DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul   作:蒼牙王

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OP:INNOCENCE(アイシールド21OP)


第47話 危険な道化師、カリール

 零夜とティファ、恵の三人は怒りの表情をしながら、ガタガタ震えている道化師を睨みつける。好き勝手な奴らを見逃す理由にはいかない。その執念が今の彼らを強くしているのだ。

 

「おい、勘弁してくれ。三百円あげるから」

「誰が勘弁できるかー!」

「ギャーッ!!」

 

 零夜とティファ、恵によるフルボッコが始まりを告げられ、道化師はコテンパンにやられまくってしまう。その様子を見たマーレたち住民は、唖然とするしかなかった。

 

「そこまでやり過ぎるのはどうかと思うし、ティファもあの者たちの癖が感染ったのかもね……」

「そうかな?」

 

 マーレのため息にマリンがキョトンとしていたその時、零夜たちがようやく道化師をボコボコにし終えた。敵は既に光の粒となって消滅している。しかし、街並はまだ戻っていない。

 

「道化師じゃないとすれば、他の奴だ。いったい誰が……」

 

 零夜は真剣な表情をしながら、元凶を探しに向かい出すーーその時だった。

 

 

「俺だよ」

「?」

 

 

 突然の声に全員が振り向くと、そこには一人の道化師がいた。先程倒したのは違うデザインだ。

 

「俺はカリール。カオス軍の一人さ。セフィロスとタッグを組んでいるけど、奴は興味なくて自由行動したんだよね」

「その様子だと仲が悪いみたいだな。何故ミッドガルをこんな馬鹿げた街にしたんだ!」

 

 零夜は怒りの表情をしながら、カリールに質問する。ティファと恵も同じ表情だ。

 

「なぜって? そんなの決まってるだろ」

 

 カリールはひらりと道化師の帽子を軽く持ち上げ、ニヤリと悪びれのない笑みを浮かべて肩をすくめた。その様子だと理由ありだ。

 

「セフィロスの野郎はいつも気取って『星の命を奪う』だの『絶望を与えてやる』だの、お堅くて暗い話ばかりだ。聞いてるこっちが眠気をもよぼすね。だからさ、もっとこう……生き生きと、みんなが笑顔で狂い出す最高にハッピーで最悪なショーにしてやろうと思ったのさ!」

「ふざけないで……! あんたたちの勝手な悪趣味のせいで、住民たちがどれだけ苦しんでいると思ってるのよ!」

 

 ティファが怒りに震えながら拳を握り締め、一歩前へ踏み出す。恵も冷徹な眼光を突き刺し、低い声で吐き捨てるように言った。

 

「他人の故郷を勝手にアミューズメントパークもどきにして、お人形遊びが楽しいわけ? あんたみたいな救いようのない道化は、ここでもう二度と笑えないようにしてあげるわ」

「ほう? 美女たちにお叱りを受けるとは光栄だねぇ。でも、僕の作ったこの素晴らしいステージは、そう簡単には終わらないよ!」

 

 カリールが不敵に笑った瞬間、足元に突き立てていたステッキから禍々しい闇の魔力が一気に噴き出した。

 先ほどまでの小物じみた道化師とは異なり、カオス軍の幹部としての底知れぬプレッシャーが周囲の空間を重く歪めていく。街中のネオンが血のように真っ赤に染まり、極彩色のテントが不気味にうねり始めた。

 

「本気でやる気ってわけか……! なら、さっきの雑魚と一緒にしないでもらうぜ!」

 

 零夜は村雨とエクスカリバーの二振りの刀を強く抜き放ち、眩い闘気を纏わせる。ティファと恵もそれぞれ戦闘態勢へと移行し、三人の気迫が一つに重なる。

 

「いくぞ、二人とも! このふざけた野郎をぶっ飛ばして、ミッドガルを元の姿に戻すんだ!」

「「当然よ!」」

 

 零夜の号令を合図に、三人は凄まじいスピードでカリールめがけて駆け出した。すると、カリールはニヤリと笑いながら、ステッキを回転させてある魔術を繰り出した。

 

