無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版)   作:百男合

24 / 45
 あらすじこと前回の3つ
 皆の手により悲しいくらい闇の書の防衛プログラムフルボッコ。
 デバイスムラセメによって完全機能停止。コアだけ壊されて無事なシャムシェルみたいだね。
 みんなでクリパ打ち上げ。それぞれ思うところがあるようで。


第24話 おかえり ただいま/バレンタインデー

 あれから1週間が経過し、新年になった。

 原作ではクリスマスに消滅したアインスさんだが、普通に守護騎士たちと八神家で生活している。

 闇の書の防衛システムのコアを破壊ではなく停止させた影響だ。そのせいではやてさんはクリスマスイブ倒れなかったし、今日まで普通に生活することができた。

 だが、闇の書の根本の破損はすでに修復不能な状態であることは変わらない。なのでアインスさんの身体には耐えがたい痛みや苦しみが今も襲っているはず。

「みんなー、おもちはいくつがいい?」

「主、私は2つおねがいします」

 はず……なんだがなぁ。

 コタツに入り駅伝を見ながらみかんをむき雑煮を食うという完全に畳化した元闇の書の意思さんに俺はどうしたものかと考える。

 この娘がいるとリインフォースⅡが生まれないんだよなぁ。それにデバイスとしても不良品だし。

「なのでこの娘を修理したいと思います」

 食後、コタツでくつろぐ八神家の面々に対し俺は宣言する。

「ええー。このままでええんちゃうん司郎君。この子かわええで」

 よくない。そんな後ろから黒インナーの胸を揉む姿を見せても俺の決意は変わらないぞ。

 変わらないったら変わらないからな!

「具体的にはどうするのだ?」

 シグナムの言葉に俺は考えていた方法を告げる。

「まず、デバイスとして不完全な問題。これは闇の書の防衛プログラムとリンクが切れてないからです。もしもの話ですがまた闇の書の防衛プログラムが動き出したらリィンフォースさんはまた暴走しますし八神さんの命が危なくなります」

 俺の言葉に居住まいをただすアインスさんと守護騎士たち。

 主の命の危機と聞いてさすがに真剣に聞く気になったようだ。

「なので1度、闇の書とのつながりを切ります」

 どうやって? という問いかけに俺は腹案を話した。

「まず、今の身体を完全に消滅させます。あっ、別にコロコロするとかいう意味じゃないから金槌を下してヴィータさん。八神さん、俺が前に渡したデバイスのムラサメがありますよね。あれに1度リィンフォースさんの人格を入れます」

 無言で自分のデバイスを攻撃形態にするヴィータを落ち着かせながらはやてさんの持つフォウ・ムラサメのことに言及する。

「人格を入れるってどういうこと?」

「そのままの意味です。人格をデータとしてムラサメ内に保存します。で、今プレシアさんに作ってもらってる新しい身体にその人格を転写してよみがえらせます。アリシアさんがこの成功例なので成功率は高いかと」

「でもそれって、ここにおるリィンは消滅してまうってことやろ? そんなん……私はいやや」

「主」

「八神さん。リインフォースが今普通に動けているのは奇跡に近いんだ。いつ不具合が出てもおかしくない。それこそ、必死で痛みや苦痛を隠していたりとか」

 俺はできるだけシリアスに言ったのだがそれに対し? マークを浮かべるアインスさん。

 え? 本当に身体に問題はないの? 隠してるとかじゃなくて?

「このままでいることはできんの?」

「わかりやすく言えば今のリィンフォースさんは全身をガン細胞に侵されている状態。切除はできても完全には治らない。ならばいっそ新しい身体に人格を移すしか」

「でも、でもそれは今のリィンとは別人……」

「八神さん!」

 その言葉を言うのは俺は許せない。

 彼女への否定につながるからだ。

 俺の言わんとすることに気づいたのか、「ごめんな」とはやてさんは謝ってくれた。

「いや、俺もついかっとなっちゃった。ごめん」

「それでも言うんやなかった。言ったらあかんことやった。友達のことやのに」

 重苦しい空気がリビングを包む中、アインスさんはその空気を裂くようにあっさりと言う。

「主。私のことを気にしてくれてありがとうございます。彼の提案する方法をやってみましょう」

 その言葉にうなずくのはシグナム、シャマル、ザフィーラの3人。ヴィータは「正気か⁉」と反対意見のようだ。

「彼の技術者としての腕は皆が認めるところでしょう。ヴィータは違うのですか?」

 アインスさんの言葉に、「そりゃ、まあ。そうだけどよ」とどこか納得がいかない様子。

「まあ、今すぐにって話じゃない。管理局が闇の書の防衛プログラムをいじってコアが動き出したとかそんなことがない限りはこっちも準備があるし、今まで通り過ごしてくれていいと思うよ」

