無能力転生者はリリカルなのは世界で生き延びたい(令和版) 作:百男合
小学校卒業。中学生に。
国連危険生物調査機関【EXCEEDS】発足。
なのフェイに八つ当たりで倒される侵略種くんかわいそう。
空を飛んで離島を目指す俺。
当然瑞穂の空中レーダーに引っかかるはずなんだが無視されてる。
それはEXCEEDSだから特別ってわけじゃなくて空中移動型の侵略種と見分けがつかないからもう無視しているらしい。
君ら、軍の人間だよね? よその国が領空侵犯してきたらどうするの?
まあ、そんな考えが浮かばないほど侵略種が身近で戦争なんかできないくらい手一杯というのがこの世界なんだろう。
決して、決して国連や軍内部が腐敗しているとかじゃないはず。
俺は思い浮かんだ考えを打ち消して離島の海女取島を目指す。
その途中邪魔してきた空中移動型の侵略種はライフルで打ち落としておいた。
射線上にいたお前らが悪い。
で、見えて来ました島の形。ん? カメラちょっとズームインして。
なんか女の子が銃ぶっ放してトカゲ型侵略種倒してるんだけど。この世界では普通の光景なのかな?
父さんが見たらブチギレそうなんだけど。
本当についてこなくてよかったかもしれないな父さん。子供が銃持ってドンパチしてる世界って聞いたらブチギレそうだもん。
この世界の大人は何考えてるんだって。
さーてそのドンパチ少女なんですが囲まれてる。具体的にはトカゲ型とクモ型に。
クモ型は後から現れて弾切れの少女を狙ってたのかな。頭のいいやつだ。
俺はライフルを構えクモ型の膨らんでる腹を撃つ。ついでに顔面も。
盛大に破裂してクモ型の侵略種の体液が盛大に少女にかかる。いわゆるぶっかけと言うやつだ。
まあ、血の色が色だけに性的なものは一切感じないんだが。
砂浜に近づくと一気に高度を上げて空中でMS形態に変形する。
それから地上へ降りてへたり込んでいる少女に手を差し出した。
「大丈夫ですか?」
「……たしの」
え? なんて?
声を聴こうと耳を近づけるとがっちりつかまれました。
「アタシの3万円がー!」
うわっ、耳がキーンとする。
なんかしらんが怒ってらっしゃる。
とりあえず俺は古来より伝わる方法でこの場を収めようとGメモリを引き抜き、砂浜に頭をこすりつけた。
「すいませんでした」
真木司郎、異世界に来て初めての土下座だった。
ドンパチ少女の名前は久瀬シイナさんというらしい。
ミディアムヘアで胸の発育がいい17歳だと。海の家備え付けのシャワーで侵略種の体液を洗い流した後教えてくれた。
害獣駆除ハンターとして侵略種退治で生計を立てているらしく、さっきの俺の行為は苦労してギミックを外して体力を削ったレイドボスを後からやってきたやつがとどめさすくらい御法度の行為だったんだとか。
「そうとは知らずご無礼を。危険な状況に思えたのでつい」
「まあ、君の言う通り危険な状況だったよ。本来はお礼を言わなきゃいけないんだけど」
と複雑そうな顔をするシイナさん。「でも3万円がなー」と逃してしまった大物に未練たらたらのようだ。
「いや、5千円とか1万円ならまだ我慢できるのよ。でも3万。5万より低くて2万円より多い代物。めったに出ないちょうどいい敵だったから」
なるほど、クモ型はレアなのか。また1つこの世界に詳しくなったぞ。
現在俺たちはシイナさんの家に向かって移動中。シイナさんが助けてくれたお礼にお茶でもというのでついていっているところである。
あ、その前にスーパー寄るんですか? 俺におごらせてください。お茶菓子代くらいは出します。お詫びなので。
と言ったら1か月分くらい食料を買い込みやがったよこのドンパチ女。遠慮しないな!
「いやーごめんね。もともと今日は食材を買い込む日でさぁ」と笑顔のシイナさん。本当でしょうね?