「マジカルボム!」

 

 零夜たちの周囲に派手な爆弾が姿を現し、彼らに襲い掛かってくる。爆発に巻き込まれたら、一発で大ダメージだ。

 

「チッ!」

 

 零夜は恵とティファを抱えながら、一気に跳躍する。

 ドゴォォン! と、背後で巨大な爆音が轟き、すさまじい熱風が吹き抜ける。

 零夜に抱え上げられたティファと恵は、一瞬驚きの表情を浮かべたものの、空中ですぐに体勢を立て直して軽やかに着地した。

 

「危なかったわね……! 零夜、ありがとう!」

「助かったわ。でも、のんびり感心してる暇はないわよ!」

 

 恵が素早く着地と同時に拳を構え、前方で不敵に笑うカリールを睨みつける。零夜も村雨をしっかりと握り直し、険しい視線を向けた。

 

「あぶねえあぶねえ……直撃してたらタダじゃ済まなかったな。だが、お前のその手品もここまでだ!」

 

 零夜が地を蹴り、一気に間合いを詰める。

 二振りの刀から放たれる鋭い青白い闘気が、まるで唸る竜の如くカリールへと迫った。

 

「おや、動きが早いねぇ!」

 

 カリールはヒラリと道化師特有の軽快な身のこなしで斬撃をかわすが、その背後をティファと恵が完全に塞いでいた。彼の行動パターンはお見通しである。

 

「逃がさないわよ!」

「そこだ!」

 

 ティファの強烈な回し蹴りと、恵の放つ鋭い掌撃が同時にカリールの退路を断つ。避ける間もなく、二人の攻撃がカリールの脇腹と胸元を捉え、重い衝撃音が響き渡った。

 

「ぐはっ……! こいつら、動きが連携されすぎてやがる……!」

 

 派手に吹き飛ばされたカリールが地面を転がり、血走った目で三人を睨みつける。余裕の笑みは消え失せ、焦りの色がその仮面の下に滲み出ていた。

 

「それならこれだ! スケルトンエレファン!」

 

 カリールがステッキを回転させて魔術を唱えると、そこには大きな骸骨の象が姿を現した。白い骨で構成された象であるが、見た目はとても怖く、一歩近付く事さえ出来ない。

 

「スケルトンエレファン……恐らくこいつは強敵だ。けど、俺たちなら大丈夫だ」

「そうね。気を引き締めていかないと!」

 

 零夜の発言にティファも同意しながら頷いたーーその時だった。

 

 

「まさかこんなところで出会えるとはな! 東零夜、桑原恵!」

「その声は!」

 

 

 突然の声に零夜と恵が反応した途端、空から二人の人物が姿を現す。 男は紫色の短髪で、身軽さを重視した戦士の出で立ち。女の一人は、艶やかな黒のロングストレートヘアにミニスカートの巫女装束という奇抜な姿だ。

 

「あなたたちは鈴倉潔(すずくらきよし)、巴志穂(ともえしほ)! どうしてこの場所に来たの!?」

 

 恵は潔と志穂の姿に驚きを隠せず、冷や汗を流していた。まさか過去に因縁のある二人が、この場に出てくるとは予想外だ。

 

「決まっているだろ。お前ら二人には過去の因縁があるからな。それを終わらせなければ、不幸のどん底から這い上がった意味がねえんだよ」

「潔の言う通り。何でもかんでも思い通りになると思ったら、大間違いよ!」

 

 潔と志穂の発言を聞いた零夜と恵は、真剣な表情で彼らに視線を移していた。まさかのミッドガルで因縁決戦になるとは、予想外にも程があるだろう。

 

(まさか零夜と恵の因縁の相手とはね……こうなると油断できないかも……)

 

 ティファは心の中でそう思いながら、真剣な表情で敵の三人と一匹を見つめる。この戦いはそう簡単には終わらない事を、心の底から確信しているのだ。




ED:ボーイの季節(ティファバージョン)

今回の豆知識
潔と志穂は真・悪鬼所属の一員。キラーズエイトの一員でもあるのだ。

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