DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
OP:セクシー・アドベンチャー(ルパン三世OP)
絶対防御を誇るバルガに攻撃を仕掛けようとするリノアとユウナは、皆に対して指示を飛ばす。弱点が分かった以上、狙うなら今だ。
「マツリ、あなたの炎で鎧に攻撃して!」
「任せろ!」
リノアの指示にマツリは頷いたと同時に、口から強烈な炎を吐き始める。そのまま炎は威力を増しながらスピードを上げ、バルガの鎧に直撃した。
「ふん! 痛くも痒くも……あぢぃぃぃぃ!!」
バルガは余裕の表情を見せたが、あまりの熱に思わず叫んでしまう。ゴォォォッと凄まじい熱風を伴う業火が、彼の巨体をすっぽりと包み込んだ。
元々頑丈な鋼鉄の鎧は熱を吸収しやすく、中の空気を急激に熱していく。全身を鉄板に覆われているバルガにとって、それは外側からだけでなく内側からも焼き尽くされるような、耐え難いほどの熱地獄だった。
「な、なんだこの熱さは……っ! 鉄の鎧が、ぐ、軍神の加護があっても、こんなの聞いてねぇぞ……っ!」
先ほどまでの不敵な笑みはどこへやら、バルガは熱さに耐えかねて武器を取り落とし、自分の身体を激しく叩きながら悶え苦しむ。
「成功しまにた! リノアさん、今です!」
ユウナが鮮やかな青い杖を掲げ、増幅された魔力の奔流を放つ。それに呼応するように、リノアも魔導銃の銃口を熱せられたバルガの装甲の継ぎ目――まさに焦げ付いた一点へと正確に定めた。
「逃がさないよ! 一気に決めるから!」
リノアが引き金を引いた瞬間、超高圧の魔導エネルギー弾が熱風を切り裂いて一直線に突き進む。ユウナの重ね合わせた魔法陣の光がその弾丸をさらに幾重にも強化し、凄まじい閃光を放ちながらバルガの胸元へと直撃した。
ドッガァァァン……ッ!!
激しい爆発と眩い閃光が林道を揺るがし、衝撃波が周囲の木々を激しく薙ぎ払う。
大量の白煙と熱気が立ち込める中、絶対防御を誇っていたバルガの鋼鉄の鎧に、ついにクモの巣状の亀裂が走った。
「ぐはっ……! ば、馬鹿な……俺の絶対防御が、この程度の攻撃で……っ!」
メキメキと音を立てて崩壊していく鎧を纏ったまま、バルガは膝からガクンと地面へと崩れ落ちる。その顔には、信じられないものを見たという驚愕の色が深く刻まれていた。
「やったね! これで奴の防御は完全に崩れたよ!」
リノアがホッと胸を撫で下ろし、ユウナも優しく微笑みながら杖を下ろす。これで隙だらけとなった以上、倒すなら今しかない。
すると、バルガは真剣な表情をしながら、狩人の目をしていた。その様子だと諦めてないのは確実だ。
「俺はここで倒れる理由にはいかねえよ! 鎧さえ無くても、俺の力で倒すのみ! 負けたら全て失うからな!」
ボロボロにひび割れた鋼鉄の鎧を無理やり引き剥がし、バルガは血走った目を剥き出しにして立ち上がった。その巨体からみなぎる執念は、ただの悪党という枠を超えた、退けない戦士の気迫そのものだった。
「ここで倒れてたまるか! うおおおおおお!!」
剥き出しの拳に凄まじい闇の気を纏い、バルガが捨て身の突撃を仕掛けてくる。だが、鎧を失った彼にもはや以前のような絶対的な防御はない。
「その覚悟は認めてやる。けどな。お前のその執念、俺たちのプロレス魂で真正面から受け止めてやる!」
零夜は構えていた二振りの刀をそれぞれの鞘に収めた後、素手の戦闘態勢へと切り替えた。一人のプロレスラーとして、肉弾戦で正面から叩き伏せる。それが彼の選んだ答えだ。
「いくぞ、バルガ!」
突進してくるバルガの懐へ、零夜は一歩も引かずに飛び込んだ。
ガシリとバルガの巨体を組み止めると、凄まじい遠心力を利用して豪快に投げ飛ばす。
