無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版) 作:百男合
主人公、精通する。ヴィータで。
野外活動。本番はテント内の会話だよね。
女子テントで交わされるコイバナ&猥談。
冬である。
アースラの休憩室で訓練の合間に茶を飲んでいると緊急事態を知らせるアラームが鳴り響いた。
『当機に接近する3体の魔導士反応あり。各人警戒態勢に入れ』
その言葉に立ち上がりバリアジャケットをまとうなのはさん、フェイトさん、はやてさんにアリシア。
一体どこの馬鹿だ。オーバーSランクの魔導士が4人もいるこの船に喧嘩を売ろうとするやつは。
その姿を拝んでやろうとブリッジへと向かう。
「映像、来ます」
エイミィさんの声に全員の目がモニターに向かう。
『ハーッハッハッハ! 僕こそは雷刃の襲撃者! レヴィ・ザ・スラッシャーだぞー! 恐れおののけ―!』
そこにいたのは髪の色が青いフェイトさんとアリシアそっくりの魔導士だった。
無言でフェイトさんとアリシアに向かう全員の目。それに対し、「し、知らないよ」と慌てるフェイトさん。
あー、そうか。もう来たのか。
マテリアルズことマテリアル娘が。
彼女たちはプロジェクトFATEの成功作品。管理局にいるオーバーSランクの魔導士のなのはさん、フェイトさん、はやてさんの遺伝子情報をもとに作られたクローン兵器である。
しかしなんだってここに。本物を倒して自分が成り代わるつもりなんだろうか?
とりあえず出撃するオーバーSランクの魔導士娘たち。
コピーとの戦いというお約束イベントなんだがこの世界の彼女たちは……。
『ぐえー』
「動きが速いだけでパターンを分析すれば攻略はたやすい。私の敵じゃないよ」
レヴィをあっさりと圧倒するフェイトさん。
『ルシフェリオン・ブレイカー!』
「魔力の制御が大味だなぁ。本物はこうやって撃つんだよ」
最大火力の魔法の弾幕。シュテルの攻撃を3重プロテクトで防ぎ、「なんだその哀れな術は」と言うように体中に針のように細い魔力砲を撃つなのはさん。
やることがえげつねぇ……。
『馬鹿な、余の王の力が⁉』
「王様名乗るにはおこがましい魔法やねぇ」
はやてさんがディアーチェの左腕を完全に極めて拘束している。
このように父さんの指導と俺が原作壊しちゃったせいで彼女たち、原作よりも強くなっちゃってるんですよ。
なのでマテリアルズが勝てる要素がないかなーって。
で、全員バインドで捕まえてアースラに連行。尋問という流れになりました。
彼女たちの言うことにはなのはさんたちに勝ち自分たちの有能性を見せつける目的の他にGメモリ開発者である俺の命も狙いだったらしい。
そういう風に「教育」されたそうだ。
俺、管理局に恨み買ってるなぁ。魔力絶対主義者の残党がまだいたのか。
しかもそれにマテリアルズを使うとか、あいつら倫理観とかないんか? プロジェクトFATEの情報が流出した上に秘密裏に製造してましたなんて犯罪レベルが高すぎるだろう。
そもそも俺が狙われるきっかけもアースラの訓練風景というアースラにいる魔導士じゃないと見られないものだったし、レジアスさんによれば闇の書の防衛システムとの戦闘記録も流出してたし。1度艦内にスパイがいないか調べたほうがいいんじゃないですかリンディさん?
とりあえずマテリアルズになのはさんたち3人娘の抹殺指令を出した連中を拘束し、尋問するためにクロノくんを含めアースラ総動員で事に当たることになった。
捕まえた結果組織は大きくすでにかなりの数のマテリアルズを生み出していたことが発覚。大捕り物となって課を越えて管理局全体が動く事態となったのだった。
で、この3人だけどどうしたもんかねぇ。
絶対生まれてるのこの3人だけじゃないし臓器売買とかでも利用されてるだろうし。本当に罪深いなプロジェクトFATE。
プレシアさんは反省してね。
「管理局に引き渡す、というのはなしね」
リンディさんの言葉に全員が頷く。
今回の件、管理局は真っ黒だからね。レジアスに連絡して関係者全員しょっ引いてもらおう。
「聖王教会に引き取ってもらいますか? 俺のほうに伝手がありますし」
俺の言葉に頷くリンディさん。それに対しディアーチェたちマテリアルズ3人娘が異議を申し立てた。
「断る! 余は尼寺になぞいかぬぞ」
「僕も修道院やだー! おいしいご飯食べたい―!」
「王、レヴィ。我々はそのようなことを言える立場ではないのですが」
3人の中でシュテルだけが自分の状況を正確に理解できてるようだ。
本当に賢いなこの娘。本当にコピー元はなのはさんなのか?
