DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul   作:蒼牙王

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今回は新たな敵! 果たして?

OP:セクシー・アドベンチャー(ルパン三世OP)


第18話 襲来の戦士

 エレベーターで移動すると、そこにはお台場の海と東京の大都会を一望できる球体展望室のパノラマビューが広がっていた。窓際に歩み寄ったティファは、ガラス越しに広がる青い海とどこまでも続く高層ビル群を見渡し、思わず感嘆の声を漏らす。

 

「わあ……すごい! ここからだと東京の街が丸ごと見渡せるんだね。風も気持ちいいし、すごく綺麗な場所……」

「喜んでもらえてよかったよ。あそこに見えるのがレインボーブリッジで、その奥にある塔が東京タワー。あの大会の激闘を思えば、こうしてのんびり街を眺められるのも不思議な気分だな」

 

 零夜が優しく微笑みながら並んで外を指差すと、ティファは嬉しそうに頷き、そっと彼の方へ体を寄せる。こう見えても中々良い雰囲気だ。

 

「ううん、零夜が案内してくれたおかげだよ。異世界に来て最初は戸惑うことも多かったけど……こんなに素敵な場所に連れてきてもらえて、胸がいっぱいになっちゃった」

 

 太陽のやわらかな光に照らされたティファの横顔は、息をのむほど美しかった。まっすぐに見つめ返された零夜は、一瞬ドギマギとして頬を赤らめ、誤魔化すように視線を遠くへと泳がせる。

 二人の間に漂う、甘く甘美な空気。――だが、そのロマンチックな雰囲気を完全に台無しにする視線が、巨大な円柱の陰から刺さるように注がれていた。

 

「あ、あかん……! 距離が急接近しとる! 零夜君の顔が真っ赤や!」

「あの距離感は完全にデートの終盤……許せない、絶対に許さない……!」

「ちょっと! どさくさに紛れて雰囲気作ってんじゃないわよ!」

 

 柱の陰でぎゅうぎゅう詰めに身を潜める乙女たち。倫子がハンカチをぎりぎりと噛み締め、エヴァはメラメラと激しい嫉妬の炎を燃やして柱の壁に爪を立てていた。恵もまた小声で憤慨している。

 

「ちょっと二人とも、押し出さないでよ……! 狭いんだから!」

「バレたらどうするんだよ!」

 

 後ろから様子を窺っていたリノアが、押し寄せる嫉妬の圧力に苦しい声を上げる。マツリも慌てながら倫子たちを落ち着かせるが、焼け石に水だ。

 

「まあまあ……でも、零夜さんもティファさんもすごくお似合いで楽しそうですね」

「ユウナ!? 今はそんな悠長なこと言ってる場合やないで!」

 

 のほほんと微笑むユウナに倫子が猛ツッコミを入れたその瞬間、忍び寄る怒涛の押し合いに耐えかねたエヴァの足が滑った。

 

「きゃっ……!?」

「わわっ、エヴァ!?」

 

 ガラガラドッシャーン! と、展示用の案内看板を巻き込みながら、柱の陰から乙女たちがなだれのように床へ押し寄せ、盛大な音を立てて重なり合って倒れ込んでしまう。

 

「……ん? なんだ今の音……?」

 

 あまりの騒音に驚いた零夜とティファが振り返ると、そこには見事に折り重なって悶絶している、見知った仲間たちの姿があった。

 

「お前ら、どうしてここに!?」

「だって零夜君が……って、何者かが近づいてきとる!」

「?」

 

 倫子が突然指差す方をみると、一人の男がコツコツと零夜たちに向かって歩いてきた。その男はホストクラブの衣装を着ていて、年齢は25歳ぐらいだ。

 

「アンタが東零夜だな。神川の野望を止めたって」

「もしかすると、お前もカオスの一人か?」

 

 零夜の質問に対し、男はあくどい笑みをしながら頷く。その様子だとカオスの一人である事は間違いない。

 

「その通り。俺の名前は宮原隆介。カオス軍直属の闇の七人衆の一人だ! ここに来たのは宣戦布告となる勝負を申し込みに来た!」

 

 宮原は両手に鉤爪を装着し、戦闘態勢に入る。この様にエンカウントしてしまった以上、戦うしか道はないだろう。

 

「闇の七人衆か。なら、俺も覚悟を決めて戦いに挑む!」

 

 零夜も私服から戦闘服である忍者衣装となり、真剣な表情で宮原を睨む。その両手には村雨とエクスカリバーが握られていた。

 

「いくぞ、東零夜! 闇の七人衆の恐ろしさ、その身に刻むがいい!」

 

 宮原が不敵な笑みを浮かべると同時に、地面を力強く蹴り飛ばした。ホスト風の派手なスーツを翻し、両手の鉤爪から禍々しい闇の魔力を放ちながら、凄まじい速度で零夜へ突進してくる。

 

「させるかよ!」

 

 零夜は村雨とエクスカリバーを交差させ、迫り来る鉤爪の凄烈な一撃を正面から受け止めた。ガキィィン! と甲高い金属音が球体展望室に響き渡り、激しい衝撃波が周囲のガラス窓を微かに震わせる。

 

「ほう、流石は神川を倒しただけのことはある。だが、これならどうだ!」

 

 宮原は空中でしなやかに身を捻り、まるで踊るかのような変幻自在の連続斬撃を繰り出してきた。漆黒の爪痕が弧を描き、零夜の視界を鋭く覆い尽くしていく。

 

「零夜! サポートするわ!」

 

 すかさずティファが鋭い地蹴りで躍り出て、気合いを込めた拳で宮原の側頭部へと凄まじい踏み込みパンチを叩き込もうとする。しかし、宮原は冷酷な笑みを浮かべたまま空中でバックステップを踏み、ティファの拳を間一髪で回避してみせた。

 

「おっと、綺麗なお姉さんに野蛮な真似はさせたくないね。俺の相手はそっちの男だ!」

「余計なお世話だ! 俺の仲間に手を出すな!」

 

 零夜はその一瞬の隙を見逃さず、村雨の刀身に疾風の魔力を纏わせると、神速の踏み込みから一閃を解き放つ。

 

『風塵・二天斬!』

「なにっ!?」

 

 交差する二つの刃が描いた風の衝撃波が、宮原の身に纏う闇の防御陣を容易く切り裂いた。まともに技を受けた宮原は苦悶の声を上げながら後方へ吹き飛び、展望室の壁際へ激しく打ち付けられる。

 

「グハッ……! くそっ、噂以上の腕前か……!」

 

 胸元のスーツを大きく切り裂かれた宮原は、苦々しい表情で口元の血を拭うと、鉤爪を構え直した。すると、倫子たちは戦闘態勢に入りながら、宮原を睨みつけていく。こうなると多勢に無勢だ。

 

「今回はここまでだ。七人衆は俺の他にもいるが、俺らは軽井沢にいる小屋のところにいるからな。興味があれば来るんだな」

 

 宮原は魔法陣を足元に召喚し、その場から転移する。残された零夜たちは、ここから新たな戦いになると予感する。

 

「七人衆……噂によると手強いのは確実ね」

「ああ。だが、俺たちはこんなところで止まる理由にはいかない。たとえ誰が相手でも……必ず倒す!」

 

 零夜の強き決意に倫子たちも真剣な表情で頷く。ここから新たな戦いである闇の七人衆との戦いも、この時点で開戦の狼煙を上げたのだ。




ED:君の中の英雄(機動戦士ガンダムAGE ED)

今回の豆知識
闇の七人衆はカオス軍直属の部隊。その実力は手強い!

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