天司長 緑谷出久のヒーローアカデミア 作:ジャック・オー・ワンタン
「ひゃーはっはっはっは!待てよ!!」
「くっ!しつこいですわ!」
炎の敵に追われていた少女は個性と思われる能力で大きな胸の谷間から棒を生成すると奴と相対して身構える。しかし、そんな彼女には疲労が見えており、とても戦えそうな雰囲気ではなかった。
「はぁ・・・はぁ・・・お父様。お母様。ご無事でしょうか?」
「さあて・・・あの八百万家の令嬢を人質に取るチャンスだ!どうしようか?」
「低俗な考えですこと!私は屈しませんわ!」
「だったら・・・死ねい!」
敵は炎の剣を生成すると少女の元へ駆け出してそれを振り上げる。明らかに彼女の棒では防げない攻撃・・・それでも屈することなく振り落とされる炎の斬撃から抵抗すると決めた時だった。
僕は瞬時にその間に入ると少女を守るかの様に得物の刀の一振・・・暁で炎の剣を受け止めた。
「なにっ!?誰だ!お前!」
「貴方に名乗る者ではないです!」
僕はそう言うと白き六枚羽を輝かせ、手にしている暁を振る。
「まぁ・・・美しい。」
その背中を見た少女は頬を赤くして見惚れる。
「ちっ!どうでもいい!焼き殺せばいいだけだ!」
敵は掌から炎を放つと僕は空を飛び、星空の中を飛行する。
「アブセンス・オブ・ライト!」
「ぐわああああっ!!」
上空から無数の光弾を放ち、敵に攻撃すると怯んだ隙に急降下し、少女を救助すると再び空を飛んだ。
「ちょっ・・・降ろしてくださいまし!」
「暴れないで。巻きこみたくない。」
「え、あ・・・はい。」
少女にそう言うと彼女を抱いたまま右腕を上げて光のサークルを展開すると敵に天司の裁きを下す。
「パラダイス・ロスト!!」
放たれたレーザーは瞬く間に地上に降り注ぎ、敵を巻き込む。
「お、俺の・・・計画が・・・あああああああっ!!」
絶望の声を上げた敵は爆発と共に砂煙の中に姿を消していくと裁きの光は奴の放った炎すらも鎮火させた。
「ふう・・・山火事にならなくて良かった。」
消えた炎と気絶した敵を見届けると安全な場所へ移動し、ようやくそこへ少女を降ろす。
「大丈夫?怪我はない?」
「は・・・はい。ありがとうございます。とてもお強いのですね?でもヒーローの資格を持たないのにあれはやりすぎですわ。」
「ごめんなさい。加減ができなくて。」
「いいですわ。怪我が無いから良かったもの。・・・はぁ、まさか宿泊先でこんな目に遭うなんて。」
ヒーロー資格を持たないのに過剰防衛をした僕を諭しながらもとりあえず助けてくれたことに礼を言う。彼女のいう事は御尤もだが今は無事だったことを喜ぼう。
「この先に行くと展望台があります。人もいますので親御さんもそこに居るかもしれません。それじゃ・・・」
「あっ!ちょっと!お待ちなさい!」
少女の制止も聞かずに僕はそのまま飛び去って行く。あ・・・名前聞くの忘れた。でもいいか。また会えそうだし・・・あれ?このやり取り前にもあったな。
◇◇◇
「またか・・・」
緑谷が去ってから数十分後・・・敵出現を受け、駆けつけた警察とオールマイトはまたも倒された敵を見て頭を抱えた。
「この間の敵の件もそうですが我々が駆け付けた後にいつもこんな感じです。一体誰なのでしょうか?」
「分からない。誰なのだ一体・・・。」
「オールマイト!現場の近くにこれが!」
すると警察の一人が落ちていた者をオールマイトに渡す。
「これは・・・珈琲豆?」
「はい。キャンプ利用者の証言によればこの辺りで珈琲を呑んでいた少年が居たそうでなんでも一見地味な見た目ながらも何処か美しい雰囲気を醸し出していたそうです。」
「ふむ・・・」
珈琲を呑んでいたとされる少年の話を聞いたオールマイトはある人物が浮かび上がるがいや・・・まさかなという考えに至る。
「一応、その少年についても調べよう。何か事情を知っているかもしれない。」
「はい!」
オールマイトは警察にそう言って少年の正体を知ることにする。しかし、彼は予想をしていなかった。この裏でヒーロー公安委員会が密かに動いていたことを。
◇◇◇
ヒーロー公安委員会・・・各地にあるヒーロー科の存在する学校の管理やプロヒーローの管理を行う組織である。しかし、その裏ではヒーローへのテロを企てた者や犯罪者と癒着してきたヒーロー達を次々と暗殺を行っており、公的機関でありながら秩序の為ならば手を汚すことも辞さない組織でもあった。
そんな公安委員会の会議室にて重鎮達が集まっていた。
「この少年か?ヘドロヴィランの一件から活躍している少年とは。」
公安委員会の重鎮の1人が一枚の写真を見て、興味げな態度を見せる。その写真に写っていたのは上空で光のサークルを展開する白き六枚羽の少年の姿だった。
「美しい翼と容姿ね。一見平凡そうに見えるけど写真越しからでも魅了される何かを感じるわ。」
「このような逸材・・・ホークス以来だな。」
公安委員会の面々は六枚羽の少年に対し、好意的な印象を見せる。
「だが、ヒーロー資格を持ってないのに個性を使っているのは事実。」
「しかし、この様な力を持ち、手を焼いていた敵を倒す実力を失うのも惜しい。」
「彼は保護すべき対象だろう。この美しさはいずれ禍根を招く。」
「では、どうするのですか?」
彼らは一斉に顔を見合せ頷く。
「決まっている。この少年・・・緑谷出久は我々、ヒーロー公安委員会がスカウトする。家庭環境は良好の様だが、この力は野放しに出来ん。」
公安委員の男がメガネを光らせると皆に指示を送った。
「彼の家に訪問することにしよう。そして家族には大金の用意を・・・。」
はい、ということで少女の名前が出てきたからもうお分かりですね?まさかの八百万さんをデク君が助ける流れになりました。お互いまだ名前を知らないのですがいずれ知ることになるでしょう。
そして、ヒロアカと言えば個性はヒーロー資格を持たない人は使えないという決まりがありますがルシフェルの力が実質個性扱いのデク君は当然ながら公安に目を付けられてしまいました。
ご都合主義満載になるのですが普通にルシフェルみたいな力を公安が欲しがらないわけが無いのでこの様な展開になりました。
次回、公安の魔の手がデク君に忍び寄ります。
もしかしたらデク君とあのキャラが少し戦うかもしれません。