「まずは基本だ、ボディスラム!」
ドスンッ! と林道の固い地面が揺れ、バルガが盛大に背中を叩きつけられる。しかし、これだけで終わらない。すぐさま跳ね起きたバルガの背後へ回り込み、首と腕をガッチリと極めて強烈な締め上げにかかる。
「続くぜ、コブラツイスト!」
「ぐぅっ……息が……!」
全身の自由を奪われ、苦悶の声を上げるバルガ。このまま締められたら倒れるのも時間の問題。
しかし、バルガは意地でそれを振り払おうと暴れ回る。
「まだだ……まだ終わるかよッ!」
「なら、これでトドメだ!」
零夜はバルガの巨体を一気に高々と抱え上げ、頭からマット――いや、地面へと突き刺すように強烈な衝撃を見舞う。
「叩き込め、パイルドライバー!」
ズシャアァァンッ!! と凄まじい衝撃波が走り、周囲の土煙がもうもうと舞い上がる。凄まじい重撃に、バルガは完全に目を回し、その巨体がぐらりと大きく揺らいだ。
完全に動きの止まったバルガを見据え、零夜は素早く近くの巨岩へと駆け上がり、その頂上へと軽やかに飛び乗る。
「これで決める……ッ!」
青い林道の空を背景に、零夜の身体が美しい弧を描いて宙へと舞い上がった。重力を無視するかのように身を反らし、大きく夜空を見据えながら回転を加える。
すべてを粉砕する、完璧な美しさを纏った必殺の空中殺法。
「受けろ……! ムーンサルトプレス――ッ!」
ドォォンッ!! と大地が悲鳴を上げるほどの凄まじい爆発的激突とともに、零夜の全身の体重と重力がバルガの胸元へと綺麗に直撃した。
衝撃波が木々の葉を散らし、真っ白な土煙がその場を完全に覆い隠す。
「がはっ……こいつは……一本、取られたな……」
煙が晴れたその場所で、バルガはガックリと両手を突いたまま完全に意識を失い、そのまま地面へと崩れ落ちてピクリとも動かなくなった。
まばゆい光の収束とともに、彼の身体からカオスの闇のオーラが綺麗に霧散していく。これで二人目も撃破だ。
「ふう……これで見事に二人目撃破だな」
零夜は軽く息を整えながら着地し、熱くなった両手を軽く握り締めた。
その見事なプロレス技の連続と鮮やかな勝利に、背後で見守っていたティファやリノア、ユウナたちから一斉に歓声と拍手が沸き起こる。
「零夜、すごかったよ! まさに完璧なフィニッシュだったね!」
「うんうん、とってもカッコよかったわ!」
駆け寄ってきたエヴァが、またしても嬉しそうに尻尾をブンブンと振りながら零夜の腕にぴたりと密着する。こういうのもお約束と言えるだろう。
「まったく、エヴァは甘えん坊だな……」
零夜は抱き着いているエヴァに苦笑いをしたその時、ティファ、リノア、ユウナ、イロハ、ティナ、セリスが駆け寄ってくる。彼のプロレス技を見て、ある事を頼もうとしているのだ。
「私たちも今の技、教えてくれないかしら? この技がカオス軍との戦いを攻略するカギになるから」
「勿論だ。それに教えるのは俺だけじゃないからな」
セリスが代表してのお願いに、零夜は笑顔で答える。すると、彼の発言と同時に、倫子たちが彼の周囲に集まってきた。彼女たちも零夜と同じプロレスラーである為、今の様な技を出せるのは確実である。
「私たちも色んな技を教えるから。一緒に頑張ろうね」
倫子の笑顔にセリスたちも同様に頷き、一行は先に進み始める。プロレス技を教えるのは目的である七人衆を倒してからになるが、今の彼らなら大丈夫と言えるだろう。
ED:君の中の英雄(機動戦士ガンダムAGE ED)
ムーンサルトプレスはプロレス技で有名な技。かなり強烈だ!
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