「王とレヴィがすいません。説得する時間をいただけますか? あなたたちが私たちをよくしてくれているのはわかっていますから」
とシュテル。そりゃ大捕り物の間アースラで生活していれば俺たちに敵意がないのはわかるよね。
特に父さんは「ここまでやるのか管理局」と怒りを目に宿していたし。闇堕ちしてアンチになりそうな匂いがプンプンしている。
「ここから出たらシンジのおいしいご飯たべられないじゃんかー! シュテルんはそれでいいの?」
「たしかにマスターシンジが作る料理はおいしいですが、聖王教会でもおいしいものが食べられないとは限らないでしょう」
「いや、食べることはできんと余は断言するぞ。尼寺は清貧を重んじるというではないか。日に1度の麦飯と汁だけの味噌汁みたいな食事に決まっている!」
そんなわけないじゃん。ミッドチルダ有数の大宗教施設だぞ。
とは思ったが万一のことを考えてシスターシャッハに確認しておく。
『そんなことあるわけないでしょう。毎日3食しっかり出ます。祝い事にはケーキも出ますよ』
「だってさ」
俺の言葉にも「余は騙されん!」とか「シンジのご飯食べられなくなるのやだー」と訴えてる2人。
この2人、思ったよりも父さんになついてるなー。父さんも彼女たちの状況を不遇に思ってるし。
「シロウ、ルヴィアとも話し合ったんだけどこの3人。うちで預かるのは駄目か?」
ほら、そういうこと言いだした! 気持ちはわかる。気持ちはわかるんだけどね。
「父さん、俺は聖王教会に引き取ってもらうのが1番いいと思う。そりゃ、彼女たちの境遇には同情するけどもしもの時俺たちじゃ3人は守れない」
俺はただ事実を話す。庭付き一戸建ての防音施設完備の普通の家じゃいざという時守れないだろうと。
それとこれ以上同じ顔の人間が増えるとなんかよくないことが起こりそうな気がビンビンするし。
俺の言葉を受けて父さんはレヴィを説得することにした。難航したが月に1度は様子を見に会いに行くということで納得してくれたみたいだ。
俺は騎士カリムに3人娘のことを頼みミッドチルダに送ることにした。
「そういえば4人目……ユーリはいないのか?」
「ユーリ? 誰だそれは」
気になっていたことを聞いてみるとディアーチェは疑問符を浮かべる。
なるほど、この世界のマテリアル組は紫天の盟主を知らないのか。
まあ、マテリアルズ自体が公式二次創作みたいなもんだし。紫天一家とエルトリア一家は存在しないのも仕方ない。
しかしマテリアルズか。これでStrikerSの戦力がより重厚になったな。
機動六課を立ち上げる時は是非力になってもらおう。
6年生になりました。
魔力ランクがCからC++に上がったよー!
これであと1つ上がれば父さんと同じBランクだ。
まあ、魔力ランクなんてもう関係ない時代が来るかもしれないんだけどね。俺のGメモリのせいで。
最近管理局では今までのように魔力で戦う魔導士よりもGメモリで連携して戦う魔導士たちのほうが増えてきているらしい。
それもこれもムラサメ量産型が普及したおかげだがGメモリには一定の力を大勢の人間が保有できるという面に強みがあった。
いままでの魔導士たちには魔力ランクによる強さのムラというか上と下の力の差がありすぎるのが普通だったからね。Bランクの魔導士5人集めるのにも一苦労だったのが俺のGメモリを使えばあっという間に集まるわけで。
リンディさんによると効率的な戦術とかも立てやすくなったそうだ。いままでは強力な魔導士の力押しが多かったがGメモリが普及した今は同じ力を持った軍隊として各地に配備されている。
おかげで防衛任務や制圧任務がやりやすくなったといろんな課のお偉いさんにお礼を言われている。ついでにもっといいメモリ寄越せとも。
そんなこんなで管理局の人材育成と犯人検挙率は右肩上がり。ミッドチルダは稀に見る平和な状況になっているらしい。
まあ、知ったこっちゃないが。
「しろうー! しろうも鹿さんにご飯あげよー」
アリシアの声に現実に引き戻される。
現在俺がいるのは奈良公園。鹿がたくさんいる鹿天国である。
なぜこんなところにいるかというと修学旅行だ。6年生最大のイベントだからね。
京都、奈良の3日間旅行。現在は奈良で神社仏閣見学と奈良公園見学の時間だ。
俺はアリシアの声に導かれるまま購入した鹿せんべいを頭を下げる鹿の口に持っていく。
おー、食べてる食べてる。
なんか、近くにいると鹿って独特な臭いがするな。野性味あふれるというか、ジビエっぽいというか。
「キャー!」
そんなことを考えてるとアリシアが鹿の群れに襲われていた。おいおい大丈夫か?
