DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
OP:セクシー・アドベンチャー(ルパン三世OP)
零夜たちは目の前の敵に視線を移し、真剣な表情で睨みつける。リサだけでなく、スリキン、スイト、ゲヒの三人もいる。こうなるとリサ以外は容赦なく倒さなければならないだろう。
「じゃあ、ゲームを始める前にここで説明だ。スロットによって対戦カードとステージが決まる。止めるのは零夜たちの役目だ」
「だったらすぐにやらないとな!」
零夜がレバーを引いた瞬間、スロットが回転し始める。まさに誰が当たるのかの運試しであり、ハラハラドキドキなのも無理はない。
「まずは一人目!」
零夜がボタンを押すと、味方サイドからはティファの名前が。第一試合には彼女が出る事に。敵サイドはスイトだ。
「私の出番ね。必ず勝つわ!」
ティファは軽くアキレス腱を伸ばし、引き締まった両拳を合わせると、一切の迷いのない足取りで闘技場の中央へと進み出た。その凛とした佇まいには、数々の死闘をくぐり抜けてきた格闘家としての絶対的な自信と気魄が宿っている。
対するスイトは、手元にあった特大のパフェを名残惜しそうに一口で平らげると、ふっくらとしたお腹を軽く叩きながらニヤニヤと笑い声を上げた。
「へぇ、相手はなかなかの美人さんだぁ。だけど、この甘党のスイト様を舐めちゃ困るぜ。こう見えて、足腰の軽さには自信があってね……!」
スイトがひょうきんな口ぶりとは裏腹に、不気味なほどの闘気をちらりと覗かせる。
観戦席で見守る零夜やハヤカワ一家、そしてミハエルやリサたちも、固唾を呑んで二人の行方を見つめていた。首に巻かれた毒針付きの腕輪が、敗北の許されないプレッシャーを重く響かせている。
「後はステージだけど、様々な場所に変化するからね。それによって変わったルールもあるから」
ミハエルの説明の後、零夜はスイッチを止める。そのステージは……なんとケーキの上だ。
「なっ……! ステージが、巨大なケーキの上……!?」
ティファは足元を見て、思わず目を丸くした。目の前に広がっているのは、見上げるほど巨大なスポンジケーキ。足元はふんわりと柔らかく、あちこちに濃厚な生クリームや巨大なイチゴのオブジェが転がっている。一歩間違えばバランスを崩しそうな、非常に足場の悪い特殊なフィールドだ。
「へへっ、驚いたかい? このケーキの上じゃ、俺の軽やかなステップこそが最大の武器になるのさ!」
スイトは見た目の巨体からは信じられないほどの身軽さで、生クリームの海を軽快に跳ね回る。重力を無視するかのようにピョンピョンと飛び回り、変幻自在の軌道でティファを翻弄しようと狙いを定めた。
「ふん、足場が不安定なのはこっちも同じよ。だけど――格闘技の勝負で、足腰の安定感なら負けないわ!」
ティファは微動だにせず姿勢を低く落とし、ふんわりとしたスポンジの弾力を逆に利用して重心をしっかりと安定させる。カカトでケーキの生地を的確に捉え、いつでも爆発的な踏み込みができる完璧なファイティングポーズを作った。
「じゃあ、始めるよ。落下すれば即失格となる。では、スタート!」
ミハエルの合図と共に、戦いがスタート。誰もが真剣な表情で見守っていた。
「それっ!」
スイトは巨体からは想像もつかないほどの軽快な身のこなしで、巨大なイチゴのオブジェを鮮やかに踏み台にし、空中へと跳ね上がった。周囲の生クリームを泡のように巻き上げながら、空中で体を一回転させ、ティファの頭上から強烈な踵落としを放つ。
「甘いお菓子だけが俺の得意分野じゃないぜ! これでも食らえ、『シュガー・バースト』!」
上空から迫る重力と勢いを乗せた一撃。だが、ティファは少しも慌てず、ふんわりとしたスポンジの弾力を両足の裏で正確に感じ取りながら、ギリギリのタイミングでサイドへと身をかわした。
スイトの踵が巨大なケーキの表面を直撃し、クリームとスポンジの破片が盛大に四散する。もし直撃していれば、ただでは済まないほどの凄まじい威力だ。
「ふん、見かけによらず結構やるじゃない。でも――隙だらけよ!」
着地の硬直を見逃さず、ティファは一瞬で間合いを詰めると、鍛え上げられた鋭いローキックをスイトの横腹へと叩き込んだ。
「ぐあっ……! き、効くねぇ……!」
鈍い衝撃音と共に、スイトはたまらず数歩後ろへと弾き飛ばされる。しかし、柔らかい生クリームの海に足を取られながらも、彼は驚異的なバランス感覚で踏みとどまり、再びニヤリと笑った。
「へへっ、流石は格闘家のお姉さんだ。一筋縄じゃいかないな! だけど、このケーキの特性を利用した俺の本当のスピードはここからだぜ!」
スイトが両手を地面のクリームにつき、独楽のように激しく回転しながら、予測不能な変則軌道で再びティファへと突進していく。足場が柔らかく不安定なケーキの上であるため、通常の走法では対応できない厄介な攻撃だ。
観戦席で見守る零夜やハヤカワ一家は、首に巻かれた毒針付きの腕輪のプレッシャーも忘れ、息を呑んでその攻防を見つめていた。
「すごい動きだな……! あんなに体が大きいのに、このケーキの上だとまるで魚みたいに滑らかに動くとは……」
「ティファ、足元をすくわれないように気をつけて……!」
リノアの心配そうな声が響く中、ティファは冷静にスイトの回転軌道をその目に焼き付けていた。不安定な足場を逆手に取り、彼女は自らの重心をさらに低く落として戦闘態勢を整える。
「足場が悪いなら、相手の勢いを利用するまでよ!」
ティファはスイトの突進が目の前に迫ったその瞬間、両拳に闘気を集中させ、真っ向から迎え撃つべく踏み込む。しかし、それを見たスイトがにやりと笑う。
「バカだな。スパークタックル!」
「キャッ!」
スイトの電流を纏ったタックルが炸裂し、ティファは勢いよく飛ばされてしまう。しかし、宙回転しながらバランスを整え、上手く着地に成功する。
「なかなかやるな。俺は雷の能力を持っているからな。真正面から立ち向かえば、痛い目に遭うぜ」
「くっ……!」
スイトの挑発を受けたティファは、真剣な表情で相手を睨みつける。
今までとは違う厄介な敵だが、何処かに必ず弱点がある。果たして上手く見つけられるかが、勝敗を分けるカギとなるだろう。
ED:君の中の英雄(ティファバージョン)
今回の豆知識
スイトは素早さと電流攻撃が得意。しかし、地面攻撃には弱い。
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