無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版)   作:百男合

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 あらすじこと前回の3つ
 シグナムと一騎打ちで勝利。
 ご褒美に闇の書蒐集に連れて行ってもらえることに。
 巨大トカゲさんに新Gメモリをお披露目。とどめはヴィータがさしました。



第18話 負けイベントに無理やり勝つのってどう思う?

 原作開始まであと1月となりました。

 クロノくん専用デュランダルは製造成功。折を見て渡しておこう。

 あとの心配事は闇の書の夢だよなぁ。プレシアさん生きてるからフェイトさんがどう転ぶかわからん。

 闇の書完全復活までにプレシアさんとの仲が良くなればいいが。

 と思ってうちに遊びに来た時に聞いてみたらプレシアさんとアリシアと一緒にショッピングモールでお買い物をしたらしい。

 2人とも新しい服を買ってもらってホクホクだったとか。

 うんうんいいねいいね。推しが幸せな姿からしか取れない栄養はある。

 これからも楽しい思い出ができるといいねとプレシアさん家に帰るのを見送った。

 さて、10月と言えばハロウィンである。

 うちでは10月末日。お菓子を買い込み来るはずのない子供を待ち続けるという珍事が毎年行われていたが……。

 さすがにそろそろ1人くらい来てくれる人間がいてもいいと思う。

 なのでなのはさん、フェイトさん、すずかちゃん、アリサ嬢、アリシアに頭を下げてうちにお菓子をもらいに来てくれませんでしょうかと頼んでみた。

「水臭いよ司郎くん。そういうことならぜひお邪魔させてほしいな」

「ハロ……ウィンっていうのはわかないけど、司郎の家にいけばいいんだね」

「え? ハロウィン。そういえばあったね。友達もつれて行っていい?」

「この私が行くんだから盛大にもてなしなさいよね」

「しろうの家? 行く行くー! お菓子貰えるの? やったー!」

 との反応が返ってきた。

 ええ子や。みんなめっちゃええ子。

 そんなわけでハロウィン当日。今か今かと待つ両親たちのもとに、その少女たちはやってきた。

「トリックオアトリート!」

 なのはさん。小悪魔の恰好。かぼちゃパンツがかわいい。

 フェイトさんとアリシア。双子の天使の仮装。2人並ぶと本当に見分けがつかない。天使か!

 アリサ嬢。魔女の仮装。ローブじゃなくてミニスカの魔法少女っぽいのはこだわりか。

 で、すずかちゃんはドラキュラ伯爵の仮装で一緒に猫耳少女を連れてきてた。

 はやてさんだった。なんでも夏休みの間に図書館で友達になったらしい。

 原作前倒しになってない? 大丈夫?

 1人心配をする俺をよそに両親は涙を流し6人にお菓子を渡していた。

「うう、本当にうちにお菓子をもらいに子供が来る日が来るとは」

「苦節9年。待ったかいがあったわ」

 用意したかごに入らないほどのお菓子を渡し咽び泣く両親に6人はちょっと引いていた。

 ちなみに例年は保存できるお菓子は防災袋の中に、それ以外の生菓子は1週間かけて家族で食べるというのが習慣化していた。

 今年はそうならなくてよかったよ。本当に。

 それから両親は仮装した少女たちをしきりに褒め写真を撮りまくる。俺もなのフェイを中心に映像に残すことにした。

 その後月村邸に招かれかぼちゃ料理をお腹一杯になるまでいただくことに。

 非常に充実したハロウィンだった。

 

 

 

 さて、原作開始日である。

 なのはさんが襲われたところに颯爽とフェイトさんがやってきて守護騎士たちと対峙する大事な日だ。

 その前に管理局員の魔導士たちがヴィータに襲われるイベントがあるんだがこれは回避された。

 時空管理局を襲っていたずらに手配度をあげるのは危険だと進言したからだ。

 まあそのぶん別の魔力蒐集には付き合ったんですが。

 話を戻すと今日の夜、ヴィータとザフィーラが広域結界「封鎖領域」を展開して魔力持ち以外の人間をこの町から追い出す。

 で、市街地の結界に取り残されたなのはさんがヴィータに襲われるという手はずなんだが。

 心配で様子を見に行くと、あれ? ヴィータ押されてない。

 原作でははやてさんがデザインしてくれたバリアジャケットののろいうさぎを魔法で消し飛ばされて怒ったヴィータがなのはさん相手に大技出して追い詰めるみたいな感じだったんだけど。

 なのはさん結構押してるなぁ。原作にはなかったクロノくんとの訓練が結構影響与えてる?

