無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版)   作:百男合

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 あらすじこと前回の3つ
 ゲンヤさんに尋問され
 カリムさんと喫茶店デートした主人公。
 あれ? 誰かのこと忘れてない?


第29話 赤ちゃんはどこから来るの?

 ミッドチルダに渡界してから5日目。地球に帰る日となった。

 5日という中途半端な日数は春休みが終わるという俺の都合によるものだ。

 その間エーデルフェルト夫妻……俺のじいちゃんとばあちゃんは本当の家族のように俺に接してくれた。

 本当の家族なんだけどね。勘当した娘の子供とは思えないくらいかわいがられたよ。

 この両手にある地球へのお土産の重さくらい手厚く。

 というかなに入ってるんだこのお土産バッグ。さっきちらっと見たけど最新型のアームドデバイスとか入ってたぞ。

 出入国管理局で取り上げられない?

 とりあえず地球にいるみんなのぶんのお土産とお世話になったクロノくんにお詫びの品は用意したからいいけどさぁ。

「本当にいいのか? 司郎が欲しがってたデバイスだぞ」

 とシェロじいちゃん。いや、だからといって地球へのお土産にするのはまずいでしょ。

 それにデバイスがあると高確率でうちのムラサメが『浮気ですか? 我が主』って信用モンスターモードになるし。

「今度はルヴィアと真司くんと一緒にいらっしゃい。アップルパイを作って待ってるわ」

 とリンばあちゃんが抱きしめてくれる。

 ここにいる間うまいうまいと言って食べてたらすっかり好物認定されてしまった。

 まあ、おいしいからいいんだけどね。

 こうして俺のミッドチルダ首都のデバイス修理体験旅行は幕を終えた。

 ちなみに量産型ムラサメについてはシェロじいちゃんがいるデバイス開発・修理課が全面的にバックアップしてくれるらしい。

 姉妹が増えるのはいいことですとムラサメは言っていた。もうすぐムラサメネットワークにつながる姉妹の数が10億を超えると。

 そういう大事なことは俺に先に言いなさいよ。というか、10億⁉ 1億ですら俺は聞いてないぞ。

『1億は地球にいるときに達成しそうだったのでその時祝おうと思っていたのですが、ミッドチルダで爆発的に生産されたのであっという間に2億を越えました』

 とはムラサメ談。そんなにやばかったのかミッドチルダ。

 生産力も地球とは段違いだし、このまま増え続けるとスマホ並みに普及しそうだな量産型ムラサメ。

 このままミッドチルダと地球をムラサメネットワークが支配する日も遠くない?

 そんなことを考えながら俺は地球行きの便に乗った。

 

 

 

 で、やってきましたアースラ。とりあえずリンディさんにご挨拶。

「この度は私事で渡界の手続きをしていただきありがとうございました」

「いいのいいの。デバイスのことはこっちから頼んだことでもあったし」

 笑顔で俺のミッドチルダ土産を受け取るリンディさん。甘いものが好きそうだったのでリンおばあちゃんにミッドチルダで1番甘いお菓子を教えてもらい買っておいた。

「あっ、これ私の大好物! もしかしてわざわざ調べてくれたの?」

「いえ、偶然です。喜んでいただけたのなら何より」

 俺の言葉にエイミィさんが信じられないような顔をしている。

 そのエイミィさんにお土産を渡すと「言いにくいんだけどさ」と前置きして教えてくれた。

「あれ、食べたら3日は舌から甘みが取れないって有名な、ミッド人には罰ゲーム用のお菓子なんだけど君、知ってた?」

「知りませんでした。とにかく甘いものを買ってきたので」

 俺の言葉になるほどといった様子のエイミィさん。将来の嫁姑問題に利用できそうですか?

 さて、残るはクロノくんだが訓練室にいたか。

「クロノくーん。ミッド土産買ってきたよー」

 俺の言葉に戦闘の手を止め、11人がこちらに来る。

 クロノくんと戦っていたのはなのフェイと観戦していたアリシアと八神家の面々だ。ついでに渡しておくか。

「君、僕に対して何か言うことがあるんじゃないか?」

 にこにこと笑っているがよく見ると頭と腕に血管が見える。

 あ、これ怒ってはるな。なにかな? 何が原因かな?

