DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
突然の襲撃から翌日。零夜たちは豪邸の中で作戦会議を開いていた。闇の七人衆は軽井沢にいる。こうなると二十三人のメンバーで挑むしかないが、後は役割分担で、どう対処するかだ。
「闇の七人衆か……基本的にはどんな奴がいるんだ?」
「先ほど襲撃した奴の他にあと六人いるのは聞いたけど……」
マツリの質問にティファが考えたその時、豪邸の中に黄色い鳥と白い珍獣が姿を現す。その姿を見たティファたちFINAL FANTASYヒロインたちは、誰であるのかすぐに分かった。
「モーグリ! チョコボ!」
「クポッ! 長旅で疲れたクポ〜!」
黄金色の鮮やかな羽をパタパタと揺らしながらチョコボの背からぴょんと飛び降りたモーグリが、愛らしい小さな肉球で自分の頭をポンと叩きながら元気に飛び跳ねる。その頭の上で真っ赤なポンポンが楽しそうに揺れていた。
「チョコボにモーグリ……! どうしてこんなところに?」
「私たちの世界にいたはずの子たちが、どうしてこの地球の屋敷に……?」
ティファやリノア、ユウナたちが目を見張り、驚きと懐かしさが入り混じった嬉しそうな笑みを浮かべて駆け寄る。戦いの緊張感に包まれていた広大な応接間が、一瞬にして和やかな空気に包まれた。
「クポッ、それは秘密クポ! でも、君たちが大変な戦いをしているって聞いて、じっとしていられなくなって仲間たちと駆けつけたクポ! これから僕たちの力も存分に借りてほしいクポ!」
モーグリが胸を張って力強く宣言すると、隣にいたチョコボも「クエーッ!」と頼もしく鳴いて大きくうなずいてみせた。頼りになる存在が増えた事で、ますます賑やかになるだろう。
「ありがとう、モーグリにチョコボ。お前たちが来てくれるだけでも、戦力としてだけでなく心の支えになるよ」
零夜が優しく微笑みながらチョコボの首元をなでると、チョコボは嬉しそうに目を細めてすり寄ってくる。倫子たちもチョコボに寄り添い、優しく撫で始める。
「可愛い! チョコボってゲームで見たけど、本当に凄いね!」
「うん! けど、作戦忘れてない?」
恵の疑問に感じる室内の空気が再びピリリと引き締まる。そうだ、感傷に浸っている暇はない。軽井沢に巣食う強敵たちを打ち破るための具体的な布陣を固めなければならないのだ。
「恵の言う通りだな。総勢二十三人の大所帯だ。全員がただ突撃するだけでは連携が取れない。敵の能力や個別の特性に合わせて、的確に役割分担を決めないと勝機はない」
零夜がテーブルの上に広げられた軽井沢周辺の地図へと視線を落とし、真剣な表情で腕を組む。
すると、トワがすっと一歩前に出て、手元に持っていた端末の画面をみんなに見えるように掲げた。
「敵の幹部たちはそれぞれ強力な特殊能力を持っているわ。だからこそ、私たちも前衛、後方支援、そして敵の足止めや奇襲部隊にしっかりとチームを分けるべきよ」
「なるほど、それなら私が前衛で敵の懐に飛び込んで足止めする役割を買って出るわ。格闘なら誰にも負けない自信があるしね」
ティファが自分の拳を軽く握り合わせ、頼もしい闘志をみなぎらせる。それに呼応するように、セリスやイロハ、さらにブレイブエイトの面々も次々と挙手して自分の得意なポジションを名乗り出た。
「ところで宮原以外にも敵はいるの?」
アズサの質問に対し、モーグリはぽんっと自分の膨らんだお腹を叩く。すると、持ってきたばかりの小さな革袋から、地図の上に次々と奇妙なスクロールや写真パネルを放り投げた。
「ふふん、甘く見ちゃいけないクポ! 僕たち、ここへ来る途中に奴らのアジトの周辺をコソコソ偵察してきたクポ。おかげで『闇の七人衆』の顔ぶれと能力の大体は把握済みクポ!」
頼もしいモーグリの言葉に、部屋に集まったメンバーたちの視線が一斉に地図の上へと集中する。これで作戦も順調に進めるだろう。
「おっ、さすがモーグリだな! それで、あとの六人はどんな連中なんだ?」
「教えるクポ!」
零夜の問いかけに、モーグリは赤いポンポンをピンと立てながら、前足で順番にパネルを指し示していく。
「まず一人目は、音を完全に支配する変異魔術の使い手『ガロ』クポ。周囲の音を消したり、強烈な衝撃波で建物ごと吹き飛ばす危険な奴クポ。二人目は、巨大な機械甲殻をまとう怪力男『バルガ』。防御力が鉄壁すぎて、生半可な攻撃じゃかすりもしないクポ!」
次々と明かされる敵の恐ろしい特性に、リノアやユウナが少し表情を引き締める。宮原以外にも敵ガ強いのは明らかだ。
「さらに三人目は、幻術と毒の煙で精神をかき乱す紅一点の『シエル』。四人目は、空間を歪めて攻撃を跳ね返すトリッキーな剣士『レイド』クポ。そして五人目は、巨大な炎の竜を従える炎使いの『ゾルド』。……最後に六人目は、奴らの統括者であり、一番厄介な最強の懐刀『ゼノン』クポ!」
モーグリが息をつく間もなく一気に言い終えると、広大な応接間にはわずかな静寂が訪れた。七人衆というだけあって、それぞれが全く異なる厄介な戦闘スタイルを持っているらしい。
「音、防御、幻術、空間、炎……。どれも一筋縄ではいかない強敵ばかりね」
「となると、チームワークがカギとなるわね」
セリスが冷静に分析し、エヴァが真剣な表情で推測する。
確かに神川よりも強い相手は確実。更に真・悪鬼の幹部たちと同格の強さを誇っている。こうなると苦戦するのは確実だが、チームワークで立ち向かうしかない
「奴らが個別に強力なら、こちらも最適な相性とチームワークで各個撃破していけばいい。……よし、今の情報を踏まえて、各チームの具体的な突入ルートと組み合わせを決定しよう!」
「「「了解!」」」
零夜の力強い号令を合図に、地図を囲むメンバーたちの間に再び熱気と強い決意が満ちていく。決戦の地・軽井沢へ向け、二十三人の絆を試す究極の布陣が、いま完全に組み上げられようとしていた。
※
一方のとある場所では、ライトニングが真剣な表情で空を見上げていた。恐らく何かを予感しているのだろう。
「新たな戦いの幕開けか……ボスが来るのも時間の問題だな」
ライトニングはそう呟いた後、その場から移動する。新たな戦いが始まる事を予測しながら。
ED:君の中の英雄(機動戦士ガンダムAGE ED)
今回の豆知識
強大な敵にはチームワークで対抗。一つもずれていたら負けにつながる!
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