DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
OP:Falco-ファルコ-(うえきの法則OP)
美桜の宣言を聞いた零夜は、彼女に対してある事を質問しようとしていた。今の発言であるエンド・ブレイカーは、どんな技なのか気になるだろう。
「エンド・ブレイカーって、どんなのだ?」
「エンド・ブレイカーはラスボスなどを一撃で倒せる技です。FINAL FANTASYのキャラの力を借りるのですが……その技の直後、FINAL FANTASYのキャラは元の世界に強制送還されます!」
「「「ええっ!?」」」
美桜からの宣言を聞いた零夜たちは、まさかの内容に驚きを隠せずにいた。
強い技は必ず代償が生まれる。それがFINAL FANTASYのキャラと別れてしまうとは予想外だ。
「本当に良いの!? クラウドも会えなくなる可能性もあり得るかも知れないのよ!」
「かなり辛そうだし、止めた方が……」
ティファとリノアのアドバイスも、美桜は首を横に振るばかり。その意志は固く、覚悟は既に決めている。
「クラウドさんたちと話し合って決めました。これから先、さらなる戦いが起こりそうで、クラウドさんたちは戦わなくてはならない。ですが、私が継続して参戦すれば、足手まといになってしまいます。だから決意したんです。この技で戦う事を終わらせようと」
美桜の決意はとても固く、断腸の思いでの決意を固めている。自分の無力さを感じているからこそ、この様な決意を固めたのだ。
その健気で強い決意の裏にある痛みを察し、零夜はぐっと言葉を詰まらせた。
「……そうか。それが、お前が選んだ答えなんだな」
零夜が静かにそう呟くと、クラウドやスコール、ティーダ、ライトニング、フリオニール、ガイアもまた、穏やかな信頼の色をたたえた微笑みを美桜に向けた。誰一人として彼女を責める者はいない。
「ああ。俺たちは選んだ道を進むだけだ。お前のその覚悟、しかと受け止めたぞ、美桜」
「はい……っ!」
クラウドの低くも温かみのある声に、美桜は潤んだ瞳を大きく見開き、そして安堵したようにふわりと笑みを咲かせた。そのまま美桜は息を吸い込み、両手に一つの光を生成し始めた。
BGM:竈門炭治郎のうた(鬼滅の刃挿入歌)
一つの光は時間が経つごとに大きくなり、威力も強くなり始める。あと数分すれば完成する予定だが、オーガが腕を振り下ろしながら彼女を狙ってきた。
「させるか!」
零夜の飛び膝蹴りがオーガに炸裂し、強烈な一撃で敵はよろけてしまう。更にティファたちも後に続き、次々とオーガに攻撃しまくった。
「美桜、光は?」
「溜まりました! 皆さん、離れて下さい!」
「全員、離れろっ!」
美桜の叫び声を聞き、零夜はすぐさま周囲の仲間たちへと大きく腕を振った。
その指示に合わせ、零夜やティファ、クラウドたちも一斉に跳躍し、凄まじい威力を秘めた光の爆発圏外へと素早く退避する。
一人その場に残った美桜は、両手に抱え込んだ膨大な光の塊をまっすぐに前方へと突き出した。
「はあああぁぁ――っ!!」
彼女の全身から溢れ出た決意の魔力が、夜空を焦がすほどの眩い一筋の閃光へと変わる。
それは一切の無駄なく敵の中心へと直撃し、すべてを呑み込むような轟音と共に、圧倒的なエネルギーの奔流が空間ごと世界を揺るがせた。痛みを乗り越え、それぞれの未来へと進む者たちの背中を押すように、光の粒子が周囲の空気を優しく満たしていった。
やがて、まばゆい閃光がスーッと収まり、静寂が訪れる。
そこにあったのは力尽きて膝をつく美桜の小さな背中だった。オーガは塵となって消滅し、跡形も無くなっていた。
「やった……の……?」
美桜が荒い息を整えながら顔を上げると、その視線の先で、彼女を支え続けてくれたクラウドたちの体が、淡い光の粒子となってふわりと宙へと溶け始めていた。
「……十分すぎる戦いだった、美桜。お前がパートナーで、本当に良かった……」
クラウドは静かに大剣を下ろし、どこか誇らしげな、穏やかな笑みを浮かべながら消えていく。スコールやティーダたちもまた、言葉はなくとも温かい眼差しを美桜に向け、満足そうにうなずきながら元の世界へと帰還していった。
「みんな……ありがとうございました……!」
あふれる涙を拭いもせず、美桜は消えゆく光に向かって深く頭を下げる。その様子をティファたちが優しく見守る中、零夜は呆然と立ち尽くしている神川に視線を移した。彼は最大の切り札を失い、残っている物は何もない。
「もうおしまいだ、神川。大人しく降伏しろ」
零夜は村雨の剣先を神川に向けて、降伏の勧告をした。すると、神川はニヤリと笑いながら、零夜に対してある事を告げようとする。
「私はここまでだが、ここからが本番だ。カオスの元に下った者たちがたくさんいる。更にFINAL FANTASYのボスキャラもいる為、これで終わりではないのだよ。何処までやれるのか……見せてもらうぞ……」
意識を失った神川は駆けつけた警察官たちによって素早く拘束され、そのまま連行されていった。こうして、武闘大会の裏で行われていた卑劣な陰謀と、黒幕による一連の騒動はひとまずの結末を迎えたのだった。
「ふう……なんとか、終わったんだな」
零夜は持っていた二振りの刀をそっと鞘に納め、張り詰めていた緊張を解くように小さく息を吐き出す。
その傍らでは、戦いを終えたばかりの美桜が、緊張の糸が切れたようにその場にペタリと座り込んでいた。手に入れた大技の代償として大切な仲間たちを見送った寂しさはあるものの、彼女の顔にはやり遂げた者だけが持つ確かな達成感が浮かんでいる。
「美桜ちゃん、本当にお疲れ様。よく頑張ったね……!」
ティファが優しい笑みを浮かべながら歩み寄り、しゃがみ込んで美桜の肩をそっと抱き締めた。リノアやユウナも安堵の表情を浮かべながら駆け寄り、彼女の健闘を温かく称える。
「ありがとうございます……私、怖かったけど……みんながいてくれたから、最後まで戦えました……!」
美桜はあふれそうになる涙をぐっとこらえ、仲間に支えられながらゆっくりと立ち上がった。その瞳には、一回りも二回りも成長した強い光が宿っている。
だが、その和やかな空気を引き裂くように、零夜の脳裏には先ほど神川が残した不気味な言葉が重くのしかかっていた。
——『カオスの元に下った者たちがたくさんいる。更にFINAL FANTASYのボスキャラもいる為、これで終わりではないのだよ』
「……カオス、か」
零夜が険しい表情で呟くと、ティファや他の仲間たちも自然と表情を引き締める。この大会の裏にあったのは、氷山の一角にすぎなかったのだ。世界を狙う闇の軍団は、すでに水面下で本格的な動きを見せ始めている。
「戦いは……ここからだな……」
零夜は真剣な表情で拳を握り、冷静な表情で前を向く。
ここから先はさらなる強敵との戦い。一寸たりとも油断はできないのだ。
ED:こころの惑星〜Little planets〜(うえきの法則ED)
大会の激闘は終わったが、ここからが本番。果たしてどうなるのか。
感想等よろしくお願いします!