DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
OP:セクシー・アドベンチャー(ルパン三世OP)
ゾルドとの戦いが始まりを告げられ、倫子が素早い動きで彼に立ち向かう。炎と水の戦いとなるが、この場合は属性的に倫子が圧倒的に有利だ。
(炎に水は相性が悪い。だが、俺の炎はこんな程度でやられるかよ!)
ゾルドは心からそう思いながら、勢いよく地面へと着地。そのまま目の前にいる倫子に向かって、スピードを上げながら襲い掛かってきた。
「喰らいやがれ! フレイムクロー!」
ゾルドの腕が真っ赤に燃え上がり、容赦なく倫子へと振り下ろされる。熱気が周囲の空気を歪め、草木を瞬く間に枯らしていくほどの高熱の爪だ。
だが、倫子は微動だにせず、その鋭い軌道を冷静に見据えていた。
「属性の相性を分かっていないようね。水は、すべての炎を飲み込むからね」
倫子の手元に冷気と清らかな水流が美しく収束し、瞬く間に光り輝く水のエッジを形作る。彼女が素早く身を翻し、流れるようなステップでゾルドの懐へと滑り込んだ。
「アクア・スラッシュ!」
鋭く冷たい水流の斬撃が、ゾルドの放ったフレイムクローを正面から迎撃する。
瞬間、凄まじい水蒸気が爆発的に巻き起こり、ジジジジッと耳障りな音を立てながらゾルドの炎の勢いがみるみるうちに消し去られていった。
「なっ……俺の炎が一瞬で蒸発しただと……!? 馬鹿な、水ごときで俺の炎が……!」
ゾルドが目を見開き、信じられないといった様子で後方へ大きく飛び退く。だが、水と氷の力を纏った倫子の猛攻はここからが本番だった。彼女は追撃の手を緩めず、周囲の空気中の水分を瞬時に凍らせて無数の氷の矢を作り出す。
「逃がさへんで。アンタらの思い通りにはさせへんからな!」
倫子の指先がピタリと定まると同時に、無数の氷柱が雨あられのようにゾルドへと降り注ぐ。ゾルドは慌てて炎の壁を展開して防ごうとするが、相性の悪さと立ちこめる水蒸気による視界不良が重なり、防戦一方で圧倒されていく。
「くそっ……! 炎が湿気で力が入らねえ……ッ!」
圧倒的な属性の不利と、倫子の洗練された身のこなしに、ゾルドは冷や汗を流しながら大きく顔を歪めた。このままでは、ガロやバルガと同じように押し切られてしまうのは確実だ。
「――そこまでです、ゾルド。やっぱり、あなた一人では荷が重かったみたいですね」
その時、周囲の林道に冷ややかで美しい声が響き渡った。
木々の間に漂う不気味な紫色の霧と共に、幻術と毒の煙を操る紅一点――シエルがふわりと姿を現したのだ。
「あれがシエルか。となると、ここは日和さんが行くしかないな」
「そうね。藍原さんとのタッグは私が行くわ!」
零夜の推測を聞いた日和は、魔導銃を構えながら戦闘態勢に入る。
日和は倫子と共に「ダブルエース」というタッグチームを組んでいて、最強コンビと噂されている。連携も抜群なのが特徴だ。
「二人掛かっても、この私には敵いません。ポイズンミスト!」
「躱せ!」
シエルは魔術で毒の霧を出してしまい、零夜の合図で全員が回避し始める。しかし、倫子たちが喰らってしまい、衣装も強制的に変化してしまった。
「しまった……保育士の姿になるなんて……」
「へ? 私たちも!?」
倫子たちは保育士の姿になってしまったが、ティファたちも同じ衣装に変化していた。普通なら毒状態になるのに、衣装が変化してしまうのは明らかにおかしいだろう。
「アブノーマルチェンジ。状態異常を防ぐ代わりに、衣装が変化してしまう代償よ。ティファたちも同じスキルを手に入れたみたいね……」
「助かったけど、これじゃちょっと……」
恵の説明にティファたちは納得するが、今の姿に恥ずかしさを感じる。この状態では流石に戦いづらく、違和感を感じるのも無理はない。
「けど、この格好……! 子供たちを教えるわけじゃないんだから、戦うには動きにくすぎるで!」
倫子が恥ずかしそうに自分のエプロン姿とパステルカラーのシャツの裾を引っ張りながら、真っ赤な顔で抗議する。隣に立つティファやリノアたちも、突然の衣装変化に顔を真っ赤にしてモジモジと身悶えていた。
「ううっ、本当に……。毒や状態異常を防いでくれるのはありがたいけど、この格好で前線に立つのはメンタルにくるわね……!」
ティファが両手で顔を覆いながらも、戦闘態勢を解かずに歯噛みする。こんな姿で戦うのはどうかと思うだろう。
そんな敵の動揺を見て、シエルは不敵な笑みを浮かべた。
「ふふっ、お似合いじゃないですか。毒で動けなくなるよりはマシでしょうけれど、その滑稽な格好でいつまでその強気が維持できますかね?」
「なっ……! 人の姿を勝手に変えておいて、いい気になるなよ!」
零夜が怒りの視線を向けるが、シエルの傍らで息を吹き返したゾルドが、気まずそうな、しかしニヤついた顔で声を上げる。今の姿に興味を持つのも無理はない。
「お、おう……? なんか急に保育園の先生みたいな集団になったが、そんな格好で俺たちの炎と幻術に勝てると思ってのかよ!」
ゾルドが再び炎を纏おうと拳を握り締める。しかし、その甘い見立てを、最強コンビが容赦なく打ち砕こうとしていた。
「見た目がどうあれ、戦う実力まで変わるわけじゃないわ。――日和ちゃん、行くわよ!」
「任せてください、倫藍原さん! あのバカな炎野郎と、趣味の悪い霧女をまとめてボコボコにしてやりますから!」
日和がキリッとした表情で前に躍り出た。彼女の纏うオーラが一段と鋭さを増し、倫子の放つ冷気と見事に同調していく。
二人は『ダブルエース』と称される最強のタッグ。どれほど見た目が変わろうとも、その抜群の連携と戦闘力に微塵の揺らぎもない。
「まずは足止めよ! 『アクア・バインド』!」
倫子が両手を地面に叩きつけると、周囲の水気が一気に凍りつき、ゾルドの足元をガッチリと氷漬けにして拘束した。
「なっ、また足が……! 動けねえ!?」
「隙だらけよ! 私の弾丸で、そのお喋りな口を塞いであげるわ!」
日和が凄まじいスピードで跳躍し、空中から正確無比な魔導ショットを連続で放つ。その弾丸はシエルの生み出した紫色の毒霧の隙間を完璧に縫い抜け、ゾルドの周囲の空間を次々と撃ち抜いた。
「ぐわっ……!? いてっ、おいシエル、援護しろよ!」
「っ……! やりますね、ただの数合わせの連中じゃないのは確実ですね……!」
シエルは険しい表情を浮かべ、再び幻術で自らの姿を陽炎のように揺らめかせながら、新たな毒の煙を広げようと杖を構え直す。
「そうはさせないわ。私たちを舐めないことね!」
見た目は保育士でありながら、その中身は凄腕の戦士たち。恥ずかしさを怒りと気合に変えた倫子と日和の猛攻は、いよいよ勢いを増していくのだった――。
ED:君の中の英雄(機動戦士ガンダムAGE ED)
アブノーマルチェンジは状態異常を防ぐが、衣装を変えられてしまう代償がある。
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