DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
OP:セクシー・アドベンチャー(ルパン三世OP)
零夜たちが耳掃除の休憩をしている中、七人衆のアジトでは宮原、シエル、レイド、ゼノンの四人が話をしていた。恐らく今後についての話し合いだろう。
「零夜たちを倒せば自分たちの願いが叶う。奴はそう言っていたが、本当なのか気になるな」
「確かに。上司であるあいつの言う事も気になるが、俺たちは彼の支配下にいる。逆らえば何をされるかたまったもんじゃないぜ」
ゼノンと宮原の発言に、レイドとシエルも頷く。
確かに彼らの上司は任務に成功したら、願いを叶えさせると言った。しかし、その話が本当なのかは気になるだろう。
「まあ、今は任務に集中しましょう。零夜たちはバルガが向かっていますし……」
シエルが言い切ろうとしたその時、ゾルドが慌てながら駆けつけてきた。その様子だと只事ではない。
「バルガがやられた。次は俺が行く!」
「嘘だろ!? あいつの鉄壁の鎧が破られたってのか!? ガロに続いてバルガまで……あの大人数のチーム、一体どれだけの手練れが揃ってやがるんだ!」
「……どうやら、私たちの想像以上に厄介ですね。数の暴力だけじゃなく、個々の戦力も連携も想定を遥かに超えています」
「ふん、面白い。だが、ここで立ち止まっていれば、我々の計画そのものがご破算だ。ゾルド、お前が行くなら、その圧倒的な炎ですべてを灰燼に帰してこい」
ゾルドの報告に宮原が椅子からガタリと立ち上がり、信じられないという表情で彼を凝視する。シエルも冷ややかな笑みを引っ込め、その美しい眉を険しくひそめた。更にレイドも愛用の刃を指で弄びながら、鋭い眼光を光らせる。誰もが零夜たちを危惧していて、このままでは全滅するのも時間の問題だと確信していた。
統括者であるゼノンも、静かに椅子から立ち上がり、ゾルドを見据えながら重々しく告げた。
「いいだろう、ゾルド。お前の操る炎の竜の力なら、奴らの陣形を一気に焼き払うことも可能だ。ただし、油断はするな。奴らは相手の弱点を見抜く洞察力を持っている」
「へっ、心配いらんさ! 奴らがどんな作戦を練っていようと、俺の灼熱の炎と紅蓮の竜の前ではすべて無意味な灰に変わるだけだ。今度こそ、あの忌々しい連共の息の根を止めてきてやるよ!」
ゼノンの言葉に、ゾルドは野太い笑い声を上げ、分厚い手で燃え盛る闘気を纏った武器を力強く握り締めた。そのまま彼は自信満々に背中を向け、荒々しい足音を響かせながら作戦室を飛び出した。
※
その後、シエルはとある部屋の前の扉をノックしていた。この先には彼女たちの上司がいる。
「ミハエル様。シエルです」
「入って良いよ」
ミハエルの合図にシエルはドアを開けると、そこには椅子に座っている一人の少年がいた。彼こそがミハエルだが、背中から怪しいオーラが少し感じられる。彼もまた、カオス軍の一員であるのは確実だ。
「七人衆の内、二人が倒されました。今度はゾルドが向かったそうです」
「そうか。炎の竜の力を操る彼なら、問題なく倒せる筈だね。けど、ガロとバルガについては残念ながらここで脱落。敗者は能力没収だけで、後は普通の一般人として活動する事になるからね」
「そうですか……」
ミハエルの説明を聞いたシエルは、俯きながら応えるしかなかった。
闇の七人衆は元々何らかの事情により、集められた一般人。そこでミハエルが能力を与えるが、敗者は容赦なく能力を奪取して追放するという冷酷な掟を出している。戦いには容赦しないのが信条でもあるが、それが普通と言えるだろう。
「安心して。君は勿論強いと分かっているから。それに、ゾルドは零夜たちの実力を知らず、やられる可能性もあり得るからね。そこで、君はゾルドの援護に向かって欲しい」
「私がですか?」
ミハエルからの命令に、シエルはキョトンとしてしまう。まさか自分もここから戦いに参加するとは予想外だ。
「そう、君だ。ゾルドは力押しが取り柄だが、そのぶん視野が狭くなりやすい。奴らはこれまでの戦いで相手の弱点や隙を的確に突き、連携でそれを攻略してきた。ゾルド一人では、また同じ手で足元をすくわれるかもしれないね」
ミハエルは意味深な笑みを浮かべながら、指先で卓上のグラスを軽く回した。その冷徹な瞳には、個々の駒の能力だけでなく、戦況全体を冷静に見据える計算高さが宿っている。
「……承知いたしました。ゾルドの暴走を抑えつつ、私の幻術と毒の煙で奴らの精神を内側から崩壊させてみせます」
シエルは深く一礼すると、迷いのない足取りで部屋を後にした。
敗者は容赦なく能力を奪われ、ただの一般人へと戻される。その冷酷なルールの中で生き残るため、そして自分たちの「願い」を叶えるために、彼女もまた引き下がるわけにはいかないのだ。
※
部屋から出たシエルは、心に手を当てて深呼吸をしていた。そして、ミハエルから任務を与えられた事はとても嬉しく、さらなる飛躍になると実感しているのだ。
(私はミハエルさんに拾われてから、今の私がいる。絶対に頑張らないと!)
シエルは心の中で決意しながら、すぐに駆け出していく。しかし、彼女は気付かなかった。ミハエルが部屋の中であくどい笑みを浮かべていた事を。
※
その頃、軽井沢の林道――。
耳掃除ですっきりとリフレッシュを終えた零夜たちは、アジトに向けて進んでいた。休憩する暇なんかない。早くアジトに辿り着き、七人衆を倒すのみだ。
「耳掃除でスッキリしたけど、ここで休んでいる暇はないわね」
「確かにそうですね。それに、敵はいつ何処で出てくるのか分かりませんし」
ティファの意見にメイルも頷きながら同意する。敵は神出鬼没でいつ何処から出るのか分からない。油断せずに引き締めて行動あるのみだ。
「メイルさんの言う通りだな。後は誰が出てくるかだが……」
マツリがキョロキョロと辺りを見回した途端、空から炎が降り注いできた。零夜たちは危険を感じてその場から移動する。炎は地面に激突して爆発を起こしたが、あと一歩遅かったら、大ダメージは確定だろう。
「今の攻撃は……!」
零夜が真剣な表情で上の方を見ると、そこにはゾルドが空を飛びながら姿を現した。彼は余裕の笑みを浮かべながら、下にいる零夜たちを倒そうと決意を固めている。
「ガロとバルガを倒したのは見事だ。けど、この俺はそう簡単に倒せねーよ」
「あれが三人目の刺客であるゾルド……ここは水属性であるウチの番やね」
ゾルドの姿を見た倫子は真剣な表情をしながら、両手に剣を構え始める。
倫子の武器はオールラウンダーにしか扱えない可変武器で、ビクトリーブレイブという名前が刻まれている。その武器は双剣や剣と盾、さらにはヌンチャクなどにも変化する多様武器となっているのだ。
「アンタが相手か。けど、返り討ちにしてあげるよ」
「それはこっちのセリフだから!」
ゾルドと倫子は同時に飛び出し、激しい戦いを繰り広げ始める。ここから第三戦の幕が上げられたのだ。
ED:君の中の英雄(機動戦士ガンダムAGE ED)
ミハエルはとある作品を元にしたキャラ。かなり極悪です!
感想等よろしくお願いします!