DISSIDIA FINAL FANTASY Brave Soul 作:蒼牙王
ミッドガルでの戦いは終盤へと突入する中、零夜たちが優勢に進めている。しかし、セフィロス、潔、志穂がこのまま黙っている筈はない。油断は禁物だ。
「奴らは何を仕掛けてくるか分からないからな。だが、来るとしたらそろそろだ!」
零夜が気配を感じながらそう呟いたその時、クラウド、バレット、ユフィ、エアリスの四人が駆け付けてきた。これでますます零夜たちが有利になり始め、セフィロスたちがやられてしまうのも時間の問題だ。
「遅くなって悪いな! 正面の雑魚どもは一掃してきたぜ!」
豪快な笑い声を上げながら現れたバレットがガトリングガンを鳴らし、その隣でユフィが軽やかに宙を舞って着地する。さらに、エアリスの杖から放たれた優しい聖なる光が、零夜たちの疲れた体に温かな力を満たしていった。
そして、先頭に立ったクラウドが、静かに、だが揺るぎない決意を込めて大剣を構え、目の前のシルバーヘアの男をまっすぐに見据える。
「……クラウド。相変わらず無駄に群れるのが好きだな」
「お前のその勝手な都合で世界を狂わせるのは、もう終わりだ。ここで決着をつけるぞ、セフィロス!」
クラウドの鋭い一喝に呼応するように、バレットたちが一斉に銃口を向け、セフィロスの退路を完全に塞ぐ。原作の因縁を背負う彼らにとって、セフィロスはまさに越えるべき最大の壁だ。
「いいだろう。その群れの無様さを、我が正宗で断ち切ってやせよう」
セフィロスが不敵に微笑み、凄まじい殺気を纏った正宗を振り上げる。クラウドたち本隊が、そのままセフィロスとの最終決戦へと突入していった。
「よし……! セフィロスはクラウドたちに任せた。俺たちは、目の前のコイツらを片付けるぞ!」
零夜の力強い宣言に、ティファと恵が力強く頷く。セフィロスという最大の脅威がクラウドたちに引き受けられたことで、零夜たちの背中は完全に守られた。今こそ、中学時代からの因縁を断ち切る時だ。
「ふん、クラウドたちが来ようが関係ない! 結局、私たちが零夜を叩き潰せばいいだけの話だ!」
潔が顔を歪めながらエアーギアの出力を限界まで引き上げ、鋭い殺意を込めて突撃してくる。その隣で志穂も銃口を激しく連射し、退路を断とうと必死の攻撃を浴びせた。
「させるかよ……! 俺たちの絆と勢いをナメるな!」
零夜が村雨を閃かせ、飛んでくる銃弾を鮮やかに弾き飛ばす。その隙を突いて、ティファが素早く側面に回り込み、黄金の闘気を纏った回し蹴りを叩き込んだ。
「あなたのその歪んだプライドも、ここで終わりよ!」
「私たちの邪魔をするなら容赦しないんだから!」
恵の放つ鋭い掌撃が潔の体勢を完全に崩し、零夜、ティファ、恵の三人が繰り出す一撃一撃が、完璧なコンビネーションとなって潔と志穂を追い詰めていく。
「ティファ、準備は良い?」
「ええ。何時でも大丈夫よ!」
恵の合図にティファが答えたと同時に、彼女たちの拳に大きな拳のオーラが出現。ティファは金色で恵は青色のオーラとなっている。しかも威力は高めとなっていて、一撃必殺の威力を持つだろう。
「なんだ、その技は!?」
「これが私たちの新技!」
「「ダブルゴッドナックル!!」」
潔が拳のオーラに驚いた直後、ティファと恵の強烈パンチが彼と志穂に直撃。盛大な大ダメージが直撃し、二人は勢いよく飛ばされてしまった。
「くっ……! このままでは分が悪い……撤退するぞ、志穂!」
「……ええ、覚えてなさいよ、零夜……!」
潔は悔しそうに歯噛みしながらも、志穂の腕を掴んでその場から空間を切り裂くようにして跳躍した。完全に倒し切ることはできなかったが、彼らをこのミッドガルから追い払うことには成功したのだ。
