天司長 緑谷出久のヒーローアカデミア 作:ジャック・オー・ワンタン
グラウンドβの一角・・・かっちゃん、飯田君ペアのDチームの準備が完了し、ウチと緑谷は彼等の立て篭もるビルの前までやってきた。
「これがこの建物の見取り図だね。」
ビルの見取り図を手に作戦を練っていく。
「建物の中に核があるのは間違いないから後は飯田君とかっちゃんがどう出てくるかだね。」
「うん。確か耳郎さんの個性は・・・」
「ウチの個性はこのイヤホンジャックを壁とかに挿すと相手の位置や音が認識できんの。」
「索敵向けだね。素晴らしい個性じゃないか。」
「うぐっ!?」
自分の個性を褒められて顔が赤くなる。バ、バカ!緑谷のバカ!なんでこんな時に褒めんだよ!ウチ・・・絶対今、変な顔してんじゃん。
・・・それにしてもまさか緑谷と同じチームになるなんて思わなかったな。思えばウチがヒーローをちゃんと目指すきっかけになったのは緑谷だった。
あの時のウチは音楽がただ好きな女の子だった。その裏で誰かの役に立つヒーローの仕事にも興味があった。ただ勇気はなかった。その道を行く勇気がウチには無かった。
でも、あの日・・・ウチは緑谷に救われた。あの日からウチは緑谷が憧れになった。ウチにとって緑谷はオールマイトなんだ!だから彼の役立ちたい!その為には・・・
「ね、ねぇ・・・思ったんだけどさ。」
「どうしたの?耳郎さん。」
「ウチが二人を索敵して緑谷が進むってのはどう?緑谷は最悪何かあったら空が飛べるし二人は轟みたいな広範囲の攻撃が出来ない。ウチが後方で二人を察知しながら進むのがありだと思う。」
ウチの作戦に緑谷は少し考える素振りをみせ、思わず息を呑む。
「うん!いいね!それで行こう!ありがとう耳郎さん!」
「・・・バカ!いいから早く行くよ!始まるし!」
見事に提案した作戦を採用され、嬉しくなりつつも戦闘訓練に臨む。ウチがここで・・・緑谷の恩返しをするんだ!
◇◇◇
薄暗い室中・・・比較的狭い廊下が広がるフロアを僕は耳郎さんの索敵を頼りに進んでいく。道中、かっちゃんが出てくることを想定して曲がり角の辺りで刀に手をかけて身構えたが現段階で彼が奇襲を掛けてくることも飯田君が出てくることも無かった。
「3階までは良し・・・か、最上階は5階だけどもしかしたらここから2人が仕掛けてくる可能性もあるし気を付けよう。」
「うん!」
何事も起こる事が無く3階のフロアまで上がり、気を引き締めていく。
でも、かっちゃんも飯田君も今の所仕掛けて来ないなんて・・・何か作戦を立てたのかな?
そう、思った瞬間・・・
「はっ!緑谷!危ない!」
耳郎さんが声を上げた瞬間、目の前の壁が突然爆発すると中からかっちゃんが出てきて僕に襲いかかる。
「避けてんじゃねーよ!クソナードが!!」
攻撃を回避した僕をギロッと睨み付けたかっちゃんは不敵な笑みを浮かべて目の前に立ちはだかる。まさかここに来ることを想定して隠れていたのか!?
「耳郎さん!大丈夫?」
「う、うん!」
先程の爆破の音で耳にダメージを受けたのか耳郎さんは耳を塞ぎながら頷く。
「先ずはテメェからだ!その白い羽、ぶっ殺す!」
かっちゃんはそう言うと僕の六枚羽目掛けて爆破攻撃を仕掛けてくる。
「アブセンス・オブ・ライト!」
「ぬおっ!?」
しかし、僕はわざと光弾をかっちゃんの足元に放つと足場が崩れて彼はそのまま落下する。・・・今だ!
