世界に光をもたらす鍵の担い手 作:鍵の担い手
新しい力であるセブンハートととの連携を兼ねたなのはとの訓練は、ミッドチルダ式をメインに組み立てたので結構苦戦。
なのはも新しい魔法を身に着けてるし、何度も一緒に訓練しているから俺の対策もきちんとしてくる。
魔法と会ってまだ数カ月だというのに凄まじい成長速度だと実感した。
(RHとの連携も完璧だし、ミッドチルダ式はなのはに分があるか)
砲撃を搔い潜りつつ接近戦を仕掛けるけど、RHが間合いを詰めさせないように絶妙なタイミングで魔法弾やプロテクションを展開してくる。
そして、なのははそれに合わせてディバインバスターを放ってくる。
正直な所物凄くやりにくくて仕方がない。
普段俺がなのはにやっていることをそっくりそのままお返しされてる気分だ。
『…成程。そういうパターンも可能ですか。マスター。一部の魔法の制御をこちらで行っても?』
「ん?どの魔法かによるけど?」
『基本魔法はマスターがメインで構いません。設置型の魔法と防御魔法の範囲指定をこちらに』
「了解。折角だからなのはの魔法を見ながら俺達の魔法に組み込んで構築していこう。特に防御魔法は常に最適化とリフレクに適応を」
『了解しましたマスター。では色々と試しましょう』
セブンハートと意思疎通をしながら様々なパターンを試していく。
攻撃魔法に関しては増やす必要な無いので主に防御系統。
様々な状況と色んな攻撃に対応できるように改良を加えて行かないと。
「どうライト君?苦戦しているみたいだけど」
「色々と勝手が違うからね。何度も繰り替えして練習あるのみ」
「何度でも付き合うよ。けど一回休憩しよっか」
「了解。作戦会議もしたいし」
地上に降りて休憩。
ニアがお茶を淹れてくれたので、飲みながらセブンハートと打ち合わせ。
その間、なのははニアとニコニコと楽しそうに話している。
初対面であそこまで打ち解けられるのはなのはの良い所だよね。
ちょっとうらやましい。
『所でマスター。武器に関しては何かイメージはありますか?』
「そうだな…折角だし、キーブレードでの戦いに影響が出ないうえで、両立出来るような物かな。俺は全距離行けるオールラウンダーだし」
『成程…全距離ですか…』
親身になって考えてくれるセブンハート。
なのはも普段RHとこういう感じで会話をしているのだろうか。
今度聞いてみるのもありかなぁ…。
『マスター。銃と剣はいかがでしょう。実はシグルド博士からある兵器の試験を頼まれていまして』
「へぇ…どんな兵器?」
『スキャニング用の小型ドローンです。攻撃能力がない代わりに対象をスキャニングしてデバイスに保存出来ます』
「なんかどこかで聞いたことがあるような…」
確かどこかの世界にそういう武器を使う人がいて、キーブレードを奪って剣に上書きしたんだっけ。
その際に使い手の魔法とかも使用出来たって話だけど…。
『流石にそこまでは出来ません。あくまでも武器に適応するだけです。マスターの能力を考えると下手に魔法などを増やすのは悪手でしょうし』
「まぁ今習得している魔法で十分だね。逆に色んな得物はいいかも。お爺様や守護者の皆はキーブレードの形状を変えるし。それ採用でいこう。ジュエルシードの件が片付いたら色々試そうね。小型ドローンもちょっと試したいことあるし。楽しみだねセブンハート」
『はい。楽しみが増えましたね』
出来る事とやれることが増えるのは嬉しいし楽しみなところ。
特に新しい力や魔法を会得した時とかは、ちゃんと扱えるか、ちゃんと放つことが出来るかってドキドキしたっけ。
「おっと。そろそろ休憩終わりにしないと。なのは。そっちは…って」
隣でニアと話していたなのはは、気づけば上空で手合わせしていて、バチバチにやり合っている。
とても楽しそうだし邪魔をするのはアレなので、セブンハートにRHでの伝言をお願いして翠屋に戻ることに。
翠屋の中を除くと、桃子さんは既に厨房に戻っていて、父さんと士郎さんと談笑していたのが見えた。
既に話は終わっている様子なので、お店に入って後ろから母さんに抱き着く。
「話終わった母さん?」
「あらライト。えぇ、色々とお話出来たわ。お礼も受け取ってもらえたし」
「そっか。父さんはまだ士郎さんと話をしているみたいだけど…」
ちらっと視線を向けると、父さんと士郎さんは視線に気づいたみたいで、一瞬だけこっちを見てから話しを再開。
どんな話をしているか分からないけど、もうしばらく続きそう。
「とりあえずライト。今週いっぱいは高町さんにお世話になりなさい。荷物もあるだろうし、私達も色々と手続きがあるから」
「了解。じゃあ俺はもう少し外で訓練してるから後で来てよ」
「えぇ。程々にね」
「うん」
母さんの頬に自身の頬を軽く当ててからなのはとニアの所に戻ると、二人の手合わせはまだ続いており、さっきよりもヒートアップしていた。
戦況的にはほぼ互角…というよりニアがキーブレードの力を使っていない所を見ると、ニアはまだ余力を残している。
