郎「よしよし」ナデナデ

 

 

竹雄「だからやめろって!」

 

 

葵枝達「「あははは!」」

 

 

炭治郎「あはははは!」

 

 

炭治郎は炭を売りに、出発した

 

茂「早く帰ってきてねー!」

 

 

花子「気をつけてねー!」

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

 

 

 

禰豆子「お兄ちゃん!」

 

 

炭治郎が少し歩くと、そこには長女、禰豆子と眠った四男、六太がいた

 

 

炭治郎「禰豆子」

 

 

禰豆子「六太を寝かしつけてたんだ。大騒ぎするから」

 

 

禰豆子「お父さんが死んじゃって、寂しいのよね」

 

 

ナデナデ

 

 

禰豆子「みんな、お兄ちゃんにくっついて回るようになった」

 

 

炭治郎の家は先日、父親である竈門炭十郎が亡くなり、家の仕事を長男である炭治郎と母親である葵枝でするようになった

 

 

禰豆子「行ってらっしゃーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎(生活は楽じゃないけど、幸せだな)

 

 

炭治郎(でも人生には、空模様があるからな)

 

 

炭治郎(虚ろって、動いていく)

 

 

炭治郎(ずっと晴れ続けることはないし、ずっと雪が降り続けることもない)

 

 

炭治郎(そして、幸せが壊れる時にはいつも)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎(血の匂いがする)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎は雪山を降り、下町に着いた

 

 

チュンチュン キュエキュエキュエキュエ サッサッサッサッ

 

 

おばさん「ふぅ.....まあ炭治郎ちゃん!こんな日に山をおりてきたのかい?よく働くねぇ!」

 

 

炭治郎が町に降りると、1人のおばさんが話しかけてきた

 

 

おばさん「風邪ひくよ?」

 

炭治郎「これくらい平気だ。炭はどうだ?足りてるかい?」

 

 

炭治郎とおばさんが話していると、おじさんが炭治郎を呼んだ

 

おじいさん「おーい炭治郎!炭を売ってくれ!この間、障子を張り替えてくれて、ありがとな!」

 

 

おばさん「こっちも炭ちょうだい?」

 

 

炭治郎が来ると、何人かが炭を売ってくれと頼んできた

 

 

ガラガラガラ

 

 

青年「ああ!炭治郎!ちょうど良かった!皿を割った犯人にされてんだよ俺!助けてくれよ!嗅いでくれ!」

 

 

この青年、鼻が良い炭治郎に、自分の無実を証明してもらおうとしているようだ

 

 

スンスン

 

 

炭治郎「ん、猫の匂いがする」

 

 

青年「ほらー!」

 

 

女「あら猫なの?」

 

 

青年「俺じゃないって言っただろ!?」

 

 

男性「炭治郎!ちょっと荷物運ぶの手伝ってくれねぇか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから色んな人に炭を売り、頼み事をされ、気が付けば日もくれていた

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

炭治郎「遅くなっちまったなぁ」

 

 

炭治郎「でも、全部売れてくれて良かった」

 

 

そんな山を登る炭治郎に、1人の男性が声をかける

 

 

三郎「こら炭治郎!」

 

 

名を三郎。山の麓に住む1人の老人

 

 

三郎「おめぇ山に帰るつもりか。危ねぇからやめろ」

 

 

炭治郎「俺は鼻が利くから平気だよ」

 

 

三郎「うちに停めてやる。こい、もどれ」

 

 

炭治郎「でも....」

 

 

三郎「いいから来い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三郎「鬼が出るぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎は結局、三郎の家に1晩泊まることにし、晩飯を振舞ってもらった

 

 

ハム モグモグモグコト ズズズズ

 

 

炭治郎「ご馳走様!」

 

 

ズズズズ

 

 

炭治郎「なぁ、三郎おじいさん。鬼って、どんなだ?」

 

 

三郎「昔から人喰い鬼は日が暮れるとうろつき出す」

 

 

三郎は寝床を広げながら話し出す

 

 

三郎「だから、夜歩き回るもんじゃねえ」

 

 

三郎「食ったら寝ろ。明日早起きして帰りゃいい」

 

 

 

 

 

 

炭治郎「鬼は....家の中には入ってこないのか?」

 

 

三郎「いや、入ってくる」

 

