無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版)   作:百男合

20 / 45
 あらすじこと前回の3つ。
 主人公、ついになのフェイと敵対。
 クロノくんのデバイスを奪いもう引き返せない状態に。
 果たしてこれ以上壊されて原作ちゃんは無事なのか?


第20話 テスタロッサ姉妹の大事なもの、いただきます

 真木家を訪れたなのはとフェイトは司郎が昨日から帰ってきてないことを告げられ、肩透かしを食らった気分になった。

「司郎君、今日学校来てなかったのにご両親心配してないみたいなの」

「真司さんもルヴィアさんも「心配ない」の一言だったしね」

 なのはとフェイトは司郎の両親の態度に困惑しながら訪ねた真木家の両親との会話を思い出す。

 いわく父の真司は「あの子の自由意思に任せる」とのこと。むしろ「管理局と敵対するのは望むところだ」とも言っていた。

 母のルヴィアは「心配しなくてもそのうち帰ってくるわよ」となのはとフェイトを安心させるように言う。ただ、フェイトが管理局の嘱託(しょくたく)魔導士になったことを知ると「へー、リンディさんがねぇ。ふーん」とどこか怒ったような顔をしていた。

 2人とも管理局と何かあるのだろうか? アースラに行った時も司郎だけ両親の許可がないと管理局へのスカウトはできないと言われていたし。

「というかこの状況。フェイトちゃんと司郎君が知り合いだってわかった時と同じなの」

 以前にも似たようなことがあったなぁとなのはが思い出し、隣の親友に目を向ける。

「あの時は司郎、アリシア姉さんの復活のために母さんの研究を手伝ったりしてたから。転移でしか行けないような別次元にいたし」

 フェイトの言葉になのはは足を止め、自分の推測を話す。

「じゃあ、ひょっとして今回も誰かのために?」

「司郎ならありそう」

 フェイトもうなずき、頭が痛いというように2人は頭に手をやり、ため息をつく。

「そういうことなら話してほしいの。私たちは力になるのに」

「司郎はそういうところ抜けてるよね。もし誰かを助けるためなら、私たちが力にならないはずないのに」

 ここにはいない友人に怒りにも似た寂しさを感じ2人は「今度会ったらお話したあと説教だね」と誓いを立てる。

 この時2人は知らなかったが両親は普通に司郎の居場所を知っていたし、やろうとしていること――はやての体調を治すための魔力蒐集と知っていた。

 それは昨夜ムラサメを通じて司郎が両親に告げたからだ。

 ただそのことを話さなかったのは司郎に対する親心というよりも魔力ランク高い子供を局員としてスカウトした管理局への強い憤りがあった。

 と同時にやはりリンディでも管理局のやり方を貫くというのかという失望もあったが。

 なので自分たちができることで息子に協力しようと2人は誓ったのだった。

「それにしても司郎、また別の女の子のために頑張ってるってことかな」

 フェイトがこぼした言葉になのはの顔が固まる。

「司郎君、女の子に弱いところあるよね。もし今回も女の子絡みだったら」

「制裁、だよね。なのは」

 にっこりと笑い頷きあう2人。

 その体からは年齢不相応なプレッシャーを放ちそれに驚いた鳥たちが一斉に飛び立っていたという。

 

 

 

 はい、どーも真木司郎です。

 現在俺は砂漠世界にいます。

 原作だと今はユーノくんが無限書庫で闇の書関連のことを調べてる頃だね。

 シグナムとザフィーラと一緒に砂龍討伐に来ています。

『ザンネック!』

 Gメモリをムラサメに挿し機械音声と共に超長距離射撃専用ゴーレムの身体を身にまとう。

 あとは空中浮遊するザンネックベースに乗りながら空から見つけた砂龍に弾がなくなるまで撃ち続ける簡単なお仕事です。

 俺が魔力弾を撃ち尽くすと同時にシグナムが砂龍の懐に入り紫電一閃。

 あっという間に砂龍のなます切りが完成。今日のお仕事はおしまい!

 とならないのがリリカルなのは世界なんですよ。

 突如砂中から現れた触手生物に絡めとられるシグナム

 縛られた両腕とふとももが色っぽい。。

 カメラさん。もっと舐めるようなアングルで録画して録画。

 触手に拘束される女騎士なんてほんとなんぼあってもいいですからねぇ。

 と俺が思っていると広域魔法のサンダーブレイドで触手とその宿主である砂龍がやられる。

 ああ、もうちょっとだったのに。

 なんて思っていると魔法を放ったフェイトさんがシグナムと対峙して何やら話し合っている。

 とそこでザフィーラから念話が。どうやらアルフと対峙しこちらに向かうのに時間がかかるそうだ。

 原作7話まで進んだか。ということは今頃ヴィータはなのはさんと戦ってる頃だな。

 仮面の男は2人いたが俺は1人しかいないわけで。必然的にどちらかしか手を貸せない。

 なので今回はフェイトさんのほうに行かせてもらいました。理由? 推しだからだけど?

