DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
OP:セクシー・アドベンチャー(ルパン三世OP)
零夜たちはガロとバルガの二人を助ける為、すぐに彼らの元へ向かい出す。すると、ゾルドのマグマと炎が、彼らに向かって襲い掛かってきた。
「そうはさせへん! アクアスラッシュ!」
「がはっ!」
強烈な水の斬撃が炸裂し、ゾルドはダメージを負って地面に落下してしまう。そのままマグマに当たってしまい、身体に火傷を負ってしまった。
「うぐっ! 火傷を負ってしまったか……」
ゾルドは火傷のダメージを負いながらも、拳を構えながら戦闘態勢に入る。どれほど傷付いても、諦めない闘志は変わらない。
「援護します! マジカルミスト!」
シエルが杖を構えながら幻術となる霧を出すが、その攻撃は零夜たちには効果なかった。彼らは既に幻術を見破っている為、この様な攻撃は通用しない。
「全然効かない……何故あなたはそこまで敵を助けるの!?」
「困っている人に敵も味方も関係ないんだよ! 奴らは既に一般人、もう能力も使えないんだ! お前らはそこまでして元仲間を見殺しにするのか!」
「!?」
シエルの質問に対し、零夜は真剣な表情で叫びながら応える。その言葉を聞いた彼女は驚きを隠せず、思わず杖を手から落としてしまった。
(あの人は……嘘をついていない。周りの友達は皆、私の事を友達としか思っていなかった……でも、彼は違う。困っている人を放っておけない優しさもあり、仲間たちを守る覚悟もある……)
シエルが心の中でそう思いながら、戸惑いを隠せずにいた。
零夜とは敵同士なのに、困っている人を放っておけない優しさは本物。その人を攻撃する事などできやしない状態だ。
「見殺しにするさ。俺は役立たずは捨てるのでね!」
ゾルドが指を鳴らした途端、地面から強烈なマグマが噴き出してきた。全員まとめて終わらせるつもりだ。
「このマグマは流石に……」
「私たちの攻撃も防げないかも……」
倫子たちが冷や汗を流しながら、すぐにその場から逃げようとしたーーその時だった。
「キャンセルマジック!」
「「「!?」」」
なんとシエルが両手から魔術を発動させ、強烈なマグマをあっという間に消滅させてしまった。予想外の展開に、誰もが驚くのも無理はない。
「なっ……!? シエル、お前……一体何をしてやがるんだ! なんで俺のマグマを消しやがった!」
ゾルドは自身の作り出したマグマがまるで幻影のように霧散したのを見て、信じられないといった様子で目を剥き、激怒の声を上げた。
味方であるはずのシエルが妨害したのだから、怒るのも当然だった。しかし、シエルはそんなゾルドの怒鳴り声には一切耳を貸さず、ただ静かにうつむいたまま、両手を下ろして小さく首を振った。
「……私は、間違っていたのかも知れません」
ぽつりと零したシエルの声は、激しい熱風の中でも不思議と周囲の全員の耳にハッキリと届いた。
彼女はゆっくりと顔を上げ、驚愕の表情を浮かべる零夜たち、そして自分を睨みつけるゾルドを真っ直ぐに見据える。
「シエル、お前正気かよ……! あんな敵の綺麗事に感化されたって言うのか!? 奴らは俺たちの敵だぞ!」
「敵だから何よ。……敗者になった途端、何の躊躇もなく切り捨てて、使い捨ての道具のように扱う。それが私たちがいた組織の、そしてあなたたちの言う『強さ』の正体だったの?」
シエルの瞳には、かつて大金に群がり、利用価値がなくなれば容赦なく切り捨てようとした偽りの友人たちの姿と、今の組織の冷徹なルールが重なり合って映し出されていた。
利益や打算でしか結ばれない関係。負ければすべてを奪われ、一般人になれば見向きもされない世界。