 俺の言葉に目を輝かせるはやてさんとヴィータ。それに目礼するアインスさん。

 はー、俺も甘いな。まだまだ。

 そんな時だった。クロノくんから緊急通信が来たのは。

『もしもし、司郎か! 八神はやては無事か⁉ いや、回収された闇の書の防衛プログラムのコアを解析していたところ誤って一部のプログラムを起動させてしまったらしい。もし彼女に異変があったら何とかしてほしい!』

 ……や、

 やりやがった管理局の奴!

 もしかしたらとは思ってたけど本当にやりやがったよあの野郎! そら両親も管理局アンチにもなるわ!

「すみません、どうも悠長なことを言ってられる状態ではなくなってしまいました」

 俺と一緒にクロノくんの通信を聞いていたはやてさん、アインスさん、守護騎士のみんなはもう覚悟の決まった目になっていた。

「今すぐ、リィンフォースと闇の書の防衛プログラムとのリンクを物理的に消滅させます!」

 

 

 

 で、その後。

 俺の指示通り記憶と記録をムラサメにデータとして残しその身体を消滅させる。

 消滅の儀式は原作通りなのフェイにしてもらいました。

 もちろん至近距離でスターライトブレイカーでぶっ飛ばすみたいなやり方じゃなくて満足して光となって消滅するほうで。

 その結果同時刻、闇の書の防衛プログラムは活動を停止。今度こそアルカンシェルの直撃によって完全に消滅した。

 ほんと反省しろよ管理局。

 で、それから1週間後の新学期前。プレシアさんのお宅前に俺と八神家の面々はいる。

 新しい家族を迎えるために。

「いらっしゃい。こちらの準備はできているわ」

 そう言うプレシアさんに案内されたのは銀髪の少女が眠る培養液と学習装置がつながれた機械。

 これにムラサメからアインスさんのデータを取り出しシュミレーションして完全に調整してから培養液を抜く。

 俺とプレシアさんの2人がかりでも結構時間がたった。朝やってきたのに気づけばもう夕暮れだ。

 培養液が抜かれ、カプセルから全裸の銀髪の少女が生まれる。

 その姿に涙を浮かべるはやてさん。思わず駆け寄るはやてさんを抱きしめ、優しい顔でその少女は言う。

「ただいま戻りました。主はやて」

「おかえり、リィンフォース!」

 こうしてアインスさんことリィンフォース・アインスさんは再びこの世に生を受けたのだった。

 で、時は飛び2月14日である。

 俺は例年通りクラスメイトに友チョコを配り、お礼を言われたりお返しの友チョコをもらったりしていた。

 今年は別クラスのアリシアとはやてさんにも渡さないとな。

 そう思い廊下に出ようとすると袖を引っ張られた。

 振り向くとすずかちゃんとアリサ嬢が。手にはチョコクッキーの入った透明な袋がある。

「ハッピーバレンタイン。これ、友チョコのお返しね。司郎君」

 すずかちゃんが笑顔で渡してくれた。アリサ嬢も、

「私からチョコをもらえるなんて光栄なことなんだから、感謝しなさいよね!」

 とチョコクッキー入りの袋を渡される。

 俺は「ありがとう」というとそのままアリシアのいる教室へ向かうことにした。

 

 

 

「……気づいてないね、司郎君」

「気づくわけないでしょ。あいつが」

 残った2人は去っていく男子生徒を見ながらため息をつく。

「初めて自分で1から作ったんだけどなー。手作りチョコ」

「私もよ。それなのにあいつ、今年も友チョコって」

 自分が渡した渾身の手作りチョコに関心ゼロな男子生徒に、アリサは相手が手ごわいことを再認識する。

「こうなったら1カ月後が勝負よ。すずか、一緒にあいつの度肝を抜いてやりましょう」

「そうだね、アリサちゃん」

 この時アリサは気づいていなかった。すずかが協力者のふりをしながら自分も本命チョコを渡していることに。

 アリサを隠れ蓑にして少年にアプローチをかけていることを。

「頑張ろうね、アリサちゃん」

「もちろんよ!」

 アリサ・バニングスは気づかない。最大のライバルが隣にいることを。

 