 あっ、フェイトさんが来てバルディッシュでグラーフアイゼン押し返した。

 キャー! さすがなのはの王子様! なのフェイキマシタワー!

 俺が1人盛り上がってるとザフィーラとシグナムと合流。それにヴィータが文句を言っている。

 ここまでは原作で見た光景。

 問題なのはここにいるはずのない存在。プレシアさんが合流してきたところだ。

 アルフとユーノくんはともかくあんた原作いなかったじゃないですか! え? お前が原作壊したんだろって?

 それはそう。

 奇しくも5対4のなのフェイ優勢で乱戦が始まってしまう。

 これは、まいったなぁ。

 原作ではフェイトさんがシグナムに負けて2人は敗北を知ってパワーアップするイベントになるのだが。

 今回は無印ラスボスが味方として参戦し、負けイベントを普通に勝ちそうな雰囲気。

 致し方ないな。

『ザンネック!』

 ムラサメにGメモリを挿しゴーレムと一体化すると巨大なロングレンジライフルをビルの上に向ける。

 このザンネックは超長距離砲撃戦用のメモリでなのはさんをモデルに作られたものだ。

 つまり、相手が認識できない距離から強力な長距離魔法射撃ができる。

 早速俺はムラサメが割り出した座標をインプットし、ザンネックキャノンの引き金に指をかけた。

「固定砲台、ザンネック。狙い撃つぜ!」

 5発の魔力弾がビルの上の戦闘地帯を目指す。

 意識外からの攻撃にさしもの5人も総崩れ。立て直そうとしているところをシャマルが旅の鏡を使ってなのはさんのリンカーコアを掴み出し魔力を闇の書に蒐集した。

 ふぅー、とりあえず原作通りになったな。

 プレシアさんが乱入することを考えていなかった。そりゃ娘とその友達のピンチには駆けつけるよね。

 あっ、なのはさんの放ったスターライトブレイカーで結界が破壊された。これは原作通りだわ。

 あとはこの状況を見たクロノくんが闇の書を見て驚くまでがワンセンテンスだ。よろしいか?

 などと言ってる場合じゃない。クロノくん管理局の職員たちに俺が見つかったらヤバイ。

 ザンネックのGメモリを抜きアッガイのGメモリを挿し変身する。

 このアッガイ、水陸両用ゴーレムという表向きの能力のほかに魔力や熱探知に引っかからない隠密性という能力がある。

 つまり隠れて逃げるのにこれ以上ないメモリなのだ。

 とりあえずすごいスピードでこっちに向かってきているフェイトさんから隠れるため俺は地上に降りるとマンホールの穴を通って下水道沿いに逃げた。

 なのはさんがやられたとはいえ離れていてもわかる鬼のようなプレッシャー。あれ見つかったら死ぬね。

 結局朝日が昇る時間になるまで俺は海中でガクブルしながら過ごし、フェイトさんと管理局員たちの目をごまかしたのだった。

 

 

 

