DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
では、どうぞ!
東京の新宿。人通りの喧騒からわずかに外れた路地に、小さなバーがある。看板は控えめにしか掲げられておらず、通りすがりの目にはほとんど触れない、まさに隠れ家のような店だった。
そのカウンター席に、四人の男たちが並んでいる。グラスを手に、声を潜めて話し込む姿は、ただの酔いどれ談笑には見えなかった。空気そのものが、どこか落ち着かない色を帯びている。
「大会の準備はバッチリか?」
「ああ。こちらもぬかりはない。にしても、まさかFINAL FANTASYの世界の者たちを、俺たちの企画した大会に招待させるとはな……」
右端に座る金髪の男——
「まあな。これは俺が叶えたかった夢でもあるからな。俺が高校生の頃に虐められていたが、突如異世界に転移してから世界を救い終えた。そして元の世界に帰った後、虐めた者たちは容赦なくボコボコにし、そのまま警察に突き出した。今ごろ無気力な者として、何処かでボコられているだろうな」
スーツ姿の男——
高校時代に虐められ、突然の異世界転移で勇者となり、世界を救って帰還した男。戻った直後にかつての加害者たちを容赦なく返り討ちにし、警察に突き出してからは、人気YouTuberとして表の顔を保ちつつ、今こうして仲間たちと共にある計画を進めている。
「で、FINAL FANTASYのキャラには招待状を送ってあげたのか?」
「特別な手紙を送ったからな。出迎えについてはワープゲートを起動させるので、大会当日には集まってくれるだろう」
山村の隣にいる緑色の髪の男性である
「後はFINAL FANTASYの参加キャラだな。一から十六までのキャラが参加するみたいだが、リストを見て確認しよう」
國重が手元のリストを広げ、指でなぞりながら確認していく。そこに並ぶ名前は、こう記されていた。
・『ファイナルファンタジーI』:ウォーリア・オブ・ライト
・『ファイナルファンタジーII』:フリオニール
* 『ファイナルファンタジーIII』:オニオンナイト
* 『ファイナルファンタジーIV』:セシル・ハルヴィン、カイン・ハイウインド
* 『ファイナルファンタジーV』:バッツ・クラウザー、クルル・マイア・バルデシオン
* 『ファイナルファンタジーVI』:ティナ・ブランフォード、セリス・シェール、ロック・コール
* 『ファイナルファンタジーVII』:クラウド・ストライフ、ティファ・ロックハート
* 『ファイナルファンタジーVIII』:スコール・レオンハート、リノア・ハーティリー、ラグナ・レウァール
* 『ファイナルファンタジーIX』:ジタン・トライバル
* 『ファイナルファンタジーX』:ティーダ、ユウナ
* 『ファイナルファンタジーXI』:シャントット、イロハ、プリッシュ
* 『ファイナルファンタジーXII』:ヴァン、バルフレア
* 『ファイナルファンタジーXIII』:ライトニング
* 『ファイナルファンタジーXIV』:ヤ・シュトラ、ガイア
* 『ファイナルファンタジーXV』:ノクティス・ルシス・チェラム、プロンプト・アージェンタム
* 『ファイナルファンタジーXVI』:クライブ・ロズフィールド
「ほう……! まさに歴代の英雄たちが勢ぞろいってわけか。これは最高にワクワクするぜ」
「ああ、しかもXIのシャントットやXIVのヤ・シュトラなどといった、オンライン組の曲者まで揃っている。奴らの圧倒的な魔法や剣技が、現実のこの世界でどんな暴れ方をするか見物だな」
野川が感心したように口の端を吊り上げる。徳田も不敵な笑みを深め、手元のグラスを軽く揺らした。山村はスーツのポケットに手を突っ込み、どこか冷ややかに、しかし底知れない野心を宿した瞳で、窓の外の新宿の夜景を見つめる。
「かつて世界を救い、数々の絶望を乗り越えてきた者たちだ。そんな彼らが、俺たちの用意したこの大会でどんな戦いを見せてくれるのか……。ふっ、退屈な現実をひっくり返すには、これくらいのスパイスが必要不可欠だからな」
山村の言葉に、他の三人の男たちも不敵な笑みで同意する。その時、カウンターの向こうから青髪のマスターが声をかけてきた。
「おいおい。良い話をしてくるれるじゃねえか。俺も参加している事を忘れるなよ」
「おお、マスター。すっかり忘れてすいません」
「やれやれ。これは俺からの奢りだ。小魚アーモンドだぞ」
マスターである
「ど、どうも……」
(なんでつまみの一品が小魚アーモンドなんだよ……)
山村たちは苦笑いを浮かべながら、それでも口に運ぶ。徳田に至っては、複雑な表情でグラスを見つめたまま動かなかった。居酒屋なのに小魚アーモンド、という違和感は否めない。
だが、何はともあれ——。
異世界帰りの元勇者が企む、次元を超えた壮大な祭りの幕開けは、すでにすぐそこまで迫っていた。そしてそれが、新たな戦いの始まりを予感させるものになることも、また確かなのだった。
【作者より】
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