 

三郎は炭治郎に聞かれた質問を、煙管を吸いながら答える

 

 

炭治郎「じゃあ、みんな鬼に食われちまう」

 

 

三郎「だから鬼狩り様が鬼を切ってくれるんだ.....昔から」カンツ

 

 

三郎は吸い終わったのか、煙管の灰を捨てる

 

 

三郎「灯り消すぞ。もう寝ろ」

 

 

 

 

炭治郎(三郎おじいさん、家族を亡くして一人暮らしだから、寂しいんだろうな)

 

 

炭治郎(今度弟たちを連れてくるから)

 

 

炭治郎(怖がらなくても、鬼なんかいないよ。大丈夫)

 

 

炭治郎(でも....そういえば。うちのおばあちゃんも死ぬ前に、同じこと言ってたな)

 

 

 

 

 

この時炭治郎は思ってもいなかった

 

 

 

 

 

 

 

鬼なんかいないと.....大丈夫だと.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていたことが.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に起こるなんて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピヨピヨ チュンチュン チュンチュン

 

 

 

そして朝が来た

 

 

三郎「気をつけてな」

 

 

炭治郎「うん」

 

 

炭治郎は三郎の家から、自分の家に歩き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その心に、嫌な予感を潜めながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッザッザッザッ ザッザッザッザッ

 

 

炭治郎(幸せが壊れる時には.....いつも....)

 

 

 

 

 

炭治郎「?」スンスン

 

 

炭治郎「血の匂い?」

 

 

炭治郎は自らの鼻に入ってくる、赤黒い血の匂いに気づき、足を早める

 

 

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

炭治郎「はぁはぁはぁはぁ!」

 

 

 

 

登りきった先で、炭治郎が見たものは.....

 

 

 

 

炭治郎「はぁ.....はぁ.....はぁ.....はぁ.....!」

 

 

 

 

炭治郎「!?」

 

 

 

 

 

赤黒い血で染まった雪と....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎「あああああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六太を抱えて倒れた禰豆子の姿

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダッダッダッダッ!!!

 

 

 

 

炭治郎「禰豆子!!」

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎「どうした!どうしたんだ!!何があった!!」

 

 

 

家の中に広がる

 

 

炭治郎「!!??」

 

 

 

 

ザツ....ザツ...

 

 

 

 

炭治郎「母ちゃん....」

 

 

 

 

 

地獄のような光景だった

 

 

 

 

炭治郎「母ちゃん.....花子....」

 

 

 

 

 

炭治郎「竹雄.....茂....」

 

 

 

炭治郎「禰豆子.....六太....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

 

 

炭治郎(禰豆子だけはまだ温もりがある.....!)

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

炭治郎(医者に見せれば助かるかもしれない!)

 

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

炭治郎(なんでこんなことになったんだ!)

 

 

 

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

 

炭治郎(熊か.....!?冬眠できなかった熊が出たのか!?)

 

 

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

 

 

炭治郎(息が苦しい.....!凍てついた空気で肺が痛い!)

 

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

 

 

炭治郎(前に進め!もっと早く足を動かせ!)

 

 

 

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

 

炭治郎(まだまだ町まで距離があるんだぞ.....急げ!)

 

 

 

炭治郎(死なせないからな!絶対助ける!)

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

 

 

炭治郎(兄ちゃんが助けてやる!)

 

 

 

炭治郎が禰豆子を抱えて走る中、少し違う場所では

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「おかしいわね、ここら辺で鬼が出たって鴉が言ってたんだけど.....」

 

 

???2 「そのはずやけど、寒すぎない? この山! ほんとに鬼いるの?カナエさん。 うち、これ以上ここにいたら、鬼に会う前に凍りついて柿みたいにカチカチになってまうわ.....」

 

 

カナエ「大丈夫よ。もし寒かったら、私の羽織を半分貸してあげるわ。それとも、もう貸す?亜晴くん」

 

 

亜晴(あせい)「いや、ゆったってカナエさんの羽織は薄いし、うちが入ったら破れてアオイちゃんにまた怒られるやんか.....」

 

 

カナエ「ふふ、大丈夫よ。確かに私の羽織は薄いけど暖かいのよ?それにアオイも、私が貸したって言えば許してくれるわ」

 

 