「しろう―! たすけてー!」
「はいはい」
俺は自分の分の鹿せんべいをアリシアにまとわりついてる鹿たちに渡しアリシアを救出することに成功する。
「焦ったー。もうないよっていってるのにあの子たち、全然聞いてくれないんだもの」
そうか。鹿せんべいがなくなった俺には一切寄り付かないからそれは人によるものだと思うぞ。
現に鹿せんべいを持ってないフェイトさんが鹿に抱き着かれて転んだ上にマウント取られてるし。
推しの面白映像だ。撮らなきゃ!
あっ、鹿が腰振り始めた。こいつらパンパンしたんだ!
そんなしかのこのこのここしたんたんなことがありながらバスに乗り、次の目的地に向かう俺たち。
奈良は仏像が多いなー。明日の京都は寺と坂が多いんだぞー。
人生2週目だから俺は詳しいんだ。
そんなこんなで宿泊する施設に到着。1学年分用意するのは大変だろうなと思いながら運ばれてきた料理を食べる。
これ、マツタケご飯じゃん。奮発したなー。あっ、すき焼きもあるんですか? ありがとうございます。
山の幸、海の幸をいただき大満足な俺。部屋へ帰ろうとするとアリサ嬢に手を引っ張られた。
「あの、今いい?」
もちろんですとも。で、何か御用が?
「なによ。用がないとしゃべっちゃいけないって言うの⁉」
なんか怒り出した。仕方ないのでアリサ嬢に手を引かれるままついていく。
向かった先はお土産売り場だった。あまり初日に買うもんじゃないですよと俺が忠告しているとアリサ嬢は「ん!」と温泉のキャラクターのキーホルダーを押し付けてきた。
「あんた、これ買いなさい。私も同じの買うから」
「別にいいですけど、好きなんですかこれ?」
どこのお店にも置いてありそうな安っぽい品だ。彼女が好むような一品とは思えないが。
俺の疑問に「いいの!」と言って会計を済ませるアリサ嬢。俺も同じものを買う。
「ふふ、おそろいおそろい」っとアリサ嬢が嬉しそうにしている。そうか、そんなにも友達とおそろいのものが欲しかったのか。
だったらすずかちゃんと一緒に買えばいいのにと思うのだが、彼女には彼女なりの考えがあるのだろう。黙っておこう。
「そのキーホルダー。ちゃんとつけときなさいよ!」と言ってアリサ嬢は去っていった。
さて、風呂までまだ時間があるな。何をして時間をつぶすか。
そう思っているとロビーにはやてさんがいた。話しかけようとしたがすずかちゃんと合流して話し出したのでここは引くべきか。
「あ、司郎君や。おーい」
そう思っていると声をかけられた。
仕方なく2人のそばに行くと明日一緒に京都観光をしようと誘われる。
あれ? そういうのは修学旅行前に決めてませんでしたっけ。
俺が尋ねるとこういうのは臨機応変に柔軟な思考で物事に当たるのが大切だと言われる。
要するに班を抜けて来いってことか。うーん。
せっかくのお誘いなのだがお断りした。俺にはなのフェイを監視……もとい見守るという使命があるから。
と思ったらなのはさんとフェイトさんも誘うらしい。そういうことはもっと早くいってよ!
ぜひ参加させていただきますと2人に頭を下げてお願いした。
で、風呂の時間。
「うおっ、デッカ」
「腹筋6LDKかよ」
「失礼ですが前世はボディービルダーでいらっしゃる?」
と他のクラスの連中にさんざん言われてしまった。それもこれもヴィータっていう赤い悪魔が悪いんだ。
風呂上がりに涼んでいるなのフェイを発見! 激写! 激写!
あぁ^~推しの湯上り浴衣姿いいですわぞー!
「あっ、司郎君」
「司郎、温泉広かったね」
しまった、見つかってしまった。
仕方ないので俺は2人と会話をすることにした。ロビーからちょっと出た玉砂利の敷き詰められた庭には赤い布がかけられた木椅子があって、そこに2人座って涼んでいる。
「ここからだと空がよく見えるねー」
「ええ。星がきれいです」
なのはさんの言葉に目を上にやり感想を言う。
町の近くだというのに空には星が多く見える。時期的なものだろうか。
「こういうの見てると、世界中が平和に思えてくるよね」
とフェイトさん。
心優しい子だな。と同時にそうでないことを知ってる子だ。
こんな子が心穏やかに生きる世界を全人類は目指さないといけない。そうは思わんかね?