なのはに関しては結構飛ばしているみたいで、ちょっとだけ疲れてきている様子だ。
「はぁ…ふぅ…強いねニアちゃん。ライト君と同じ魔法なのに使い方が全然違う」
「基礎的な使い方は一緒だけど、応用の仕方はちょっと違うかな。私キーブレードの力もちょっと使ってるし」
「むむ。ちょっと気になるかも」
(うーん。そのことは聞かない方がいいかも…)
ニアのキーブレードの力はあまり聞かない方がいいと思う。
正直反則に近いし、彼女もあまり使うことはない。
ちょっと魔法に加える程度だ。
「二人とも。そろそろ終わったらどう?」
「あ。ライト。もう帰ってきた?」
「お話終わってたの?」
声を掛けると二人は降りてきたので、父さん達の話の内容を伝える。
今週いっぱいはなのはの家にお世話になって、その後はこっちの家に戻る事。
手続きの事は何のことかは分からないけど。
「そっか。じゃあもう少しだけいるんだね」
「うん。細かい事までは分からないけど、完全にこっちに移り住むって言ってたし、何かとお世話にはなるかも」
「あれ?ライト君の世界に戻らないの?」
「うん。なんか爺様に色々言われたんだって。もっと子供らしいことさせろって。まぁ移り住む条件に俺も何かやりたいことを見つけないといけないけど」
今はジュエルシードの件で忙しいから時間ないけど、片づけたらゆっくりと考えたいなぁ。
父さんの仕事も手伝いたいし、特に植生とか生態とか。
時空管理局での仕事はこっちがメインらしいから手伝いたいなぁ。
動物大好きだし。
「ところでライト。先生の事聞いた?」
「ん。心の在処だけ探さないとね。ニアは心当たりある?」
と、ダメ元で聞いてみると、ニアは無言で俺の胸に指を指す。
『流石にそれはないでしょ』と笑いながら答えると、今度はにっこり笑いながら鳩尾をぐりぐり押してくる。
「ライトの心の中にあるの。後はレプリカ人形に移したら先生は復活。ライトの力の枷も外れるから」
「そんな都合のいい事…いやぁでも確かに心を他人に移せる能力あるし妥当かぁ…でも枷が外れるのはまずくない?ちょっとしたことで暴走したら…」
「そうなったら私となのはでぶん殴ってあげるから。それと暴走前提で考えない。もう大丈夫だってなのはも言ってたから」
「そうは言っても…それと出来れば拳以外で解決していただけると…」
暴力反対と言いたい所だけど…まぁ無理だろうね。
それに、ニアの言っていることは最もだろう。
暴走前提で考えるのはダメだね。
この一年とこの世界に来て成長したし、感情もだいぶ制御出来てきたし。
もっと自分と周りを信じないと。
「えっと…ライト君の先生っていなくなったって言ってたよね」
「あぁうん。でも復活するみたい。というか俺達の世界では昔によくあった事。今では禁忌の一つなんだけど…」
という事は復活したら先生はお爺様に雷落とされるのか。
守護者剝奪もあり得そう。
他の皆にもあーだこーだ言われそうだね。
「簡単に説明すると、俺達の世界の人間の一部は、心さえ残ってれば復活出来るんだよ。心を宿せる器があればね」
「えぇっと…?つまり?」
「肉体を失ってもどこかに心を保管し、器が出来たら保管してあった心を取り出して器に移動させる」
「そうすればその人は人間として復活出来るのよ。これを昔の人は悪用してね。その時代に合った人形を用意して過去から心だけを移動させていたのと」
「う…ん?(何を言ってるのかさっぱり分からないけど、とりあえずやってはいけない事ってことだけは分かった気がする)」
本当に昔の人は何をやっているのやら。
色々とやらかしてくれたおかげで俺達が色々と苦労する。
キーブレード使いも少ないし、マスター試験を受ける条件も厳しくなったし。
『ちなみにマスター。私の作成に当たって過去の遺物やデータなどが存分に使われています。王の許可を得た範疇でですが』
「何やっているんだよあの親父」
「まぁまぁライト。ベースはミッドチルダ式だし、お爺様も監修してるから大丈夫。ライトが悪用しないって信じてるし」
「あの、俺はまだセブンハートの全てを知っているわけではないのだけど…」
『それは今後説明していくので、一緒に頑張りましょう』
と言われても正直怖い。
父さんの事だから色々と仕組んでいそうだし、制限もかけてそう。
ともあれ、先生の事はアースラって所に行ってから。
今は引っ越しとかジュエルシードの事を考えないといけないし、時間を考えて動かないと。
「先生の事はまた今度にして、とりあえず帰って荷造り。色々と持って行かないと」
「手伝ってもいいライト君?」
「まぁいいけど…どうしたの?」
「んー。会える機会減るから色々とお話したいし、一緒にやりたいこともあるから」
「そういう事。なら宜しく」
(うーん…結構距離が近い感じ…?)
そんなわけで、中々来ない両親を迎えになのはとニアと一緒に翠屋に戻り、なのはを両親に紹介してから俺は高町家に帰宅。
恭也君と美由希さんに一通り事情を説明してから部屋に戻って荷造りを開始するのであった。