 

 

「アリシアさん、友チョコ持ってきたよ」

「しろう、ありがとう! わー。ドラッグストアでよく見るやつだー」

 これわたし好きなんだよねー。と言いながら早速パッケージを開けて小栗鼠のように食べ始める。

「あっ、アリシアさんのクラスの女子も友チョコ、よかったらどうぞ」

 司郎の言葉に歓声をあげチョコをもらいに来る女子。それを見て「ケッ、点数取りが」と司郎を軽蔑する男子。

「心配しなくても男子の分もあるぞー」

 その言葉に「やれやれ仕方ない。もらってやるか」という体で来る男子。それを見て「男って……」とひそひそ話す女子。

「さーて、じゃあ俺は八神さんにチョコ渡しに行ってくるから」

「あっしろう、しろう! 待って待って」

 アリシアに袖を引っ張られその場で立ち止まるとかばんをごそごそ漁り中からブラウニーが入った透明な袋を出してきた。

「はい、ハッピーバレンタイン。わたしからも友チョコ」

「ありがとう。アリシアさん」

「本命でもいいよー」

 その言葉にしばしぱちぱちと瞬きをする司郎だったがきっと言い間違えだろうと思い手を振るとはやての教室に向かっていった。

「本気なんだけどなー」

 そう言うアリシアの顔は普段よりも大人びていたそうである。

 

 

 

「ハッピーバレンタインデー。友チョコです八神さん」

「おおきにな。私からのお返しは帰ってから渡すから帰りにうちに寄ってくれる?」

 はやてさんの言葉にうなずき友チョコをクラス中にばらまいてから放課後、八神家を訪れる。

「と、いうわけでこれが私らからのお返しチョコや。しっかり食べていってな」

 と出されたのは1ホールのチョコケーキ。かなり重いです、はい。

「私らから、というのは守護騎士たちみんなも?」

「せやでー。シグナムとシャマル、ヴィータにリィン2人も手伝ってくれたんや」

 俺の問いかけにうなずき守護騎士たちと2人のユニゾンデバイスたちを紹介するはやてさん。

 ちなみにリィンたちといったのは最初にいたリィンフォース・アインスさんと残されたデバイスから生まれたリインフォースⅡの2人のことだ。リィンフォースⅡは原作通り小さく、俺がプレゼントしたドールハウスで生活している。

 そのお礼も兼ねてということだろう。張りきったんですよー! というオーラが身体からあふれていた。

「主からこのような祭日があると聞いて貴君への感謝を表すのにちょうどいいと思った。今私がここにあるのは貴君とそれに連なる人間たちの尽力のおかげだ。本当に感謝している」

 銀色の髪をなびかせ深々と頭を下げるリィンフォース・アインスさん。

 重い重い、想いが重い。

 手に持ったチョコケーキがずっしりと重くなるのを感じた。

「俺はプレシアさんを紹介しただけだしそんなに恩義を感じてくれなくても。お礼ならプレシアさんにしてください」

「それはもう充分にした。そのうえで貴君に私はお礼をしたいんだ。なにしろ貴君がいなければ私はいまここに存在していないからな」

 そう言って再びお礼を言うアインスさん。

 なんだかアインスさんが俺を見る目、怪しいんだよな。

 はやてさんを見る目と同等というか、まるでもう1人の主を見るような。

 それに対してムラサメが『浮気ですか?』と問い詰めてくるのがつらい。

「ところでこのケーキ、シャマルさんはどの程度お手伝いを?」

「え、いや……その」

 俺の言葉に思いっきり目をそらすシャマルさん。おや、これは?