「ただいまー。セツナ、いるー?」
シイナさんの呼び声にぱたぱたとこちらへやってくる幼女。
といっても俺とそんなに年齢変わらなさそう。
「おかえりしーちゃん。この人は?」
「そういえば君、誰クンだっけ? 名前聞いてなかったや」
おい、いいのかそれで。まあいいや。
「真木司郎といいます。今日は魔人事件の調査でこちらに来ました」
俺は言葉と共に画像を宙に浮かべる。ムラサメが見つけた魔人化の兆候がある人間の写真だ。
「この男、見たことありませんか? この島に来てるはずなんですが」
「知ってるしーちゃん?」
妹の声にいや、知らないとあっさり切って捨てるシイナさん。
うーん、ハズレかぁ。
「もし見かけたらこちらのアドレスに連絡を。ムラサメ、この2人の端末にデータ送っといて」
『了解しました。我が主』
ムラサメの言葉と共に2人の持っていたスマホっぽい端末に俺の名刺データが転送される。
「うわ、今の何? 誰がしゃべったの?」
「本土のスマホはシャレてるねぇ。しゃべった言葉に反応して自動でやってくれるんだ」
純粋に不思議がるセツナちゃんとあくまで最新の機械として俺のムラサメを見るシイナさん。
うん、これ別世界の技術なんだ。ついでに最新じゃなくてもう5年の付き合いになる。
とりあえず約束通りお茶をいただいて俺の年齢について驚かれたり、最近変わったことがなかったか、知らないやつがいなかったか聞いて久瀬家を後にした。
あと写真の男を見ても決して抵抗しないで逃げるようにと念を押しておく。
一般人が下手に戦うと間違いなく死ぬしね。シイナさんは銃の扱いはうまくてもそれはあくまで侵略種用。魔人には効くかどうかあやしい。
「とりあえずフェリー乗り場の監視カメラを洗うか。で、その後は行動パターン処理。できるかムラサメ?」
『私を誰だとお思いで? それくらい私単体の処理速度でも10分はかかりませんよ』
つまりムラサメネットワークを使えば一瞬と。頼もしい返事が返ってきた。
そんなことを考えながら俺はフェリー乗り場に急ぐのだった。
『データ出ました。写真と一致する顔の男はまっすぐに久瀬家を目指しています』
ムラサメの言葉に俺は首をひねる。
そんなこと言っても誰ともすれ違わなかったぞ。
いや、誰ともすれ違わな過ぎた?
離島とはいえ人っ子1人いないのは異常じゃない? なんか空も曇ってきてるし。
まさにこれから悪いことが起こりますよーっていうシチュエーションじゃない?
『主、セツナ様から着信。例の男と遭遇したそうです」
そんなことを考えているとムラサメが伝えてくる。
「急いで向かう」
『エアマスター!』
Gメモリをムラサメに挿しファイターモードで先ほどまでいた久瀬家を目指す。
「おいおい、嘘だろ」
久瀬家は犬型の侵略種によって蹂躙されていた。
侵略種を倒しながら家の中に入り久瀬姉妹を探すが見当たらない。逃げてくれたのか?
「ムラサメ、急いで久瀬シイナと久瀬セツナの居場所を端末から割り出して俺に教えてくれ」
『了解、完了したのでデータを送ります』
早いな。さすが俺のデバイス。
デバイスに従いその場に向かうと多くの侵略種が廃ビルを囲んでいた。
今度の魔人は侵略種を操る能力を持ってるのか?
そんなことを思いながら廃ビルの前につくと別のGメモリを挿入する。
『レオパルド!』
右腕のグレネードランチャーと左腕のインナーアームガトリングで犬型侵略種を掃討。そのまま足裏のローラーキャタピラで高速移動しながら廃ビルに入る。
すると見つけた。久瀬シイナだ。生死は不明。
そして一緒にいる炎をまとった女性は……まさか、久瀬セツナ?
あの姿は魔人? まさか彼女も魔人だったのか?
ええい、今はそんな事どうでもいい!
俺はセツナの目の前にいる手配中の男に向き直る。
なんか幽遊白書の戸愚呂弟みたいなやつだな。身体が硬質化して腹を縦に割るような大きな口。タイラントかアリオク様かお前は。
「止まれ、国連危険生物調査機関【EXCEEDS】だ」
俺なんか最初から眼中にない様子の2人。ちょっと話聞いてよ。
「お前には選択肢がある。今すぐ魔人化を解き投降するか、今ここで俺にやられるかだ」
俺なんか無視して炎の魔人に向かっていく硬質化の魔人。こいつら話聞きやしねぇ。
致仕方なし。
俺は全弾発射し硬質化の魔人側にいる2足歩行で鹿の角を付けたような侵略種を
硬質化の魔人は相変わらず炎の魔人しか眼中になく彼女と戦っている。
その隙、つかせてもらうぞ。
『ケンプファー!』
強襲用のゴーレムを身体にまとうとチェーンマインで硬質化の魔人を拘束。
「いくら硬くても、口の中はどうかな?」
拘束して動けなくなったところにシュツルムファウストを2発、口の中に突っ込む。
そんで爆破。
もうもうとする煙の中、硬質化の魔人が倒れる。その残骸を炎の魔人が吸収していた。
こいつ、他の魔人をエネルギーとして吸収できるのか?
