DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
零夜たちはコスモスと共にとある場所に転移。そこはコスモス軍の集合する場所であり、彼女の住む場所でもあるのだ。
「さて、ここに貴方たちを転移させたのは他でもありません。既にクラウドたちには伝えております」
「もしかして、カオス軍との戦いが本格的になる事ですか?」
コスモスの話を聞いた零夜は、真剣な表情で質問する。言葉に転移させられたと言う事は、本格的な戦いが始まると言う事だと感じているのだ。
「その通りです。各世界のボスたちが動き出そうとしていますし、光の戦士たちも動き出そうとしています。そして、あなたたちの敵である真・悪鬼も黙ってはおらず、一斉に仕掛けようとしています!」
コスモスの発言を聞いた零夜たちは、まさかの展開に動揺してしまう。ティファたちFINAL FANTASYキャラたちも、真剣な表情で彼らに視線を移した。
「真・悪鬼……確か零夜たちの因縁の敵だよね?」
「そうだ。玉梓率いる魔王軍団だ。それだけでなく、ゴブゾウやスカーレット、アビスという強敵もいる」
「つまり、苦戦は免れないか……」
リノアの重い呟きを受け、零夜は腕を組みながら険しい表情で空を仰いだ。
自分たちの世界の因縁の敵である玉梓率いる魔王軍団――ゴブゾウやスカーレット、アビスといった強敵たち。それに加えてカオス軍の本丸や各世界のボスたちが一斉に動き出すとなれば、これまでの戦いとは次元が違う、文字通りの総力戦になるのは明白だった。
「確かにそうね。特に玉梓は私の悪の半身だし……」
「もしかして玉梓は、前はセツナ殿と一つになっていたのですか?」
セツナの呟きを聞いたイロハは、気になる表情で彼女に質問する。今の言葉を聞いた以上、黙っている理由にはいかないだろつう。
「そう。私はかつてタマズサという魔王として降臨していた。けど、ファルナーガという邪神によって分離されたけどね……」
「だから今のあなたがいるのね」
「こうなると苦戦は免れないみたいね……」
「上手く撃退すれば良いのですが……」
セツナの話を聞いたティナとセリス、イロハは納得の表情をしていた。彼女にこんな過去があったとは驚きだが、玉梓は確かに手強い。皆の力を合わせなければ、勝てる事は不可能だ。
「ああ。生半可な覚悟じゃ、足元をすくわれるどころか、一瞬で世界ごと飲み込まれちまうだろうな」
零夜の力強い言葉に、周囲の空気がピリリと引き締まる。だが、その瞳に恐れの色は微塵もない。むしろ、強大な敵を前にして燃え上がるような闘魂の炎が、その黒い瞳の奥で静かに、しかし激しく揺らめいていた。
「だけど……ここで縮こまっていてどうするんだ?」
「どういう事?」
零夜がニヤリと不敵な笑みを浮かべ、両拳を力強く握り締める。その様子を見たティファたちも、気になる表情で彼に視線を移している。
「俺たちはここまで、絶望的な状況を何度もひっくり返してきたんだ。玉梓であろうとも俺たちの前を塞ぐなら、正々堂々と立ち向かうのみだ!」
その頼もしい一言に、沈みかけていた場の空気が一気に熱を帯びる。
ティファやリノア、そしてトワやエヴァたちも、不安を振り払うように力強く頷いた。
「そうよね! 敵がどれだけ大勢だろうと、私たちがやるべきことは一つよ!」
「ええ。全員で力を合わせれば、どんな強敵だって怖くないわ!」
「私だってやってやるわ! 全力全開で立ち向かう!」
「ここで引くのは私たちじゃないからね」
仲間たちの声が重なり合い、戦意が高まっていくその時――白銀の光に包まれた陣地の奥から、静かで重みのある足音が響いてきた。
「よくぞ言ってくれたな、零夜」
振り返ったその先に立っていたのは、鋭い碧眼を光らせ、大剣を背負った孤高の戦士――クラウドだった。その傍らには、同じく世界を救うために戦う仲間たちの姿がある。
「クラウド……! それにスコールたちまで!」
「話は聞かせてもらった。カオス軍の本丸、そしてお前たちの因縁の敵……奴らがどれほど巨大な脅威であれ、進むべき道が変わるわけじゃない。俺たちも、お前たちと共に戦う」
