天司長 緑谷出久のヒーローアカデミア   作:ジャック・オー・ワンタン

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第9話:戦闘訓練【前編】

 雄英高校に入学してから数日後・・・

 

「私が普通にドアから来たああああああッ!!」

「オールマイト!?」

 

いつもは相澤先生がホームルームを行うこの時間・・・そこに現れたのはヒーロコスチュームに身を包んだオールマイトだった。入学した日に色々あったけどやっぱりカッコいいな!それにあのコスチュームは・・・シルバーエイジ時代のものだ!

 

「オールマイトだ!本当に雄英の教師やってたんだ!」

「ケロ!嬉しいわ!」

「すげぇ!夢みたいだ!オールマイトが教師だなんて!」

「はっはっはっ!今日一日はヒーロー基礎学・・・私の授業だ!」

 

いつもの決めポーズを取るオールマイトに僕は目を輝かせて釘付けになる。

 

カッコいい!!

 

「さて、入学して日の浅い君達に私が教えるのは"戦闘訓練"だ!」

「戦闘!?」

 

"戦闘"という言葉にかっちゃんは反応して不敵な笑みを浮かべる。

 

「入学前に皆、コスチュームをオーダーしただろ?それを着てグラウンドβに集合してくれ!さあ行くぞ!ヒーローの有精卵共!」

「「おおおおおおおっ!!!」」

 

教室の片隅から展開された各クラスメイトのコスチュームが入ったケースが出てくると皆のテンションは最高峰に盛り上がる。

 

こうして僕達は戦闘訓練に向けて各々初めてのヒーローコスチュームに袖を通していくのだった。

 

◇◇◇

 

グラウンドβ・・・オールマイトの指示でここに集合した僕らは各々コスチュームに着替えると出口で彼が仁王立ちして待ち構えていた。

 

「おおっ!おおおっ!!いいぜ!お前達!皆ヒーローらしくてカッコいいじゃねぇか!!!」

 

個性豊かなコスチュームに袖を通しているA組生徒を見て、オールマイトはサムズアップを送る。

 

「皆さん良いコスチュームですね。私ももう少し注文付けるべきでしたわ。」

 

僕の隣で如何にも際どいコスチュームをしている八百万さんは大きな胸を揺らしながらそう言った。皆凄いな。やっぱり・・・

 

「ヒーロー最高!」

「えっ?」

 

小柄なブドウ頭をした人が傍らでサムズアップする。この人は明らかに違う意味で最高と思っているだろう。

 

「緑谷のコスチュームいいね。なんか本当に天使みたいだ。」

「そ、そう?」

 

耳郎さんにコスチュームを褒められて少し嬉しくなる。僕のコスチュームはルシフェルが身に付けていたものを再現したものだ。

 

黒の軽鎧で全身を包み、ハート型に近い金色の胸当てを着用。腰には三振りの刀・・・暁、曙、東雲を佩き、白い腰布が風でなびく度に僅かな光を辺りに放っていた。

 

「美しい!緑谷君最高だよ!どう?ボクのコスチュームも美しいだろ?」

「あ、あはは・・・」

 

僕のコスチュームを見て見惚れながらも張り合ってくる臍(へそ)レーザーの人に苦笑する。名前は確か青山君だったっけ?彼は騎士みたいな格好だな。

 

「さて!準備は出来たか?少年少女!」

 

するとオールマイトの声が聞こえ、僕らは一斉に彼へ注目する。

 

「これから君達には複数のチームに別れてヒーロー役、敵役として訓練をして貰う!昨今では屋外の事件件数が多い様に見えるが実は屋内の方が事件件数が多いんだ。そこで屋内を想定した戦闘訓練をしてもらうぞ!」

「先生!具体的にどんな事をするんですか?」

「成績が低かったら除籍になるんですか?」

「このマントどう?」

「聖徳太子・・・。」

 

度重なる質問に苦笑しながらもオールマイトはマニュアルらしきメモ帳を片手に説明する。初めての教師だからか事前に準備を入念にしていたようだ。

 

「ゴホン。では説明するぞ!まずヒーロー役は屋内と何処かにある核を探して確保する事が任務だ。敵役はヒーロー役に対して如何に核を守りきるかが鍵となる。ヒーロー側は核を確保するか敵役を全員捕えれば作戦完了だ。では、そのチーム分けをくじ引きで決めるぞ!」

 

オールマイトは何処からかくじを出して一通り説明をすると一同、意気揚々とした表情を浮かべる。・・・という訳で決まったチーム分けは

 

Aチーム 緑谷出久、耳郎響香

Bチーム 障子目蔵、瀬呂範太

Cチーム 峰田実、八百万百

Dチーム 常闇踏陰、轟焦凍

Eチーム 飯田天哉、爆豪勝己

Fチーム 砂藤力道、口田甲司

Gチーム 尾白猿夫、葉隠透

Hチーム 切島鋭児郎、上鳴電気

Iチーム 青山優雅、芦戸三奈

Jチーム 麗日お茶子、蛙吹梅雨

 

となった。

 

「さて!チーム分けが出来たな!それじゃあまず最初のチームは・・・」

 