「ふん、逃げ足だけは一人前ね……まあいいわ、今日のところはこの借りをしっかり返してやったんだから!」
ティファがふうっと息を吐き出し、眩いオーラを纏っていた両拳をそっと下ろす。その隣で、恵も満足そうな笑みを浮かべて頷いた。
「上出来ね。あんな奴らに、これ以上私たちの邪魔はさせないわ」
「見事だ、二人とも! おかげで因縁の決着も、すっきりとはいかないまでも大勝利で終えられたな!」
零夜が爽やかな笑顔を浮かべながら、二人にサムズアップを向ける。ティファと恵も笑顔で返した。
――だが、戦いはまだ終わっていない。すぐ近くの空域では、クラウドたち本隊とセフィロスの激しい激突が続いていた。
「――っ、はあああぁぁぁっ!」
クラウドが絶叫と共に巨大な大剣を振り下ろす。その重撃を受け止めたセフィロスの足元が、激しい衝撃で大きくひしゃげた。
バレットの銃撃が援護し、ユフィの素早い手裏剣が死角を突く。さらにエアリスの聖なるバリアがセフィロスの闇の魔力を完全に封じ込めていく。
「見事だな、クラウド……。だが、我が野望がここで潰えることはない」
セフィロスは冷徹な瞳を光らせながらも、これ以上長引くのは不利と悟ったのか、不敵な笑みを浮かべてその巨体を黒い羽の粒子へと溶かしていく。彼はまだ消えていないので、決着は先延ばしだ。
「逃がすか!」
「追う必要はないさ、クラウド。奴はまたいつか必ず現れる。だが……今日のところは俺たちの勝ちだ!」
クラウドが追撃をかけようとした瞬間、バレットがその肩を叩いて制止した。セフィロスの気配が完全に消え去り、静寂がミッドガルの空を取り戻していく。
戦いの喧騒が嘘のように引いていき、極彩色に歪んでいた街並みは、本来の無機質で頑丈な鉄の都の姿へと完全に元通りになっていた。住民たちは大歓声で、零夜たちを祝福していた。
「ミッドガルは元に戻ったし、そろそろコスモスの陣営に戻るか!」
「そうね。じゃ、早速!」
「あ、抜け駆け!」
「ちょっ、ちょっと待て二人とも! せめて俺に歩幅を合わせろって……うわあぁっ、また引っ張るな!」
両手をガッチリと掴まれ、再び両側からグイグイと引っ張られて走り出す零夜が、情けない悲鳴を上げる。
先ほどまでのシリアスでカッコいい戦闘の余韻はどこへやら、再び始まった恋の(?)デッドヒートに、零夜は冷や汗を流すしかなかった。
「だーかーら、のんびりしてる暇なんてないの! 早くコスモスのところに戻って、任務完了の報告をしないと!」
「そうよ! 零夜を独り占めして先に陣営に帰るんだから、他の奴らに邪魔はさせないんだからね!」
「いや、独り占めって言われても、俺の意思はどこにあるんだよ……!」
二人の美少女に挟まれて引っ張られていく零夜の姿を、少し離れた場所から見送っていたクラウドたちは、呆れたような、しかしどこか温かい目を向けていた。
「アイツの苦労は止まらないな。これは認めるしか無いんじゃないか?」
「バカ言うな! 絶対阻止するぞ! 待てコラァァァ!!」
クラウドの質問を聞いたバレットは、急いで零夜たちを追いかけていく。野放しにすれば、ティファは遠くへ行ってしまうからだ。
「アタシたちも行こうか」
「そうね」
ユフィの合図にエアリスとクラウドも頷き、急いで零夜たちを追いかける。ティファの恋騒動が終わるまでは、この展開が続くだろう。
ED:ボーイの季節(ティファバージョン)
恋騒動止まらずです。
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