DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
OP:INNOCENCE(アイシールド21OP)
第45話 変わり果てたミッドガル
コスモスたちの陣営では、カオス軍との最大決戦における作戦会議が開かれていた。誰もが真剣でこの会議に参加している。
「今回の任務はFINAL FANTASY Ⅶの世界におけるミッドガル。セフィロスの討伐です。彼はカオスによって復活し、本来の目的を果たす為に動き出しています」
「カオスが復活したのは確実だが、何れにしても戦う運命は変わらない。やるからには任務を果たすのみです」
コスモスの説明を聞いた零夜は、真剣な表情をしながら応える。与えられた任務は必ず果たし、必ず勝利に導く覚悟だ。
「そうですね。では、今回の出撃者は四名。零夜とティファ、クラウドと恵の四名です。エアリスたちはFINAL FANTASY Ⅶの世界にいますので、彼女たちと合流してから任務に取り掛かってください」
コスモスの説明を聞いた零夜たち四人は、真剣な表情で頷く。
ここから先はカオス軍との避けられない本格的な決戦。後戻りはできないのも確実だ。
「では、行ってまいります!」
零夜の合図と同時に、彼らは目の前にあるワープホールへと飛び込む。そのまま目的地であるFINAL FANTASY Ⅶの世界へと、急いで向かいだしたのだ。
※
ワープホールを潜り抜けた零夜たちは、FINAL FANTASY Ⅶの世界に到着。すると、目の前の光景に彼は驚きを隠せずにいた。
「お、おい、これって……ミッドガルなのか!?」
零夜が思わず目を疑うのも無理はなかった。見慣れているはずの重厚な鉄の都ミッドガルは影を潜め、あちこちに極彩色のテントが立ち並び、街全体が不気味に派手なサーカス仕様へと魔改造されていたのだ。
上空には巨大なネオンのピエロが浮かび、魔晄炉の煙突からはプシューッと派手なクラッカーの音が響き渡っている。
「まるで悪趣味なアミューズメントパークじゃないか……俺が見た景色はこんな筈じゃなかったのに……」
唖然と呟く零夜の隣で、クラウドは険しい顔つきのまま大剣の柄に手を掛けた。まさか自分たちの街がこんなになるとは想定外だ。
「……カオス軍の仕業だな。セフィロスの企みか、あるいは悪趣味な罠か……どちらにせよ、通常の潜入とはいかないようだな」
「もう、一体どうなっているのかしら……! 私たちの故郷がこんな風にされちゃうなんて!」
ティファが悔しそうに拳を握り締める中、恵は真剣な表情で見つめていた。恐らくこの中に敵がいるのは確実で、何れにしても油断できない。
「街が変わった元凶を倒すのみね。こうなった以上は許せないわ!」
「こんなところで足止め食らってる暇はないからな。後はエアリスたちと合流する必要があるが」
零夜が気合を入れ直したその時、前方から聞き覚えのある明るい足音が駆け寄ってきた。
「みんな、こっちよー!」
声の主は、サーカスの喧騒の中でも一際輝く笑顔を浮かべたエアリスだった。その背後にはバレットやレッドXIII、ユフィたちの姿もある。
「エアリス! よかった、無事だったのね!」
「もう、心配させないでよ! ミッドガルがこんな風になっちゃって、私たちもびっくりしてたのよ。でも、みんなが来てくれて心強いわ!」
エアリスが出迎えてくれたことで、一気にチームの士気が高まる。これでようやくメンバーも揃い、後はミッドガルに入るのみだ。
「ミッドガルの住民ももしかしたら、変な性格になっている可能性もあり得る。すぐに向かうぞ!」
「そうね。急ぎましょう!」
「うおっ!」
零夜の発言に恵も同意し、彼の右手を引っ張りながら先に向かい出す。一刻も早く急ぎたい気持ちがとても強く、零夜と二人きりになろうと少し考えているのだ。
「抜け駆け! 待って!」
ティファも急いで二人の後を追いかけ、零夜の左手を握ったまま走り出す。これはいわゆる三角関係の展開であり、ティファが零夜の事を好きであると証明しようとしているのだ。
「はぁ……あいつら、緊張感があるんだかないんだか……」
「ふふ、いいじゃない。こういう時だからこそ、みんなの元気が必要なのよ。ね、クラウド?」
「……まあ、悪くはないか」
クラウドが呆れる中、エアリスの苦笑いに彼も同意していた。すると、バレットが零夜たちの姿を見て、ある危機感を感じていた。
「なあ、お前ら。これを野放したら大変な事になるぞ。ティファは俺たちの元を去って遠くへ行く恐れもある」
「どういう意味だ? この事に関しては本人の自由で良いんじゃないのか?」
バレットの発言を聞いたクラウドは疑問に感じ、彼に対して質問する。幼馴染が新たな道を進もうとしている事に、邪魔をするのは良くないと感じているだろう。
「良くねえよ! ティファはマリンの世話役で、アバランチの食事の担当もしてくれる。その彼女が遠くへ行ってしまったら、生活基盤が崩壊してしまうだろうが!」
「お前、それ自分の都合が良すぎるだろ……いくら何でも我儘にも程があるぞ……」
クラウドが呆れ果てたように額に手を当て、ジト目を向ける。しかし、バレットは一切気にする様子もなく、大真面目な顔で腕を組んで力説を続けた。
「何言ってやがる! あいつの作ったミートローフが食えなくなったら、アバランチの戦闘モチベーションが地の底まで落ちるんだよ! それに、マリンの面倒を誰が見るんだ! 零夜とかいう別の世界の野郎にティファを持っていかれてたまるか!」
「いや、俺はまだ連れて行くなんて一言も言ってませんよ……!」
少し離れた場所で両手を引っ張られながら走っていた零夜が、思わずバレットに向けてツッコミの声を飛ばす。そのコミカルなやり取りに、エアリスはクスクスと楽しそうに笑い声を上げた。
「ふふっ、バレットって本当にティファのことになるとお父さんみたいなんだから。でも、心配しなくてもティファはそんな簡単にはいなくならないわよ」
「そうだな。だが、のんびりしていると、あの二人(恵とティファ)のせいで零夜が先に潰れそうだが……」
クラウドが冷ややかな視線を向ける先では、零夜の右手を引く恵と左手を引くティファが、お互いに火花を散らしながらさらに加速していた。二人の恋を邪魔すれば、大空へ殴り飛ばされるのは確実だ。
「ちょっと恵、さっきから飛ばしすぎじゃない!? 足元危ないわよ!」
「ふん、私の方が零夜をしっかりリードしてるもん! ティファこそ、そんな高いブーツで走れるの?」
「なっ、舐めないでよね!」
一歩も譲らない二人の美少女に挟まれ、零夜は冷や汗を流しながらも必死にバランスを取る。ミッドガルに辿り着くまでに、耐えきれるのか心配のところだ。
「早く助けてくれ〜!!」
二人の美少女に挟まれて振り回されながら、零夜が情けない悲鳴を上げる。その姿にクラウドはフッと小さく息を漏らすと、大剣を肩に担ぎ直して前を向いた。
「連れて行かれる前に、俺たちも早く追いつくぞ……!」
「おう、分かってるって!」
バレットも慌ててガトリングガンを構え直し、エアリスたちも全速力で三人の後を追いかける。ここから変わり果てたミッドガルでの冒険も、始まろうとしているのだ。
ED:ボーイの季節(ティファバージョン)
今回の豆知識
ティファが遠くに行ってしまうと、アバランチの生活基準が崩壊。なのでバレットはティファを嫁に出させまいとしているのだ。
バレット「おい!」
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