 あとリンカーコアを奪うという重要イベントのためでもある。

 さて、Gメモリを引き抜き双眼鏡で戦いの行方を見守らせてもらおう。

 なんかしゃべりながら戦ってる2人。一進一退の攻防を繰り広げている。

 おお、シグナムの剣が伸びる伸びる。ムチみたいな剣でフェイトさんを翻弄してるよ。

 そろそろ出番かな。

『アッガイ!』

 隠密性の高いステルス能力を持つゴーレムのGメモリをムラサメに挿し、砂に潜り2人の戦っている場所へ近づいていく。

 近づいていくと「司郎を返せ!」って叫びながらバルディッシュを振るうフェイトさんの声が聞こえてきた。

 嘘⁉ 俺そんなに愛されてたの?

 そんな言葉にキュンとしていたら、「司郎は絶対私が取り返す!」「その胸で司郎を誘惑したのかこの〇女!」「司郎司郎司郎司郎司郎」となんかよくないプレッシャーを放ちながら俺の名前を連呼するフェイトさんの姿が。

 あ、あれぇ? 暗い過去を持つクールビューティーだけど実は世間知らずのポンコツで、なのはさんの親友でピンチに駆けつける王子様な彼女はどこに?

 俺はよくない方向にキャラ崩壊しているフェイトさんの背後まで行くと保護色となっている砂の中から出てフレキシブル・ベロウズ・リム構造の長い腕で彼女を羽交い絞めにする。

「し、司郎⁉ なんで」

 それから速やかに睡眠薬をしみこませたハンカチを彼女の顔面目掛けて押し付けた。

「う、羽毛」

 コテ、と気絶するフェイトさん。それにシグナムが構えていた剣を下ろす。

「さ、今のうちにリンカーコアを」

「あ、ああ。ところでこの女はお前の何なんだ? やたらと私を敵視してきたんだが」

 それは俺にもわかりません。原作、壊しすぎちゃったかなぁ。

 1人反省しているとアルフとの戦いを終えたザフィーラが合流する。

 どうやらアルフも倒してきたようだ。早速俺はムラサメを使ってアースラに連絡しておく。

「蒐集、終わったぞ」

 シグナムの声に俺はこのまま砂の上に置くのはなぁと思いアルフの元へフェイトさんを運ぶことを提案する。

 というか、普通運ぶだろ安全な場所に。この場所に留まってアルフが来るまで砂龍の攻撃から守ったシグナムが異常に思えてきた。

 あっ、アースラが回収に来た。早いな。

「じゃあ、テスタロッサさん、アルフ。またね」

 俺たち3人は用意していた転移魔法陣の上に立ち、その場を後にするのだった。

 

 

 

 八神家に戻る前に別の異空間で1度守護騎士たちは待ち合わせをする。

 後からやってきたシャマルとヴィータと合流し、八神家へと帰るのだ。

「来たか」

 シグナムの声に彼方を見るとシャマルとヴィータが別空間からやってくるところだった。

「どうだ、首尾は?」

 ザフィーラの言葉に「んっ!」と自分が持つ本から闇の書に魔力を蒐集させていくヴィータ。

「何かあったのか?」

「なんもねぇ! なんもねぇけど……」

 顔を伏せ複雑そうな顔をして言いよどむヴィータ。

 これは何かありましたねぇ。

 原作通りなのはさんの説得コマンドが火を噴いたんだろうけど。

「そういえば俺の渡した道具は役に立ちましたか?」

 話題を変えるため、俺はヴィータたち守護騎士にそれぞれ渡していた量産型ムラサメとGメモリについて話を移す。

「ほら、ヴィータちゃん。お礼言わないと」

 シャマルに促され、不承不承と言った様子でヴィータが俺に向き直る。

「正直助かった。あの白いやつが放った魔法が思ったより強くてな。盾はオシャカになったけど身体は守れた」

 そう言って差し出されたのはGP-02のメモリだ。

 防御特化の装甲重視のゴーレムでその盾が壊されたことからもなのはさんの魔法の威力が知れるだろう。

 ようするに、なのはさん超ヤバイ。

「これがなかったら正直ヤバかった。礼を言う……なんだよその顔は?」

「いや、明日は槍が降るのかと」

 俺の言葉にあ゛あ゛ん? とメンチを切るヴィータ。ハッハッハ、もうその顔には慣れたから怖くないぞー。

「ザフィーラさん。帰る前に寄りたい場所があるんですけどいいですか? 魔力蒐集で」

「構わん。ついていこう」

 俺の言葉にうなずくザフィーラを置いて他の3人は八神家へと帰っていった。

「で、どこの次元だ? 何を狩る」

「地球です。とある一軒のお宅で」

 俺が座標を言うとすぐさまその場に転移する。

 テスタロッサ邸。かつて娘のために21個のジュエルシードを集めようとした無印ラスボスの住む家だ。

 ここは一軒家で中流家庭用に売りに出されていたものをプレシアさんが買い取って住処にしている。

 もっとも俺が用があるのはその娘なんだが。

「いらっしゃーい。あっ、しろうだー!」

 チャイムを鳴らすとアリシアが出迎えてくれた。隣にいるオオカミ状態のザフィーラを見ると目を輝かせて「ワンちゃん! ワンちゃん! ふかふか!」と首の周りをわしゃわしゃしている。