俺は油断なく
「君は、久瀬セツナちゃん?」
炎の魔人は黙ったままだ。俺は交戦の意思はないと示すためにGメモリを引き抜き武装を解除した。
「こちらに戦闘の意思はない。もしこちらが手伝えることがあるなら言ってほしい。できるだけ力になる」
「なんで」
ぽつりとつぶやき炎の魔人は俺をにらみつけた。
「なんで、もっと早く来てくれなかったの!」
一瞬何を言われたかわからなかった。
が、彼女の後ろにいる久瀬シイナが大量の血を流している姿に俺は反射的に動いていた。
「どいて! ムラサメ、彼女の体調と蘇生方法!」
『まだ心臓は動いています。大量の血液量が心配ですが輸血すれば問題ないかと』
「今から病院に運んで間に合うか?」
『ここは瑞穂の離島なので本土まで運ぶ間に失血死する確率が80%。お勧めできません。血縁者からの輸血にかけるしかありません。緊急用の医療キットは用意してありますよね』
俺は炎の魔人――セツナちゃんに声をかける。
「君の血液型はシイナさんと同じか? もし同じなら血を分けてほしい」
だが俺の言葉にセツナちゃんは首を振った。
「私はしーちゃんと血がつながらない義理の妹だから。それに血液型も全然違う」
クソっ! だったら。
「ムラサメ、この集落にいる人間のデータを表示。彼女と同じ血液の人間をピックアップしこの場所から近い人間を調べ上げろ! その間俺は止血作業をしておく」
『市役所の記録にアクセス。調査完了。該当人数は28名。ここから1番近い人間は』
「待って!」
ムラサメの言葉をセツナちゃんが遮る。それから炎の魔人の姿のまま、シイナさんに近づいてきた。
「ごめんねしーちゃん。恨んでくれても、憎んでくれてもいい。あなたにこれから過酷な運命を強いると思う」
俺は嫌な予感がした。「待て」とセツナちゃんを止める声をかけるが間に合わない。
「でも、もうこれしか方法がないから。私の全部、受け取ってね」
次の瞬間、炎の魔人が火の塊になって久瀬シイナの胸に吸い込まれていった。
あっという間の出来事だ。止める暇もない。
『血圧、正常値に上昇。全身の傷が治癒していきます。これは……信じられません。不可逆的な超自然治癒力で久瀬シイナの肉体が回復していきます』
これは、ユニゾンか?
その姿にリィンフォースⅡとユニゾンしたはやてさんやヴィータの姿が重なる。
シイナさんの髪の毛が炎が燃えるようにだいだい色に揺れながら光った。
閉じられていたシイナさんの目が開く。
明るい太陽の色のような目が俺を見る。それから誰かを探すように周囲を見渡した。
「あれ、セツナは? 真木君、セツナを知らない? ここに一緒に逃げてきて、あ、あの男に私たち襲われて」
俺はどう言葉を告げればいいかわからず一瞬黙る。が、事実は受け入れねばならないと口を開いた。
「硬質化の魔人――あなたたち2人を襲っていた男は俺が倒しました。妹さんは……久瀬セツナさんは」
「ぷはぁ!」
俺がシリアスな空気を出しながら姉に妹の死を告げようとした瞬間、そんな声を出してセツナちゃんがシイナさんの胸元から出てきた。
あのでかい胸の谷間からもるんと。
「はぁあああ?」
その姿に驚く俺。絶叫するシイナさん。
そして出てきたセツナちゃんはというとばつの悪そうな顔で俺とシイナさんを見て、てへ☆ と舌を出して言った。
「なんか、大丈夫だったみたい。心配させてごめんね」
「セツナぁあああ!」
そんな妹を力いっぱい抱きしめるシイナさん。髪の色は元に戻っている。
俺はホッとするやら力が抜けるやら。とにかく「よかったですね」と言うしかなかった。
久瀬セツナ
炎の魔人。
本編と違うのはユニゾン型の能力を持つこと。
一体化してシイナの能力をあげるとともに、本編通り倒した侵略種のエネルギーを自分のものにできる。
姉と一心同体になれるなんて百合姉妹にピッタリな能力だぁ。
「お姉ちゃんの胸の中、あったかいなりぃ」
久瀬シイナ
炎の魔人の力を借りる狩人。
セツナが死んでないので本編の形見の上着を腰に巻いてない。
本編と違い瀕死のセツナではなく十全の状態のセツナと契約したため能力は1,5倍くらい。
具体的には本編3話くらいの実力。これからもどんどん侵略種をぶっ潰していこうぜ!
「本編より守銭奴っぽい? ここ海鳴市じゃないから行政がクソなのよ。お金は大事」