「それが聞いてくれよ司郎。シャマルのやつ小麦粉をふるう時にぶちまけるわチョコをそのまま炒めて焦がすわ生クリームを泡立てすぎてカッチカチにするわてんで役に立たなかったんだぜ」

「ヴィータちゃんに言われたくないわ! あなただって味見くらいしか役に立っていなかったじゃない!」

「2人ともケンカせんの。あっ、シグナムはちゃんとチョコを砕いたり果物を切ったりしたりで手伝ってくれたで」

「主はやて、別に司郎にそのことは伝えなくても」

 ヴィータの暴露に顔を真っ赤にして反論するシャマルさん。

 そうか、このケーキに残念シャマルさんの手は入っていないのか。

「ありがとうございます。それを聞いて安心して食べることができます」

「なんでよ!」

 いかん。うっかり漏らした本音でシャマルさんがお冠だ。これはなだめないと。

「まぁまぁ、友チョコをどうぞ。ザフィーラさんにはコンビニで売ってたサラダチキンで悪いけど」

「いただこう。悪いな、司郎。俺ばかり貰ってばかりで」

 女性陣に学校の生徒に配ったのとは違うちょっとお高めの友チョコを渡し、ザフィーラにはサラダチキンを渡す。

 さすがにオオカミにチョコを渡すわけにはいかないからね。

「これ、結構ええとこのチョコとちゃうん? ええの? こんなんもろうて」

「クラスのみんなには内緒ですよ。稽古とか闇の書関連で八神家のみんなにはお世話になったので」

 さすがにデパートでチョコを女性客に交じって買うのは緊張したがな。

「じゃあ、俺はこの後寄るところあるので」

「もう行くん? お茶用意したんやけど」

「今日は寄るところがあと2つあるので。ケーキはうちでおいしくいただかせてもらいます」

 一か月後を楽しみにしていてくださいと言葉を残し、俺は八神家を後にする。

 さて、次に向かうのはテスタロッサ邸だ。

 渡すのはもちろんプレシアさん。

「どうもプレシアさん。友チョコです。お世話になりましたチョコともいいます」

 デパートで買ったお高めのチョコを渡し、深々と頭を下げる。

「あらありがとう。こういうところは律儀なのねあなた」

 前世知識から俺は知っている。こういう律義さが後に響いていくのだと。

 なのでできることはすべてやる。

 まあ、それはそれとして。

「今回の闇の書の防衛プログラムとの戦いとリィンフォース・アインスさんの件、俺だけではどうしようもありませんでしたから。お礼をするのは当然です」

「どれも全部あなたのことではないでしょうに。私たちの件といい、問題ごとに首を突っ込むのが好きねえ」

 いえ、この世界で生き残るために必死だっただけです。

 あと推しが苦しむ姿が見たくなかったというのが本音。

「そうそう。フェイトが帰ってきてるからちょっと呼んでくるわね。渡したいものがあるそうだから」

 と言って引っ込むプレシアさん。その間に俺はアルフにコンビニで買ったサラダチキンを渡しておいた。

 やっぱりオオカミにチョコは危険だからね。仕方ない。

 しばらくすると私服姿のフェイトさんがやってきた。

「テスタロッサさん。闇の書の件ではありがとう。これ、お返しの友チョコ。アリシアさんには見つからないように」

 小声でアリシアには普通の友チョコしか渡してないことを告げるとフェイトさんは少し不満げな顔で俺をにらむ。

「司郎は姉さんを名前で呼ぶのに、私のことは名前で呼ばないよね?」

「え? それはまあ、恐れ多いですから」

 推しを名前で呼んでいいのは脳内だけだ。実際に口に出して呼ぶのなんて恐れ多い。

 俺の言葉に含むところがあるため息をついたフェイトさんは透明なビニール袋に入ったチョコチップが入ったカップケーキを俺に渡す。

「ハッピーバレンタイン。私からの友チョコだよ」

 おお、推しの友チョコ!

 気のせいか輝いて見えるぜ!

 賞味期限ぎりぎりまで大切に鑑賞してから食べさせていただきます。

 思わず膝をついて両手で受け取ろうとしたらさっと取り上げられた。

 えっと、下さらないんですか?

「フェイト」

 はい?