 ちなみにプレシアさんがいないのは確認済みだ。今日のために両親に頼んでプレシアさんを外に連れ出してアリシア1人が留守番するようにしてもらった。

 これからするのはひどいことだ。おそらくプレシアさんに、フェイトさんにも恨まれるだろう。

 むしろ今まで友人として付き合ってきたなのはさん、すずかちゃん、アリサ嬢にも軽蔑されるかもしれない。

「上がって上がって! ママの作ってくれたケーキもあるよ」

 純真無垢な顔で部屋に招こうとするアリシアに心が痛む。だが、俺はそれを飲み込んで言葉を出した。

「アリシア、頼みがあるんだ」

「なになに? しろうの頼みなら何でも聞いちゃうよー」

 だから女の子がそんなこと簡単に言っちゃダメなんだよ。つけこまれるぞ。

 俺みたいな悪い人間に。

「君の、魔力が欲しい」

 俺の言葉にポカンと固まるアリシア。そうだよね、そういう反応になるよね。

 でもはやてさんを救うにはオーバーSランクのアリシアの魔力が必要なんだ。

 俺は1人の人間を救うのに大量の魔力が必要なこと。そのために魔力を蒐集していることを素直に話した。

 そしてそのためにフェイトさんの魔力を意思に反して蒐集したことも。

 話を聞き終えるとアリシアはうむうむとひとしきり頷き俺に尋ねてくる。

「しろうは、必要だと思ったからそうしたんだよね?」

 それに俺は「ああ」と返す。

「フェイトやわたしが嫌いになったから、そうするんじゃないんだよね」

 その言葉に首を縦に振る。

「だったらいいよ。わたしの魔力を持って行っても」

 あまりにもあっさりと言ってのけたので逆に俺が困惑した。

「い、いいのか? 日常生活が送れないほどじゃないけど体に負担はかかるし、魔法もしばらく使えないんだぞ」

 俺の言葉にアリシアは頷くと俺の目をじっと見る。

「わたしはむしろ嬉しいんだ。しろうがわたしを頼ってくれたことに。それに、これくらいでわたしとママとフェイトが君から受けた恩を少しでも返せるなら、こっちからお願いしたいくらいだよ」

 その言葉に俺の胸が刺すように痛む。

 これならいつものように「やだやだ痛いのやだ!」と駄々をこねられたほうがよっぽどやりやすいのに。

「いいんだな。本当に?」

「なるべくやさしくしてほしいなー。あっ、その前に聞きたいんだけど、その助けたい人って女の人?」

 アリシアの言葉に俺は頷く。するとちょっぴり眉間にしわが寄った。

「それはちょっと面白くないかなー。多分フェイトもそう思うから話しちゃだめだよ」

 2人だけのひみつだよ! といたずらっぽく笑う。

「わかった。ザフィーラさん、やってくれ」

「いいのか?」

 目をつぶりはりつけにされた男のように両手を広げているアリシアを前に、ザフィーラが問いかけてくる。

「頼む」

「わたしからもお願い。しろうの力になりたいんだ」

 アリシアの言葉にオオカミから獣人形態に変身したザフィーラがアリシアのリンカーコアを取り出し魔力を蒐集する。

「完了した。ご協力、感謝する」

 礼を言うザフィーラ。その場に倒れそうになるアリシアを俺は受け止めた。

「部屋に運んでくるよ」

「手伝いは……いや、余計なことだったな。主のためとはいえ、お前にはつらい思いをさせてすまない」

 お姫様抱っこでテスタロッサ邸に入るとアリシアの部屋まで運ぶことにする。

 それくらいでつぐないにならないことはわかっているが。

「先に帰っていてくれ。部屋で寝かせたら俺も帰るから」

 俺の言葉にうなずいて黙って去ってくれるザフィーラ。

 いいやつだ。他の3人だとこうはいかない。特にヴィータ。

 これで闇の書もだいぶ蒐集されたな。

 あとは娘2人のリンカーコアが奪われて発狂したプレシアさんが突貫してくるであろうアースラに向けて手を合わせておこう。南無。

 「アリシアの部屋」と書かれたプレートがかかった一室のドアを開けると女の子っぽい部屋に制服と勉強机、小物にぬいぐるみなどが飾られている。

 その中のベッドにアリシアを横にすると、俺はテスタロッサ邸から出て八神家へと向かった。

 もう引き返せないところまで来たのだと自分に言い聞かせて。

 

 

 

 で、翌朝。はやてさんが倒れて母さんの病院に入院することになりました。

 魔力集めすぎたかなぁ?

 




フェイト「姉さんと私の扱いが違うぅううう!」
アリシア「まあ、こうみえてもわたし正ヒロイン属性持ちだし!」
フェイト「そうなの? 姉さん」
アリシア「そうなんです。妹よ!」
司郎「いや、ナイナイ」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。