「君があちこちでクロノ・ハラオウンが身元証明人と言ったおかげで僕のところにじゃんじゃん連絡が届いたよ。大抵はデバイス関連だったが陸のゲンヤ・ナカジマさんや首都防衛隊のレジアス・ゲイズさん、さらには聖王教会から連絡が来た時には頭を抱えそうだったよ」

 あっ、それかあ! 納得。

「まあ、若いころの苦労は買ってでもしろっていうし。ね?」

「こういうのは苦労ではなく迷惑というんだ! まあ、どれも君に対する苦情じゃなくて感謝とかだったから大した問題にはならなかったが」

 そうかそうか。苦労したんだね。

 とりあえずこのミッドチルダ土産のお菓子でも食べようじゃないか。

 あっ、なのはさん、フェイトさんもどうぞ。ちゃんと2人の分もあるよ。

 アリシアとはやてさんと守護騎士のみんなも。

「司郎君、お帰りなの」

「お帰り、司郎」

「しろうおかえりー!」

「お帰り司郎君。え、お土産くれるん? ありがとうなー」

 挨拶もそこそこにお菓子を食べながら休憩しながら雑談タイムとなる。

「そういえば司郎。ユーノとはどんな話をしたんだ?」

「え?」

 なんでそこでユーノくん? と思ったがそういえばと思い出す。

 ユーノくん、ミッドチルダの無限書庫で働いてるんだっけと。

 そういえば今度ミッドに来たら遊びに来てと言われてたような……。

「え? ってえ? まさか君……」

「いやちゃうねん。違うんですよクロノさん」

 俺はデバイス修理が思ったより楽しかったこと。ひっきりなしに仕事が来たことを理由にユーノくんとの約束を忘れてた自分を正当化した。

 もちろん聞き入れてくれない。

「最低だな、君」

「ひどいの。司郎君」

「ユーノ、多分泣いてるよ」

「しろうひどーい」

「司郎君、ちょっと引くわぁ」

「普通に最低ではないか? 貴様」

「お友達との時間は大切にしたほうがいいわよ」

「おめーのは自分の趣味に夢中で忘れてただけだろ。言い訳すんな」

「あまり友人だからといって甘えすぎるのはよくないぞ」

「司郎、主の友人として恥ずべき行動だと思われます」

「恥を知れですぅ」

 くっ、俺が1言えば11返してくる。

 そんな言葉の洪水をわっと一気に浴びせかけるのはよくないことですよ?

 仕方ないのでその場でユーノくんに連絡。すぐさま約束を忘れていたことを謝罪。

「あはは、別にいいよそんなに気にしてないし。次来るときは連絡してね」

 なんだこの心の広さ。天使か⁉

 俺は改めて謝罪し秘蔵の百合漫画と小説を贈ることをユーノくんに約束した。

「それって嫌がらせじゃないか?」とクロノくんが言うが俺にとっては最大限の謝辞なんだよ!

 さて、ユーノくんの件はこれくらいにして。

「みんなはもう4月から管理局員としてアースラで働くんですか?」

 俺の言葉に「そうだよ」とか「せやでー」と肯定の言葉が返される。

 リンディさんのスカウトによって高町なのは、フェイト・テスタロッサ、アリシア・テスタロッサ、八神はやてとその守護騎士4人は試用期間を経てアースラで働くことになっていた。

 これからは守護騎士たち以外の4人は学生と魔導士という二足のわらじ生活を送ることになる。

 原作にいなかったアリシアとリィンフォース・アインスがいるのはどうなのかと思うが。

「司郎くんのお父さんも復帰するんだってね。リンディさんから聞いたよ」

「え、真司さんも魔導士に戻るの?」

 なのはさんの言葉にフェイトさんが反応する。

 そう、なんとこの度うちの父親がアースラの魔導士として復帰することとなった。

 いわく、子供だけを戦わせるわけにはいかない。導く大人が必要だと。

 これにはリンディさんは大賛成で是非にとお願いしていた。

 もちろん父親にも狙いがあり、危険な任務になのはさんたちがいかないように管理すると言っていた。

 母さんは心配してたけど、子供たちのためと言われれば仕方ないと思ったらしくあんなに管理局アンチだったのに働くことを認めたのだ。

 おかげでうちの料理と家事を必然的に俺も覚えることが確定した。

 今まで父さんに任せてきたツケだね。

 母さんああ見えて料理はポンコツだし。なぜデバイスづくりができて料理ができないのかわからん。

 まあ、父さんが定時で帰れるようにミッドでもムラサメの普及率が上がればいいんだが。

「しろうもデバイス技師としてここで働くんだよねー」

 アリシアの言葉に俺は頷く。そのために5日間ミッドチルダ首都で修理技師として働いてきたのだ。

 アースラで働く条件として出されたのはミッドチルダ首都でのデバイス開発活動・修理活動だった。

 デバイス開発はムラサメでクリアしていたのであとは修理活動の体験時間の実績が必要だったのだ。

 まあ、その時間も本来は720時間以上とかなんだが大まけにまけてもらった。こういうときミッドチルダの多様性とスカウト採用って制度便利だよね。

 そんなわけで4月から俺、なのフェイを眺めるためアースラで働きます!