亜晴「やとええんやけど.....」

 

 

 

ここにいる2人、おっとりした口調で話す長髪の女性は胡蝶カナエ。鬼殺隊花柱、花の呼吸の使い手である

もう片方の、大阪弁で話す長髪の男性は仁倉亜晴(じんくら あせい)。実力は柱級なのにヘタレなので柱になっていない、ちょっと変わった人物だ。独自の呼吸、秋の呼吸を使っている

 

 

2人がここにいるのは、ここに鬼が出たと鎹鴉が言い、たまたま手が空いていた2人が鬼を切りに来たからである

 

 

亜晴「あーあ、早く帰ってアオイちゃんが作ったうどん食べたいなぁ.....」

 

 

カナエ「もう、亜晴くんったら食いしん坊なんだから。ほら、あそこに家が見えるわ。少し鬼を見なかったか、聞いていきましょうか」

 

 

亜晴「うん.....あそこの人、うどんもってないかなぁ.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が雪を踏みしめ、その家に近ずいた、その刹那

 

 

「_______ッ!!」

 

 

2人の鼻を刺したのは、強烈な、おぞましい『血の匂い』だった

 

 

その匂いを嗅いだ瞬間、カナエの顔からは笑顔が消え、日輪刀に手をかける

亜晴も息を飲み、いつものヘタレな空気を一変させ、自分の日輪刀を逆手で手にかける

 

 

カナエ「亜晴くん....これ、家の中から」

 

 

亜晴「うん....行くよ」

 

 

勢いよく坂を駆け上がった2人の目が捉えたのは、地獄のような現場だった

家の前には子供が倒れており

家の中に入ると、部屋の畳は赤黒い鮮血で染まり

この家の母親であろう人物と、小さな子供たちが、血を流して冷たくなっている

 

 

亜晴「な......んやねんこれ、嘘やろ....」

 

 

亜晴は自分の日輪刀を手にかけたまま、そのあまりの悲惨さに声も出せない

カナエは深い悲しみを瞳に抱え、息を引き取った子供たちの元へ駆け寄り、その瞳を優しく閉じていく

 

 

カナエ「まだ、少し周りが暖かいわ。....少し前まで、ここで幸せに暮らしていたでしょうに....」

 

 

そう2人で悲しんでいる時、ふと亜晴がとあるものを見つける

 

 

亜晴「カナエさん、待って。足跡が山の麓まで続いてる。まだ生きている子が逃げていったか、鬼に連れ去られた跡や!」

 

 

カナエ「.....追いかけましょう、2人で!」

 

 

2人は家を出て、重なる雪を蹴って山道を猛烈な速度で駆け抜けた

 

 

そして木々の開けた山原へと飛び出した瞬間、2人の目の前に、まさにその『生き残り』の姿が飛び込んできた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時間を遡ろう

 

 

時間は、2人が家を見つけた頃まで遡る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃炭治郎は、山を下り、町へ向かおうとしていた

 

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

ハァハァハァハァ!!!

 

 

 

禰豆子「うヴぁヴぁあ゛ア゛!!」

 

 

突如禰豆子が唸り声を上げ、暴れ始めた

 

 

そして

 

炭治郎「あっ!しまった!」

 

 

禰豆子が暴れ足が狂ったのか、炭治郎は崖から落ちてしまった

 

 

炭治郎「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ボフ!!!

 

 

炭治郎(.....助かった)

 

 

下が雪だった為、炭治郎は怪我をしなかった

 

 

炭治郎(雪で.....滑ったのも雪だけど.....)

 

 

炭治郎「禰豆子.....!」

 

 

炭治郎が辺りを見回すと、そこには立ち上がった禰豆子がいた

 

 

炭治郎「禰豆子!大丈夫か!」

 

 

炭治郎「歩かなくていい!俺が街まで運んでやるから!」

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

炭治郎「禰豆子!」

 

 

炭治郎が禰豆子に触れようとした時

 

 

 

 

 

禰豆子「ヴヴヴ!ア゛ア゛ア゛!!」

 

 

炭治郎「うわっ!?」

 

 

いきなり禰豆子が襲いかかってきたのだ

 

禰豆子「ヴア゛ア゛!!」

 

 

炭治郎「っく!」

 

 

炭治郎は腰に携えていた斧を禰豆子に噛ませ、なんとか食われそうになるのを阻止した

 

 

禰豆子「ヴヴヴア゛ア゛ヴヴヴ!!!」

 

 

ドサ!