だが、目の前にいる零夜は違った。敵であり、しかも先ほどまで命を狙い合っていたはずの相手であるにもかかわらず、意識を失ってマグマに囲まれたガロやバルガを、本気で、一人の人間として助けようとした。その姿に嘘や偽りは微塵もなかった。
「私は……自分の居場所が欲しくて、誰も信じられなくなって、あの人の力を借りた。でも、それは本当に強かったのかしら……」
シエルが自嘲気味に小さく笑ったその時、零夜はガロとバルガの腕をしっかりと掴み、安全な場所へと力強く引っ張り上げていた。
「おい、しっかりしろ! もう大丈夫だ、ここから離れるぞ!」
「……っ、零夜……? なんで俺たちを……俺たちは、お前たちを殺そうとした敵だぞ……」
マグマの熱気から逃れ、ガロがかすれた声でぼう然と呟く。その身体からは既にカオスの闇のオーラが完全に消え去り、ただの疲弊した人間の姿に戻っていた。
バルガもまた、地に突っ伏したまま自分の両手を見つめ、歯噛みする。
「あぁ、分かっている。だが、お前たちはもう戦意を喪失した一般人だ。苦しんでいる奴を放っておくほど、俺は冷たくないんでね」
零夜の力強く優しい言葉に、ガロとバルガはガタガタと震え出し、やがて大粒の涙をポロポロとこぼしながら地面に額を擦り付けた。
「すまなかった……! 俺たち、間違っていたよ……あんな組織のために、あんな奴らのために……!」
「すまねぇ……本当に、すまねぇ……!」
かつて誇り高かったはずの幹部たちが、敵である青年の優しさに触れて心の底から涙を流し、これまでの過ちを悔い改める。その光景を見たティファやリノアたちも、ホッとしたような温かい笑みを浮かべた。
「……馬鹿な、馬鹿な馬鹿な! 敵を助けて、仲間を裏切るなんて、そんなの組織への裏切り行為だぞ!」
ゾルドは顔を真っ青に染め、怒りと恐怖に震えながら後じさる。
しかし、シエルはもはや迷いのない足取りでゾルドから一歩離れ、冷ややかな瞳を向けた。
「裏切り? 違うわ。私はただ、自分の目で『本当の強さ』を見ただけよ。……ゾルド、これ以上無駄な足掻きはやめなさい。あなた一人では、もう勝てないわ」
「なっ……! ふざけやがって、ならお前ごとまとめて焼き尽くしてやるよ!」
理性を失ったゾルドが叫び声を上げ、渾身の炎を纏った拳でシエルへと襲い掛かろうとした――その瞬間だった。
「そこまでだ、ゾルド!」
零夜が強烈なスピードでゾルドを捕まえ、そのまま彼を逆さにして跳躍。そのまま強烈なパイルドライバーを見事決めたのだ。
「がはっ……!」
ゾルドは口から吐血してしまい、失神で動かなくなる。同時に彼も戦闘不能となり、普通の一般人へ戻ってしまったのだ。
「お前みたいな仲間を平気で殺す奴に、生かして置く理由にはいかないんだよ」
零夜はゾルドに対して冷やかな視線でそう告げた後、ガロとバルガがゾルドの元に駆け寄る。そのままバルガがゾルドの身体を抱え上げ、零夜に視線を移した。
「俺たちはここから去る。後はしっかりやれよ」
バルガが零夜たちに対してそう告げた後、彼らはその場から移動する。同時にチョコボ、ヤツフサ、モーグリの三匹が駆け寄ってきた。
因みに彼らは屋敷で留守番していたが、零夜たちの様子見に駆けつけてきたのだ。
「零夜、その様子だと無事の様だな」
「ええ。ですが、まだまだこれからです。残る七人衆はあと三人いますからね!」
ヤツフサの言葉に対し、零夜は拳を打ち鳴らしながら真剣な表情で応える。倫子たちも一斉に同意しながら頷く中、シエルが零夜に対して声を掛けてきた。
「ねえ、私の事、どう思っているの?」
「何言ってるんだよ。もう既に仲間だと分かっているから」
「……うん!」
シエルの質問に零夜は笑顔で返し、その発言を聞いた彼女は涙目の笑顔で応えた。
こうしてシエルも仲間になり、零夜たちの戦力はますますアップしたのであった。
ED:君の中の英雄(機動戦士ガンダムAGE ED)
今回の豆知識
仲間を大切にしないと酷い目に遭う!
感想等宜しくお願いしますれ