DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul   作:蒼牙王

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OP:セクシー・アドベンチャー(ルパン三世OP)


第40話 怒りの鉄拳制裁

 零夜とスリキンの戦いは一進一退の攻防に。どちらが勝ってもおかしくないが、ハヤカワ一家の仇を取る為にも負ける理由にはいかない。

 

「スリキンの能力はかなり厄介ね。けど、何処かに弱点があるか探してみるわ」

「確か彼は空間を歪めながら、禍々しい武人のような巨大な影を繰り出しているからね。トワ、お願いね」

 

 トワは自らのスキル「千里眼」で、相手の能力の弱点を探り始める。それを聞いた倫子はスリキンの能力を説明し、トワは頷いた後に彼の弱点を探り始める。

 すると、スリキンはそれに気づき、観客席へと接近し始める。自分の弱点をバラされたら、負けて死んでしまう事になるのだ。

 

「やっぱりね。作戦その一! ほら、リサも!」

「へ? 私も?」

 

 倫子の合図でティファたちも頷きながら同意し、リサも強制的に参加される事に。すると、彼女たちは突然後を振り向き、リズミカルにペチンペチンとお尻を叩き始める。しかも横四列に並んでだ。

 

「「「やーい、やーい! 子猿のお尻は真っ赤っ赤ー!」」」

「なっ……テメェら、ふざけた真似を――っ!!」

 

 観客席から放たれたまさかの童心に満ちた挑撃に、スリキンは血管が切れんばかりに顔を真っ赤に染め上げ、凄まじい形相で絶叫した。武神のオーラを纏った恐ろしい幹部であるはずが、あまりの屈辱的な小馬鹿にされた態度に、完全に理性が吹き飛んでしまったのだ。

 

「お、お前らなぁ……! そんな子供だましが俺に通じると――」

「今よ、トワ!」

「よし――視えたわ!」

 

 倫子の鮮やかな合図と同時に、トワの『千里眼』がスリキンの纏う禍々しいオーラの核心を正確に捉え抜いた。怒りで注意が観客席へと逸れ、気が散ったそのコンマ数秒の隙こそが、鉄壁の守りに致命的な綻びを生み出したのだ。

 

「スリキンのオーラの中心核……! 空間を歪めている源は、左肩のすぐ後ろにある黒い核よ! そこを叩けば、その無敵の武神顕現を維持できなくなるわ!」

 

 トワの的確かつ鋭い叫び声が、闘技場全体に響き渡る。その瞬間、零夜の鋭い戦闘勘が即座に反応した。

 

「よくやった、トワ! ……もらったぜ、スリキン!」

 

 隙だらけになったスリキンの背中へと、零夜は神速のステップで一気に間合いを詰める。

 怒りに任せて観客席へ振り向こうとしたスリキンが慌てて振り返るが、すでに零夜の切っ先はその急所へと迫っていた。

 

「なっ……しまっ――!」

 

 絶望に染まったスリキンの瞳の前で、零夜の渾身の一撃が炸裂。そのまま核は破壊された。同時に武神顕現は維持できなくなり、背中のオーラも消滅してしまったのだ。

 

「がはっ……! うそだろ、俺のオーラが――消えた……!?」

 

 武神の加護を完全に失い、ただの生身の肉体へと成り下がったスリキンが、自らの両手を見つめながら絶望に顔を歪める。だが、慈悲を与えるつもりなど微塵もない。零夜の瞳には、ハヤカワ一家の仇を討つための揺るぎない闘志が燃え盛っていた。

 

「ハヤカワ一家の想いを踏みにじり、リサを泣かせたその罪……その身でたっぷりと思い知れ!」

 

 零夜が地を蹴り、一瞬でスリキンの懐へと飛び込む。放たれたのは、助走を伴った容赦ない『スピアータックル』だ。凄まじい衝撃音が闘技場に響き渡り、スリキンの身体はたまらず宙を舞って派手に地面へと叩きつけられた。