「耳郎さん!先に行って!」
「えっ?でも・・・」
「早く!」
強い口調で彼女に先に行くよう促す。かっちゃんの狙いは僕だ!仲間を先に行かせて殿を務めた方が得策だろう。
「わ、分かった!緑谷・・・やられんなよ?」
「任せて!」
笑みを浮かべてそう答えると耳郎さんは先へ進む。刹那、崩落したエリアから爆破と砂埃が起こるとかっちゃんが僕の前まで昇ってきた。
「耳の囮になったのかよ?」
「君の狙いは僕だよね?」
「だったら何だよッ!」
かっちゃんは両手を爆破させて特攻すると僕の目の前で手榴弾型の籠手に付いているピンを抜いた。
「閃光弾(スタングレネード)!!」
「ッ!?」
途端に強い光が発生し、薄暗い室内が昼間の様に明るくなる。普通なら目が眩んだ隙に追撃の爆破攻撃で終わるだろう・・・でも!
「何っ!?」
光が消えた直後かっちゃんは目を見開いて驚く。僕は閃光弾放たれるタイミングでセヴンを発動し、六枚羽で全身を守っていたのだ。
直後、腰にある東雲を抜刀して斬りかかると彼は慌てて籠手で受け止める。
「ざけんなよ!クソナード!!」
「だからなんだってんだ?僕は・・・君を越える!」
そう言うと東雲を持つ手に力を入れ、かっちゃんの右籠手をあっけなく破壊してみせた。
「なっ!?」
「アブセンス・オブ・ライト!」
「がはっ!?ぐはあああっ!!」
更に無数の光弾で追撃し、再びかっちゃんを建物の下まで落とす。・・・一気に蹴りをつける!
「レシプロバースト!」
「ッ!?」
しかし、突然乱入してきた人影に蹴り飛ばされると僕もまた下に落とされかける。・・・危ない!間一髪で空を飛べて良かった!でも、今の攻撃って・・・
「緑谷!ごめん!飯田に逃げられた!」
「えっ?」
すると上から耳郎さんが顔を覗かせてそう言ってくる。人影の方に顔を向けると彼女の言う通り、重厚な鎧のコスチュームに身を包んだ飯田君が立っていた。
「はっはっはっ!ヒーローめ!この俺達に勝てると思うなよ!」
「・・・飯田君?」
「ぶふぉっ・・・」
飯田君の迫真の敵演技に耳郎さんは笑いかける。・・・相当、気合が入ってるな。
「ブースト!」
飯田君は個性のエンジンで助走をつけ空を飛ぶと僕の目の前までやって来て蹴りを入れる。
「甘い!」
「何っ!?」
しかし僕は彼の背後に回ると零距離でアブセンス・オブ・ライトを放ち、そのまま下へ突き落す。
「ぐほっ!」
「何やってんだ!クソ眼鏡!引っ込んでろ!」
飯田君にキレたかっちゃんは両手から爆破を起こして僕へ近づく。・・・申し訳ないけど終わらせるよ。迷わず右手を掲げ、天に光のサークルを展開する。
「あ?」
「な、なんだあれは・・・!」
サークルを見た二人は呆気に取られるが僕は容赦なくトドメをさす。
「星の力・・・我が光とならん!パラダイス・ロスト!」
サークルから無数のレーザーが放たれるとかっちゃんと飯田君をそのまま巻き込んでいく。
「「うわああああああああっ!!」」
二人の悲鳴と共に爆発と砂埃が舞い上がり、その衝撃で建物の一部が崩壊しはじめた。
「わあああああっ!」
上にいた耳郎さんも足場が崩れて落下するが間一髪のところで彼女を抱きかかえるとそのまま上に登って核がある階へとたどり着いた。
「核も確保。僕らの勝利だ!」
「み、緑谷・・・あの、降ろしてくんね?ハズいんだけど・・・。」
「あ、ご、ごめん!」
耳郎ちゃんを左腕で抱いたままだった僕は慌てて彼女を解放する。試合直後、この救出劇を見ていた皆からは称賛され、女子達から好意を寄せられたが上鳴君とブドウ頭の人からは疎まれた目で見られてしまうのだった。
本作のナガンどうなっちゃう?
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原作通り
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緑谷が救済