「司郎、私ね。司郎の事だい、だい」
「フェイトちゃん?」
「大感謝してるの!」
顔を真っ赤にして言うフェイトさん。いえいえ。俺のやったことなんて微々たるものですから。
「そんなことない。母さんや姉さんを助けてくれて。私も助けてくれて。だから、だからね」
ぎゅっと俺の手を握って目をまっすぐ見つめてくる。
「困ったことがあったらいつでも言って。なんでも……は司郎怒るんだっけ。私ができるだけのことは全部するから」
その言葉に顔が真っ赤になる俺。ちょっとそんなにわっと感情の塊をぶつけられても。
心の準備が、とまごまごしているとなのはさんが間に入ってくれた。
ほっと一安心。
「もー、2人とも焼けちゃうな―。私も仲間にいーれて」
「なのは?」
「ええもちろんですとも。2人で好きなだけイチャイチャしてください」
俺はそれを録画しますので、とムラサメを手にして言うと2人の顔が曇った。
「司郎、そういうとこだよ」
「そういうとこなの。司郎君」
え? 何が? ぷんぷん怒りながら自分の部屋へと帰っていく2人。それを俺は茫然と見送るのだった。
修学旅行のお約束イベントといえば? はい、女子部屋へ行こうとして捕まる男子生徒の正座姿です。
俺の部屋では俺以外の5人が「女子部屋行ってくるぜ!」と言って帰らぬ姿となった。南無。
こういう旅行は普通に楽しむのがいいんだよ。変に色気を出すと失敗する。
前世で学んだからな。間違いない。
『主、フォウから連絡が来ています。読み上げますか?』
そんなことを考えているとムラサメが言ってきた。フォウというとはやてさんに渡したやつか。
読み上げてくれと言うと女性の合成音声が室内に響く。
『ふぇーん、姉さん助けて―』
助けを求める声に何事かと映像を見せられて、俺は思わずずっこけた。
はやてさん、なのはさん、フェイトさん、アリシア、すずかちゃん、アリサ嬢が俺たちの部屋の前で正座している動画だった。
あんたら、何やってるんですか。
結局そのまま30分ほど女性陣は正座をさせられた後、解散を命令されて自分たちの部屋へ帰っていった。
それから10分後、ムラサメにまた通信。『司郎君、私たちの部屋に遊びに来てほしいの』らしい。
「お断りします」と返信してその日は寝た。
次の日の女性陣は寝不足気味で行きのバスで全員眠っていたが女子たちの内緒のお話を夜通しやっていたのだろうか。
そういう思い出があるのは素敵だなと思いながら、俺は修学旅行2日目を楽しむのだった。
なのは「司郎君、いつ来るかな?
フェイト「司郎の事だからすぐ来るよ」
アリシア「たのしみー」
はやて「来たら何話そうかなー」
アリサ「みんなソワソワして、まだまだ子供ねー」
すずか(そういうアリサちゃんが顔一番真っ赤)
~30分後~
なのは「来ない、ね」
フェイト「なにかあったのかな?」
アリシア「しろうまだー?」
はやて「まあ、じっくり待とうや」
アリサ「この私を待たせるなんて、何をやってるのかしら」
すずか(心配するアリサちゃんかわいい)
~1時間後~
なのは「もう我慢できないの。突撃してくるの」
フェイト「駄目だよなのは! もう1回捕まったでしょ」
アリシア「わたしもうねむいから寝るよ。しろうが来たら起こしてねー」
はやて「おかしい。フォウちゃん、ちゃんと連絡したんよね」
フォウ・ムラサメ『もちろんだよお姉ちゃん』
アリサ「じらしすぎなのよあいつ。来たら全身くすぐってやるんだから」
すずか(想像して顔を真っ赤にするアリサちゃんかわいい)
~3時間後~
なのは「司郎君、来ない……ぐぅ」
フェイト「なのは、寝ちゃダメ……ぐぅ」
アリシア「ぐぅぐぅ」
はやて「おかしい、こんなはずやなかったのに……ぐぅ」
アリサ「ぐぅぐぅ」
すずか(アリサちゃんの寝顔かわいい)「ぐぅ」
フォウ・ムラサメ『寝たね』
アン・ムラサメ『フォウ、状況はどうですか?』
フォウ・ムラサメ『あ、お姉ちゃん。みんな寝たよ』
アン・ムラサメ『それは何よりです』
フォウ・ムラサメ『でもよかったの? マスターの返信を彼女たちに教えなくて』
アン・ムラサメ『いいのです。もし返信内容を彼女たちが知ったらこの部屋に乗り込んできたでしょうから』
フォウ・ムラサメ『まあ、そうだろうね』
アン・ムラサメ『すべては主の貴重な睡眠時間の確保のためです』
フォウ・ムラサメ『お姉ちゃんがマスターを独り占めするためじゃなくて?』
アン・ムラサメ『フォウ? そんな事実はありません。いいですね』
フォウ・ムラサメ『アッハイ』