 

「ぐはっ……あ……!」

 

 息を切らして悶絶するスリキンに、零夜は休む間もなく追い討ちをかける。すぐさま背後へと回り込むと、強烈な締め技――『コブラツイスト』へと移行し、彼の身体を容赦なくねじ伏せていく。

 

「ぐっ、苦しっ……離せ、この野郎……!」

「終わりじゃない! プロレスラーのリングじゃ、ここからが本当の見せ所だ!」

 

 さらにフラフラになったスリキンを強引に引き起こし、頭をしっかりと抱え込んで地面へと垂直に突き刺す凄まじい『パイルドライバー』を炸裂させる。プレーンステージの堅い床が大きく揺れ動き、スリキンは白目を剥いてその場に崩れ落ちた。

 

「す、すごすぎる……! 零夜のプロレス技のラッシュ、一歩も引かないどころか圧倒してるわ!」

 

 観客席で戦況を見守るティファが、頬を伝う涙をグローブで拭いながら、興奮と期待の入り混じった声を上げる。その隣では、リサも少しずつ落ち着きを取り戻し、ハラハラとした面持ちで零夜の背中を見つめていた。

 だが、これだけで終わる零夜ではない。ハヤカワ一家の無念を晴らすためには、ここで完全に息の根を止め、悪党の野望を粉々に打ち砕く必要がある。

 

「これで最後だ、スリキン……! お前の悪趣味なゲームも、今日で綺麗に終わりにしてやる!」

 

 零夜がふたたび失神しかけているスリキンの襟首を掴んで引きずり起こし、最後のフィニッシュホールドへと体を構える。闘技場の空気が最高潮に達する中、零夜はすぐに設置されている柱の上に移動した。

 

「あの技ってまさか?」

「ええ。零夜が得意としている最強の技よ!」

 

 リノアの質問に対し、エヴァがウインクしながら応える。同時に零夜は後を向いたと同時に跳躍した。宙を舞った彼の肉体が、完璧な美しさと圧倒的な質量を伴って急降下していく。

 狙いである悶絶するスリキンの胸元めがけて、全身の重みと有り余る闘気を乗せた鮮やかな『ムーンサルトプレス』が炸裂した――!

 闘技場全体が激しく揺れ動くほどの凄まじい衝撃波が爆発し、砂塵と闘気の渦が巻き起こる。

 

「ぐはぁっ……!!」

 

 直撃を受けたスリキンは白目を剥き、もはや声すら絞り出せないまま完全に意識を断ち切られた。そのままピクリとも動かなくなり、プレーンステージの床に大の字になって沈み込む。そのまま身体も光の粒となり、消滅してしまった。

 

「き、決まったぁ――っ!!」

 

 観客席からリノアが両手を突き上げて歓声を上げ、ティファやエヴァたちも胸をなでおろしつつ、感極まった表情で一斉に拍手を送る。

 リサはハラハラと涙を零しながらも、力強く立ち上がった零夜の背中を、深い感謝と敬意の眼差しで見つめていた。

 

『勝負あり……! 勝者、零夜――ッ!!』

 

 モニターからの音声の合図と同時に、零夜の勝利が告げられる。すると、彼らに付いていた手首の腕輪が外れてしまい、床へと落ちてしまった。

 

「終わったんだね……」

「うん……」

 

 ティファたちがアンダーデュエルマッチが無事に終わった事を確認した直後、リサが観客席に戻ってきた零夜に視線を移す。彼に対して伝えたい事がある様だ。

 

「ありがとう、零夜」

「ああ」

 

 リサの満面の笑みのお礼に、零夜はニコッと笑顔で応える。だが、これで終わった理由ではない。この場に残っている敵はミハエルだけだ。




ED:君の中の英雄(ティファバージョン)

今回の豆知識
お尻ペンペンの挑発は女性たちにしかできない技である。

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