「昨夜はすまなかった」

 放課後八神家を訪ねると開口一番シグナムに頭を下げられる。

 それからはやてさんから隠れるように別室で昨夜のことを話された。

「へぇ、そんなことが」

「関係ないというような顔をしているが、あの時の遠距離射撃はお前のものだろう?」

 俺のすっとぼけにザフィーラが確信をついてくる。それにバレてましたかと特に隠すことではないので頷く。

「余計なお世話かと思いましたけど大丈夫でしたか?」

「おかげで助かったわ。まさか上級魔導士が3人もやってくるなんて思わなかったから」

 シャマルさんの言葉にうなずく守護騎士の面々。

 すみません、その1人がここにいる原因。俺なんですよ。とは言えないなぁこれ。

「ところでヴィータさんが黙ったままなんですけど何かあったんですか?」

 俺の言葉に顔を膨らませたヴィータを見て他の3人が複雑そうな顔をする。

「いや、主から賜った衣装を敵に消し飛ばされた挙句2人がかりでやりこめられてな。すねているんだ」

「すねてねぇ! それに負けてねぇ!」

 あっ、いつものヴィータだ。

 ガーッ! と他の守護騎士にかみつくヴィータの姿に安心しながら俺は他の守護騎士たちに尋ねる。

「で、これからどうするつもりですか?」

「いつも通りだ。やることは変わらん」

 つまりいつも通りの魔獣退治の魔力蒐集ということだろう。

「手伝います」

 俺の言葉に守護騎士たちはさすがにそこまで世話にはなれんと返す。

「これ以上主はやての友人を巻き込むわけにはいかん。危険だからな」

「友人だからこそですよ。八神さんの病気を治すためなら、力になりたいんです」

 俺の言葉に考える様子をするシグナム。「良いのではないか」と助け船を出したのはザフィーラだった。

「シグナムが不安ならしばらくは俺が一緒に魔獣狩りへ連れて行こう。昨日の魔力弾の威力を見るに、助けになりそうだからな」

「ザフィーラ⁉」

 それに困惑するヴィータとシャマル。うん、この2人の信頼度はまだ低いみたいだな。

 シグナムとザフィーラとは八神家に訪れるたびに組手と稽古をお願いしてたからなぁ。信頼度は充分上がってたのだろう。

 とりあえず今夜から連れて行ってもらえることになった。

 俺は八神家からお暇するとなのはさんの道場に顔を出す。

 稽古もあるがなのはさんの見舞いのためだ。

 しばらく魔法が使えない以外は日常生活に支障はないとはいえリンカーコアを奪われる異常事態を体験したんだ。友人として見舞いはしておくべきだろう。

 で、その時戦闘でレイジングハートとバルディッシュは酷い破損状態だと告げられた。

 うん、原作通りだね。

 ただ原作と違うのは量産型ムラサメをなのはさんが持ってることなんですよ。

 話を聞くと「寝取られる! 私がいない間にマスターが寝取られる!」とすごいスピードで2つのインテリジェンスデバイスが超回復しているそうだ。

 なんだかなぁ。それでいいのかインテリジェンスデバイス?

「そういえばあの時司郎君はどうしてたの?」

 なのはさんの質問に俺は「寝てました」と答え誤魔化した。

「遠くから私たちのこと狙って狙撃してこなかった?」と言われたらさすがに誤魔化しきれなかったが幸いなことになのはさんは気づいてない様子だ。

 ごめんねなのはさん。でもこの世界グレアムさんいないからさぁ。

 抜けた穴は誰かが埋めなきゃならないと思うんだ。

 というわけで俺はなのフェイの敵になり、守護騎士たちをサポートする道を選ぶことにした。

 もちろんなのフェイに対しても力を貸していきたいと思う。なのフェイ専用のGメモリを作ったりとかな。

 1週間後、ザフィーラと同行して大分異世界の魔獣たちのリンカーコアを集める作業にも慣れてきた頃。

 守護騎士たちが残したカートリッジから2つのインテリジェンスデバイスが強化され、レイジングハート・エクセリオンとバルディッシュ・アサルトに変化した。

 あの、原作より回復早くない君たち。本当にマスターと他のデバイスが一緒にいるのが嫌だったんだろうなぁ。

 なのフェイのバリアジャケット強化に間に合ってないだろ。大丈夫なのかそれ?

 どこまで原作壊しちゃったのかなぁと1人悩む俺だった。

 




原作「あは、壊れちゃった。私の展開」
司郎「なんか、ごめん」
原作「こうなっちゃったら、もう……ね?」
ムラサメ『それはそれとして主の友人のインテリジェンスデバイスの反応はやや過剰だと思われますが』
司郎「お前がそれを言う?」
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