 一緒に戦場にではなくあくまでサポートやバックアップ要因だけどね。

 だって戦場行ったら死んじゃうもん。魔力ランクCだから。

「正式な辞令はこれから出るが、みんなそれぞれ頑張ってくれ。僕から言えるのはそれだけだ」

 クロノくんの言葉にみんなが頷く。

 俺たちの戦いはこれからだ!

 

 

 

 と、息まいてみたものの普通に新学期は訪れるわけで。

 4年生となりクラス替えでクラスにはやてさんが加わった。

 アリシアは別クラス。「わたしだけなんでー!」と泣いている。

 なのはさん、すずかちゃん、アリサ嬢の3人娘とフェイトさんが仲良しなのを見るのはいいわー。視力上がるー。

 さて、4年生と言えば一般的に第二次性徴期が始まるころで男女の違いがはっきり分かるようになってくる。

 心理的にも肉体的にもだ。

 つまり、行われるわけですよ。性教育が。

 何が言いたいかというとね。推しが初めての性教育で恥ずかしがってる顔からしか得られない栄養ってあると思うの。

 なんか変態みたいだが俺も変態寄りだと思う。でもしょうがないじゃん! 推しが近くにいるんだもん!

 さっそくステルスモードでムラサメを起動し保健体育の授業中のフェイトさんを撮影。

 しかし意外なことにフェイトさん超クール。周囲がキャーキャー言ってるのに動じてない。

 もしかしてこういうの平気な方? さすがなのは界の同人誌クイーン。

 俺がそう思っていると隣の席の男子がフェイトさんに絡んできた。

「ねえねえ、テスタロッサさんはどうやったら赤ちゃんができるのか知ってるの?」

 おい、イエロー通り越して一発レッドカードだぞ今の発言は。

 なんだ? お前はエロ同人の竿役のゴブリンみてぇなガキか?

 俺が1人義憤を燃やしているとフェイトさんは何でもないように言う。

「うん。精液に入っている精子が卵巣の卵子と受精して約10カ月でできるんだよ」

 聞いた男子もまさか答えられるとは思わなかったのか、「こいつエロだぜー」と騒ぐことなく「そ、そうなんだ」と顔を硬くしてそそくさと引っ込んだ。

「母さんが教えてくれたから。生物学にとって大事なことだから憶えておきなさいって」

 プレシアさーん! あんた何教えてんですか⁉

 しかもその純粋な目。もしかして具体的な行為に関しては教えてない⁉

 いかん。先生ビデオ止めて! この娘には刺激が強すぎる!

 そんな俺の願いもむなしくフェイトさんは見てしまった。デフォルメされた男のアレが女のナニと合体する映像を。

 それからフェイトさんはビデオが終わるまで体が真っ白になって固まっていた。

 違うんだ。

 俺はこういうのじゃなくて、「男の人のアレが私の……その、中にはいるんだ」って顔を赤くして恥じらうフェイトさんが見たかっただけで、こんな魂が抜けたフェイトさんを見たかったわけじゃないんだ!

 なのはさんが話しかけるまでフェイトさんの魂が抜けた状態は治らなかった。

 相当ショックだったらしく、しばらく俺やクロノくん、ザフィーラや男性職員に会うたびに気まずそうに眼をそらしているフェイトさんがアースラ内で目撃されたとか。

 結局当初予定していたかわいらしく照れてほほえましいフェイトさんの映像は入手できず、俺は断腸の思いでフェイトさんの不名誉な映像を削除するのだった。

 




 誰が悪かったかといえばプロジェクトFATEの開発者であるプレシアさんに保健体育のことを聞いたフェイトさんが悪いんですけどね。
プレシア「以上が生命が誕生するプロセスよ。生物学的にも重要なことだから憶えておきなさい、フェイト」
フェイト「はい、母さん」
 一方
アリシア「ママー、赤ちゃんはどうやってできるのー?」
プレシア「ア、アリシアに教えるのはまだ早いわ!」
 この差よ
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