天司長 緑谷出久のヒーローアカデミア 作:ジャック・オー・ワンタン
初回投稿の為、1話と合わせて2話連続でお楽しみ下さい。
「う、うう・・・」
「お、おい!目を覚ましたぞ!」
目を覚ました僕はうつ伏せのまま地面に倒れていた。周りには野次馬がおり、皆心配そうにこちらを見つめている。あれ?夢だったのか?頭から血も流れてるしもう死ぬんじゃ・・・あれ?
飛び降りた衝撃で負った頭に触れるとそこには傷一つなく嘘のように治っていた。それだけじゃない。なんだか凄く力が漲ってくる感覚がする。
「だ、大丈夫かい?兄ちゃん。」
「はい」
立ち上がった僕を心配そうに見てくる人達を他所に服に付いた汚れをはたくと背中に生えているものが目に入り、先程の出来事が現実だったと確信する。
「これって・・・夢じゃなかったんだ。」
「何言ってんだ?兄ちゃん。アンタ、個性で飛ぶ練習でもしてたのか?」
「え、あ・・・はっ!!」
野次馬を軽くあしらっていると不意に怪しい気配を感じ取る。・・・この気配は敵?ん?この敵ってさっきオールマイトが捕まえていた敵だったはず!こっちに向かっている!
「怪我がなくて良かったわ。にしてもいい顔してるわね。」
「あぁ!ヒーローだったらファンになってる!」
「カッコいい・・・ナンパしようかな?」
「すみません!退いて下さい!」
ルシフェルの力の影響で僕に見惚れている野次馬達を退くとそのまま翼を使って空を飛ぶ。
「何処だ?ヘドロヴィラン!・・・!いた!」
上空から辺りを見渡し、敵の位置を特定すると一気に急降下して腰に召喚していた刀を手にする。
「へへっ!逃げ切った!あとは手ごろな身体を見つけて乗っ取るだけ・・・ん?」
ヘドロヴィランの目の前まで迫った僕は容赦なく袈裟斬りをお見舞いする。上がった悲鳴を他所に着地した僕は直ぐに奴の方へ身体を向け睨みつけた。
「いってぇ!なにすんだ!」
「街へは行かせない!」
「ケッ!なんだこのヒーロー気取りが!まぁいい!お前の身体を乗っ取るだけだ!」
ヘドロヴィランはそう言うと真っ先に僕へ向かってくる。
「アブセンス・オブ・ライト!」
「ぎゃあああああ!」
しかし、僕は瞬時に無数の光の弾を放つとそれらはヘドロヴィランに直撃してダメージを与える。
「く、くそっ・・・なんだコイツ・・・めちゃくちゃ綺麗なのに!」
「美しい薔薇にはトゲがある。」
「黙れっ!」
僕の言葉に激昂したヘドロヴィランは腕を上げて攻撃してくるも難なくそれを躱して上空へと舞い上がった。
「くそっ!おい!降りてこい!」
「お前は此処で倒す!」
ヘドロヴィランを見降ろした僕はそのまま右腕を天に翳し、光のサークルを展開する。
「な、なんだ!?」
「散れ。パラダイス・ロスト!!!」
そして・・・サークルから無数のレーザーが放たれるとそれは全てヘドロヴィランのいる地上へ降り注ぐ。
「うわあああああああああっ!」
レーザーは大きな轟音を上げながらヘドロヴィランを巻き込むとそのまま爆発して辺りに砂煙を巻き上げる。やがてそれらが晴れてくると地上には白目を向いて気絶している男が仰向けに倒れる姿が目に映った。どうやらあれがヘドロヴィランの人間体のようだ。
「終わった・・・ん?」
すると遠くからパトカーのサイレン音が鳴り響き段々こちらに近付いていることに気付いた。
「まずい!早く離れよう!!」
これ以上の長居は不要と判断し、僕は直ぐに現場から飛び去って行くのだった。
◇◇◇
「オールマイト。ヘドロヴィランですが。」
「うむ。何者かによって倒された後だな。」
緑谷が去ってから数分後・・・数台のパトカーが到着し、気絶していたヘドロヴィランを連行していく。そんな中、現場に駆けつけていたオールマイトは何故か倒されていた敵に疑問を抱くのだった。
「何故、敵は倒されていたのでしょうか?」
「分からん。だが、一つ言えるのはこの大規模な攻撃が出来る者がヒーローに居るかどうかだ。」
オールマイトは現場を見て警察にそう言った。ヘドロヴィランのいた場所は明らかに何かの爆発とレーザーのようなもので倒されている。とてもこんな力を出せるヒーローはそうそう居ない。
「別の敵に倒された可能性もあります。その線も含めて捜査します。」
「あぁ、頼んだ。」
敬礼して去っていく警察を見送ったオールマイトはトレードマークの笑みを消してあることを思い出す。
「そう言えばあの少年。私の言葉を聞いた後、何処かへ行ってしまったな。私は彼を思って諭したつもりだが・・・言い過ぎただろうか?」
先程出会った少年を気にかけたオールマイトは空を見上げながらその場を去っていくのだった。
◇◇◇
ルシフェルの力を授かった後、僕の日常は少し変わった。学校に行くと女子男子問わず僕をまるで美しいものを見るかの様な目で見始めたのだ。その結果、無個性という理由でいじめていた人もいなくなり僕に気を遣う人まで出始めた。流石に六枚羽はバレると面倒なので普段は見せない様にしている。
それでもかっちゃんの態度は相変わらずで雄英高校を志望したときも「無個性のテメェが俺と同じ土俵に立つなや!!」と怒ってきたがこれまでとは打って変わって冷静に対処した。
「・・・寒くなって来たな。」
そんな生活が続き、慣れてきた頃には冬の訪れを示すかのように寒さを感じるもいつも通り一人で下校する。あと数か月後には入試か。・・・大丈夫。僕にはルシフェルの力がある。テストもばっちりだし後は入試に合格するだけだ。
「ん?」
駅近くの路地裏を通った瞬間、僕は何かの気配を感じて立ち止まる。この感覚・・・あの先何か・・・
"助けて!"
研ぎ澄まされた感覚がその声を聞き取ると僕は考えるよりも動いて路地裏へ駆け出すと腰に刀を召喚する。今の声明らかに助けを求める声だった!確かこの先に・・・
「あれは!」
開けた場所に辿り着き、立ち止まるとそこには複数の敵がエレキギターを抱えて腰を抜かしている少女をじりじりと追い詰めているのだった。
投稿時間は毎週土曜の17:30を予定しています。ヒロアカのアニメがやってた時と同じ時間ですね!
時折、予告無しに投稿を休むことがありますがご了承ください。
さて、最後に出てきたキャラ皆さんは誰か分かったでしょうか?本作のデクくんはもしかしたら罪な男になるかもしれません。