 

 

だが禰豆子の力が強く、押し倒されてしまった

 

 

禰豆子「ヴヴヴ!!!」

 

 

炭治郎(こっ、これは!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、禰豆子は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎(鬼だ!)鬼になってしまったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎(三郎おじいさんの言葉を、今思い出した)

 

 

炭治郎(禰豆子が人喰い鬼?いや違う、禰豆子は人間だ。生まれた時から!)

 

 

炭治郎(だけど、匂いがいつもの禰豆子じゃなくなってる)

 

 

炭治郎(でもあれは禰豆子がやったんじゃない!)

 

 

炭治郎(六太を庇うように倒れていたし、口や手に、血は付いていなかった)

 

 

炭治郎(そしてもうひとつ....もうひとつの匂いが!)

 

 

炭治郎「はっ!」

 

 

炭治郎が禰豆子を抑えていると、禰豆子の体が急激に拡大し始めた

 

 

禰豆子「ヴヴヴ!!!ヴア゛アヴヴヴ!!!」

 

 

炭治郎「体が大きくなった!」

 

 

炭治郎(力も強くなっていく.....!)

 

 

炭治郎(俺が他所の家でぬくぬくと寝ていた間.....!みんな、あんな酷いことに!)

 

 

禰豆子「ヴヴヴ!ア゛ア゛ヴヴア゛!!」

 

 

炭治郎(痛かったろ....苦しかったろ....!助けてやれなくて....ごめんな....!)

 

 

炭治郎(せめて禰豆子だけは何とかしてやりたい!だけど、すごい力だ、押し返せない!)

 

 

炭治郎「禰豆子!頑張れ禰豆子!堪えろ!頑張ってくれ!」

 

 

炭治郎が禰豆子を抑えている時

 

 

 

 

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

 

 

 

 

 

遠くからとある者達が近ずいて来る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎「鬼になんかなるな!しっかりするんだ!頑張れ!」

 

 

禰豆子「ヴア゛ア゛ヴヴヴア゛!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎「頑張れ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポタ

 

 

 

 

 

 

 

 

炭治郎「_____ッ!」

 

 

炭治郎の頬に、1粒の雫が落ちてきた

 

 

 

 

 

 

いや、1粒ではない

 

 

 

 

 

 

 

 

禰豆子「________!」

 

 

禰豆子が泣いていたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

 

 

 

 

 

バッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな禰豆子に、上空から2つの影が同時に舞い降りてきた

 

 

 

 

 

「危ない!離れてや!」

 

 

 

禰豆子「!?」

 

 

炭治郎「!?」

 

 

2人を見つけた亜晴が目にも止まらぬ神速の身のこなしで炭治郎の襟首をガシッと掴み、後ろへと引き剥がす

同時にカナエが、禰豆子と炭治郎の間にサッと割って入った

 

 

炭治郎「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 

雪の上を転がった炭治郎は、突如現れた2人の人物を見上げて息を飲む

 

 

そこにいるのは、刀を構える亜晴とカナエ。そして2人に睨まれ、低く唸り声を上げながらも、まだ目元に涙の跡を残している禰豆子の姿だった

 

 

亜晴「.......あかんわ、やっぱり。あの家の中にいた人らはもう全員冷たくなっとったし、多分この鬼がやったんやろな」

 

 

亜晴は手元を少し震わせながらも、捻れた二叉刀の先端を禰豆子へと向けた

 

 

カナエ「亜晴くん、その子よろしくね?私はこの鬼をやるわ」

 

 

カナエが刀を構え、型を出そうとした時

 

 

炭治郎「待ってください!妹です!禰豆子は俺の妹なんです!」

 

 

炭治郎が走り出し、2人の前に飛び出す

 

 

カナエ「えっ?」

 

 

亜晴「いつのまに!」

 

 

炭治郎は2人の前で禰豆子を切らせまいと立ち塞がる

 

 

炭治郎「鬼になってない!誰も襲ってないんだ!家には別の......知らないやつの匂いが沢山残ってた!禰豆子は違います!だから.....だから、殺さないでください!」

 

 

