DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
OP:Falco-ファルコ-(うえきの法則OP)
零夜たちは美桜と別れ、東京国際展示場から帰路に付いていた。ティファ、リノア、ユウナ、ティナ、セリス、イロハの六人はまだこの世界にいる為、彼らの屋敷で生活する事に。
「ところで零夜たちの屋敷ってお台場にあるけど、どれぐらいの大きさなの?」
「私たちでも入れるのか気になるし……」
ティファとセリスは気になる表情をしながら、零夜に対して質問する。
自分たち六人が安心して生活できるだけでなく、零夜たちにも迷惑かけられずに済むのか。その事が一番気になっているのだ。
すると、メイルが笑顔を見せながら、ティファたちに声を掛ける。
「大丈夫ですよ。私たちの屋敷は大きくて、部屋も多くありますから」
「へ? それってどういう事?」
メイルの笑顔にティファたちは思わずキョトンとしてしまう。その実態は目的地に着けば分かるだろう。
※
「まさかこんなにもデカいとはね……」
「安心して生活できるのは確実だけど……他にも多くの仲間がいるとは思わなかったな……」
目的地であるお台場の屋敷に入ったティファたちは、中の様子に苦笑いしていた。
零夜たちの屋敷はとても大きく、彼ら以外にもゾンビやドラゴンなどのモンスター娘が多数いる事が発覚。更に屋敷の隣には、専用の闘技場であるブレイブスタジアムも設置されている。いくらなんでも規格外と言っても良いだろう。
「まあ、私たちも最初に来たのは驚いたけどね。慣れる日が来るから安心して」
管理人の桐原由恵の笑顔のアドバイスに、ティファたちも頷きながら応える。こんなにも多くの仲間がいるのなら、安心して生活できるのは確実だ。
すると、小型フェンリルであるヤツフサが、ティファたちの元に駆けつけてくる。本来なら大きいフェンリルだが、戦闘時以外ではこの姿だ。
「お前たちの噂は聞いている。零夜と共に戦ってくれた事に感謝するが、引き続き宜しく頼む」
ヤツフサの自己紹介を受けたイロハは、代表して一礼する。初心者への挨拶は忘れずに行わなければならない。
「こちらこそ。それにしても、こんなにもモンスター娘がいるなんて凄いですね……」
「零夜は女性によくモテるから、そうなるのも無理はないな……」
ヤツフサは零夜に対して視線を移し、彼は縮こまりながら赤面してしまう。何故零夜は女性からモテてしまうのかは疑問に感じるが、今はそんな事をしている場合ではない。
「さて、カオスについてだが、カオスが総大将でFINAL FANTASYのボスキャラが幹部となっている。その目的は地球、ハルヴァス、各FINAL FANTASY世界の侵略だ」
「「「侵略!?」」」
ヤツフサからの衝撃的な説明に、零夜たちは驚きを隠せずに来いた。まさかカオス軍が自分たちの世界とよく通う異世界まで侵略行為をするとは予想外だ。
「ああ、その通りだ。奴らは今回の敗北をただ指をくくって見ているような連中じゃない。次に仕掛けてくるときは、これまでの比ではない規模の脅威になって襲い掛かってくるだろうな」
ヤツフサが鋭い牙をちらりと見せながら、緊張感を孕んだ低い声で警告する。その重みのある言葉に、屋敷の広大なロビーに集まった全員の空気が一段と引き締まった。
「上等じゃない。私たちの世界や仲間を狙うような奴らには、ここで目一杯の鉄槌を下してやらないと気が済まないわね」
ティファが自信に満ちた力強い笑みを浮かべながら、軽く両手を合わせる。その頼もしい気概に、リノアやユウナ、ティナたちも心強い賛同の視線を送った。
「そうだな。敵がどんな手を使ってきようと、俺たちが守るべきものは決まっている。全員で力を合わせて、奴らの野望を今度こそ完全に打ち砕いてやろう」
零夜が二振りの刀の柄に手を添え、仲間たちを見回しながら力強く宣言する。この戦いは一筋縄ではいかない。絶対に勝つという決意を固めながら。
※
静まり返った夜の帳が下りる中、月明かりが窓からそっと差し込む零夜の部屋。
ティファはベッドの端に上品に腰掛け、両手で包み込んだカップから立つ温かいお湯の湯気を、ぼんやりとした瞳で見つめていた。
「疲れたね……本当に、色々ありすぎた一日だったけど」
ティファがふっと小さく息をつき、部屋の壁にもたれかかるように立っていた零夜へと視線を向ける。その声には、激闘を駆け抜けた疲労と、どこか心地よい達成感が入り交じっていた。
「ああ。まさか大会の裏であんな大がかりな陰謀が隠されてるなんて思わなかったし、何より美桜があんな重大な決断をするとは思わなかったな……」
零夜が腕を組みながら、今日の出来事を噛み締めるように低く呟く。
美桜が仲間たちとの別れを覚悟して放った一撃、そして神川の野望の崩壊。どれをとっても一筋縄ではいかない、濃密すぎる一日だった。
「美桜ちゃん、すごく頑張ったよね。自分の無力さを乗り越えて、未来のためにあんな大きな代償を払うなんて……私、見ていて胸が締め付けられちゃった」
ティファの青い瞳に、少女の健気な覚悟を案じる優しい色が浮かぶ。
強い技には相応の痛みが伴う。それを理解した上で決意を固めた美桜の背中は、同じ戦う者として眩しく、そして切なく映ったのだ。
「だが、あいつは自分の足でしっかりと未来を切り開いた。俺たちも、いつまでも感傷に浸って下を向いてるわけにはいかないってことだな」
零夜が静かにそう告げると、ティファはハッとしたように表情を和らげ、ふわりと柔らかい笑みを咲かせた。
「そうだね。カオス軍なんていう途方もなく厄介な敵が相手だけど……こうして零夜と一緒に戦えるなら、私、どんな困難が待ち受けていようと乗り越えられる気がするな」
まっすぐに向けられたティファの瞳には、揺るぎない信頼と温かい光が宿っている。
その真摯な眼差しに気恥ずかしさを覚えたのか、零夜はわずかに頬を赤らめながら視線をそらし、照れくさそうに鼻を軽くこすった。
「……ありがとう、ティファ。お前がいてくれると、本当に心強いよ」
「もう、素直なんだから。――さあ、明日からは本格的な準備を始めないとね。世界を守るための戦いが、いよいよ私たちを待っているんだから」
ティファがカップをサイドテーブルに置き、シャキッと姿勢を正して前を向く。その前向きで凛とした強さに引っ張られるように、零夜もまたスッと表情を引き締め、力強く頷いた。
「ああ。どんな手を使ってきようと、奴らの野望は絶対に粉々にしてやるさ」
零夜の笑顔にティファも笑顔で返した後、二人はお互い抱き合い始める。その温もりを感じながら、夜は更けていくのであった。
※
世界の命運をかけた本当の戦いの足音が、確実に近づいてきている。だが、互いを信じ合い、支え合う強い絆がある限り、恐れるものなど何もない。零夜たちの戦いは、ここから新たなスタートを切るのだから。
ED:横顔
次回から新章がスタートです!
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