オールマイトがくじ引きをし、最初の対戦チームが決まる。

 

「ヒーロー役、Bチーム!敵役、Hチームだ!」

「俺達が最初か。」

「宜しくな!」

「うし!やるっしょ!」

「おう!がんばろうな!上鳴!」

 

入学の時から仲良くなっている敵チームの切島君と上鳴君はハイタッチして意気投合する。

 

「残りのチームはモニター室へ向かってくれ!そこで今のチームの動きを良く観察して参考にするんだぞ!」

 

こうしてオールマイトによる戦闘訓練の授業が始まる。そんな中・・・かっちゃんが鋭い視線をこちらへ向けている事に僕は気付くことも無いのだった。

 

◇◇◇

 

モニター室へ向かう途中、俺はクソデクをギロッと睨む。雄英に入学してから・・・いや、俺があの時にアイツのノートをぶっ壊した時から様子がおかしい。

 

あれ以来アイツをいじめてた奴が軒並み掌返しをして卒業間際で何故か居なくなった。気になって家に尋ねると引子さんは何も答えねぇし家にも居なかった。

 

ぜってぇウラがある!!何処であんなクソみたいな力を手に入れたか知らねぇが俺はアイツが目立って腹が立っている!!皆に美しいと褒められたり、変な羽を背中から生やしたり!

 

ふざけんな!!!ただの道端の石っころだったテメェが!そこら辺の石っころだったテメェが力を手に入れて目立ちやがって!!!絶対に・・・絶対に!

 

ぶっ殺してやる!!!

 

◇◇◇

 

同じ頃、ホークスは自身の事務所のパソコンでオールマイトの戦闘訓練を鑑賞していた。目的は緑谷に対して不要な接触をしたオールマイトの監視と緑谷の授業を観察する為だ。

 

「オールマイトの授業正直気になってはいましたけど・・・公安も人使いが荒いなぁ~余計なことしないでくださいよ。オールマイトさん。こっちの仕事が増えるでしょ。とはいえ・・・」

 

悪態を吐きながらもホークスはじっとパソコンのモニターを見つめる。

 

「緑谷出久の本領を見れるのはこちらとしても有難い。あの時は少し一戦交えた程度で分からなかったけど俺以来の逸材がどれほどか・・・見せてもらうよ?」

 

◇◇◇

 

 オールマイトによる戦闘訓練は怒涛の展開を繰り広げていった。先ず、Bチーム対Hチームの戦闘は障子君の複製腕の個性によって索敵を行い、切島・上鳴の動向をいち早く察知するとそこからは瀬呂君の奇襲によって2人は捕縛。Bチームが勝利を収めた。

 

続く第二試合・・・ヒーロー側のJチーム対敵役のEチームの戦闘は当初、蛙吹さんが内部に入って囮をしている内に麗日さんが個性で屋上まで昇って核を取る作戦だったが常闇君の操るダークシャドウに蛙吹さんが圧倒され、麗日さんは個性の反動で吐いてしまい、その隙に轟君が彼女を凍らせるという完全勝利を収めた。

 

そして、迎えた第三試合・・・

 

「よーし、次の組み合わせは・・・ヒーロ側Aチーム!敵側Dチームだ!」

「「・・・ッ!?」」

 

次なる組み合わせに僕とかっちゃんは互いに顔を見合わせる。

 

嘘だろ!?かっちゃんが相手だなんて。ギロッとこちらを睨む彼に狼狽えそうになるも拳を握りしめて何とか正気を保つ。怖がっちゃいけない!!彼も凄いから・・・追いかけたいと思ったから・・・お互い雄英(ここ)に居るんじゃないか!!

 

「Dチームは飯田少年と爆豪少年だったな……。君達は先に建物の中に入って準備してくれ!」

「分かりました!!」

「ケッ!!」

 

かっちゃんは悪態を付きながらも飯田君と一緒に持ち場であるグラウンドβへ先に向かう。その背中を僕は見ながら六枚羽を展開する。

 

「緑谷・・・大丈夫?」

「・・・うん。大丈夫。ありがとう!」

 

心配そうにこちらを見てくる耳郎さんに僕は笑顔で答える。

 

大丈夫!僕には天司の力がある!それ抜きにしてもかっちゃんには負けない!そう自分に言い聞かせるとDチームの準備が出来るまで待機するのだった。

 

◇◇◇

 

その頃、Dチームは核のレプリカが置いてある建物の中で試合開始を待っていた。

 

「成程、これを守ればいいのか・・・なんだレプリカか。」

 

飯田は核のロケットのボディをコンコンと叩きながらそう呟く。

 

「おい!」

「ん?」

 

すると爆豪が眉間に皺を寄せて飯田君にある事を尋ねる。

 

「あのクソデクのやつ・・・あれは個性なのか?」

「俺も詳しくは知らない。でもそうだと思うよ?それにしても君は緑谷君に凄く辛辣なんだな?」

 

飯田君が爆豪にそう言うと彼はワナワナと震え始める。この俺を騙していたのか?

 

「クソナードが!!」

 

本作のナガンどうなっちゃう?

  • 原作通り
  • 緑谷が救済
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