DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul   作:蒼牙王

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OP:セクシー・アドベンチャー(ルパン三世OP)


第36話 ティファVSスイト(後編)

 スイトが雷の能力を持っている事が判明されたが、こうなるとかなり厄介だ。更にステージがケーキの上である以上、完全に彼の目論見通りとなっているのは確実である。

 観客席にいる零夜たちは真剣な表情をしながら、この場をどう切り抜けるのか見守っていた。

 

「あのステージをどうにかしない限り、ティファが勝つ事は難しい。ステージさえどうにかしないとまずいだろうな」

「確かにそうかもね。ケーキの上じゃ流石に動きが悪いし……」

 

 マツリの真剣な推測に日和が真剣に考えたその時、エヴァのお腹から腹の音が鳴り響く。恐らくお腹が空いてきたに違いない。

 

「ごめんなさい。お腹が空いちゃって……ん?」

 

 エヴァが苦笑いしたその時、目の前にケーキのステージがある事に気付く。それを見た彼女はある考えを思いつき、ケーキのステージへと向かってしまった。

 

「エヴァ!? お前、まさか!?」

「ごめん、我慢できない!」

 

 なんとエヴァはステージのケーキをバクバクと食い始めた。お腹が空いたのもあるが、ケーキが食べたかった理由もあるだろう。

 

「エヴァ、何やってるのよ! 戦いの真っ只中よ!」

「すぐに戻ってください!」

 

 リノアとユウナが慌てて声を上げるが、エヴァはそんな制止を一切気に留める様子もなく、巨大なスポンジケーキの端にかぶりつき、夢中でモグモグと食べ進めていく。

 

「ん〜、おいし〜い! 甘さ控えめの生クリームと、このしっとりしたスポンジのハーモニーが絶妙なの! 戦いの最中だけど、これは別腹ね!」

「エヴァ……」

「羨ましいけど、余程お腹が空いていたのね……」

 

 あまりのマイペースさに、観戦席の面々は思わずずっこけそうになる。敵であるはずのミハエルやリサすらも、予想外すぎる行動に呆気に取られて言葉を失っていた。

 

「おいおい、あの小娘……俺の作った特製ステージを勝手に食い荒らしてやがるぞ!? いったいどうなっているんだ!?」

 

 スイトもティファに攻撃を仕掛けようとしていた足を止め、信じられないものを見る目でエヴァを凝視した。

 しかし、このエヴァの暴挙(?)が、結果として戦局を大きく変えることになる。

 

「……待って、これって……!」

 

 足元の異変に気づいたティファが目を見張る。エヴァがケーキの大部分を凄まじい勢いで食べ進めたことで、ふんわりとしていた足場がみるみるうちに削られ、スイトの得意とする軽快なステップの軌道が完全に崩れてしまったのだ。

 

「あ、れ……? 足場が、崩れる……!?」

 

 スイトが慌てていつもの身軽な跳躍を見せようとするが、肝心の足場であるケーキがエヴァに食べられてスカスカになり、バランスを崩して足を取られてしまう。おまけに、スイトの纏っていた雷の能力が周囲の水分(生クリームやフルーツの果汁)を伝って、予期せぬショートを引き起こした。

 

「うわっ、いてっ!? 自分の雷がクリームに伝導して痺れるぅ——っ!?」

 

 バチバチバチッと激しい電撃がスイト自身を襲い、彼は全身を大きく痙攣させながらバランスを崩した。まさか意外な乱入者のお陰で、この様になる事は予想外だ。

 

「今がチャンス! エヴァが起こしてくれたチャンスを無駄にしないわ!」

 

 この絶好のチャンスをティファが見逃すはずがない。彼女は削られて硬めの土台が露出した地面を鋭く踏み込み、一瞬でスイトの懐へと肉薄する。

 

「私の格闘技、そしてこの隙は逃さないわよ……! 『ファイナル・ヘブン』!」

 

 ティファの両拳に凄まじい闘気が極限まで収縮され、容赦ないラッシュがスイトの全身へと叩き込まれる。

 ドゴォォンッ!! と凄まじい衝撃波が闘技場を揺るがし、スイトはたまらず盛大に吹き飛ばされてケーキの底へと沈んだ。

 

「ぐはぁっ……! まさか、ケーキを食べられてペースを狂わされるとは……おそるべし、花より団子パワー……」

 

 スイトは白目を剥き、そのまま盛大に気絶して戦闘不能。そのまま彼は光の粒となって消滅してしまった。

 静まり返った闘技場に、勝者であるティファの静かな息遣いだけが響き渡る。同時にモニター画面には、ティファの勝利を告げる内容が映されているのだ。

 

「ふう……危うく足元をすくわれるところだったけど、何とか勝てたわね」

 

 ティファが額の汗を拭いながらホッと息をつくと、その横でエヴァが口の周りを生クリームだらけにしながら満足げに親指を立てた。大好きなケーキも食べれただけでなく、味方の勝利にも繋がる事ができたのだ。

 

「えへへ、どう? 私のファインプレーのおかげで、足場も崩れて一石二鳥だったでしょ!」

「ファインプレーというか、ただ食べたかっただけじゃ……まあ、結果オーライか!」

 

 零夜が苦笑いしながらツッコミを入れると、仲間たちからも安堵の笑みが零れる。ティファが無事に勝って良かった事で、ひとまずは安心と言えるだろう。

 だが、手首に巻かれた毒針付きの腕輪は未だに不気味な光を放っている。第一試合は勝利したものの、次なる戦いはさらに過酷なものになるのは確実だった。

 

「ふん、一戦目はまぐれ当たりといったところだね。だが、次もそう上手くいくかな?」

 

 モニターの向こうで不敵な笑みを浮かべるミハエル。この様子だとまだまだ余裕である事は確かだ。

 スイトを倒したが、残る敵は三人いる。果たして、第二試合の対戦カードと、次なる特殊ステージはいったい何になるのか——!




ED:君の中の英雄(ティファバージョン)

今回の豆知識
エヴァは大食いであるが、ケーキが大好物である。

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