亜晴「どうする?カナエさん......カナエさん?」

 

 

亜晴は困惑しながらも、禰豆子を着る準備をしていた

 

 

カナエ「.........」

 

 

だがカナエは違った

 

 

カナエは2人の間に割って入る瞬間、禰豆子が炭治郎を押し倒しながら『涙を流してる』という事実を、瞬間を、確かにその目で見ていたのだ

 

 

カナエは静かに刀を鞘へ収めると、俯いて唸る禰豆子を聖母のような柔らかい笑みで見つめていた

 

 

カナエ「........ねえ、亜晴くん。この禰豆子って鬼の子、さっきこの子の言葉を聞いて泣いてたわ。この子を食べまいと、自分を抑制してるみたい」

 

 

カナエからの予想外の言葉を聞いて、亜晴は素っ頓狂な声しか出なかった

 

 

亜晴「えっ.......?いやカナエさん、何言ってるの?そうはゆったって鬼やんか。鬼は必ず人を食う。今は良くても、そのうち必ず人を.....」

 

 

カナエ「いいえ、この子の必死な顔を見て。そして、私たちが来てもお兄ちゃんを食べようとせず、逆にお兄ちゃんを庇うように私を睨みつける。.......私やっぱり、信じたいのかも。人と鬼が、互いに傷つけ合わずに、仲良く手を繋いで生きていける世界があるのかもしれないって」

 

 

カナエは1歩、また1歩と、凶暴に牙を剥く禰豆子の方へと警戒を解いて歩み寄る

 

 

亜晴「カナエさん、危ないって!やけ、うちは無理ゆったやん。この山寒すぎるし、こんなイレギュラーな事態うちには処理しきれんわ.....」

 

 

亜晴はパニックになりかけながらも、カナエが襲われた瞬間にいつでも壱ノ型を叩き込めるように日輪刀を構える

 

 

禰豆子「........ヴヴ」

 

 

しかし、禰豆子はカナエに飛びかからなかった

 

 

カナエから漂う、春の風のような優しい桜の匂いと、絶対的な慈愛のオーラに毒気を抜かれたように、禰豆子はただ、低く唸りながら後退するだけだった

 

 

カナエ「ほらね、大丈夫よ亜晴くん。お兄ちゃん、君の名前を教えてくれない?」

 

 

優しい声色で話しかけられた炭治郎は少し緩くなりながらも、聞かれたことを答える

 

 

炭治郎「竈門......竈門炭治郎です」

 

 

カナエ「炭治郎くん。その子、禰豆子ちゃんを私に預け.....いえ、君と一緒に、私たちの信頼できる人の元へ行きましょう。君の妹さんが人を襲わないか、私たちも一緒に見守ってあげる」

 

 

カナエからの予想外の誘いに、炭治郎は勿論、亜晴も唖然としてしまう

 

 

亜晴「.....カナエさん!本当に、いいの?」

 

 

亜晴は刀を鞘にゆっくりと収めながら、信じられないというようにため息をついた

 

 

亜晴「うち、アオイちゃんに「ドジ踏んで変な鬼連れて帰ったんですって?もう一生厨房入るの禁止です!」って怒られる未来が鮮明に見えるんですけど....」

 

 

カナエ「ふふ、大丈夫よ。アオイちゃんには私からちゃんとお話しておくわ。それに、亜晴くんが作るうどんを食べたら、禰豆子ちゃんもきっと笑顔になってくれるわよ」

 

 

亜晴「何がうどんや、鬼が麺類食べるか分からへんやん。.......はぁ、でも、カナエさんがそう言うなら、うちは付き合うしかないわ。やけど炭治郎くん、もし妹さんが暴れたら、うちは全力で止めるけんね?」

 

 

炭治郎「.....ありがとうございます!ありがとうございます!!」

 

 

しんしんと降り積もる白い雪の中。

原作の展開通り、禰豆子の「涙」をきっかけに、カナエの「優しい夢」と、それにボヤきながらも付き従う亜晴の「不器用な優しさ」が重なり、竈門炭治郎の運命の旅路が、温かい光を帯びて今新しく動き出したのだった。




めっちゃ長くなりましたが、これ次回からは短くします。
あととにかく期間が空くと思います。まあうちの小説なんかは読む人いないよね。
なんで、よろしくお願いします
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