クラウドの力強い言葉に、零夜は深く頷き返した。
光の戦士たちとブレイブエイト、そしてそれぞれの世界を背負った者たちが、今、一つの陣地に集結したのだ。
「よし、気合を入れていくぞ! 世界を救うための最終ラウンド、盛大に暴れてやろうぜ!」
零夜の号令を皮切りに、全員が一斉に強く応える。すべての因縁を断ち切るための最終決戦へ向けた準備が、いよいよ本格的に動き出そうとしていた――。
※
それから数日後。地球のとある公園では、ガロとバルガ、レイドとゾルドがゼノンによって正座させられていた。恐らく何か理由があるだろう。
「貴様らは敗北して普通の人になってから、ダラダラ生活しているだろうな。以前、私に語った夢は諦めていたのか!?」
ゼノンの叫びを聞いたガロたちは、ブンブンと首を横に振る。いったいどんな夢か気になるだろう。
「い、いや、そんなわけありませんってゼノン様! 俺たちはただ、その……力を失ったからって、腐ってたわけじゃねぇです! 日々、足腰の鍛錬とプロレスのイメージトレーニングは欠かしていませんから!」
ガロが冷や汗をダラダラと流しながら必死に言い訳を並べ立てる。
隣に並ぶバルガにレイド、ゾルドもかつての強敵としての威厳はどこへやらだ。鬼の形相をしたゼノンのプレッシャーに耐えきれず、ガタガタと震えながら小さくなっていた。
「トレーニングだと? 口だけなら何とでも言えるな。お前たちがかつて私に熱く語った夢――『すべてのプロレスラーと格闘家を叩き伏せ、自分たちだけの最強のエンターテインメント団体を築き上げる』という野望は、敗北した途端に泡と消えたのか!」
ゼノンの厳しい叱責が公園の木々を揺らす。
その言葉に、ガロはぎょっと目を見張り、わずかに表情を引き締めた。
「……忘れてねぇよ。忘れるわけねぇだろ、あんな熱い夢……!」
ガロの言葉に、バルガもこくりと力強く頷く。あの時の夢は今でも忘れていないのだ。
「そうだ。俺たちはカオス軍の尖兵として負けたかもしれないが……あのリングの上で味わった熱気、そして零夜たちとの真っ向勝負でぶつかり合った魂の感覚は、今でもこの胸に焼き付いてるんだよ!」
「ああ。たとえ今は一般人(タダの人間)としての生活を送っていようとも、俺たちの目指す頂点が消えたわけじゃねぇ!」
レイドとゾルドも次々に声を上げ、かつての闘志を再びその瞳に宿し始める。
彼らが語っていたのは、単なる悪の侵略だけではない。自分たちの強さを証明し、観客を熱狂させる「最高の戦い」を創り出すという、歪んではいながらも本物の情熱だった。
それを聞いたゼノンは、厳しかった表情をわずかに緩め、フッと鼻を鳴らす。
「……口ばかり達者な奴らだ。だが、その腐り切っていない目を見れば、まだ完全に骨抜きにはなっていないようだな」
「へっ、ゼノン様……もしかして、俺たちにハッパをかけるためにわざわざこんなところまで?」
ガロが恐る恐る尋ねると、ゼノンは腕を組み、遠くの空を見据えながら重々しく告げた。
「次元の壁を越えてカオス軍の本丸、そして真・悪鬼たちが本格的に動き出した。今はお前たちがいつまでも泥を被ったままでいることを、この世界も、そして私自身も許すつもりはない。――目を覚ませ、お前たちの戦いはまだ終わっていないぞ」
その言葉の意味を理解した瞬間、ガロたちの表情の色が変わった。
ただの説教ではなく、これは新たな戦場への招集――そして、かつての因縁にケジメをつけるための最後のチャンスだった。
「……上等じゃねぇか! 忘れかけてた忘れ物、今度こそ取り返してやるぜ!」
ガロたちが立ち上がり、再び闘志の炎を燃え上がらせる中、世界の運命を賭けた最終決戦の歯車が、静かに、しかし確実に回り始ようとしていた。果たしてこの先に何が待っているのか。
ED:君の中の英雄(ティファバージョン)
ついに次回から最終章、ディシディアウォーズ編に入りますの結末は如何に?
次回からは毎週火曜日投稿です!ご迷惑お掛けしますが、宜しくお願いします!
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