DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
OP:セクシー・アドベンチャー(ルパン三世OP)
第17話 ティファとのドキドキデート
大会での騒動から数日後。
お台場にあるマルテレビ前では、零夜がティファと共に行動していた。その様子だと彼女を東京案内させるだけでなく、デートの可能性も高い。
因みにティファは何時もの衣装だが、零夜は私服となっている。
「今日はごめんね。まだ東京に慣れてないから、色んなところを案内してね」
「勿論さ。まずはマルテレビの中へ向かおう」
零夜とティファは仲睦まじくマルテレビの中へと進み始める。まるで恋人の関係の様に。
しかし、その様子を納得できない五名がいた。倫子、エヴァ、カミラ、セツナ、恵である。恐らく好きな人が他の女性に先を越された事で、悔しがっているのだろう。
「やはり動いたようやね……よし! 全員集合!」
倫子の合図と同時に、彼女たちの元に仲間が集まってくる。そのメンバーはリノア、ユウナ、アンジェロ、ティナ、セリス、イロハ、日和、アイリン、マツリ、エイリーン、トワ、ベル、カルア、メイル、ペルシャ、アズサ、カルアと言ったメンバーである。しかし、今の様子はため息をついていて、あまり乗り気でない様子だ。
「あの……これって何の意味があるの?」
リノアが呆れた表情で腕を組み、溜め息まじりに倫子へ質問を投げかける。せっかくの休日だというのに、なぜこんな大所帯でコソコソと待ち伏せしなければならないのか、納得がいかない様子だ。
「意味なら大アリや! 零夜君が他の女の子とふたりきりでデートなんて、万が一にも間違いが起きたらどないするんよ!」
倫子は胸を張りながら熱弁を振るうと、怪しまれないためにかけたサングラスのツルをクイッと指で押し上げた。その横ではエヴァが拳をぎゅっと握りしめ、マルテレビの自動ドアへ吸い込まれていく二人の背中をジト目で睨みつけている。カミラとセツナも深々と頷き、恵は小さな拳を突き上げた。
「はぁ……ただの観光案内だと思うんだけどな……」
「付き合わされるこちらの身にもなってほしいものだけど……」
ティナが困ったように苦笑し、隣のセリスも肩をすくめる。足元ではアンジェロが切なげにク〜ンと鳴き、リノアの足にすり寄っていた。
「愚痴は後や! ほら、二人が展示フロアに行ってしまうで! 追跡開始!」
「「「イェッサー……」」」
倫子の低い号令を合図に、総勢十数名の大所帯が一斉に動き出した。周囲の通行人が何事かと振り返る中、彼女たちは観葉植物や巨大な案内板の陰を、身をかがめながら滑稽な動きで移動していく。
ガラス張りの明るいエントランスを進む零夜とティファ。二人が笑い合いながら仲睦まじくパンフレットを覗き込む姿を、物陰からズラリと並んだ乙女たちが覗き込む。
「見て、零夜さんすごく楽しそう……」
「むぅ……! 零夜のやつ、調子に乗って……!」
ユウナが両手を胸の前で合わせて呟くと、すぐ後ろでエヴァがギリッと奥歯を鳴らし、メラメラと嫉妬の炎を燃やしていた。その様子を見たイロハたちは、恐怖で思わず後退してしまう。
「いつもあの五人、こんなのでしょうか?」
「そうなのよ。こうなってしまうと止められないからね……」
イロハの質問に対し、ペルシャは苦笑いしながら応える。零夜の恋愛に関しては鈍感な部分もある為、今の様な展開になるのも珍しくない。
そんな中、零夜とティファは順路通りに進み、とある展示品を見る。それは現在人気のテレビ番組「クイズバカヤロー共!」のパネルとセットの一部だ。
「へぇ、これが『クイズバカヤロー共!』っていう番組のセットなんだ。名前がすごく個性的だね」
ティファは興味深そうに目を輝かせ、煌びやかなスタジオのミニチュアパネルや、色鮮やかな回答台の模型を覗き込んだ。その好奇心旺盛で無邪気な横顔に、零夜は思わず笑みをこぼす。
「ああ、答える側も出題する側もかなり破天荒でね。視聴者の腹筋を壊しに来るような、大人気バラエティ番組なんだよ。あそこの回答台、実際にボタンを押して雰囲気を体験できるみたいだ」
「本当? ふふ、なんだか楽しそう!」
零夜に促され、ティファは回答台の前へと進むと、少し照れくさそうに大きな赤ボタンの上に手を添えた。
ポンッと小気味よい効果音がフロアに響き渡り、二人は顔を見合わせて楽し気に声を上げて笑い合う。まるで本当のカップルのような睦まじい空気が、二人の間に漂っていた。
「……零夜、ティファの手の上にさりげなく手を重ねようとしてない!?」
「絶対に許さない……! 零夜のすけべ……!」
観葉植物の巨大な鉢植えの影から、セツナとエヴァが血眼になって身を乗り出す。セツナは背中から怒りのオーラを放ち、エヴァの手元の葉っぱは嫉妬の握力によって哀れにも粉々へ砕け散っていた。恵もカミラも倫子も、それぞれの武器の柄に手を伸ばしかけるほどの殺気を放っている。
「ちょっと、静かにしてよ! 零夜に気づかれちゃうでしょ!」
後ろからリノアが焦ったように二人を引っ張り戻そうとするが、嫉妬に狂った五人の凄まじい執念の重みには到底抗えない。足元のアンジェロも「ワンッ!」と小さく吠えて袖を引っ張る始末だ。
「……あの、イロハ。私たち、本当にここについていく必要はあるのかしら……?」
「これも……零夜殿を取り巻く『この世界の絆の形』……なのでしょうか……」
引きつった笑みを浮かべるティナの横で、セリスが頭を抱えながら呆れ顔で呟く。真面目なイロハは、見当違いな方向で深く納得するように静かに頷いていた。
「ん……? なんだか向こうの鉢植え、やたらと蠢いてないか……?」
ふと気配を感じ取った零夜が首をかしげ、ゆっくりと振り返ろうとする。
「零夜、どうしたの?」
「いや、なんでもない……気のせいかな」
冷や汗を流しながら物陰へと素早く身を隠した総勢十数名の乙女たちの必死な隠密(?)行動により、なんとかその場は怪しまれずに済んだ。
ティファは胸元に手を当てて嬉しそうに微笑むと、零夜の顔をまっすぐに見つめた。
「案内してくれてありがとう、零夜。ここに来られて本当に良かったわ」
「喜んでもらえて何よりだよ。よし、次は上階の展望デッキに行ってみよう!」
二人が仲良くエスカレーターへ向かって歩き出すと、物陰から「追撃開始やー!」と低い殺気を孕んだ倫子の号令が再び響き渡る。デートのお楽しみはこれからだと言うが、果たしてどんな展開になるのか。
ED:君の中の英雄(機動戦士ガンダムAGE ED)
今回の豆知識
デートはスポットを選んで行動するのがオススメ。しかし、浮気は厳禁。
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