「名前で呼んだら、あげる」

 推しを名前で呼ぶのはご法度vs推しから賜った聖遺物(チョコ)。

 どっちが大切か究極の問題。俺は考えに考えた末、答えを出す。

「フェイト・テスタロッサ様。この矮小なるわたくしにチョコをいただけませんでしょうか」

 フルネーム。これならなれなれしくない。

 推しに対するファンが出した最低限の妥協点。

 これに対しフェイトさんは、

「んふふふ」

 あ、これカメラに映しちゃダメな顔だわ。むっちゃとろけた顔で嬉しそうにしてる。

「もう、しょうがないなー司郎は。しょうがないしょうがない」

 と言って聖遺物(カップケーキ)を渡してくれた。

「じゃあ、また明日。学校でね」

 ルンルンステップでテスタロッタ邸に帰っていくフェイトさん。扉が閉まった後、「フェイトー、何持ってるの? あ、お菓子だー!」とアリシアの声が聞こえてきた。

 それからしばらくの沈黙。「ママとフェイトだけずるいー!」というアリシアの声。

 これは、バレたな。

 俺は急いでテスタロッサ邸から脱出することにした。後ろから「こら待てしろうー!」とアリシアの声が聞こえた気がしたが気のせいだろう。

 

 

 

 で、たどり着いた翠屋。ドアを開けると士郎さんと桃子さんが出迎えてくれた。

「おや、司郎君じゃないか。今日は道場の日じゃなかったと思うが」

「ええ。今日はお世話になった人にチョコを渡しに。士郎さん、桃子さん。ハッピーバレンタイン」

 2人にお徳用チョコを渡し、ついでに恭也さんと美由希さんの分も預かってもらう。

 今日恭也さんは忍さんとデートだからね。お邪魔しちゃ悪い。美由希さんは……がんばれ。

「あっ、司郎君なの」

 ここにいない2人に思いをはせているともう1人の渡す相手が向こうからやってきた。

「高町さん。ハッピーバレンタイン。これ、お世話になったチョコ兼友チョコです」

 自分たちのとは違いデパートの袋に入ってるチョコを見て目が鋭くなる士郎さんと「あらあら」と嬉しそうにする桃子さん。

 心配しなくても恋愛感情とかは一切ないので。むしろ推しにそんな感情を持つなんてファンの風上に置けないので!

 俺はアイコンタクトで士郎さんに語りながらなのはさんにチョコの入った袋を渡す。それに感激した様子のなのはさん。

「ちょっと待っててね。私も司郎君にチョコ用意したんだ」

「え?」

 ちょっと、なんで父親のあなたが驚いているんですか。パパ聞いてないよってことですか?

 奥に引っ込んだなのはさんがかわいらしくラッピングされた生チョコを笑顔で俺に渡してくれる。

「ハッピーバレンタイン。私からの友チョコだよ。司郎君」

 なんか士郎さんが「なのは、パパにはないのかい?」と聞いて「ないよ」って言われて石化してるんだが。

 ここはいただいて立ち去るべきなんだろうなと思っていると肩を士郎さんにつかまれた。

「司郎君、ちょっと道場で体を動かして行かないかい? なぁに、軽くさ。軽く」

 すみません、いまだかつてないほどの殺気を士郎さんから感じるんですが。

 身体が全力で「逃げろ」と警告してくるのでその声に従い俺は翠屋から全力で逃げる。

 次の道場の日がちょっぴり憂鬱になった1日だった。

 

 

 

 ちなみにユーノくん、クロノくん、リンディさん、エイミィさんにもお世話になったのでお高いチョコを贈っておいた。

 反応はまぁまぁで地球には面白い文化があるんだなと翌年クロノくんがお世話になった人にお菓子を送り、それが管理局に慣習として広がっていったのは別の話。

 




 なんで最初に同じクラスのなのフェイにチョコを渡さなかったというと。
なのは「フェイトちゃん。ハッピーバレンタイン! これ、私が作ったチョコなの」
フェイト「ありがとうなのは。これ、私が初めて作ったチョコ。うまくできてるかわからないけど」
なのは「フェイトちゃんが作ってくれたものならすっごくうれしいの! ありがとう、大切に食べるね」
フェイト「なのはの作ったチョコ、ラッピングもちゃんとしてておいしそう。私のとは大違いだ」
なのは「大切なのは気持ちなの。これ、フェイトちゃんの気持ちが詰まってるってわかって私は大好き!」
フェイト「なのは……ありがとう。私も大切に頂くよ」
司郎「はぁ、なのフェイてぇてぇですわ。最近不足してた百合成分補給できていいですわぞー」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。